(26.3.27) 黄昏のみんなの党 渡辺代表の8億円借入金疑惑
人間落ち目になると次々に災厄が降りかかるらしい。みんなの党の渡辺代表のことである。
昨年12月にみんなの党は分裂騒ぎを起こしたが、外部からは何がこの分裂を引き起こしたかさっぱり分からなかった。
その後袂を分かった江田氏が「結党の精神を忘れ去った渡辺氏についていけない」といい、さらに「野党再編の中心勢力になる」と言っていたので、この分裂騒ぎが渡辺氏の主導する安倍内閣補完勢力対江田氏の主張する野党結集勢力の対立であることがわかった。
注)なおみんなの党の結党精神とは「小さな政府、日米同盟、脱原発」
しかしこの分裂騒ぎが世間の注目を浴びなかったのは安倍政権の基盤は盤石でみんなの党がどのように分裂しようが大勢には全く無関係だったからだ。
この分裂騒動で衆参合わせて35名のみんなの党は21名の小所帯に転落しますます政治力を失ったと言っていい。
その渡辺氏に今度は約8億円の借入金疑惑が持ち上がっていると毎日新聞が(週刊誌に掲載される予定と)報じている。
10年6月に3億円、12年11月に5億円の借り入れを化粧品やサプリメントの企業DHCの吉田会長から借り入れたというものだ。
何か猪瀬前東京都知事の借入金と酷似しており、渡辺氏は猪瀬氏が当初言っていたように個人的借り入れで利息も支払っており、うち2億5千万円はすでに返済したと説明している。
注)なお猪瀬氏の件は東京地検特捜部から公選法違反で略式起訴(裁判は開かれず裁判所が罰金を言い渡す)される模様。
12年11月は衆議院選挙直前だからこの資金が何に使用されたかは誰の目にも明らかだが、渡辺氏は個人的借り入れで押し通すことになるだろう。
何しろ渡辺氏の政治資金報告書には2億5千万円の借入しかないことになっているのだから、間違っても政治資金などと言えば政治資金規正法の網に引っ掛かってしまう。
だから「誰が何といおいうとも借入金だ」と突っぱねる以外に方策はない。
渡辺氏はもともと安倍首相とは近い関係にあり、特に安倍第一次内閣から福田内閣にかけて行政担当大臣として国家公務員制度改革法案を四面楚歌になりながらも通すのに尽力していた。
行政改革・公務員制度改革に対する姿勢は一貫しており、私は渡辺氏のこうした姿勢を評価しているのだが、弱小政党の領主として資金調達に走らなければならなくなり、墓穴を掘ったようだ。
政治家にとって常に問題になるのは金と女(男)で、こうした罠をうまく潜り抜けたものだけが総理大臣になれるというのが実態だ。渡辺代表の父親の渡辺美智雄氏も副総理や蔵相を務めた実力者だったがリクルート事件の関与が総理への道を閉ざした。
政治家とは難しい職業だとつくづく思ってしまう。
注)なお小沢氏は政治資金規正法違反で裁判にかけられたがその経緯と結果については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-97f6.html
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