(2.7.15) 人類衰亡史序説 ファーウェイ その1 サムスンは西側の企業か、中国のポチか?
ファーウェイ排除に鵺(ぬえ)的な態度をとっていたイギリスが明確に排除に乗り出した。それまで通信機器の35%までファーウェイの参入を認めるとしていたものが、全面的に禁止し2027年までにゼロとするというものだ(35%というのは現在のファーウエイのシェアにほぼ見合っている)。
ファーウェイ製品は他の競合他社に比較して安価であり、本音としてはファーウェイ様様だが、ファーウェイは実質的に中国共産党の別動隊であり、いつ何時バックドアを仕掛けられるかわからない。
「やはりこれはアメリカのいうようにトロイの木馬だし、安全保障の面で中国を信頼することはできない。ファーウェイ製品の使用はやめよう」
注)ファーウェイは基地局のサーバーとスマートフォンのような端末を安価に販売している。重要なのは基地局のサーバーで、すべてファーウェイ製品になるとここを通るデータはファーウェイのサーバーに蓄えられそれを共産党サイバー部隊がデータ解析を行うことができる。もちろん重要なデータは暗号化されているが、中国にはその暗号を解く高性能コンピュータが存在する。
現在ファーウェイ製品を完全にまたは実質的に排除した国は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、そしてイギリスとなった。
現在は5Gの標準規格をどこが握るかで熾烈な競争が起きているが、今まではファーウェイが圧倒的に優位に進んでいた。基地局と端末をセットで安価に売り込める企業はファーウェイだけだから、ノキアもエリクソンもほとんど世界市場から蹴散らされている。
しかしアメリカ組がファーウェイを使用しないとなると、ノキア、エリクソン、サムスン、NECといった西側企業が息を吹き返すことができる。
この中でアメリカが最も警戒しており、抜け駆け的に中国とつるみそうなのがサムスンである。韓国はアメリカと中国の両天秤外交を進めてきており、特にサムスンの半導体はファーウェイの通信機器や端末の心臓部になっている。
現在韓国の経済は真っ逆さまに墜落しているが、一人サムスンの半導体部門は中国への輸出が好調で、4~6月のサムスンの営業利益は23%の増益になっている。
サムスンが増益になったのは中国から半導体の注文が増加したからだが、台湾の半導体大手TSMCが中国向け半導体の輸出を停止したため中国としたらサムスン以外に高性能の半導体を売ってくれる相手がいなくなってしまった。
しかしこれをアメリカが黙って見過ごすはずがない。
「ファーウェイを西側の通信網から排除するため、台湾のTSMCに高性能半導体の供給を止めさせたのに、その間をぬってサムスンが半導体の販売を増加するとはどういうことか。韓国は中国のポチか!!」
文政権は本音の本音は中国のポチであり、サムスンがファーウェイに高性能半導体を売却することは文大統領の思惑通りだ。しかし一方でアメリカの怒りを買うのもまずい。何しろ安全保障を完全にアメリカに依存しているのは日本と変わりがない。「くそ、中国の衛星国になるのが私の夢だが、アメリカが許してくれない。アメリカは日本のようにただたたけばいいだけの相手ではなく、貿易と金融と安全保障をアメリカに依拠せざる得ない立場だ。だがサムスンの半導体を中国に売らないとしたら一体どこに売ればいいんだ」
文政権は丹頂鶴で、頭がまっかっかだから政治的には中国の衛星国だが経済実態は西側の一員だ。政治と経済が分離し、精神分裂症患者のようで自分でも制御できないような状況だ。
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