(2.7.7) 人類衰亡史序説 世界経済 その2 大恐慌の時代
ブラジルのボルソナロ大統領が38度の高熱を出し、コロナ感染が疑われるため病院でPCR検査を受けている。
ボルソナロ氏は「コロナは軽い風邪に過ぎない。心配せずに生産にいそしめ」と経済優先主義を公言してはばからなかったが、自らコロナが単なる風邪かどうか人体実験をする羽目になりそうだ。元首がコロナに感染した例はイギリスのジョンソン首相がいて、ジョンソン氏は九死に一生をえて生還したが、ボルソナロ氏は果たしてどうなるだろうか。
ボルソナロ氏は65歳で老人の部類に入り、またジョンソン首相と似た肥満体だから、コロナに感染したとすれば「軽い風邪」程度で収まる可能性は低い。集中治療室で悪夢を見、ジョンソン氏と同様に看護師が天使に見える経験をするかもしれない。 ブラジルの感染者数は162万人で、死亡者数は6.5万人で、これはアメリカに次いで世界第二位になっている。いずれの大統領も病状を軽視し経済優先を声高に叫んでいるが、この2か国にコロナウイルスが集中的に攻撃を仕掛けているのは象徴的だ。
アジア諸国やヨーロッパ諸国は経済とコロナ感染のバランスを巧みにとるように政権運営をしており、アジアの感染者数は相対的に少なく、またヨーロッパでも感染者も死亡者も減少している。
コロナ対策はまさにバランスの問題で、経済だけに特化するとブラジルとアメリカのようにとめどもなく感染者が増大し、死亡者もそれにつれて増大して医療資源と人的資源の損失が莫大な額に達してしまう。
一方感染対策一辺倒になると北朝鮮のように人々が飢えて死亡してしまい「コロナで死んでも飢えで死んでも同じ」といった状態になり、
「もうやけだ、ケソン工業団地の連絡事務所をぶっ飛ばしてしまえ」とひどく心が荒れてしまう。第一次世界大戦時はスペイン風邪の大規模なパンデミックが発生したが、ドイツ軍を指揮したルーデンドルフが「あの忌々しいスペイン風邪がなかったならわがドイツ軍は勝利していただろう」と述べていたぐらい感染症の影響は大きい。
今回のコロナ感染症でも世界史を揺るがすような影響が出ており、世界経済が急ストップしてしまい、アメリカをはじめあらゆる国が5から10%の間でGDPが低下してしまうだろう。
(ただし中国はいつものように国家統計局が大健闘してGDPの急回復を演出する)
客観的に見れば1929年の大恐慌の再来で、世界には100年を隔てて経済基盤を根本から揺るがす大変革が起こっている。これを山崎経済研究所の山崎所長は100年を周期とする景気の「山崎の波」と定義し、世界のパラダイムの変革を促す大波と主張している。
1929年の大恐慌ではケインズ革命により政府の経済に対する役割が劇的に拡大しかろうじて経済崩壊を救ったが、今回のコロナ恐慌ではその政府による経済の支えが崩壊し、世界的規模の生産縮小が起こると山崎所長は予測している。
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