(28.1.27) 日立の大健闘 イギリスを足場に世界企業に飛躍しつつある。
日本の大手重電3社といえば日立、東芝、三菱電機のことをいうが東芝が不正経理事件を引き起こして重電3社の地位から滑り落ちてしまった。しかし残った日立製作所が大健闘をしている。
このところ収益は増収増益トレンドに乗っており16年3期の営業収益は6000億円を越えそうだ。
リーマンショック後に約8000億円の最終赤字を出して苦吟してきたが、いまやトヨタとならぶ日本を代表する企業になってきた。
東芝は営業不振の実態を決算の隠蔽工作で乗り切ろうとしたが、日立は徹底したリストラを行うことでよみがえっている。
最近特に目を見張るのが鉄道部門で、すでに英国に着々と足場を築いており都市間高速鉄道の800両あまりの車両の受注と運行管理システムの導入を果たしている。
さらに時速300kmの欧州規格の車両を開発中で、これはイギリスが建設を予定している総額9兆円の高速鉄道(日本でいえば新幹線)に導入させるのが目的で、目論見通りになればイギリス新幹線の車両を日立が請け負うことになる。
世界の鉄道車両で はカナダのボンバルディア、ドイツのシーメンス、フランスのアルストムがビック3で1兆円規模の売り上げになっているが、ここに日立が食い込みつつある。まだ売上高は4000億円程度でビック3に差をつけられているが、イギリスを足場に世界市場を狙っている状況だ。
21世紀は環境に優しい乗り物が好まれ、世界で最も注目されている乗物が鉄道で、鉄道の大復活だ。
注)日立製作所がイギリスの鉄道に食い込んでいる実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-91c3.html
私は鉄道だけかと思っていたら、今回日立が中心になってイギリスの原子力発電所の受注に成功した。
事業規模は1兆円余りだそうだが、日本においては当面原子力発電所の建設はありえないから日本の原子力産業がほとんど窒息しそうになっていた。
そうなると原子力産業が生き残る唯一の方策は海外での原子炉建設の受注になるが、東日本大震災以降での第一号といってよい。
これで日本の原子力産業の崩壊が回避されたのだからなに はともあれ喜ばしいことだ。
注)海外での原子炉の受注は過去に東芝の子会社のウエスチングハウスが受注した経験がある。
日立は日本経済復活の象徴のような企業で真面目なリストラが効をそうした代表例だが、本当の意味で世界企業になるには営業利益が通年で1兆円の大台に乗ることが必要だ。
この営業利益1兆円企業をいくつもつかを世界は競っており、日本はまだまだ十分とは言えない。
日本企業でこの水準に達しているのはトヨタと三菱UFJだけで、はやく日立がこの一角に加わってもらいたいものだと思う。
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