(2.10.17) 人類衰亡史序説 ロシア6 ロシアに吹きすさぶマローズ、ロシアの明日はいつ来るのか!!
コロナの影響でどこもかしこも経済は散々だが、特にそれが政治にも表れている国の一つにロシアがある。このところのロシア経済及びロシアを取り巻く政治情勢は最悪になっている。
ロシアの影響下にある周辺国のうちベラルーシとキリギスでは不正選挙に端を発した抗議デモが激化しており、キリギスでは大統領が辞任したが、一方ベラルーシでは反対派をルカシェンコ大統領が弾圧して何としても政権にとどまろうとしており、その大統領をロシアが懸命に支えるという構図になっている。
しばらく前まではルカシェンコ氏はロシアを毛嫌いしており、ロシアが提案したベラルーシとロシアの再統合に対し、「我が国はヨーロッパとともにある(野蛮なロシアより洗練されたヨーロッパがいい)」などとプーチン大統領の心を逆なでしていたが、足元が危うくなって今ではプーチン氏の子猫になり下がっている。
プーチン氏としてはこの腹黒いルカシェンコ氏を援助するのは本当はしたくないのだが、今のところは野党よりましというところで懸命に支えている。
一方キリギスはこちらも最近行われた選挙で不正選挙を糾弾されて、あっさりと大統領が辞任してしまった。プーチン氏がお祝いのメッセージを送ったとたんの辞任だ。ロシアやその周辺諸国の選挙はどこも不正だらけで、最初からいかさまの投票用紙を用意して現職の大勝利を演出してきたが、西側のメディアに出口調査をされてすっかりその手口がばれてしまった。
さらにアゼルバイジャンとアルメニアの間でナゴルノカラバクをめぐる紛争が再発しているが、この戦争の本当の主役はトルコでトルコ系の傭兵や戦闘機まで投入してナゴルノカラバクを攻め立てているため、アルメニア側はひどい劣勢に立たされている。ようやロシアの仲介で停戦にこぎつけたが、優位なアゼルバイジャンが戦争を止めるわけがなく、ナゴルノカラバク開放を目指しているので仲介をしたロシアの面目丸つぶれだ。
こうした周辺諸国の騒動に加えて、プーチン氏に対抗していた野党勢力の指導者ナワリヌイ氏をロシアの秘密警察が毒殺を試みたが、ナワリヌイ氏がドイツに搬送されたためすっかりロシア得意の毒殺がバレてしまった。EUからはこの毒殺にかかわった秘密警察の長官と部下が制裁対象になっており、EUとの関係はドイツを含めてひどく冷え込んでしまった。
どれもこれもその遠因はコロナウイルスによるロシア経済の大失速にあって、原油価格がバーレル40ドル程度ではとてもロシア国民の福祉の面倒は見られないし、足手まといの外国のことに首を突っ込む余裕をなくしている。
ロシア経済の低迷、周辺諸国の大騒動、そして自らまいた種とはいえ毒殺がばれてしまってEUから制裁を受け、何とか仲良くしてくれるのは世界の嫌われ者中国だけになってしまった。
プーチン氏の栄光にも陰りが見られ、せっかく憲法を改正して3期目の大統領になろうとしたが、もはや気の休まるところなどまるでなく、ひたすらマローズに耐えているというのが実体だ。
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