評論 世界 文明論

(1.6.19) すべての国が日本化し、人類がはびこる時代が終わろうとしている。

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 世界が急速に日本化しつつある。日本は1990年のバブル崩壊後約20年にわたって成長がストップし、その後安倍総理のアベノミクスによって1%前後の成長に戻ったが、そうした低成長が世界の趨勢になりつつある。
なぜ世界経済が低成長になるかといえば、成長する必要性がなくなってきたからだ。
日本が最も典型的だが、日本の人口は世界最速で減少し、昨年度は40万人も減少した。大都市が一つ消えた勘定だ。さらに人口比率は65歳以上の高齢者が約3割を占めており、さらに加速度的にこの比率は増加しつつある。

 考えても見てほしい。人がいなくなり残ったものが老人ばかりになってそれでも経済が成長するなどということはありうるだろうか。私は北海道が好きで夏になると北海道を旅するが東部や北部の村落では毎年のように人が減り、そこに住んでいる人の寿命がその集落の寿命である場所がいくらでもある。
北海道だけでなく私の住んでいる千葉県でも、都市はともかく山村部の人口減少は激しい。私は毎日千葉の中央部の山村地帯に自転車でサイクリングに出かけるが、田畑は耕作放棄され今まであった人家があばら家になるか取り壊されている。そしてキジやイノシシが爆発的に増えており、私の自転車コースの村田川沿いでは毎日のようにキジのつがいを見かける。

 人口減少と高齢化は世界の趨勢であり、その理由は子供を産む理由がなくなったからだ。貧しい社会で農林水産業が主な産業であった時代は子供は重要な働き手であり、子供が多いほどその家族は裕福だった。しかし産業構造の変化で子供が働くことがなくなり、一方子育てには莫大な費用が必要となると、子供はタダ馬鹿高いだけの消費財になってしまった。
世界旅行するのと子供を育てるのとどちらがいいだろうかという選択問題になっている。

 子供がかわいいのは幼児の時だけで、成長すると「うるせい、いつ産んでくれと頼んだ!!」などと減らず口をたたくし、学業やスポーツや音楽ができて将来性があれば親としてはうれしいが、ほとんどの子供は親の期待を裏切るばかりで「こんなことなら子供を育てるのではなかった」と愚痴の一つも言いたくなる。
単なる消費財の子供は消費財としての価値がなければ育てる気力も失われる。

 今隣の韓国や中国でも同様の問題が発生しており、子供は結婚せずただ老人ばかりが増加して成長力が急激に失われている。ヨーロッパの先進国も同様でイタリアなどは結婚しないのがトレンドになっている。
子供が少なくなり老人ばかりが増えると、必要なサービスは医療介護だけになってしまう。私もすでに家もあり衣類などはタンスにあふれんばかりだし、食事などは胃が持たれるのでできるだけ少食にしようとしている。教育費などはかかりようもなく時折出る出費は孫の入学祝にランドセルを買うことぐらいだ。
旅行も足腰が悪くなれば控えなくてはならず、自動車など事故と隣り合わせだから乗ることもなくなり、やることといえば四季の道の清掃や草刈や剪定ぐらいで、すべてボランティアだからGDPには何の貢献もしない。

 こうした日本の現状は世界の最新モードであり、社会が裕福になれば必ずそうなる。今まで韓国や中国は「日本の低成長は日本人があほだからだ」などと言っていたが、そのあほの仲間入りを始めると急に「日本の轍を踏むな」の大合唱になっている。だがこれは人類史の必然の流れだから止めようもない。
日本とヨーロッパに特徴的に表れていた低成長の波は中国や韓国にもあらわれており、じきに東南アジアのタイやマレーシアにも伝搬するだろう。
まだ成長余力がある大国はインドぐらいで、インドの成長が終われば人類の傾向的縮小が決定的になる。

 産業革命以降の爆発的な人口増大が終焉し、ひたすら老人ばかりの世界になれば、だれもが成長などということは言わなくなり、GDPが死語になる日がやってきた。
田園は再びキジやイノシシの天下になり、山村は秩父山中花の後先のむつおばあちゃんが植えた桜やあんずの木が花を咲きほこる。
私は人類だけがはびこる20世紀という時代を苦々しく思っていたから、21世紀に入り先進国で人口減少が始まったことを実に喜ばしいことだと思っている。
人口がどこまで減少して他の種との共存が可能になるかは未知数だが、いづれにしても人類種だけがはびこる時代の終焉は喜ばしいことだ。

 

 

 

 

 

 

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(30.2.6) 投機経済の終焉 株式も仮想通貨も高級マンションもついに値下がりに転じた

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 投機経済
の転換点が迫ってきたようだ。その兆候はいたるところで見られる。
アメリカではニューヨークダウが史上最高値のピークの26000ドル前後から、ここ数日急激に低下傾向を示して、現在は24000ドルと2000ドルも低下してしまった
日本の日経平均はこれにつられて、24000円から21000円とこちらも3000円近く低下している。 

 一方投機経済の主役に躍り出た仮想通貨に至っては、ビットコインが昨年12月の1ビットコイン220万円から現在は70万円を切ってしまった3分の1まで低下したのだからジェットコースター並みだ。しかもこの値下がり傾向は日を追って激しくなり、最近では一体どこまで落ちれば落ち着くのだろうかといった様相だ。
また都内の高級マンションなどもぱったり売れ行きが落ちてしまい、株式、高級マンション、仮想通貨といった投機三羽ガラスに木枯しが吹きすさんでいる。

 ここにきて投機経済の終焉が明らかになってきたのは、投機経済を支えていたアメリカFRBが資産の回収を始めたからだ。リーマンショック後約500兆円にふくらんだFRB資産(半分はサブプライムローン債券)を昨年の10月以降毎月1兆円規模で圧縮し、今年の9月までにその規模を月5兆円規模まで拡大するという。
一方ECBヨーロッパ中央銀行)は量的緩和策の買い入れ資産の規模をひところの8兆円規模から4兆円規模に圧縮している。一人日銀のみが相も変わらず毎月8兆円程度の資金の垂れ流しをしているが、世界の流れは明らかに金融緩和の収束に向かっている。
かくして3つの資金水道の蛇口のうち一つは完全に止まり、もう一つは水量が半分になり、いまだに水量が豊富なのは日銀水道局だけになっている。

 投機経済は将来の見込みで動くから当然のことにこの金融緩和の終焉を取引に織り込むことになる。
どうやらFRBは本気で資金の回収を始めたから、株式の値上がりもこの辺がピークだろう。今のうちに収益を確定して勝ち逃げをしよう・・・・・・・
投機筋は完全にベアになり、しかもアメリカの株式と日本の株式は連動しているから、ニューヨーク株が下がれば当然日経平均も下がる(ニューヨークダウが下がればもちろん全世界規模で株価は下がる)。

 21世紀は通常の意味での経済成長は先進国では終わってしまった。消費財も生産財も有り余るほど生産されこれ以上の資産は持っても仕方がない程になっている
こうした中でなお成長を演出するには投機財の価格を上げるしか方法はなく、実際そのためにアメリカ、EU、日本の経済当局は金融緩和策を継続してきた。
しかしその金融緩和策は貧富の差が拡大して社会の安定を揺るがすから、いつまでも継続できない。
貧富の差がもっとも開いたアメリカでまず金融緩和策が停止され、EU、日本が後に続くのは時間の問題になってきた。

注)21世紀の経済が投機経済であることは前にも記載した
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/post-2.html

 アメリカではトランプ政権が意外にも国民の支持を得ているのは、貧しく取り残されたプア・ホワイトの救済(工場をアメリカに戻すという思想)を目指しているからで、投機経済のマイナス面の修正思想があるからだ。
何度も同じことを言って恐縮だが、人間足るを知って生きるべきでいつまでも欲望を追うのは、まるでシシュポスの神話のように無駄な努力に思われる。
耳を澄ませば投機経済終焉の足音が聞こえ、金融緩和策の限界を物語っていることがわかる。

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(30.1.23) メディアの凋落と主観の時代 新聞や雑誌には明日がない

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 20世紀と21世紀の最大の相違を述べよと問われれば、「マスコミの凋落」と答えるのが最も妥当なように思われる。
20世紀はマスコミが第4の権力ともいわれ、20世紀の寵児だった。学生はこぞって新聞社や雑誌社や放送局に就職先を求め、こうした職場で正義を実現したいと抱負を述べていたものだ。

 しかし今そうしたメディアのうち生き残る可能性があるのは即時性がある放送だけであり、常に旧聞しか掲載できない新聞社や雑誌社は読者離れがひどくいつ倒産してもおかしくないような状況に置かれつつある。
特にその傾向が顕著なのはアメリカで、ニューヨークタイムズやワシントンポストといったアメリカを代表する新聞社は身売りのうわさが絶えない。

注)特にニューヨークタイムズは中国資本が狙っていていつチャイナタイムズになってもおかしくない

 なぜこのように新聞社や雑誌社(特に月刊誌や週刊誌を発行している雑誌社)の読者ばなれが進み財政的に追い込まれたかというと、21世紀に入ってインターネットという新たなメディアが登場し、しかもこのインターネットの世界では情報が原則無料になってしまったからだ。
かつては情報はメディアが独占しており、それゆえ価格をつけて情報を販売することが可能だったが、今やSNSやツイッターやブログやユーチューブに無料で迅速でかつ有用な情報があふれかえっている。

注)ただしその情報の価値を見出すのはすべて自己責任になっている。

 私の息子などは新聞もテレビも見ることなく、必要と思われる情報はすべてスマートフォンの検索で済ましているが、こうした人々が加速度的に増えている。
電車に乗っていて気が付くことはほぼ全員がスマートフォンをのぞき込んでいて、新聞を読んでいる人を見かけることは非常にまれだ。
見ると新聞を読んでいる人は老人と決まっていて、「この老人の寿命が新聞の寿命とほぼ一致しているのか」と私などは長嘆息している。

 メディアがいかに凋落しているかはアメリカの現実が如実に語っている。いまアメリカでは新聞や放送メディアが束になってトランプ政権を追い落とそうとしているが、トランプ氏のツイッターには遠く及ばず、どのように足を引っ張ってもトランプ大統領の基盤は盤石なままだ。
20世紀にはニクソン氏をワシントンポストが辞任に追い込んだが、今やその実力は微塵にもない。
だれも新聞やお堅い政治番組を見ないから、いくらワシントンポストが「トランプ氏の1年で、嘘は2140回で一日平均6回だ」といっても何の影響力もない。

 20世紀は異常に客観性が重んじられ事実求是の精神が席巻した時代だったが、21世紀に入りそうした事実求是の精神が急速に衰えている。
トランプ氏がどんなに虚偽を言ってもホワイトハウスは「これはオールタナティブ(もう一つの)な真実だ」と居直っているが、物事が主観によって決まるのなら確かに真実は人の脳の数だけ存在することになる。

 20世紀、新聞や雑誌社等のメディアは「真実を伝えるのが使命」と称して権力を振るっていたが、客観の世界が今主観の世界に移りつつある21世紀には、そうした響きがうつろに聞こえる。
かつてローマ帝国という極度に客観性を重んじた社会がゲルマン民族によって崩壊された後、ヨーロッパを支配したのは教会という主観の世界だった。
現在まだ客観と主観のせめぎあいがあって勝負の行方が決まらないが、トランプ氏がメディアに打ち勝って辞任することもなく再選を果たすならば、これは決定的に主観の時代が来たと断定できるだろう。

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(29.12.21) セクハラ狩り旋風。 人類の種としての衰亡が始まった

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 私が現役であったとき、同僚の一人で(知悉している)女性が通るたびにおしりを触る男がいた。会議中でもそうした女性がお茶などをだしに来るとすぐさま手を出すので閉口したが、普段は非常に有能な男だった。
男が女性に興味を持つのは本能のなせる業で致し方ないところがあるが、場所をわきまえず本能丸出しになるのは品性に疑問符が付く。

 しかしこうした男性は非常に多く、アメリカでは魔女狩りならぬセクハラ狩りの一斉追及が始まっている。
アメリカの上下両院の議員がすでに3名辞任しているし、アラバマ州の上院補欠選挙ではセクハラ疑惑の共和党候補が大差で敗れている。アラバマといえば共和党の牙城だからトランプ政権に与えた影響は甚大だ。

 民間では大物映画プロデューサーやニュースキャスター、俳優等が次々にやり玉に挙げられており、ここにきてセクハラの被害にあったと称する女性の告発の大合唱が始まった。
今まではこうした行為が表に出ることはまれだったが、かつての魔女狩りの様相を呈してきたのはアメリカという社会の持つ原理主義的な傾向がその推進力になっている。

 当のトランプ大統領も3人の女性から告発を受けているが、大統領の報道官は「そうした疑惑は大統領選挙の結果ですでに禊を受けており、改めてとり上げる問題ではない」と火消しに懸命だ。
一方ニッキー国連大使女性)などは、「セクハラの告発は大統領といえども免れることはできない」とひどく冷たく突き放している。何かあったのかもしれない。

 こうしたセクハラ狩りは現在アメリカ一国で吹き荒れているが、いずれ先進国共通の動向になり、日本でもスケベーだった男性は戦々恐々として毎日を過ごすことになりそうだ。
なぜ今までおしりを触ってもキャーヤー言って喜んでいたのに、急に損害賠償を請求するんだ!!」
この世の中の変転には戸惑うばかりだろう。

 21世紀に入り人類という種が子孫を残す行動に大きな制約が現れている。
例えば日本が典型的だが女性は結婚を拒み子供を産むことをしないので人口が世界最速で減少し始めた。
アメリカやヨーロッパは意外なほどこの人口減少から免れてきたが、その大きな原因は海外からの移民が多く、こうした移民が子供を次々に生んできたからだ。

 しかしアメリカではトランプ大統領の移民制限措置でアメリカへの正規・不正規の移民が減りだしており、ヨーロッパでも国粋運動が燃え盛ってアフリカや中東からの移民受け入れに消極的になってきた。
そのため人口増加にストップがかかりつつあるところに、このセクハラ狩りが始まれば、特に地位のある男性を中心に下半身の動きを制御して女性に誰もちょっかい出さなくなる。
かくして日本にだけ集中的に表れていた人口減少が、移民制限とセクハラ狩りで特に先進国で顕著になることがほぼ確実になってきた。

 しかしこれは先進国だけでなく中進国といわれる韓国でも同様で、韓国が人口減に悩むのは時間の問題だし(韓国では有名大学出身者以外の男性を女性は見向きもしない)、さらに中国の場合は一人っ子政策という特殊要因があるもののここも人口減に悩むことが確実な情勢になっている。
世界中で人類という種の再生産行動が抑制され、かつてローマクラブが言っていた反対の「食料は算術級数的に減少するが人口は幾何級数的に減少」し世界中で食料があまり、資源などは見向きもされず、領土などといえば「あんた誰もいない場所の領土を主張してどうするねん」などと馬鹿にされる時代が今目の前に迫っている。

 産業革命以来400年人類という種の人口爆発が続いたがとうとうその限界に到着し、人口減少が当初は先進国で、続いて韓国のような中進国でも起こることが確実になっている。
人類の種の再生産を支えてきたのは男のスケベー心だが、そのスケベー心が全世界的に制限されれば人類という種が衰亡期に入いることは致し方ない。



 

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(29.3.20) G20の崩壊と自由貿易の終焉 そして誰もが沈黙する!!!

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 一つ一つ戦後アメリカが主導して確立してきた枠組みが崩壊している。
先にアメリカはTPPへの参加を拒否し、NAFTAの見直しに着手し、WTO世界貿易機関)の裁定に従わないことを表明し、そして今回G20主要20か国財務相中央銀行総裁会議)を崩壊させた。

 G20はアメリカが中心となって保護主義に対抗して、特に新興国の貿易の自由化を促進する目的で開催されてきたが、そのアメリカが保護貿易に舵を切ると表明したため、G20の役割が実質的に終わってしまった。
G20は死んだ。保護主義を推進するためのG20なんてありえない!!!」アメリカ以外の財務相や中央銀行総裁はただ当惑して立ちつくしている。

 またG20の共同認識だった地球温暖化対策も盛り込まれなかったが、アメリカがパリ協定から離脱すると表明しているため温暖化対策も吹っ飛んでしまった。
戦後70年、アメリカが延々と築いてきた自由貿易のフレームワークは一つ一つ崩壊し、今では中国の習近平主席がダボス会議で自由貿易の重要性を説くほどの逆転現象になっている。

 トランプ政権はWTOを無視することですでに自由貿易から決別したがG20でその念押しをした。もはやG20を開催する目的は失われあとは各国がアメリカに倣って保護主義政策をとっていくことになるだろう。
トランプ政権の主張はアメリカン・ファーストで自国の利益を優先し、今までのように世界のリーダとして時に自国に不利な取り決めでもそれを容認してきたような態度から決別した。
アメリカは世界のリーダではない。お前らは勝手に生きろ!!」
パックスアメリカーナが崩壊しローマ帝国亡き後の荒涼とした世界が広がっている。

 戦後アメリカが作った国際的枠組みは、国連、IMF、WTO、世界銀行等多数に上るが、トランプ政権はそのすべてと決別するのだから歴史的転換と言っていい。
国連には分担金の支払いを拒否し、WTOの勧告はアメリカに不利な場合は従わず、IMFと世界銀行はアメリカにとってメリットがあるときだけ利用するという態度だ。
すべては二国間協議で取り決めを行い、間違っても国際的な協議の枠組みを使用しないというのがトランプ政権のスタンスになっている。

 21世紀に入りアメリカが相対的に貧しくなり世界の政治経済のリーダを維持できなくなった。
国内にはプア・ホワイト激増して不満が爆発してしまい「外国人ではなくアメリカ人の生活を守れ」という言葉がこだましている。

 たしかにアメリカは世界のリーダから降りてアメリカだけの国になったほうが有利な面が多い。資源は有り余るほどあり食料も豊富でIT産業は追随を許さない。国内市場は世界最大規模でこれで自動車産業のような製造業が復活すればプア・ホワイトの職場も確保されはるかに安定した世界になるだろう。

 一方アメリカを頼って経済発展してみた中国などはアメリカ企業の撤退が続くため自力発展しか残された道はないが、人のふんどしでしか相撲が取れない国は経済成長も止まってしまう。
アメリカあっての世界経済の拡大だったがアメリカに代わるリーダは存在しない。
ドイツのメルケル首相と日本の安倍首相が懸命に自由貿易を支えようとしているがアメリカに代わることは不可能だろう。

 イギリスの産業革命からほぼ300年、世界を席巻してきた資本主義文明に黄昏が訪れ民主主義、人権、法の支配という資本主義文明の成果も今失われようとしている。そして沈黙の春がおとずれた。

 

 

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(29.1.22) 資本主義文明の黄昏 トランプ氏がアダム・スミスを死に追いやった。

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 アダム・スミス
が富国論を書いて自由な市場が富を増大させると説いたのはイギリス資本主義が産声を上げていた1776年だが、それから250年の時が経ってその資本主義が黄昏を迎えようとしている。
資本主義文明の命モノとカネが自由に取引されることだが、トランプ政権の誕生でモノの自由取引が終ろうとしているからだ。
トランプ氏は就任早々TPPからは離脱、NAFTAは見直しをすると表明したが、どちらもアメリカが戦後70年かけてようやくたどり着いた自由貿易の成果だった。

 トランプ氏にとってカネの自由化ウォール街という世界屈指の金融市場を持っているのでアメリカの利益になるが、一方モノの自由化は全く反対で、当初は日本、韓国、そして現在は中国に蹴散らされもはや見る影もなくなった。
アメリカ製造業の代表は自動車産業だが、GMもクライスラーも一旦は倒産し政府の資金援助でかろうじて生存しているし、かつては世界最大の鉄鋼会社だったUSスチールは中国の鉄鋼製品のダンピングで青息吐息になっている。

 アメリカからは工場が消えメキシコや中国に工場が移転して、中産階級だった白人層は一様にプア・ホワイトになり、家を捨てトレーラーハウスでハンバーガーを食べて生きている。
これ以上モノの自由化を推進すればアメリカからは中産階級が消え去る直前になり、アメリカ国民はトランプ氏を大統領に選択し、国境を関税障壁で守ることにした。
世界は豊かになったがアメリカの中産階級は貧困に突き落とされた。誰がこんな世界にした

 それでもアメリカが世界最高の経済力を持っているのは金融産業が世界を睥睨しているからで、現在のアメリカはウォール街が支えているといっていい。
然しここで働くのはアメリカの有名大学の大学院を出た一部エリートだけで、富はこうしたエリートだけに集中し、工場労働者だった中産階級は年を追って貧困化している。

 アメリカの資本主義が金融業だけの片肺飛行になり、そして今トランプ氏は製造業の復活の宣言をしたがこれは保護主義による国内産業保護以外に守るべき方策はない。
国境を強化し外国製品には35%の高関税をかける。アメリカに商品を売りたければすべてアメリカで生産しろ
アダム・スミスが目指した自由市場は消え去り、国内市場保護の雷鳴がツイッターで轟いている。

 18世紀、イギリスで産声を上げた資本主義文明は当初はイギリスが主導し、そして20世紀はアメリカが主導してきたが、今アメリカが資本主義のリーダであることをやめると宣言し、そして自由貿易から降りてしまった
世界の貿易量は減少し始め、中国や韓国といった輸出立国は毎月のように輸出も輸入も縮小している。

 オバマ政権までは「自由貿易こそ世界の人々を幸福にする」としてTPPを推進してきたが、今やTPPは海の藻屑だ。
21世紀に入り製造業については自由貿易の時代は終わったといっていい。
まだ金融業についてはウォール街を中心に自由な市場を求めているが、モノとカネが一体となって市場を形成している以上この金融業における自由市場の波もいづれ止まる。

 世界中で国境が高くなりモノもカネもそして人の往来も少なくなり、アダム・スミスがあれほど高らかに歌った資本主義文明に黄昏が訪れた。

 

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(28.12.5) 資本主義文明が衰退期に入り「不機嫌な時代」となった。

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  世界の政治家の態度
がだんだんと品のないものになってきた。トランプ氏はメキシコ人や回教徒や中国に対する敵意を隠さないし、フィリピンのドゥテルテ大統領は麻薬撲滅戦争に勝利するためには麻薬密売人を殺しまくれと騒いでいる。
ヨーロッパでは極右勢力が台頭してシリア人やアラブ人を一人残らず追い返せと騒いでいるし、隣の韓国ではパク大統領が日本は世界最大の悪徳国家だと騒いでいた。
何か世界中の政治家が急に憎悪をむき出しにし始め、まだ品性を保っているのは安倍総理ぐらいになってしまった。

 この急激な変化は驚くべき程だが最大の理由は世界が貧しくなってきたからである。
世界の先進国ではいまだに数%GDPは増大しているが、この恩恵を受けている人は一部の人々で多くの人々は実際は貧しくなっている。
簡単に言えば正規労働者が減りパートが増え、そして学生は就職先が見つからない。

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の現象を文明論的に言えば資本主義文明が衰退期に入ったからといえる。資本主義社会ではモノとサービスを常に増大させるのが善と考えられ、口を開けばGDPを拡大させると政治家は約束していた。    
成長なくして財政再建はない」は安倍総理の口癖だが、どこの政府もGDPの拡大こそが最大の政治目標になっている。

 だが実際には21世紀に入ってモノとサービスの生産は飽和状態になり、もうこれ以上生産力を拡大してどうするのという状況になってしまった。
日本では不要な高速道路や橋を作りまくってその後の維持費用でてんてこ舞いだが、隣の中国では鉄鋼製品が実需の4倍程度も生産されるので思い余って海外にダンピングするので世界中の鉄鋼会社が倒産直前まで追い込まれた。
あんた、いらない鉄鋼製品をそんなに作りまくってどうするの」世界の顰蹙を買っている。

 仕方なしにアメリカやEUや日本や中国は金融緩和と称する紙幣の印刷を行って不動産や株式の価格を上げそれによって得た一種の不労所得でGDPの拡大を図っている。
確かにこれでもGDPは増大するがその富は金融取引にたけた1%の金融や証券や不動産関係者にかたよっているため、たとえGDPが拡大しても残りの99%は所得は増大しないかかえって減少するありさまだった。

 資本主義が健全な工場労働者に支えられた時代が終わりウォール街の金融ブローカーが支えるようになると、あまりの富の偏在に99%の国民が不寛容になってしまった。
他人のことはどうでもいいから俺たちの生活を改善してくれ。外国人のことなど知っちゃことはない
これを世間ではトランプ現象というが、資本主義文明が活力を失いバブルだけに頼った運営になったからである。

 20世紀の後半は世界中で寛容の精神が蔓延し、他国を助けるのが善だと思われていた。アメリカが敗戦国の日本に対しあれほど寛容だった理由は自国の資本主義経済が大発展を遂げていたからだ。
「まあ、敗戦国だが何も食べ物がないのはかわいそうだから、粉ミルクぐらいは援助してやろう」ガリオア・エロア基金等で敗戦国を援助したのは驚異だったが、経済が大発展して余裕があったからだ。

 その資本主義経済が限界に達しもはやGDPは伸びず、唯一伸ばす方法が紙幣の印刷になり、しかもその恩恵は一部の金融不動産関係者にとどまってしまえば、だれもが不寛容になる。
明日は今より貧しくなるのになんで他人のことなどかまっていられるの
誰もが不機嫌になり、政治家は敵意をあおり、人々は財布と心を閉ざしていく。
これを「不機嫌な時代」というが、本当の理由は資本主義文明が衰退期に入ったことだ。


 

 

 

 

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