(31.1.20) 厚生労働省の統計はイカサマだけれど・・・・・・
いやはや大学のセンター試験が終わるまでとてもブログを書く余裕がなかった。私の教え子の一人がセンター試験を受けるので12月から毎日特訓をしていたからだ。
過去問が赤本として発行されておりこれで繰り返し解くのだが、私も事前にこの赤本で問題を解かなければならないので、毎日過去問との悪戦苦闘をしていた。
特に今回は英語と国語の指導をしていたのだが、センター試験の英語や国語はやたらと長文で、英語などネイティブと同じ程度の速さで読まないととても時間通りには終わらない。
しかも赤本の文字は小さく老人の目には過酷すぎる。
「何とか早くセンター試験が終わってくれなければ失明してしまう・・・・・・・・」
そのセンター試験もようやく終わった。これでやっとブログを書く余裕ができたが、本来は記載しなければならないことが山積みになっていて、何から手を付けてよいかわからないほどだ。
今回はとりあえず厚生労働省の毎月勤労統計の不正操作から記載してみよう。
日本の統計処理は他国と比較すると格段に正確なのだが、それでも統計処理には不正が横行する。最大の理由は統計の集計処理が膨大なことと、この作業をしても官僚として出世とはほど遠いからだ。
「ただ数字を集めて集計しているだけだろう。サルでもできる」なんて感度だが、実際資料をくまなく集めたり、不明な箇所の確認をしたりこまごまとした作業はきりがない。
しかも統計は各官庁の仕事としては最低ランクの仕事で、まず出世と縁遠い人か若手で腰掛期間の一時的な仕事とされている。
「総務省の統計官がうるさいから適当にやっておけ」という雰囲気だからやる気など起こるはずはなく、今回のように500人以上の悉皆調査を3割程度の抽出調査に切り替えたくなるのは無理もない。
しかしそのためには総務省の了解が必要でさらに抽出調査でも問題がないことを統計学的に証明しなければならない。
厚生労働省はこの手続きを省いて適当な抽出調査に切り替えてしまった。
おそらく総務省を納得させるだけの根拠がなかったのだろう。
そのために重大事故が発生してしまった。いわゆる雇用保険等はこの毎月勤労統計を基礎に計算されるのだが、基礎数字が本来の数値より低く出ていたという。これは実は厚生労働省の担当者が抽出する事業所を低位に意図的に選んだ可能性が高い。
「もうこれ以上雇用保険が増加するのはかなわない。いっそ数字をいじって少ない金額でだまかそう」ということだ。
今回厚生労労働省が行ってきた不正が発覚したのはおそらくタレこみがあり、公表しなければかえって政府の責任が問われる事態になったからだろう。外部に漏れなければ不正を継続していた可能性は高い。
統計数字の不正の影響はさらにGDPの計測にも響いてくる。GDP統計とは主要な統計資料を基礎に推計を行うことで成り立っているが、その基礎数字の一つが違うのだから当然GDP の値も異なる。本来はもっとGDPは上だったのに低く集計していたことになる。
こうした不手際に政府は激怒しているが、私は本音を言えば笑ってしまった。
実際統計処理などというものはそうしたものだと思っているからだ。
統計数字を正確無比なものと思っている人にとっては気の毒だが、あらゆる統計数字には何らかのバイアスがかかっている。
特にすごいのは中国の統計数字で、こちらは党中央が示した目標数にに必ず合わせるのが建前で、統計数字とは鉛筆をなめて記載するものだといって平然としている。
いまでは世界中に知れ渡ってしまったが、以前は中国の統計数字を本気で信じていた人が山ほどいたのはお笑いだ。
日本はそれに比較するとかなりまじめなのだが、それでも今回のような無断抽出案件が発生する。
統計数字の正確性とはその政府の独裁制と反比例するもので、独裁国家の数字は全く宣伝用に過ぎない。日本は民主国家の優等生だから統計数字をかなり信じていいのだが、それでも官僚のサボタージュ等があるから信頼性は70%程度だろう。ちなみに中国の統計の信頼性は10%程度だ。
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