(27.10.31) ソニーに復活の兆し ただしまだまだ世界企業とは言えない。
ここにきてソニーの業績回復が明らかになってきた。
2015年上期(4月~9月)の連結営業利益が1849億円、最終損益が1159億円の黒字になったという。ソニーのこのところの業績は全く振るわず毎回赤字だったので、私などはソニーはもはや浮上できないのではなかろうかと思っていた。
ソニーの全盛期は2000年前後のころで、そのころのソニーは今のアップルと同じような誰もがうらやむような高収益企業で、株価も当時は1万3000円を越えていた。
ソニー製品は他のメーカーの同種の製品に比較して相対的に高かったが、それでも消費者はソニー製品を購入して満足していたものだ。
それがほとんど急激といえるような黄昏が訪れたのが2003年の4月で、業績が一気に下降しはじめたのだが、原因はインターネットにつながる画期的製品がでなかったことと、フラットテレビの対応が遅れたことが主な原因である。
このソニーショックで株価が3000円程度まで売り浴びせられ、それ以来ソニーは10年以上も業績低下に苦しんできたことになる。
注)ソニーの業績低下の詳細な原因については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-82bc.html
その後のソニーはひたすらリストラばかりをしてきたので、そのうち本当にソニーは消えてしまうのではないかと私は思っていた。
そのソニーが復活の兆しをつかんだのが、イメージセンサーだというから何か部品メーカーになったみたいだが、スマホやカーナビのイメージセンサーでソニー製品が世界の約4割、スマホだけに限れば5割のシェアを持っている。
圧倒的にソニー製品の価格力と品質は高く、孝行息子のこの商品でソニーはようやく黒字転換したといえる。
従来ソニーはテレビや携帯部門の赤字に悩んでいたが、テレビ部門も黒字に転換し、残った赤字部門は携帯ぐらいになってきた。
この部門は高級品はアップル、中級品はサムスン、価格の安さでは中国のファーウェイやシャオミがおり、ソニーは赤字経営が続いている。
したがってイメージセンサーで黒字化が図られたといってもまだ油断ができないのだが、それでも携帯さえ立て直すか撤退すれば大幅な収益向上が図られるところまでやってきた。
注)携帯で黒字化することはほとんど不可能ではないかと私は思っているがそのことは前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-8469.html
だが営業利益が半期で1849億円程度ではソニーが復活したとは到底言えない。
なにしろかつてのライバルだったアップルなどは四半期決算の純利益が軽々と1兆円を越しているのだから、ソニーは国際的に見たら並み以下の企業業績だ。
世界企業として誇れるレベルは営業利益で1兆円を越えなければ世界企業とは言えず、日本でこのレベルに達しているのはトヨタと東京三菱BKしかない。
ソニーがようやく黒字転換し、イメージセンサーは圧倒的な国際的シェアだがこれはやはり部品に過ぎない。アップルのアイフォーンのような魅力的な商品はソニーから発売されておらず、未だソニーらしさが見つからない。
イメージセンサーで一息ついている間にアップルのような魅力的製品の開発に成功してもらいたいものだとつくづく思う。
最近のコメント