(24.11.12) 食糧危機前夜 再び世界がひっくり返えろうとしている!!
今世界は食料危機前夜に突入している。
4年前のリーマンショック直前の食料価格高騰時期に酷似してきた。
当時穀物価格が急騰し、米、小麦、トウモロコシ、大豆の暴騰にたまりかねた約13の最貧国で暴動が多発し、それほど貧しくない国でもストライキ等で経済混乱に陥った。
吹き荒れたアラブの春の端緒もこの食料価格の暴騰に伴う住民の不満が発火点だ。
注)アラブの春が食糧危機を原因にしていたことについては以下の記事で詳述した。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/23128-f9ef.html
今回の穀物価格の暴騰はアメリカの穀倉地帯の大干ばつがトリガーになっている。ほぼ半世紀振りといわれる旱魃で、大豆とトウモロコシの価格がアメリカ市場で過去最高値を付け、米や小麦も高値圏で推移している。
こうした食料価格の高騰に耐えられる国はエンゲル係数が低い国か通貨高の国で、幸いに日本はその両者であるので現状穀物価格の高騰も家計にさほど影響を及ぼしていない。
注1)穀物価格の価格推移のグラフは以下参照
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_zyukyu_kakaku/pdf/kakaku05.pdf
注2)アメリカの大干ばつについては以下の記事参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-4da3.html
しかし反対に所得のほとんどを食料調達に振り向けなければならない貧しい国や、通貨をドルにペッグしている国は穀物価格の上昇が国内の食料品の暴騰を引き起こし、4年前のような暴動の引き金になる。
特に最貧国の多いアフリカ諸国では再び動乱の季節を迎えるだろう。
こうした影響は新興国と言われるロシアや中国にも現れ始めた。
ロシア国内の穀物価格上昇が6%を越えだしたので、プーチン大統領は警告を発しており、再び4年前と同様の穀物の輸出規制に乗り出すかもしれない。
一方中国の消費者物価は2%程度の上昇で一見安定しているが、これは民心安定策として食料品価格を強制的に抑えているからで、いつまでもそれが可能かどうかは分からない。
世界の穀物価格の上昇は直接的には旱魃のせいだが、長期的視点としては人口増に食糧増産が追いつけない現状がある。
すでに穀物在庫が減少傾向にあり、過去30%程度が普通だった世界の穀物在庫量が20%程度に落ち込んでいる。
そしてこれを絶好の機会として狙っているのが投機資金で、アメリカではバーナンキ議長の度重なる金融緩和策を受けて余剰資金が穀物市場になだれ込んでいる。
世界経済の低迷で投機資金はそれまでの鉱物資源に対する投機から食料資源に対する投機にターゲットを変えてきた。
「食料は絶対に不足する。買いだ、資金をつぎ込め」と言った状況だ。
今年から来年にかけ、最貧国を中心に暴動や政権交代が頻発し、新興国においても食料自給率の低い国はストライキが頻発しそうだ。
4年の歳月を隔てて、再び食糧危機が再発し始めている。
なお食料問題に関する記事は以下にまとめて入っています。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat50611672/index.html
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