(30.12.8) 米中情報戦争の戦端が切られた。 アメリカのファーウェイ潰し
ついに米中情報戦争の戦端が切られた。戦場はカナダのバンクーバーで敵将はファーウェイの副社長兼最高財務責任者で創業者の娘である。
アメリカと中国との間では現在厳しい貿易戦争のさなかにあるが、アメリカがその戦線を拡大させた。
第二次世界大戦のイメージでいえばドイツが突如ロシアに攻め込んで東部戦線で戦闘開始をしたようなものであり、日本のイメージでいえば日中戦争のさなかに、アメリカの真珠湾を攻撃して日米戦争を始めたようなものだ。
日本人にとってファーウェイという会社はあまりなじみがないが、スマートフォンの世界シェアはアップルを蹴落として現在二位であり、近い将来サムスンを凌駕するのも確実と思われている。さらに通信の基地局の世界シェアは世界NO1であり、長くこの分野でトップだったエリクソンを蹴落としてしまった。
簡単に言えばモバイル通信の分野では世界最大の企業である。
注)最近ソフトンバンクの携帯が不通になったがエリクソンの基地局のコンピュータの不具合が原因だった。携帯の不具合はイギリス等全世界的規模で同時に発生しており基地局の重要性を一般人に知らしめることにもなった。
このことがアメリカのトラのしっぽを踏んだ。最も問題なのは基地局のシェアが年々ファーウェイによって独占されつつあることであり、特に次世代の規格の5Gではファーウェイの一人勝ちが予測されていることだ。そうなると世界のビックデータと極秘情報がファーウェイに筒抜けになり、それは同時に中国政府に筒抜けになることを意味する(ファーウェイは中国政府のスパイ網である)。
基地局ではそこを通る通信すべてをチェックし保存できる。もちろん重要な通信のほとんどは暗号化されているが、暗号は必ず解ける。
それは当たり前で暗号文が通信相手に解けなければ通信したことにならないからで、そのロジックさえわかれば簡単に解読できる。
中国は現在世界最速のスーパーコンピュータを保持しており、それを使用して解読を試みれば確実に暗号文は解読されると思ったほうがいい。
アメリカにとって覇権存亡の重大危機だ。
「ならばファーウェイをトヨタ方式で叩き潰そう。レクサスの変速機には何の問題もなかったがアホナ女性がブレーキとアクセルを間違えて事故を起こしたのを利用してトヨタをたたいてGMとフォードを見事復活させたじゃないか。今度はファーウェイをたたく番だ」
政府高官A「ファーウェイは秘密裏にイランと北朝鮮に基地局を売却しているから、これはイランと北朝鮮に対する国連の制裁決議違反といえる。こいつを使おう」
政府高官B「しかし中国政府が認めませんから制裁決議違反とまでは確定できそうもないですな」
A「いや、明確にならなくてもいい。ファーウェイの基地局を世界から駆逐できればいいんだ。日本やイギリスやオーストラリアといった友好国にファーウェイ製品の購入をしないように要請した。情報が洩れると脅かせば必ず日本などは対応する。レクサスと同じで疑わしきは罰するだ」
情報戦争は貿易戦争より厳しい。貿易戦争はアメリカに雇用を取り戻すか否かの戦争だが、情報戦争で中国に負ければ世界の情報をすべて中国に握られてしまう。そうなれば20世紀がアメリカの時代だとすれば21世紀が中国の時代になってしまう。
アメリカが仕掛けたファーウェイを戦場とした情報戦争の勃発に世界の株式市場は驚愕して大幅に株価を下げた。問題の本質をよく理解している。
貿易戦争についてはまだ妥協の余地があるが、情報戦争では勝つか負けるかで一方は無条件降伏をする以外に対応がない。アメリカとのIT 戦争で日本のソニーやNECや富士通や東芝等がアメリカのIT企業に叩き潰されて2流企業になってしまったが、アメリカの狙いはそれだ。
「中国のIT企業を二流にする。世界のIT産業はすべてアメリカが牛耳るのだ」
トランプ大統領はオバマ大統領のような優柔不断ではない。
情報戦争に負ければアメリカの覇権は終わるのだから、この戦いは妥協の余地はない。
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