(29.5.13) 悪い予感がする広島中央警察署の大金紛失事件 日本の警察が堕落し始めたのか!!
馬鹿げているほど犯人の特定が容易なはずなのに、いまだに犯人が特定されないのは不思議なことだ。
8日に発生した広島県警広島中央署の金庫から約8000万円が盗まれた事件のことである。
盗まれた金は詐欺事件で押収した証拠金で、会計課の金庫に封筒に詰めて箱に入れられ保管されていたという。
会計課の金庫の開閉には会計課長が管理していたカギと、さらにダイヤルロック式の暗証番号が必要で、二重にロックされており鍵のありかを知る人もまたダイヤルの暗証番号を知る人も特定されているという。おそらく数人レベルなのだから犯人の絞り込みは私でもできる。
それが5日もたって犯人が検挙できないのだから広島県警の捜査能力に疑問符が付く。
それともわかっているのだが公表がはばかられるのだろうか。
おそらく警察内には監視カメラが設置していただろうし、しぼりこまれた内部関係者の中で金つかいが急に荒くなった人を特定すれば済むはずだ。
シャーロック・ホームズもポアロも金田一耕助も必要ないのに、何を手間取っているのだろうか。
金庫内の遺失物等の確認は月1回は行われていたという。いわゆる在庫確認だがどうも厳密に行われていたとは思われない。
かつて私が金融機関の職員だった頃お金の管理は実に厳格でその日の会計数字が合わないと担当課員は全員残されて伝票の精査をさせられたものだ。
私は新人職員の時に事務課に配属させられたが、何しろそろばんを扱う能力が最低で数値がゴメイにならないときは私が作成した伝票が真っ先に調べられて実に肩身の狭い思いをした。そのくらい伝票誤作成者の特定が容易だった。
押収した金がなくなることは諸外国の警察ではよく起こり、アメリカ映画ではこうした不祥事が取り上げられているが日本では非常にまれだった。
確かに交番に届けられた些少の金を警察官がネコババすることはあっても、金庫に収められた大金が盗まれることは記憶にない。
アメリカなどでは監察制度が整備されていて警察官を常時監視しているが、日本ではそうした犯罪はほぼ皆無だったため内部監察制度が発達していない。内部監察官はたいていの場合出世とは縁遠い窓際に追いやられた人という印象で仕事など実際にないも同然だった。
日本は内部監察官が暇で過ごせる幸福な国だったといえる。
しかし今回の事件を見ると日本も欧米並みの危険な社会になったのかと愕然としてくる。安全と水はただの国が安全も水もお金を出して買わなければならないものになってきてしまった。今度の事件が特殊なものであってほしいが、もしかしたら日本社会もついに安全神話が崩れてきたその兆候かもしれない。
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