評論 世界経済 ウクライナ経済

(26.7.20) ロシアとウクライナの実質的戦闘行為  マレーシア機の撃墜!

Dsc_00441
ブログ 「ちば公園のベンチから」に掲載されている旭市の砂の彫刻展の画像を転写

 ロシアとウクライナが実質的に戦闘行動に入っていることが誰の目にも明確になった。
7月17日、マレーシア航空MH17便がウクライナ東部のドネツクの上空約10000mを飛行中に、地対空ミサイルによって撃墜されたからだ。
これまでもウクライナの空軍機が地対空ミサイルによって撃墜されていたが、民間機が撃ち落されたのは初めてだ。

 マレーシア航空としては散々な結果だ。3月8日にはいまだに原因が不明だが、コースを大幅にそれてインド洋に撃墜したばかりなのに、今度はミサイルで撃ち落とされてしまった。
乗客乗員約300名が死亡したが、多くはヨーロッパ人の乗客だ。

 原因についてはウクライナ政府ロシア政府は互いに責任のなすり合いをしているが、ウクライナ側が撃墜する理由は全くない。何しろ親ロ派勢力は航空機を持っていないのだから、いない航空機をミサイルで撃ち落とすことはできない。
一方親ロ派勢力はウクライナが戦闘機や輸送機やヘリを投入してきたことに対応して各種の地対空ミサイルを装備している。

 親ロ派勢力がこうした最新鋭の兵器を持っていることは意外に思われるかもしれないが、実態はロシアの特殊部隊であり、最もよく訓練されている部隊だから当然だ。
ロシアのミサイルは昔も今も性能がすこぶるいい。
かつてU2型機というアメリカのスパイ機が撃墜されたのは1960年で、このころからロシアのミサイルは完全な防空能力を持っていた。
その後も大韓航空機がロシア領に侵入して(地対空ミサイルではないが)ミサイルで撃ち落とされている。

 オバマ大統領はさっそくプーチン大統領に抗議をしたがプーチン大統領は「ウクライナ政府による軍事作戦がなければ悲劇は起こらなかった」と反論し、撃墜はウクライナ政府が行ったものだと責任を擦り付けた。
しかしこの撃墜が親ロ派勢力実際はロシアの特殊部隊)が行った証拠の更新記録が暴露されている。

 たとえば親ロ派勢力の司令官と言われるストレルコフ司令官が「たった今アントノフ26を撃墜した」と交流サイトに誇らしく記載したがすぐに削除されている。
マレーシア航空機をウクライナの軍用輸送機と誤認したことがうかがえる。

 またウクライナ政府が発表した秘密交信記録によると親ロ派勢力のメンバーが司令官あてに報告した内容が生々しく再現されていた。
メンバー飛行機を撃墜したが民間機でグラホボ近郊に落ちた。女性や子供の遺体の山だ。テレビではアントノフ26だと伝えているが、機体にはマレーシア航空と書いてある。この飛行機はウクライナ上空で何をしていたんだ
司令官スパイを運んでいたんだろう。一体全体なぜこんなところを飛んでいるんだ。ここは戦場だぞ

 ウクライナ上空の1万メートルの民間機ルートはこれまで飛行禁止区域でなかったが、どうやら戦闘員はそのことを知らなかったようで、ウクライナの軍用輸送機と誤認して地対空ミサイル「ブク」を使用して撃墜した。
ストレルコフ司令官が戦果を公表したのはその証拠で、民間機と分かって慌てて交流サイトの文言を削除したのだろう。

 だがこれでこの紛争が実質的にウクライナとロシアの戦闘であることが世界中に暴露されてしまった。
ロシアがいくら抗弁しても素人が地対空ミサイルを保持し、それを適切に運用することなどできるはずがないからだ。
特に1万mの上空を飛んでいる飛行機を撃ち落とすには日ごろからの厳しい訓練が必要で、実質的にロシアの正規軍が親ロ派勢力として戦闘に参加している。

 かつて朝鮮戦争時に北朝鮮はミグ戦闘機を投入して韓国軍や連合国軍を押しまくったが、この時のパイロットは北朝鮮の軍服を着たロシア人のパイロットだった。
これは当たり前でミグ戦闘機を乗り回せる訓練されたパイロットは当時は北朝鮮軍にいなかったからだ。
今回も地対空ミサイル「ブク」を適切に操作する兵士はロシア兵しかいない。
すでにウクライナ紛争はウクライナとロシアの戦闘行為になっている。

注)なおそれでもアメリカやヨーロッパ諸国が本音ではウクライナ紛争にかかわりたくないと思っていることは前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat58097426/index.html

 

| | コメント (1)

(26.6.7) ウクライナ問題はもういいや!! G7の本音

Dscf6723

  ベルギーのブリッセルで行われていたG7が閉会したが、何とも気の抜けたビールになってしまった。
共同宣言ではウクライナのポロシェンコ次期政権を支持し、ロシアによるクリミア半島の併合を非難し、これ以上ロシアの挑発が続けばG7の各国はロシアに追加制裁を科すとしたが、どうおどしてもどうにもならないというのが実情だ。

 もともとウクライナはソビエト連邦の一員だったし、クリミア半島のセバストーポリはロシアが最も重視した軍港だから言ってみればロシア領と言っていい。それがソビエト崩壊のどさくさに紛れてウクライナ領になったのだが、それが元のさやに納まったのに過ぎない。
だからドイツも日本も本音では「ロシア領でいいじゃないか。これ以上問題が拡大しないことが一番だと思っているが、いまだ世界の警察官と思っているアメリカがこぶしを振り上げているのでG7でおつきあいしているに過ぎない。

 ドイツはウクライナ問題よりロシアから輸入している天然ガスの方が大事で、エネルギーの安全保障が第一だし、日本も原発の停止でばか高い天然ガスを中東から買わされていることに悲鳴を上げている。
ロシアから何とかして安い天然ガスの供給を得たい。ロシアとの対立は得策でない」と思っている。

 ドイツと日本はロシアとの対話戦略を求めていて、アメリカの言う更なる制裁には消極的だ。
特に安倍総理はプーチン大統領との個人的信頼関係を築き上げてきており、ロシアと日本による中国包囲網を目指していたのに、このウクライナ問題が火を噴いてからロシアが中国に急接近し始めた。
40兆円規模の天然ガスの供給をロシアは中国に約束したが、価格面では中国に相当値切られておりロシアとしては痛しかゆしのようだ。

注)プーチン大統領と安倍総理の特別な関係は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-d583.html

 ロシアとウクライナとの間では常に天然ガスの料金問題が内在しており、ウクライナの支払いが滞るとロシアはウクライナへの天然ガスの供給を止める(今回も40億ドルが未払いになっているとロシアは主張している)。しかし東欧諸国やドイツへの供給は止められないのでその分の供給はするが、それをウクライナが抜き取って使用するので結局危機に陥るのは東欧諸国やドイツになってしまう。
ウクライナがパイプラインを抑えている限りロシアにとってもどうにもならないというのが実情だ。

注)過去何度もウクライナとロシアは天然ガスの料金問題で角を突き合わせたが、その詳細は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/2117-a928.html

 一方で世界の警察官のオバマ大統領がレームダックなって久しい。国際問題ではシリア制裁など全くできず、国内ではオバマケアが暗礁に乗り上げている。予算案一つと通すのも容易ではなく国債の発行限度額で常に議会に手足を縛られている。
ウクライナなんかどうでもいい。俺は国内問題に専念したいのだ」というのがオバマ大統領の本音だ。

 こうしてG7と言ってもさしたる成果がなく終わってしまった。どの国もウクライナ問題で深入りすることを避けようとしており、オバマ大統領は口先介入はしているがこのあたりで手打ちをしたいと考えている。
6月6日はDデイノルマンディー上陸作戦が成功した日)で、久方ぶりにオバマ大統領とプーチン大統領が顔を合わせるから、何らかの水面下の妥協が図られるだろう。


 

| | コメント (0)

(26.3.2)クリミアのウクライナからの独立が始まった。 プーチン大統領の軍事侵攻

Dscf6087  

 ソチの冬季オリンピックが終了したとたんウクライナ情勢が一気にきな臭くなってきた。ロシア軍がクリミア半島に軍事侵攻したからだ。
実際に侵攻した規模は300人程度で、それも2つの小さな空港を制圧しただけだが、ロシア軍と分からないようにカモフラージュしている。
そして6000人の兵士がいつでもクリミア自治共和国に展開できるように国境に張り付いた(ウクライナはすでに6000人のロシア軍がクリミアに侵攻したと言っている)。

注)クリミアは自治共和国なので首相が存在し、ウクライナ国家内の別国家と言った状況下にある

 オバマ大統領は「ウクライナへのいかなる軍事介入も代償を伴うとロシアに警告したが、ロシアはカモフラージュした軍隊の派遣を正式には認めていない。
あれは地元住民の自警団だ」と素知らぬ顔だ。
そして6000人の兵士は通常の軍事演習だとうそぶいているが誰も信用する人はいない。

 ロシアにとってクリミア半島は第一級の重要拠点で、黒海艦隊の基地セバストーポリがある。ここを拠点にロシア艦隊は地中海ににらみを利かせており、シリア問題が片付かないのも、アラブの春が西欧諸国の期待に反して反革命になっているのも、このロシア艦隊の存在が大きい。クリミアはロシアにとって黒海と地中海をロシアの海にするための砦だ。

 クリミア半島はもともとはロシア領だったが1954年に当時のフルシチョフ書記長が帰属をウクライナに改めた。
地図を見ればわかるがここはロシアの飛び地で、イメージとしては東京都の土地が千葉県内にあるようなものだったから、行政の効率化の一環としてウクライナへの変更を認めたものだ。
当時はソビエト連邦は世界を席巻するような勢いだったから、行政区がロシアでもウクライナでも一向に構わないと言ったところだった。

 しかしこのフルシチョフの決定が半世紀を経て思わぬ展開を見せ始めた。ソビエト崩壊でクリミアがウクライナの領土になってしまったからだ。これはロシアにとって最大の誤算だったろう。
それでもウクライナとの間に友好関係があった間はこの問題は表面化しなかったが、今回の親西欧派のクーデターで一気に問題が表面化した。

 クリミア自治共和国は住民の約6割がロシア系で、公用語はロシア語だ。今回の政変を受けてクリミアのアクショーノフ首相はロシアに「領内の平和と平穏を守るためにロシアに支援を求めた」と声明を発した。
クリミア自治共和国のウクライナからの独立宣言と言ってよい。

 プーチン大統領は世界の大統領の中で最も決断力と行動力を持った大統領だ。かつてグルジアがロシアに反抗した時のことが思い出される。
2008年にロシアとグルジアとの間で戦闘が起こったのだが、それはグルジア領の南オセチアをロシアが武力で解放した戦争だった。
時のグルジア大統領サーカシビリはアメリカやEUが軍事的支援をしてくれるものとしてロシアに挑戦したが、あっけなくロシア軍に蹂躙されてしまった。

注)グルジア紛争の具体的な経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-a53a.html

 今回もウクライナがクリミアの独立を阻止しようとして軍事行動を起こしても圧倒的なロシア軍の前には手も足も出ないだろう。
もちろんアメリカやEUはロシアを激しく非難するが、ロシアと一戦交えるつもりは毛頭ないから犬の遠吠えになりそうだ。

 かくしてクリミアは実質的にロシア領になり、さらにウクライナは東部と西部に分裂して二つの国家になるというシナリオが現実味を帯びてきた。

注)ウクライナの歴史については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-77e3.html

 

| | コメント (1)

(26.2.24) ウクライナの政治的混乱と経済情勢 誰が国債の償還を引き受けるか?

Dscf6413  

 ウクライナ情勢がさらに緊迫している。首都キエフ反体制派が占拠し、ヤヌコビッチ大統領はドネツク空港からロシアに逃亡しようとしたが、ウクライナの国境警備隊に阻止されやむなく東部の都市ハリコフに潜伏しているという。
一国の大統領が飛行機にも乗れず地方都市に逃げ込むなどとは前代未聞だが、この情報をそのまま信じることはかなり難しい。

 大統領の出国を国境警備隊が阻止するとはとても考えられず、実際はロシア側が入国を拒否していたのだと私は思っている(他の要人は易々とロシアに逃げ込んでいる)。
この段階でヤヌコビッチ大統領を受け入れればロシアは完全にヤヌコビッチ氏を支持したことになるので、時間的余裕がほしかったのだろう。

注)ヤヌコビッチ氏はロシア派だが完全なロシア派と言うことはなくかなり曲者なのでプーチン氏との仲は必ずしもよくない。

 首都キエフは親西欧派が占拠し国会(最高会議)を開催して大統領を罷免したが(大統領派の議員はみんな逃げ出している)、この罷免の手続きはかなり乱暴で憲法にも抵触するのでヤヌコビッチ大統領は「これはクーデターだと非難している。
現状ではウクライナはキエフを地盤とする親西欧派とハリコフを地盤とする親ロシア派が国を二分して対立する構図になっている。

 この情勢下で最も問題になるのはウクライナ政府の国債約6兆円の行方になってきた。
従来この国債の利回りは約10%だったからヘッジファンド等からは格好の資産と見なされ購入されてきたが、高利回りとリスクは楯の裏と表だ。
市場では現在ウクライナ国債の利回りは30%に跳ね上がり、これでは誰も利子支払いなど不能だからデフォルトも同然だ。

 特に問題なのは14年度に償還が来る82億ドルで、ヤヌコビッチ政権はロシアから150億ドルの借款をして乗り切ろうとしていた。しかし親西欧政権が誕生すればロシアが支援する意味がなくなってしまうのでプーチン氏はこの借款を凍結した。
では誰がこの資金の面倒を見るのだろうか。

 もっともギリシャ問題と比較すると国の借金は相当少ない。問題発生時ギリシャは約33兆円の借金をしていてそれをEUからの支援約24兆円と借金の棒引き5兆円、残りは自己努力といったところで抑え込んでいる。
それに比較すれば6兆円の規模(民間の借り入れを含めると12兆円規模)は大したことはなく、プーチン大統領はロシア一国の支援で金融問題を収められると判断したが、ウクライナ経済は完全に崩壊しているのでその立て直し資金も必要になるだろう。

 はたしてウクライナは一国として自立できるのだろうか。
政治的には西部と東部は犬猿の仲だし、今後親西欧政権ができれば東部が反発する。特に今回はクーデターだから親西欧政権に正当性はない。最高会議は5月23日に大統領選挙を実施すると公表しているが、東部はこの選挙をボイコットして実質的に独立を図る可能性が高い。

 さらに経済的にも問題がある。
東部の工業地帯は、安いロシアの天然ガスでかろうじて成り立っていたのに国際価格では競争力は全くなくなった。一方西部は農業以外の産業はないのだから経済支援を得る以外にウクライナが生きていく道はない。

 ヤヌコビッチ政権の時はロシアが支援を約束したが、親西欧政権をEUが支援するだろうか。
ギリシャはEUの一員だったからしぶしぶEUは支援したが、ウクライナはもともとロシアの地盤だ。全く混とんとした情勢になってきた。

ウクライナの政治的混乱については3日前にも記載した。ウクライナの歴史は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-77e3.html

| | コメント (0)

(26.2.21) ウクライナが分裂の危機に陥っている!!

Dscf6378  

 ウクライナ情勢
が緊迫している。
この18日に首都キエフで治安部隊とデモ隊が衝突し、その後20日までに64名の死者が出ている。死者のうちに治安部隊の要員もかなり含まれているが、これはデモ隊側が武装しているからだ。
ソビエト連邦崩壊後の混乱で多くの武器弾薬がウクライナから紛失したが、そうした武器が使用されているらしい。

 かつてウクライナはロシア発祥の地と呼ばれ、ルーシと呼ばれていたがこれはロシアを現す古語だ。
日本でいえば「大和」と言ったところで、だから連邦崩壊後にウクライナがロシアから独立した時は本当に驚いた。

注)隣国の「ベラルーシ」は白いロシアの意味


 8世紀というから日本では奈良時代だがキエフを中心にキエフ大公国という現在のロシアの原型ができたが、この公国が13世紀にモンゴルに滅ばされてしまった。
15世紀このモンゴルを破って再びルーシの伝統を復活させたのが、モスクワに本拠を置くモスクワ大公国元はキエフ大公国の貴族)で、いわば亡命政権の復活のような形になった。
モンゴル帝国が崩壊した後はウクライナの東部はモスクワの支配下にはいり、一方西部はポーランドやハプスブルグ家の支配に入って分断されてしまった。
そのため東部ではロシア語がそして西部はウクライナ語が主として話されている。

注)ロシア語とウクライナ語の相違は外から見るとあまり分からない。相互に意思疎通できる程度に似ている。

 ウクライナはソビエト時代は一つのまとまりのように見えたが、その実はロシアとヨーロッパがせめぎ合っていた場所で、それが分からなかったのは鉄のカーテンに仕切られていたからだ。
しかしウクライナが1991年に独立するとこのスラブとヨーロッパの問題が表面化してしまった。
当初ウクライナはヨーロッパになびいていたのだが、EU統合の実態が明確になるにつれ少しづつロシアに軸足を移してきており、現在のヤヌコビッチ大統領は完全にロシア派だ。

 現在のウクライナ問題は昨年11月にウクライナがEU参加の前提になる連合協定の署名を見送ったことが発端になっている。これはウクライナが西欧でなくロシアを選択したことを意味するのだが、おさまらないのは西部の親西欧派だ。
西部の人々は自らをヨーロッパ人と認識しており、一方ロシアは自分たちを植民地にした憎き相手だと思っている。

注1)ヤヌコビッチ政権がロシアに取り込まれていった経緯は以下参照。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-88bf.html

注2)ソビエトに併合された後ウクライナは食物供給の植民地となり特に1932年ごろの大凶作で5百万〜6百万人が餓死している。

 一方東部は昔からロシアに組み込まれていたから、完全にロシア人になっておりロシアとの親和性が非常に強い。ロシアとの連携こそが自国経済の命綱だと認識しており、ヨーロッパに対して敵意を持っている。
だからもともとこの国がウクライナとして自立するには厳しい環境にあった。

 最も独立後経済が飛躍的に伸びて生活水準が向上していればウクライナ人としての自覚が芽生えただろうが実態はその逆で、かつてロシアの安価な燃料でかろうじて成り立っていた東部の工業地帯は競争力を失い、一方新たな産業は生まれていない。
こうした情勢下でウクライナが取りうる手段は結局二つしかない。
一つはEU に加入して出稼ぎ先を確保する道、もう一つはロシアに頼って安い天然ガスの輸入を図る道だ。

 ヤヌコビッチ政権は後者の選択をしようとしているが、2004年のオレンジ革命から2010年までは親西欧派が優勢でEUへの加盟を積極的に推し進めていた。

 現在ウクライナ情勢は極度に緊張しておりキエフ等に空挺部隊が派遣されたりして戒厳令下に置かれているような物々しさだ。
特に西部の都市部では軍の武器庫が破られ西欧派が武装し始めた(実際は西部の軍も協力している)。

 ロシア派と親西欧派の確執はほとんど修復不能の状態になっており、このまま経済情勢が回復しなければ、ウクライナの再分裂が行われる可能性がある。
アメリカも西欧もこの問題に深入りすることを避けており(渡航の制裁等の形式的制裁しかできていない)、一方ロシアは積極的にヤヌコビッチ政権を支援している。
第一次世界大戦前のスラブとヨーロッパの対立が100年を経て噴き出してきたという感じだ。

注)ウクライナの親西欧政権(2004〜2010年)とロシアとの確執は天然ガスの価格交渉として現れていた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-7697.html



 

 

 

| | コメント (1)

その他のカテゴリー

NHK NHK特集 超常現象 NHK クローズアップ現代 NHK コズミックフロント NHK BS世界のドキュメンタリー NHK ミクロの大冒険 NHK NHK特集 NHK NHK特集 ヒューマン NHK NHK特集 病の起源 NHK ためしてガッテン NHK ためしてガッテン 老化予防法関連 NHK ためしてガッテン 認知症関連 NHK ハイビジョン特集 NHK プロジェクトWISDOM NHK ワールド・ウェーブ システム facebook システム Twitter システム You-Tube システム ウィニー システム グリーティングカード システム サイバー戦争 システム スマートフォン・タブレット KDP システム スマートフォン・タブレット・テレビ システム ネット社会 システム ブログ ココログ シナリオ ぼくが生きた時 シナリオ ハバロフスク シナリオ 友よ風に向かって走れ シナリオ 忠助 シナリオ 桃ノ木栗の木左遷の木 スポーツ アメフト スポーツ サッカー スポーツ リオオリンピック スポーツ ロンドンオリンピック スポーツ 大相撲 スポーツ 平昌オリンピック スポーツ 東京オリンピック スポーツ 野球 ボランティア おゆみ野の森 ボランティア おゆみ野の森 活動の交流 ボランティア おゆみ野クリーンクラブ ボランティア 地域活動 円卓会議 ボランティア 教育指導 数学・理科・英語 マラソン マラソン ちはら台走友会  マラソン ちはら台走友会 登山 マラソン ウルトラマラソン マラソン ハーフマラソン開催 マラソン 四季の道駅伝 リメイク版 夏休みシリーズ 23年 リメイク版 夏休みシリーズ 24年 リメイク版 夏休みシリーズ 25年 リメイク版 夏休みシリーズ 26年 リメイク版 夏休みシリーズ 27年 事件 中学生誘拐事件 個人 アーカイブス 個人生活 ヨガ 個人生活 同窓会 個人生活 失敗記 個人生活 学校 個人生活 家族 個人生活 山崎書店 個人生活 散策 個人生活 数学 個人生活 文学入門 個人生活 日本人論 個人生活 映画 個人生活 映画鑑賞 個人生活 樹木剪定問題 個人生活 歩く会 個人生活 水泳 個人生活 演歌 個人生活 登山 個人生活 私の人生観 個人生活 自転車 個人生活 陸ガメ 健康 健康 坐骨神経痛 健康 眼病 健康 精神性胃炎 健康 老化対策 健康 難聴 旅行 サンチャゴ巡礼 旅行 ネパール 旅行 ロドリゴとイェティ 旅行 勝浦ビッグ雛祭り 旅行 北アルプス縦断 旅行 自転車周遊記 旅行 蝦夷地周遊記 歴史 ローマ史 歴史 世界史 歴史 中国史 歴史 日本史 歴史 郷土史 災害 東日本大震災 災害 東日本大震災 ひたちなか便り 災害 東日本大震災 メガクエイクⅢ 災害 東日本大震災 地震保険 災害 東日本大震災 心に与える影響 災害 東日本大震災 政治 災害 東日本大震災 東電の経営問題 災害 東日本大震災 汚染水問題 災害 東日本大震災 経済 災害 熊本大地震 評論 世界 国連 評論 世界 地球温暖化 評論 世界 文明論 評論 世界 水資源問題 評論 世界 科学 評論 世界 自然保護 評論 世界政治 評論 世界経済 評論 世界経済 EU 評論 世界経済 アフリカ経済 評論 世界経済 アメリカ経済 評論 世界経済 アメリカ経済 アフガン戦争 評論 世界経済 アメリカ経済 シェールガス・シェールオイル 評論 世界経済 アメリカ経済 トランプ大統領 評論 世界経済 アメリカ経済 社会問題 評論 世界経済 イギリス経済 評論 世界経済 イタリア経済 評論 世界経済 インドネシア経済 評論 世界経済 インド経済 評論 世界経済 ウクライナ経済 評論 世界経済 オーストラリア経済 評論 世界経済 カナダ経済 評論 世界経済 カンボジア経済 評論 世界経済 ギリシャ経済 評論 世界経済 サウジアラビア経済 評論 世界経済 シンガポール経済 評論 世界経済 スペイン経済 評論 世界経済 タイの政治・経済 評論 世界経済 トランプ現象 評論 世界経済 トルコ経済 評論 世界経済 ドイツ経済 評論 世界経済 ネパール経済 評論 世界経済 バングラディシュ経済 評論 世界経済 フィリピン経済 評論 世界経済 フランス経済 評論 世界経済 ブラジル経済 評論 世界経済 ベトナム経済 評論 世界経済 ポルトガル経済 評論 世界経済 ミャンマー経済 評論 世界経済 ヨーロッパ経済 評論 世界経済 ロシア経済 評論 世界経済 ロシア経済 プーチン 評論 世界経済 中国経済 評論 世界経済 中国経済 不動産投資・統計 評論 世界経済 中国経済 政治情勢 評論 世界経済 中国経済 社会問題 評論 世界経済 中国経済 社会問題 尖閣諸島 評論 世界経済 中国経済 鉄道建設 評論 世界経済 北朝鮮経済 評論 世界経済 北朝鮮経済 政治情勢 評論 世界経済 台湾経済 評論 世界経済 外国為替・金 評論 世界経済 石油問題 評論 世界経済 石油問題 イラン関連 評論 世界経済 経済成長 評論 世界経済 金融問題 評論 世界経済 韓国経済 評論 世界経済 韓国経済 社会問題 評論 世界経済 韓国経済 竹島・従軍慰安婦 評論 世界経済 食糧問題 評論 中東・アフリカ アラブの春 評論 中東・アフリカ アラブの春 エジプト 評論 中東・アフリカ アラブの春 シリア 評論 人類衰亡史 評論 人類衰亡史 EU 評論 人類衰亡史 WHO 評論 人類衰亡史 アパレル業界 評論 人類衰亡史 アメリカ 評論 人類衰亡史 イギリス 評論 人類衰亡史 イスラエル 評論 人類衰亡史 イタリア 評論 人類衰亡史 インド 評論 人類衰亡史 エチオピア 評論 人類衰亡史 オーストラリア 評論 人類衰亡史 コロナ 評論 人類衰亡史 コンビニ業界 評論 人類衰亡史 サイバー戦争 評論 人類衰亡史 サウジアラビア 評論 人類衰亡史 シリア 評論 人類衰亡史 シンガポール 評論 人類衰亡史 スェーデン  評論 人類衰亡史 タイ 評論 人類衰亡史 トルコ 評論 人類衰亡史 ドイツ 評論 人類衰亡史 バーチャル時代 評論 人類衰亡史 ファーウェイ 評論 人類衰亡史 ブラジル 評論 人類衰亡史 ベラルーシ 評論 人類衰亡史 ベーシック・インカム 評論 人類衰亡史 ヨーロッパ 評論 人類衰亡史 リビア 評論 人類衰亡史 レバノン 評論 人類衰亡史 ロシア 評論 人類衰亡史 世界 評論 人類衰亡史 世界経済 評論 人類衰亡史 中国 評論 人類衰亡史 北朝鮮 評論 人類衰亡史 医学業界 評論 人類衰亡史 台湾 評論 人類衰亡史 国連 評論 人類衰亡史 地球温暖化 評論 人類衰亡史 日本 評論 人類衰亡史 森林火災 評論 人類衰亡史 業界 ソフトバンク 評論 人類衰亡史 業界 自動車業界 評論 人類衰亡史 業界 航空業界 評論 人類衰亡史 民族紛争 評論 人類衰亡史 石油業界 評論 人類衰亡史 砂漠とびバッタ 評論 人類衰亡史 金 評論 人類衰亡史 鉄鋼業界 評論 人類衰亡史 韓国 評論 人類衰亡史 WTO 評論 人類衰亡史序説 アメリカ・中国激突 評論 人類衰亡史序説 エジプト 評論 日本の政治  八ツ場ダム 評論 日本の政治 ノーベル賞 評論 日本の政治 人口問題 評論 日本の政治 公共事業 評論 日本の政治 内部告発者保護法 評論 日本の政治 加計学園 評論 日本の政治 医療行政 評論 日本の政治 危機管理 評論 日本の政治 原子力行政 評論 日本の政治 地方政治 評論 日本の政治 地方政治 大阪 評論 日本の政治 地方政治 東京 評論 日本の政治 大学入試改革 評論 日本の政治 天皇制 評論 日本の政治 学校問題・子育て 評論 日本の政治 安倍内閣 評論 日本の政治 安倍内閣 TPP交渉 評論 日本の政治 安倍内閣 外交政策 評論 日本の政治 官僚機構 評論 日本の政治 小池都知事 評論 日本の政治 小沢裁判 評論 日本の政治 年金制度 評論 日本の政治 教育問題 評論 日本の政治 新聞報道 評論 日本の政治 普天間基地 評論 日本の政治 東京オリンピック 評論 日本の政治 森友学園 評論 日本の政治 生活保護政策 評論 日本の政治 石原都知事 評論 日本の政治 確定申告 評論 日本の政治 航空行政 評論 日本の政治 菅内閣 評論 日本の政治 著作権法 評論 日本の政治 観光行政 評論 日本の政治 警察機構 評論 日本の政治 農業政策 評論 日本の政治 選挙制度 評論 日本の政治 野田内閣 評論 日本の政治 陸山会事件 評論 日本の政治 領土問題 評論 日本の政治 食糧問題 評論 日本の政治 24年度衆議院選挙 評論 日本の政治 29年度総選挙 評論 日本の政治・経済 評論 日本の政治・経済 将来像 評論 日本の政治・経済 歴史 評論 日本の政治・経済 高速鉄道 評論 日本の経済 AIJ、MRI詐欺事件 評論 日本の経済 JRの経営 評論 日本の経済 アクリフーズ 評論 日本の経済 イオン 評論 日本の経済 エルピーダメモリ 評論 日本の経済 オリンパス 評論 日本の経済 シャープの経営問題 評論 日本の経済 ソニー 評論 日本の経済 ソフトバンク 評論 日本の経済 デパート業界 評論 日本の経済 トヨタ自動車 評論 日本の経済 マクドナルド 評論 日本の経済 不動産価格 評論 日本の経済 仮想通貨 評論 日本の経済 医療分野 iPS細胞、STAP細胞 評論 日本の経済 外食産業 評論 日本の経済 宇宙ビジネス 評論 日本の経済 安倍内閣 経済政策 評論 日本の経済 安倍内閣 金融政策 評論 日本の経済 家電業界 評論 日本の経済 就職問題 評論 日本の経済 日本再生 評論 日本の経済 日立製作所 評論 日本の経済 旭化成建材 評論 日本の経済 東芝 評論 日本の経済 海運業界・造船業界 評論 日本の経済 為替相場 評論 日本の経済 石油元売り 評論 日本の経済 経済成長 評論 日本の経済 経済成長 医療分野 評論 日本の経済 経済成長 観光産業 評論 日本の経済 経済成長 GDPの計測 評論 日本の経済 統計 評論 日本の経済 総合商社 伊藤忠商事 住友商事 評論 日本の経済 自動車産業 評論 日本の経済 航空機産業 評論 日本の経済 証券市場 評論 日本の経済 詐欺 評論 日本の経済 財政金融政策 評論 日本の経済 野村証券 評論 日本の経済 金融機関 評論 日本の経済 金融機関のシステム障害