(30.3.8) 「そだね-娘」が北見市と北海道を救う。
北海道北見市長がうれし涙で泣き崩れていた。北見市常呂町をホームグランドにしているLS北見が平昌オリンピックで銅メダルを獲得し、その報告に北見市庁を表敬訪問したときのことだ。
私はこの北見市長の気持ちが手に取るように分かったので、私も思わずもらい泣きしてしまった。
北海道は裏さびたところだ。そう言い切ると誤解を生ずるが、日本全体が人口低減に悩む中でも特に北海道の低減は激しく、その中でも東北部は毎年のように大幅に人口が減っている。
北見市はその北海道の東部に位置しており、高齢化と人口減対策が最大の課題になっている町だ。
10年前は人口13万人程度だったが今は12万人を切っていて、明るい展望は何もなくひたすら衰亡しているというありさまだった。
しかし今回のオリンピックで日本中がLS北見にくぎ付けになり、「ところで北見とはどの辺にあるのだろうか」と初めて地図で確認した人も少なくないだろう。
私は北海道のファンだから北見市常呂町をよく知っているが、北海道のどこにでもある衰退している町だ。
マラソンファンには常呂町はサロマ100kmのレースのゴール地点だから知悉している人も多いと思うが、普通の人がすぐにイメージできる場所ではない。
だからLS北見こそは北見市にとって大輪で花開いた蓮のような存在であり、北見市を全国レベルに引き上げた誇りといっていい。
実際LS北見のメンバーはとてもチャーミングでとくにスキッパーの藤澤選手などは、「この子はなんてかわいらしいのだろう」と思わず見入ってしまうほどだ。
私は前から北海道は観光やスポーツで身を立てるのが最適で、苫小牧にいくら工場団地を造ろうとしても無駄だと思っていた。
工業の時代は当にすぎてしまい、極端に言えば北海道には農林水産業と自衛隊しか産業はなく、後は公務員だけになっている。
こうした中で昨今一躍注目を浴びているのは観光業で、特にニセコ周辺のスキー場はオーストラリアからのスキー客でごった返している。
北海道の雪質はJスノーといって外国人から見たら信じられないような夢の粉雪だからだ。
北海道はウインタースポーツのメッカとしての資質がある。ヨーロッパでいえばスイスのような立場で、常呂町がカーリングのメッカになり、ニセコがスキーやモーグルのメッカになり、札幌の大倉山周辺がジャンプや距離のメッカになればいいと思う。
工業誘致などは日本から工場が消えているときにありえず、金融特区などは東京湾周辺や大阪湾周辺といった最適地がいくらでもあるからとても競争できない。
しかし観光資源だけは世界的に見てもどこにも負けず、それをスポーツとくみあわせれば北海道が世界のリゾート地として飛躍できることは確実だ。
常呂町の「そだね-娘」がその可能性を平昌オリンピックで証明してくれた。
北見市長は喜びのあまり泣き崩れ、北見市長であったことに感無量になっていたが、「そだねー娘」の資産を絶やすことなく北海道と北見市の再生に役立ててもらいたいものだと思う。
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