(29.10.30) 原田病始末記 ようやく手術が終わった!!
目が見えることがこんなに素晴らしいことだとは知らなかった。私が原田病という目の難病を患ってから早3年になる。
当初は千葉メディカルセンターで原田病の治療をしてもらっていたが、投与しているステロイド剤(ブロドニン錠)の投与を止めると1か月程度で原田病が再発していた。
目に炎症が生じてすべてがまぶしくなりパソコンなどは見ていられない。
注)なお原田病になった経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-2b89.html
3回目の炎症が起こった時メディカルセンターの担当医はお手上げという表情で「千葉大学病院に紹介状を書きましょう。ステロイド剤の投与で改善しなければあとは免疫療法しかありませんが、それは大学病院でしか行っていません」
結局1年後の昨年4月から千葉大学病院に通うことになったが、千葉大の専門医は意外にも免疫療法を採用せず、千葉メディカルセンターと同じステロイド剤の投与を続ける診断になった。
然しすぐに投与量を減らすのではなくほぼ1年をかけて減らしてみるというのだ。
メディカルセンターでは4か月程度で投与をやめるようにしていたから、その期間を延ばしたわけである。
その後1か年をかけて投与を減少させ今年の4月には錠剤も目薬も止めたのだが、それからほぼ1か月して炎症が再発してしまった。今年の5月のことである。
薬を止めると炎症が再発するのはメディカルセンターに通っていた時と全く同じ症状だ。
これには全く当惑した。「これほどゆっくりと症状を確認しながらステロイド剤の投与をやめたのにまた同じことか・・・・・・」
私ががっくりしたのはステロイド剤の副作用でひどい白内障の症状が出ていたからである。白内障は手術をすれば治るのだが、目に炎症があるときは手術を行わない。かえってひどい症状になって最悪の場合は失明すると、千葉大の担当医はいう。
「山崎さん、炎症が再発した以上は手術は当面できませんね」
「でも、先生、私の目は遠くは薄ぼんやりとは見えますが近くは全く見えなくなって、文字の識別ができません。本を読むことも新聞を読むことも、インターネットの検索もできません。ほとんど真っ白ですので自転車に乗っていると段差が全く分からなくて昨日もコンビニで段差に乗り上げて転倒しました」
「山崎さん、我慢です。急いで手術をすれば失明する危険性があります。だから手術は炎症が収まってから6か月は様子を見る必要があります。ただ千葉大の場合は手術が混雑しているので手術が決まってから3か月は待つことになるでしょう」
今年の7月にそう言われた。
当惑してしまった。目が見えないと一日中何もすることがない。私は耳もひどい難聴だからヘレンケラーより少しましという状況になってしまった。こうなると精神が鬱々として考えることはひたすら神様のお迎えを待つことになる。
「いっそのことこちらから神様のもとに行こうかしら・・・・・・・・」
白内障で失明するのも原田病で失明するのも同じという状況下に置かれてしまった。
注) ブログの記載を止めたのは6月のことだがこのころはほとんどパソコンを見ることが不可能になっていた。
「このままではうつ病になってしまう。ままよ、ここは白内障の手術を早くしてもらえる病院を探そう」
パソコン画面を拡大鏡モードにしてようやくインターネットの検索を行い、東京のA医院が1か月以内で白内障の手術を行っているのを見つけ出した。
さっそくこの8月に医院に出向いていき、ことの経緯(千葉大に通って原田病の治療を受けていたことと最後の炎症は5月だったことを伝えた)を話して白内障の手術をしてもらえないかと懇願した。
炎症は6月には収まっていたが、千葉大では6か月待たなければ手術をしないといわれていた案件である。
注)千葉県内の病院に手術を依頼したが、千葉大の指示に従うように言われた。
幸いなことにA病院の医師は私の目を検査すると2か月前に炎症が収まったことを確認して手術に応じてくれることになり、左目を9月、右目を10月に手術をした。
今は手術が終了し現在目の状況は3年前の状態に戻っており、まったく支障が発生していない。医師の指示に従って3種類の目薬を毎日4回点眼しているが、とても快適だ。
注)A病院の医師はとてもおおらかで親切な性格の人で、手術の腕も確かなことは身をもって確認した。
もしこのまま千葉大に通っていたら、手術は早くても来年の3月になったところだ。その間白内障で何も見えず鬱々とした生活をおくっていたと思うと、半年早く視力を取り戻せたことに心から感謝している。
こうしてブログを書くこともでき、また子供たちに勉強を教えることも再開した。
もっともこれから何らかの問題(原田病の再発や緑内障の発生等)が発生しないとも限らないから全快したとは言えないが、白内障が悪化してほとんど見えなかった時に比べると気持ちがずいぶんと前向きになった。
考えてみれば私は71歳で日本人の平均寿命から言えばあと10年生きればよしとしなければならない。その間視力が持てばいいので原田病が再発してもステロイドの点眼で抑えられればその方が幸せだ。
今は原田病を根治することはあきらめて視力が回復したことを心から喜んでいる。
注)経験的に言えば点眼薬(サンベタゾン)を一日2回程度点眼すれば炎症は起こらないことが分かっている。今は原田病を治すのではなく抑えられればよしとする気持ちになっている。
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