(2.6.11) 人類衰亡史序説 ブラジル その2 あんた感染者数を何とか隠せない!!!
ブラジルのボルソナロ大統領がブラジルの感染者数が世界第二位、死亡者数が第三位になったのを嫌がって保健省に圧力をかけた。
「あんた、これではブラジルが世界の笑いものになってしまう。何とか感染者数と死亡者数を国民の目からそらすことができないか!!」
「大統領、感染者数と死亡者数の報告はWHO加盟国の義務で我が国もWHOのメンバーです」
「あんた、大統領とWHOとどちらがえらいと思ってるんだ!!!」
保健省は仕方なく5日から累計数字の発表はストップして、新規の感染者数と死亡者数の発表だけに変更した。
しかしジョンズ・ホプキンス大学のコロナ感染者数と死亡者数は今までの累計に新規の感染者数等を加えて発表しているから、いくら隠しても足し算の出来る人には効果かがない。
「大統領、いくら累計を隠してもブラジル国民は算数ができるので無駄でした。それに足し算ができない国民はジョンズ・ホプキンス大学発表数字をインターネットで検索しています」
さらに大統領に都合の悪いことに最高裁が今までと同じ数字を公表するように保健省に命じた。
「馬鹿げた隠ぺいをやめて、正しい数字を今まで通り公表しなさい」
大統領はブラジルが三権分立だったことを気付かされて歯ぎしりしたが、ボルソナロ大統領も居直った。
「我が国はベネズエラや北朝鮮や中国のような独裁国家ではない。民主主義国家であるブラジルでは大統領権限で隠ぺいしようとしても隠ぺいできないことは(残念ながら)最初からしっていた」
9日からもとに戻して累計数字も発表されている。
ブラジルにはファベーラという貧民街が大都市周辺にあり、そこに約1200万人の貧民が暮らしている。そこの秩序を実質的に牛耳っているのはギャング集団で役人は近寄れないアンタッチャブルだ。
医療などなきに等しくコロナにかかってもただひたすら体力で回復を待つより仕方ない。ギャング団がファベーラの住民の苦境を見て、食糧や医薬品の支給を行っているが、ブラジルの死者の多くはファベーラの住民だ。
ボルソナロ大統領が本気になってコロナ対策をしないのは、ギャング集団がはびこるファベーラ住民がコロナで死に絶えればそれこそ好都合だと考えているからだ。
「ファベーラの住民はブラジル国民でなくギャングの手下だ。いつも殺し合いばかりしているのだからコロナで死んでもさして変わりがない。わが愛するブラジル国民の死亡者はほとんどいないのだから、気にせず生産にいそしもう」
ボルソナロ大統領の鼻息は荒いままだ。
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