(28.1.4) 日本の再生医療がようやくブレイクスルーし始めた。頑張れニッポン!!
日本の再生医療は基礎研究の分野では山中伸弥教授のiPS細胞の研究で世界の最先端にあるのだが、残念なことに実用化で遅れていた。
現在まで日本で実用化されているのは富士フィルムHDの子会社が開発した培養表皮と培養軟骨の2例しかなかった。海外では2012年の段階で29品目が承認されていたから、今ではさらに相当数の再生医療製品が承認されているはずだ。
注)現在までの世界の再生医療の状況は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/ip-07dd.html
なぜ日本での商品開発が遅れたかというと薬事法の制限があって十分な治験実績がないと承認が得られないことと、審査に3年あまりの日数がかかっていたからだ。
しかし再生医療の分野では十分な治験結果を集めること自体が難しく、そのため実用化の障害になっていた。
そこで14年11月に医療品医療機器法(新薬事法)が新たに制定されて承認期間を3年から1年に短縮すること、および治験結果が少数の事例でも「効果が期待されて安全性が保障されれば」医療として条件付きで承認を得られることになった。
条件とは5年以内に十分な数の治療結果を得て効果と安全性を証明することである。
このシステムを利用して今回テルモが人の細胞で作った重症の心不全の治療法のハートシートの実用化が16年4月にできることになった。
日本で3例目の再生医療製品である。
私が日本の再生医療の発展を希求してやまないのは、私自身が多くの病気を抱えはじめそのほとんどが再生医療でなくては回復が不可能と思われるからだ。
今一番の悩みは難聴が進んで通常の会話にも苦労するようになり、人と話をするのが非常に苦痛になっていることだ。
パイオニアの音声拡張器を使って困った場合はこれで聞きとるようにしているのだが、鼓膜に対して大きすぎる音を聞かせ続けると聴覚神経に傷がつくらしくだんだんと音が聞こえなくなってくる。そうなるとさらに音声を大きくしなければならずますます難聴が進むという悪循環に陥ってしまった。
注)かつて本格的な補聴器を使用したことがあるが価格がバカ高く(通常片耳で20万円程度)一方機能は音声拡張器(両耳使用で3万円程度)とさして変わらないため、現在は音声拡張器を使用している。
医者に行っても難聴は「まあ、年ですから仕方ありませんね」なんて軽く扱われて治療対象にもならない。私の場合は聴覚神経がいたんでしまっているらしいからこの治療は再生医療しかなさそうだと前々から思っていた。
ようやくここに来て日本の再生医療がブレイクスルーする段階になり、武田薬品と京都大学がタイアップして商品開発に乗り出す等、基礎研究だけでなく商品開発が進む体制が採られるようになってきた。
私は昨年の5月に突然目が見えなくなる原田病という難病にかかってしまったたので、耳も聞こえず目も見えづらいというヘレンケラー並みの生活に追いやられている。
老人はこうした難病をいくつも抱えており従来の治療法では対処が不可能で基から機能を回復させる再生医療が最後の望みになっている。
しかし再生医療の問題点は承認が遅かったという問題のほかにもう一つあって、非常に高価で自分の細胞でシートを作ると場合によっては1000万円程度費用がかかる。
これではいくら何でも通常の治療としては利用できないから、他人のiPS細胞を大量に生産しないと治療法としては確立できない。
武田薬品と京都大学の共同研究とはiPS細胞を通常の医療として提供できる程度に安価に作成する研究だ。
この再生医療の分野こそ21世紀の治療法で日本がその先端を走ってもらいたいが、現状はようやくブレイクスルーし始めたといった状況だ。
私の寿命との競争のようなところがありさらに加速化してほしいが、日本が世界の最先端になって私の難聴を直してくれたらこんな幸せなことはないと希望を持っている。
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