(26.4.8) NHK 細胞ミクロの大冒険その3 老いと死
細胞ミクロの大冒険のその1、その2は以下参照
その1http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/2641-nhk-3d2c.html
その2http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-fe96.html
今回の細胞ミクロの大冒険シリーズを見てつくづく感じたのは、人間は20歳前後で生殖をして子孫を残すと原則的には後は死を待つだけのように体のつくりができていることだった。
何か石狩川のサケのようであり、3年程度たって故郷の川に戻ってきては産卵し後はタダ死亡していくサケと運命を重ねてしまった。
それというのも人間の基本的な細胞である神経細胞や免疫をつかさどる免疫T 細胞は20歳前後までは突起を伸ばしたり分裂して増殖するがそれ以降は新たに発生せず、この20歳前後までできた細胞を一生使い続けなければならないからだ。
これは人間の寿命を20才程度と定め、子孫を残せば肉体としては終わりと言っているのに等しい。
長い間人類はその程度の寿命で生き続けてきたが、食料が十分入手できる農業革命や環境を自分の思いのままに変えられる産業革命、そして最近の医療革命によって人類の寿命は極端に長くなったが、このことが本来の人間の仕組みと齟齬をきたしているのが病気だと言うことを知った。
今回の「細胞ミクロの大冒険」その3は「老いと死」だったが、なぜ人間が死に向かうかの最大の原因が免疫細胞の中枢である免疫T 細胞の誤作動が人間の老化であり死であることを教えていた。
この免疫T細胞は20歳前後の細胞を生涯使い続けているのだが、誤作動はいわば中古の自動車をあまりに長い間使ったためにブレーキが作動しなくなったようなものだ。
免疫細胞は2兆個あまりあるのだが大きく分けて3種類あり、異物偵察専門の樹状細胞、そして樹状細胞の情報を分析して敵か味方かを判別しても敵ならばサイトカインという攻撃命令を出すT細胞、さらにT細胞の指令を受けて敵を攻撃するマクロファージからなっている。
この中でT細胞は司令部という役割だが、この司令塔にボケが始まると敵を認識できなくなる。
T細胞が敵味方を判別する方法は細胞の表面にいろいろな形をしたレセプターを用意しておき、そのレセプターに合致した物質を異物として攻撃するのだが、私のように67歳になるとそのレセプターがすり減って異物が敵かどうかの判別ができなくなるのだそうだ。
そうなるとマクロファージは敵に対して攻撃しないばかりか、T細胞がぼけて正常細胞を攻撃する命令まで出すので、体内のあらゆる場所を攻撃するようになり動脈硬化や脳梗塞や糖尿病と言った成人病が発生するのだという。
「何ということだ。ボケは神経細胞だけかと思ったら免疫T細胞もぼけてしまうのか・・・・・」
今までの医学は糖尿病ならば糖尿病に対する対処療法で対応してきたが、考えてみれば免疫細胞の誤作動が根本的な原因なのだから、この免疫細胞を20歳の昔に戻してやればいいのだというのが最近の再生医療の考え方になっている。
中古自動車を数十年も使用し続けるのではなくて最新の新車に変えてしまおうというのだからすごい。
山中伸弥教授が開発したiPS細胞がまさにそれで、たとえば自分の皮膚の一部から細胞を取り出し、ここに山中ファクターという遺伝子を組み込むと、この皮膚細胞が幹細胞に逆戻りする。この幹細胞からたとえば新鮮なT細胞を培養して体内に戻してやれば、ボケが治ってまた20歳代の元気だった免疫細胞が活動することになる。
糖尿病も脳梗塞も慢性腎炎もおよそ成人病と称する病気はこの免疫細胞の誤作動が原因だから私でも成人病から逃れることができるようになるという。
「いやー、これはすごい。もう少し生き続ければこうした免疫細胞の再活性化が可能になるんじゃないか。俺は再び20歳代の若者だ!!」なんて興奮してしまった。
私の最大の悩みは聴神経が死滅してしまってまともな会話が成り立たないことだから、山中ファクターで再生できるならば真っ先に臨床試験に応じたいくらいだ。
もっとも実際は副作用の問題や倫理上の問題や費用の問題等があって一足飛びにそうした夢のような再生医療は実現できないだろうが、その可能性の一歩手前まで来たことは実に喜ばしい。
老人を若者に戻せば病気がなくなるというのは卓見だと思う。
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