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(28.2.16) 日本の空に国産ステルス機が飛ぶ 日本の航空機産業の復活元年

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 私は全く知らなかったが日本で国産のステルス機の開発が進んでおり、この2月から実証機としてテスト飛行を開始するのだという。
機体名はX2といい、国産ジェットF2の後継機として開発されたのだという。
ほんとかね、日本でステルス機か!!!」

 ステルス機といえばアメリカが先頭を切っておりその後をロシアと中国が追って、日本が世界で第4番目に開発に成功したのだという。
中国のステルス機は一種のコピーで中国のサイバー部隊がアメリカの情報を盗んで試作したものだが、日本のそれは日本の技術を結集したものだ。

 ステルス性能を維持するためには、機体を電波を吸収するセラミック等の複合素材で覆い、さらに放射された電波の反射を放射元と全く違った方向に反射させる特殊設計が必要になる。
日本にはステルス素材を最先端技術で作成している宇部興産やその他素材産業があり、あとはそれをまとめ上げて国産のステルス機として作ることだけが残されていた。
このX2の設計と主要な部品を制作しているのは三菱重工だが、三菱重工は民間用の100人乗り程度の中型・小型機のMRJの開発もおこなっていて何か戦前のゼロ戦の時代が復活しつつある。

注)MRJの開発の経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/pp-1.html

 日本のように高度に発達した工業国で航空機産業がないのが不思議だが、これは戦後GHQの指令で航空機産業を完膚なきまでに叩き潰されたからだ。
GHQにしてみれば日本に航空機産業を許すと、ゼロ戦のような優れた航空機を再び作ってしまうと恐れたからだろう。

 日本には造船業もロケット産業も自動車産業も新幹線もどれも世界最高水準のレベルにあるが、とても残念なことに航空機産業だけはアメリカ、ロシアにはゆうに及ばず、カナダやブラジルの後塵を拝している。
日本としては航空機産業の復活こそが長年の夢だったが、ここに来てようやくとその夢が実現しそうになっている。
航空機産業は自動車産業と並ぶすそ野の広い産業でアメリカのボーイングの部品メーカーとしては十分に育っていたが、ここに来て国産のステルス実証機を作るまでに育ってきたとは何とも喜ばしい。

 ビジネス用小型機のホンダジェットや100人乗り中型旅客機のMRJが羽ばたき、ついにステルス機がとびたつようになって、日本もようやく航空機元年を迎えることができた。

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(27.11.13) ようやくMRJが初飛行に成功した。頑張れ日本の航空機産業

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  やれやれやっとのことで国産ジェット旅客機MRJの初飛行が行われた。計画が延び延びになって5回も初飛行が延長されていたから、「一体いつになったらMRJは飛ぶことができるのだろうか」と私などは心底心配したものだ。
日本の空から日本製の飛行機が消えて久しい。MRJの前に は約50年前にYS11というターボエンジンの国産機があったが、これは1973年に生産が打ち切られ、生産した機数は182機だった。

 以来日本の航空機産業はボーイング等のアメリカ企業の下請けに徹していたが、ここに来てようやく日本主導で国産機の開発にこぎつけた。
もっとも国産機といっても三菱重工業が開発を担当をしたのは胴体と主翼であり、一方コクピット内の電子部品やエンジン等の心臓部分はアメリカ製で、国産化比率は約3割に過ぎない。
簡単に言えば頭脳や心臓部分はアメリカで手足が日本というところだから、国産機だといっていばれるような状況ではない。
しかしそれでも日本が主体になって設計をしたのだから、とりあえず国産機とはいえる。

 日本の飛行機産業は戦前は軍用機を中心に世界トップレベルにあって特にゼロ式戦闘機は有名だが、戦後はGHQの指示で航空機産業な完全に解体されてしまった。
日本のようにもっとも発展した工業生産国で飛行機産業がないのが異様だが、未だに敗戦の負の遺産をひきづってきているためだ。

 世界の空は大型機はボーイングエアバスが二分し、MRJが参入しようとしている中小型機市場はブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアがほぼ市場を独占している。
この市場に燃費効率を2割ほどアップした低燃費の航空機を参入させるのがMRJの売りだが、先行の2社もMRJに対抗して高燃費の飛行機の開発を急いでおり、いわばどちらが先に投入できるかの競争になっている。

 MRJは2017年の4月から6月までに初納入を図る計画だが、今のところ初飛行に成功した段階で、これから約2500時間をかけて安全性や効率性にかかる2000項目の確認チェックを行わなければならない。
そのあとでようやく飛行許可のライセンス(型式証明)が得られるのだが、そのテスト期間に致命的なミスなどがあるとさらに納入期間が延長される。
そうなるとライバルとの競争に負けてしまうから全く油断のできない日々が続きそうだ。

 MRJの開発には当初1800億円の費用が投じられる計画だったが、5度の飛行延長があってすでに2000億程度の開発費に膨らんでいる。このため採算ラインがアップして採算点は約700機と言われているが、現状407機の受注にとどまっている。
700機まで受注が伸びないとYS11と同じように赤字経営に陥り、最後は生産打ち切りになるかもしれない。

 世界を見渡してみると後発の航空機産業を育成するためには国家的支援をせざるを得ず、ヨーロッパのエアバスも各国の支援でようやくボーイングに対抗できるようになっている。
特に当初は赤字経営が見込まれているのでその間の資金繰りをいかにつけていくかが問題になるが、民間金融機関としては政府の保証でもなければとても怖くて融資に応じられない案件だ。
だが高速増殖炉のもんじゅに1兆円規模の支援をするよりは、はるかに展望の持てる案件と言っていいので国家をあげて航空機産業の育成に成功してほしいものだと思う。

 

 

 

 

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