評論 世界経済 ポルトガル経済

(25.7.6) 今度はポルトガルが火を噴いた。EUの失われた5年 Portugal was blowing the fire this time. 5 lost Year of EU

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  日本のようにすでに20年間にわたって「失われた20年」を経験しているものから見ると、ヨーロッパはリーマンショック後から約5年なのだからまだまだひよっこのようなものだ。
ヨーロッパの弱い環が常にほころび、やれギリシャ危機だ、キプロス危機だ、いや違う本命はスペインイタリアだと言っている間に、今度はポルトガルが火を噴いた。

 ポルトガルはEU,ECB(欧州中央銀行)、IMFから780億ユーロ(約10兆円)支援を受け、2011年より財政再建に取り組んできたが、非常にまじめに対応しすぎてそのあおりでポルトガル経済は冷えあがってしまった。
国内に職場がなくなり、失業率は18%で若者や技術者はかつてのポルトガルの植民地、ブラジルアンゴラに出稼ぎに行き、「もうポルトガルには帰りたくない」と言い始めている。

注)ポルトガルの実情についてはNHKが特集しており、それを記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-5703.html

 あまりの惨状に連立与党を組んでいる民衆党の閣僚が辞任をし、財政再建策は無理だと言い始めた。民衆党が閣外に去れば与党は過半数割れになり、財政再建策にイエローランプがつくので、市場はびっくりして10年物国債の利回りが8%を超えた。
EUには財政再建の原則があり、財政赤字をGDPの3%以内にしなければならない。このためには緊縮財政が必要だが、緊縮財政は経済を冷え込ませ分母のGDPの値が小さくなるので、さらに財政赤字額を縮小しなければならなくなる。
何かやればやるほど経済は縮小し、更なる緊縮財政に追い込まれている。

注)ポルトガルの財政健全化の目標年次は2013年だったが、これを2014年に延長を認められた。なお12年度の財政赤字比率はGDPの6.4%。

 私は前に資本主義体制は常に通貨の価値を引き下げることでインフレを引き起こし延命する体制だと述べたことがあるが、ことユーロ加盟国はこの手段が取れない。
通貨はECBが管理しているので、赤字財政のファイナンスに通貨の印刷という手段が取れないのだ。
このため財政緊縮が唯一の手段になり、これは当然のことに経済の縮小をもたらす。
ギリシャもこの負のスパイラルに落ち込んで、「メルケルが緊縮を叫ぶので俺たちの職場がなくなった」とドイツを目の敵にしている。

注)資本主義体制の本質については以下の記事で記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-e932.html

 日本は通貨円を日銀が管理しているので、黒田総裁のように「いくらでも印刷するぞ」と言えば、たちまちのうちに株や不動産価格は上がるが、この絶対の切り札がないユーロ加盟国はドイツの意向に従うよりほかに手はない。
緊縮財政の見返りはEU,ECB、IMFによる資金援助というわけだ。

 何度も同じことを言うが成長限界に達している経済をさらに成長させることはかなり難しい。
規制緩和を行って新たな産業を創出する手段はあるが、日本やヨーロッパのように既成勢力が強い政治権力を持っている場合はほとんど改革は骨抜きになる(アメリカは共和党が規制反対勢力で、なんでも規制に反対しているので新しい産業が生まれている)。

注)日本が規制緩和如何に抵抗するかは、日本の農業政策の中で述べておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-5e30.html

 残された手段は通貨を印刷してインフレを起こし、株や不動産価格を上げて景気が回復したように見せ、企業家や国民をその気にさせる方法だけだが、ユーロ加盟国はそれもできない。
だからヨーロッパ経済は成長が完全にストップし、日本と同様「失われた20年」に入っていくのは必然と言える。

注)先進資本主義国は成長限界に達し、その後は静かな成長をもとめない世界に入ると思っているが、それを新しい中世という。新しい中世は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-4a0a.html

Portugal was blowing the fire this time. 5 lost Year of  EU


From the point of view of those who are experiencing the "20 lost years" for over 20 years as Japan, Europe now are experiencing about five lost years after the Lehman shock, it's like a fledgling still.
The weak Ring of Europe is always open seam, while saying Greece's crisis, Cyprus crisisit's certs that's Spain and Italy, Portugal was blowing the fire this time.

Portugal received the support of 78 billion euros (about 10 trillion yen) from EU, ECB (European Central Bank), the IMF. Portugal has been working to fiscal consolidation from 2011, but Portugal economy is frozen becouse it is too respond seriously 

There is no longer Workplace in the country, the unemployment rate is 18%, technicians and young people go to the colony of Portugal in the past as migrant, to Angola and Brazil, and they are beginning to say that "I do not want to go back to Portugal again".

To the devastation of so much, Ministers ofeople party that formed a ruling coalition began to resign, and began to say fiscal consolidation plan was impossible. IF People party becomes the opposition, the ruling party can not maintain a majority.
Market was in amazement, yield of 10-year government bonds has gone more than 8%.

In the EU, there is a principle of fiscal consolidation, it must be within 3% of GDP the budget deficit. To do this, austerity is necessary, but austerity will undermine the economy, the value of GDP in the denominator is reduced, it is necessary to reduce the fiscal deficit further.

I have ever said that the capitalist system is a system that survival cause inflation by lowering the value of the currency at all times. However, Euro member countries do not get this means.
Because ECB maneges of the currency,tfor finance the deficit, Euro member countries  not take the means of printing of currency.

For this reason, the fiscal austerity becomes the only way, which leads to economic contraction in a matter of course.
Greece also fell into a spiral of this negative, and they have sworn enemy to the German and said ,"Merkel is reason of shout austerity, my workplace is no longer" .

Bank of Japan is managing the currency yen, so if President Kuroda

Speaks of "Going to print any number of"  , real estate prices and stocks go up to almost immediately, but for eurozone countries there is no trump card of the absolute , there is no other way to follow the wishes of Germany.
Return for fiscal austerity is funding of EU, ECB and IMF.

I say the same thing many times, but for the economy has reached limit of groeth, it is very difficult to grow  further.
There are the some
way to create a new industry by performing deregulation, the reform will be watered down by the ready-made power that have as strong aspolitical power forces in Europe and Japan。

Means that are left, there is a way to cause inflation by printing the currency, showing the economy as recovered by increasing the real estate prices and stock, to motivate the public and entrepreneurs, but eurozone even it can not.
So the growth will stop completely, Europe economy go into the "20 lost years" as well as Japan.

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(24.10.9) ドキュメンタリーWAVE 頭脳の流失がとまらない ポルトガルの落日 そして日本

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 ポルトガルと言っても一般の日本人はほとんどこの国のことを知らない。かつて日本に種子島と言う鉄砲を伝えたとか、エンリケ航海皇子が大航海時代のさきがけとしてアフリカ航路を開拓したとか、バスコ・ダ・ガマインド航路を発見したとかの過去の知識しか持ち合わせていない。
最近のことはまるっきり知らないのが実際だ。

 今回NHKがドキュメンタリーWAVEで放送した「頭脳の流失がとまらない ポルトガルの落日」はまさに最近のポルトガルの実情を教えてくれた貴重なレポートだ。

 ポルトガルはほとんどギリシャに似ている。人口も1000万人程度だし、GDPはギリシャのほうがやや大きいと言う程度だし、国土もさして変わらない。
そして何よりもヨーロッパの金融危機の荒波に襲われて緊縮財政を政府はとっているが、国民が大反発している姿も同じだ。
ギリシャと同様若者が商店や自動車を打ち壊している。

 ポルトガルの失業率は15%だが、若者に限って言えば36%3人に一人は失業していることになる。
若者の失業が多い理由はヨーロッパの労働者が勝ち得てきた一種の労働ギルド制があり、職種ごとに組合ができていてその組合員でないと職に就けない。
そして組合は現に職を持っている労働者の味方だから(特に職場が縮小している現在は)若者の入り込む余地がないのだ。

 このため現政権のコエーリョ首相は国民に「ポルトガルで職を得ると思うな、ポルトガル語が通じる旧植民地に行ってそこで働け」と公言している。
ポルトガルは首相が自国に見切りをつけた稀有な国家だ
実際ポルトガルでは増税、社会保障費の削減、公務員の首切りが日常茶飯事だから、手に職を持った人々や若者はアンゴラ、ブラジル、モザンビークと言った旧植民地に大挙して職を求めて移動している。

ポルトガル経済の基本的問題は以下のブログに記載してあります。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat42499781/index.html

 特にねらい目はアフリカのアンゴラでここは石油やダイアモンドと言った鉱物資源の宝庫だがその鉱物資源をめぐって2002年まで内戦状態にあった。
アンゴラの人々は戦争には慣れ有能な兵士だが経済を運営するノウハウがほとんどないため、アンゴラ政府はポルトガル人の誘致を積極的に進めている。

 建設・石油・IT・金融のスペシャリストは特に引く手あまたで、最近では公認会計士や大学教師もアンゴラに職を求めて移住してきている。
治安は御世辞にもいいとはいえないが給与はポルトガルのように遅延もないし高給だから現在10万人のポルトガル人がアンゴラで働いているという。

 番組では識者と思われる人がポルトガルの国家を支えてきた有能な人材の流失がとまらないことを危惧していたが、当のコエーリョ政権は「ポルトガルに職がないのだから有能な人は海外で職を見つけてほしい。ポルトガルに留まっても無駄だ」といたって割り切っていた。

 笑ってしまったが、そうしてばかりしていられないのは日本がおかれている状況と酷似しているからだ。
日本の半導体液晶と言ったかつて世界を席巻した技術者が今大挙して旧植民地だった韓国や台湾や中国満州国は日本の植民地だった)で高給で仕事をしているが、それに似ている。
日本では輸出産業が崩壊しシャープソニーパナソニックと言った日本をリードしてきた産業の技術者が馘首されていて、そうした技術者は今旧植民地で働いている。

 日本に新たな産業が育たないからで、金融や医療は最も可能性の高い産業だが、残念ながら政府にはこうした産業を次世代産業に育てようとする本当の戦略がない。
ポルトガルを笑ってばかりいられない事情がここにある。

なお日本の成長戦略に関する私の提案は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48360072/index.html





 

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