(26.7.29) ちはら台走友会の夏山登山 爺が岳・鹿島槍
(トシムネさん 撮影 鹿島槍ヶ岳)
今年のちはら台走友会の夏山登山は北アルプスの爺が岳と鹿島槍ヶ岳の登山だった。
昨年まではバスをチャーターして行ったのだが、今年はバスのチャーターができなかった。どうやら景気が回復し海外からの観光客が増加し、バス需要がひっ迫してきたらしい。
それまでは走友会の登山でもリーズナブルな値段でチャーターできたが、価格が高騰し、いたしかたがないので4台の自家用車に分乗して出かけた。総勢19名だから実ににぎやかな山行だ。
自家用車だと登山口に自動車をデポするので登山口と降り口が一緒になって縦走という訳にはいかない。爺が岳の登山口・扇沢に自動車をデポし、柏原新道を遡り種池山荘経由で爺が岳(2670m)に登った。その後宿泊予定の冷池山荘(爺が岳と鹿島槍の中間にある)に直行して荷物をデポし鹿島槍(2889m)に登って山荘に引き返した。
鹿島槍ヶ岳は大町方面から見ると南峰と北峰がちょうど動物の耳のように見える特異な形をしているので誰にでもそれと分かる山塊だ。
初日は天候に恵まれ膚が紫外線に焼かれたが気温は涼しげでとても気持ちのいい登山になった。メンバーは速足組とゆっくり組にほぼ半数程度に分けて登攀を開始した。
走友会のメンバーだから少々のきつい山登りは何ということもないが、それでもマラソンとは異なったテクニックがいる。
私は毎年ゆっくり組の先導を仰せつかるが、それは私がゆっくり登る登攀になれているからだ。
注)かつての走友会の登山はレース模様でスピードのある人が先導し体力が劣る人が途中でギブアップしていた。
登山ではゆっくりと、しかし休みをできるだけ取らずに一定のペース登ると、登山道が整備されている場所であればどこでも登り切ることができる。こうした体の動きは私が超長距離走(100km以上の競技で通常250km程度が多い)で身に着けたもので、低燃費走法というのだが、この動きさえしていれば疲労をせず必ず走破できる。
登山も同様だからゆっくり組のメンバーの先導役として私は最適なのだ。
鹿島槍ヶ岳は私にとって思いで深い山だ。今から40年ほど前になるが会社の同僚たちとここを登攀したことがある。
その時は八方尾根の遠見尾根を登って五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺が岳を経由して扇沢に降りた。
だが、年月の経過で途中どのようなところを通ったかすっかり忘れてしまっていた。五竜岳と鹿島槍ヶ岳の間には八峰キレットという場所があったのだが、何かひどく恐ろしかったことだけ記憶に残っており今では詳細を忘れてしまっている。
今回登ってみて気が付いたが、鹿島槍ヶ岳の南峰と北峰の間もちょっとしたキレットになっていた。
今回の登山の計画者であるマッスルさんが、「南峰と北峰の間なんて、昔25分で走って往復した」と言っていたので、たいした場所ではないと思っていたが、走ることなどとてもできない断崖だった。
どう見ても25分で往復できそうな代物には思えない。
南峰から北峰にゆっくり組もいくつもりだったが、時間がかかりすぎキレットの底から引き返した。
かつて若かった自分は断崖を登るのに喜びを感じていたが、年取った今では、ちょっとした崖でも恐ろしく見える。この少し険しいだけのキレットでさえかなり緊張した。
「あの猿のような敏捷性はどうしたのだろうか」年月の推移を感じる。
それでも今回の山行はとても気持ちがよかった。剣岳や立山がくっきり見えたし、鹿島槍からは五竜岳の稜線が見えた。
ちはら台走友会の登山はいつも楽しい思い出が残る素敵な登山だ。
注)なおちはら台走友会の登山の記録は以下にまとまって入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat56133463/index.html
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