(2.4.23) 人類衰亡史序説 治療薬 その1 アビガンがんばれ
現在世界ではコロナ感染者数が260万人を越え、死亡者は18万人を越えている。この数字は把握できた患者数と死亡者数で研究者の間では実際の感染者数と死亡者数はこの10倍はいるのではないかとの指摘がある。
さらに問題はこの感染は収まるどころかところを変えて猛威を振るっており、当初は中国、次はヨーロッパ、そして現在はアメリカだがこうした国ではようやくピークは過ぎたと認識されているものの、次はアフリカと南米がパンデミックの中心になりそうだ。
コロナウイルスに対して現在までのところワクチンも治療法も確立されてないため、唯一の有効な手段は隔離であって、人と人が接触しないことが唯一の感染防止策になっている。この方針に従って世界の主要都市や国家が都市隔離や国家隔離を実施しており、人々は原則家に引きこもっている。
しかしこの隔離政策は経済に対し甚大な影響を与えており、1から3月までのGDPは約3割程度縮小するものと予測されている。
そのため今急がれる案件はワクチンの開発と治療法の確立だが、新薬の開発には通常でも1年から1年半はかかるため当面の対応に間に合わない。
そこで各国が挙げて研究しているのがすでに承認されている既往薬でこの新型コロナウイルス治療に役立つ薬はないかどうかの研究で、盛んに治験が行われるようになった。
現在までのところいくつかの薬品が候補に挙がっているが、その中に日本の富士フィルムが開発したアビガンという薬が有効ではないかとの報告が中国の研究者から上がっている。
アビガンは抗インフルエンザウイルス薬で、新型インフルエンザに対して効果があるといわれており、そのメカニズムはインフルエンザウイルスの増殖を阻害するからだという。
実はインフルエンザウイルスとコロナウイルスは共通点があり、それはRNAウイルスということで、これはDNAが2本鎖なのに対し、1本鎖ウイルスであるところが同じで、アビガンはこの1本鎖ウイルスが複製する時の酵素の働きを阻害するのだそうだ。
現在日本でも最後の第3相の治験を行っており、この3相の治験が6月には終わるというから有効であれば治療薬として日本政府から承認を与えられることになる。
中国武漢大学での臨床実験では投与をした場合と投与をしなかった場合を比較すると、解熱作用と咳を止める効果が、日数にして約半分になったというから日本での治験で同様の効果があればこれはかなり有効な治療薬になりそうだ。
現在世界経済は大恐慌前夜になっており、アメリカの失業率は大恐慌時のそれに近づいている。原油などは購入する人がいなくなりWTIの5月物は一時マイナス40ドルになってしまったし、現在の9月渡しのWTIも20ドルを切って、サウジもロシアもアメリカも真っ青になっている。
航空機会社は乗客率が従来の10%程度に落ち込んで、とうとうオーストラリアのバージン航空は倒産したし、これからますます多くのキャリアが倒産してしまうだろう。
ワクチンや治療法の確立が何より待たれており、アビガンがその一翼を担えれば日本は全世界に貢献することになるので安倍首相も熱心にあとおしをしている。。
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