評論 世界経済 金融問題

(29.1.17) 走らないバスに乗り遅れることがあるのだろうか。 AIIBの一年

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 走らないバスに乗り遅れることはあるのだろうか。
ほぼ1年前にAIIB(アジアインフラ投資銀行)が設立して業務を開始したが、それから1年、まったくと言っていいほど業務が拡大しない。
ここ1年間の融資案件は9件で約2000億円だが、日本が主導しているADB(アジア開発銀行)の1年間の融資額約3兆円の15分の1程度だ。

 「アジアのインフラ需要は無限大だが融資する金はほとんどない。どうしたらいいんだ!!!」AIIBの金総裁が嘆いている。
出資金の目標は1000億ドルだが実際の出資金の集まりは約50%で、うち30%は中国の出資だから中国だけが頑張っている構図になっている。
習近平氏の当初の目論見はアメリカと日本を巻き込み、この2か国の信用で債券を発行して市場から資金を無限に調達する計画だったが、日本とアメリカが参加しなかったのですっかり目論見が外れた。
中国だけの国際銀行では各付けもつけられませんな」欧米系の各付け会社からそっぽを向かれたため市場からの調達をあきらめもっぱら出資国に奉加帳を回しているが、参加国は出資金にさらに債券購入と踏んだり蹴ったりの様相だ。

バスがさっぱり出発しないが、いったいどうしたんだ
もともと中国一国で国際金融機関を運営するのには無理があったのだが、中国には融資という概念がない。国有銀行の国有企業への貸し出しは補助金の交付のようなもので、最初から返済されるとは思っておらず、返済が滞ればその分人民銀行が穴埋めをする。
不良債権の山だが表面的には焦付きの形をとっていないため優良資産ばかりになっており、世界での屈指の優良会社だが実際は真っ黒焦げの赤字金融機関だ。

 またAIIBの融資がままならないのは職員がいないこともあり、「90人の職員でどうしろというんだ」という恨み節も聞こえる。
ADBの3000人に比較して大企業と中小企業ほどの格差がある。人材はおらず、募集しても低給与と世界最悪のスモッグ地帯の北京では優秀な応募者はほとんどいない。応募に応じるのは鳩山由紀夫氏のような人ばかりだから金総裁もげんなりしている。
「一体いつになったら日本のADBレベルのまともな国際金融機関になれるのだろうか」ため息ばかりが出る。

 ここにきて世界の景気は一気に減速を強め、インフラ投資を行ってもそれに見合う収支を期待することなど夢のまた夢になってしまった。返済など望むべくもないからODAのような実質返済無用の資金でないとどこも調達できない。
最貧国には融資をしても返済のめどはなく、結局は不良債権の山になるのだが、当初の目論見は「どうせ市場から調達した資金だからどうなってもいい」というものだった。
中国企業がインフラ開発を担当するから中国だけが儲かり、後は野となれ山となれだ。

 だが日本とアメリカが参加しない国際銀行などに市場が資金を提供することはない。中国政府だけが担保のようなものだが、中国の資金繰りは実際は火の車でライブドアのような様相だ。
結局一年たちAIIBは走らないバスであることが明確になってきたが、補助金以外は受け付けない最貧国に対する融資などありえないことが判明しただけだ。

 

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(28.3.7) ビットコインが法規制の網に だがそれを信じて投機をするとひどい目にあう!!

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  ビットコインなどと言われても、「ああ、あのイカサマ商品か」と思ってしまうが、政府が「ビットコインを貨幣と見なして法規制の対象にする」といいだしたので驚いてしまった。
何しろ今から約2年ほど前にマウントゴックスというビットコイン取扱業者が倒産し、その時の負債総額が約82億円で債権者は約13万人(日本人が多かったいたが、当然のことに回収はおぼつかなく泣き寝入りになったばかりだ。
訳の分からない商品に手を出して一獲千金を狙う方が悪い」多くの日本人はそう思ったはずだ。

注)現在ビットコインが世界的に利用されている理由は以下の通り
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-9a7d.html

 私はもう日本ではビットコインはすたれたのかと思っていたが、どっこいしぶとく残っていて自民党に対し熱心なロビー活動をした結果、政府はこのたびビットコインを貨幣と見なす法改正をするのだという。
日本には7つのビットコイン取り扱い業者がいて、そこが実質的な取引所の機能を有しているので、金融庁がそうした業者の資産チェックや業務チェックを行って、顧客に害を及ぼさないようにするのだそうだ。

 現在日本人のビットコイン利用者は5万人程度と推定されており、世界的に見ると1200万人の利用者がいて、中国人の割合が5割程度と推定されている。
この中国人が主として利用しているというのが曲者で、中国にはビットコインで買い物や食事ができる店などほとんどないのに、やたらと中国人はビットコインの口座を持っている。
やましい使われ方をしているのだ。

注)ビットコインがどのようなものかの説明は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-6bdf.html

 ビットコインは通貨だが、ものを購入するのではなく中国では海外送金に利用されている。一種の口座振替の感覚で送金ができるのだが、銀行と違ってインターネット経由だから手数料は非常に安く、何より銀行を通さないから中国政府の目を盗んで海外送金が可能になる
今のうちだ、人民元をみんなドルにかえてしまおう」そのための手段がこのビットコインだ。
ビットコインとして送り、それを現地でドルにかえればいい。

 だがあまりに中国人がビットコインに殺到したためビットコインの価格が急上昇してしまった。ビットコインは商品としての性格もあるから、金やプラチナや原油と同様に需要と供給で決まる。現在はやたらと需要が多いので当初は1ビットコイン10ドル(1200円)程度だったのが、最近時点では4万7千円程度に値上がりしている。
当初は単純な通貨として登場したが、たちまちのうちに投機商品となって、金やプラチナと何ら変わらなくなってきた。

 単なる決済手段ならプリペイドカードと同じだが、投機商品として国際的に取引されており、簡単に言ってしまえば株の投資と何ら変わりがない。
ビットコインの利用者は投機のつもりで売買しているから、素人が手を出すと痛い目にあうのはマウントゴックスの事例を見れば分かるだろう。
政府が法規制に乗り出すことは分かるが、それを信じてこのような投機商品に手を出すと大損害を被ることだけは確かだ。

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(26.2.27) ビットコインの衝撃 「大変だ、取引ができなくなってしまった!」

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  一体何が起こったのだろうか。ビットコインの大手、マウントゴックス社が26日「技術的な理由で取引を停止した」と発表した。
ビットコインはコンピュータ上の仮想通貨だから、コンピュータ取引ができなくなればビットコインの価値もなくなる。
マウントゴックス社の口座数は約100万評価額は300億~400億円だから、この金額が宙に浮きそうだ。

注)ビットコインがどのようなものかについては以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-6bdf.html

 通常技術的な理由と説明されるものはコンピュータ上のトラブルを指す。
詳細は不明だが考えられる理由は二つだ。
一つはマウントゴックス社の口座がハッキングを受けてビットコインを盗まれてしまった場合で、銀行でいえば銀行強盗によって金庫の金塊が残らず奪われてしまったようなものだ。
もう一つはビットコインの顧客が急激に増大したことにより、システム負荷が増大してコンピュータが作動しなくなった場合だ。みずほ銀行でのシステムトラブルのようなもので、こちらは顧客の信頼はひどく落ちるがシステムが再稼働すればビットコインの残高がなくなることはない。

 
 今のところマウントゴックス社が明確な説明をしていないので何とも理由がわからない。もしこれが金融機関だったら金融庁がすぐに乗り出して検査を行い業務改善命令を出すところだが、あいにくとこの業界は完全に自由市場に任せられて誰も管理していないから手の出しようがない。
裁判に訴えようにもどの法律に基づいて裁判を起こしていいのかもわからない。法的に定義されている商品ではないからだ(いわば骨董品市場のようなものだ)。

 ビットコインの値動きは激しすぎてついていけない。ほぼ1年ぐらい前には1ビットコインが20ドル程度だったものがあれよあれよという間に昨年末には1200ドルになり、それが今年に入って急落して600ドル前後になっていた。
それがマウントゴックス社(取引所)が取引停止した直後は、1ビットコインが420ドルに急落し、前日比▲20%になったが業界の安全声明を受け翌日550ドルに持ち直している。

注)上記の価格推移は日経の資料を参考に記載したが、毎日新聞のデータでは200ドルにまで落ちていた。どうやらどこの取引所のデータを使用するかで価格が異なるようだ。

 ビットコインの市場規模は世界で1兆円だから日本の資金供給量200兆円に比べても比較にならないほど市場規模は小さい。
この小さな市場に投機資金が大量に入ってきたため価格が乱高下しており、素人が手を出すと大やけどをしそうな荒い世界になっている。
今のところ原因はマウントゴックス社の個別の案件と市場は見なしているが、技術的トラブルが業界大手のマウントゴックス社に発生したとすれば、他の6社にも同じ問題が発生する可能性が高いとみるのが普通だ。
ハッキングを受けたのなら他の企業も同様なハッキングを受ける可能性はあるし、システム障害も同様だ。

 ビットコインの世界は完全な自己責任だから、投資家が損をするのも自己責任の世界だ。
だから今回300億~400億円相当のビット・コインが凍結されても、「だからなんなのよ」という状況で、最近日本であった安愚楽牧場での投資家の被害が約4000億円程度に比較しても単位が一桁違う。
今のところは市場規模が限られた仮想通貨という世界での小さなトラブルと言ったところだが、この世界で一儲けしようとしていた投資家にとっては背筋が冷たくなった事件だとは言える。

 


 

 

 

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(26.2.6) 世界の株式は金融相場 FRBの緩和縮小で大パニック!!

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 世界の株式市場は企業業績ではなく、FRBの量的緩和策だけで持っている
この1月からの相場の動きを見てつくずくその感を強くした
昨年までFRBは毎月9兆円規模の紙幣の増刷を続けてきたが、この1月から8兆円、2月からは7兆円にし年内には量的緩和措置を停止すると発表したので世界中がパニックにおちてしまった。

注)昨年12月、FRBが金融緩和措置の縮小を宣言した時の記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-6d1d.html

 世界の株式市場は年初来安値の連続で日本の株式も2月4日は610円の安値を付け、年初来14%の安値と成り、昨年の8月の水準まで落ち込んでしまった。
この安値はアメリカもまた新興国も同様で、世界の株価はFRBの量的緩和措置の縮小に合わせて下降曲線を描いている。

注)この日の各国の下落率は以下の通り。東京▲4.18%、韓国▲1.12%、香港▲2.89%、フィリピン▲2.15%、ニューヨーク▲2.10%

 なぜ株式は業績相場ではなく金融相場で動くのかは少し考えてみればわかる。
FRBが毎月9兆円の紙幣を印刷して金融機関にばらまいても、それを調達して生産を増やす企業などほとんどない。大手企業は自己資金で生産拡大できるし、中小企業は業績に問題があるところが多く融資対象にならない。

 仕方がないので余剰資金は金融機関が自身で使用するか(自己ディールという)、ヘッジファンドに押し込むが、使用先は株式や不動産と言った生産に無関係な投資物件だけになる。ここはいくら価格が上昇しても全員がハッピーに感ずるまれな市場だ。
含み資産が1億増えて俺は金持ちになった

 これはマネーゲームだが、何しろこの資金の胴元はFRBだから、世界中の金融機関やヘッジファンドが安心してマネーゲームに明け暮れていた。
ところが胴元のFRBが「お客さん、今日はこのぐらいでばくちはお開きにしましょう」と言いはじめたため、この賭場から灯が消えてしまった。

 何度も言ってきたが十分に成熟した先進国経済はこれ以上成長することはない。私の例で考えてみればわかるが家も購入済みで家庭内には電化製品であふれている。たまには旅行はしたいが老齢になればそれも体力の範囲のことだ。自動車など運転するのも嫌だから自転車にしか乗らないが、自転車の価格などしれている。
時に家の修繕費がかかったりパソコンを購入しなおさなければならなくなるが、それは現状維持の範囲を出ない。
一体どこに成長要因があるのだろうか。

 さらに先進国では人口は停滞したり減少したりしており、増えるのは年寄りばかりで、年寄りはそもそも消費意欲などわかない。だから私の事例は特殊ではなく先進国の一般的な事例に過ぎない。
国内ではデパートもスーパーもコンビニも飽和状態になって互いに他のシェアを食い合うことで生き残りを図ろうとし、電機メーカーは電化製品を作っても売れなくなった。
スマートフォンも携帯も行き渡り携帯各社も市場拡大に限界を感じている。

 先進国ではほとんど成長余力がないから無駄でもリニア新幹線を開通させたりして、公共投資を積み上げるが、効果より保守費用がかかってかえって成長を阻害してしまう。
最後に残された手っ取り早い成長策は見かけだけ成長させる方法だ。

 それが紙幣を印刷することでこれがFRBの量的緩和策や日本のアベノミクスの正体だが、確かに株式や不動産が値上がりし、その値上がり益で不要な不用品の購入は増える。
だから一見成長しているように演出できるが、これは金の出し手がいればの話でFRBが資金を閉めたとたんに株式も不動産も暴落する。
リーマン・ショック以降の世界経済はその繰り返しで、バブルの清算をバブルで行うという方式だ。

 一方新興国や後進国は確かに成長余力はあるがFRBや日銀の資金が流れなくなれば国内市場だけが頼りで、その潜在的な成長率は5%前後だろう。10%やそれ以上の成長は先進国の資金バブルの影響だ。
ここにきて中国・ブラジル・トルコ・タイ・インドネシアと言った新興国のGDPの成長率が落ちているが、自力で成長しなければならない以上致し方がない点がある。

注)中国は為替の自由化を行っておらず閉じた金融市場を持っているのでその範囲で通貨元の印刷ができる。これはFRBが世界市場で行っていることを中国市場だけで行っていることになる。中国だけは見かけの成長を維持できるが政府が金融を閉めると経済は大失速してしまう。

 私などはいつまでこんな経済を続けるのだろうかと暗澹たる気持ちになるが、これ以外に有効な手段がないのだから為政者としては致し方がないのかもしれない。

注)こうした現状に経済学者の浜矩子氏も嘆いていた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-9f20.html

小林幸子が歌う「おもいで酒」が虚空に響いている。

「いつかは 崩れる 株なのに・・・・・・・・
バブルの未練が またつのる・・・・・・・・
FRBはどうして いるかしら・・・・・・・・・・
暮らしも荒れた このごろは・・・・・・・・・
緩和の酒に 酔うばかり・・・・・・・・・・・・」






 



 

 

 

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(26.1.30) 仮想通貨ビットコインと国家通貨の攻防 国家通貨が敗退し始めた!

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 私が昔経済学を学んだ時最も分かりづらい概念が通貨だった。教科書的に言うと流通手段であり、貯蔵手段であり、また価値の評価基準であるといわれたが、そういわれても何のことかさっぱり分からなかった。
ある時は貝殻で、ある時は大きな石であったり、また長く金や銀と言った貴金属であったり、最近では有名人を印刷した紙幣になっている。
貝殻と金と紙幣じゃ全然違うじゃないか? どこに共通点があるんだ???

 だが5年前に現れたインターネット上の仮想通貨ビットコインを見ると、通貨とは所詮信用なのだということが実感として分かった。共通項は信用なのだ。
元々ビットコインが現れたのはキプロスの経済危機が発端で、キプロス政府は預金者の預金を凍結して引き出せないようにしてしまった。

注)キプロスの金融危機については以下に詳細に記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-4da3.html

 国家が管理している通貨は金融機関を通じてディリバリーしているのだが、この金融機関の窓口を閉めてしまえば通貨ユーロでさえ利用できなくなることをキプロス政府が教えてくれた。
まずいじゃないか、国家の通貨は所詮お釈迦様の手の内で、いくら持っていても口座凍結されれば一銭の値打もなくなってしまう
キプロス政府の信用は地に堕ち、金融機関経由の預金も危ないということになって一気にビットコインに対する需要が拡大した。
キプロス政府より、仮想通貨を発行している仮想国家の方が信用を勝ち得た瞬間だった

 実際リーマンショック以降の世界を見ていると、各国政府が自国通貨を印刷しまくって通貨に対する信用を落とす競争をしている。
特に先進国では景気が一向に回復しないから残された手段は紙幣を増刷して株と不動産の価格を上げることしかない
アメリカも日本もEUも中国も輪転機経済になってしまい、通貨の信用は急速に低下し、そのかわり株と不動産は値上がりに転じている。

注)アメリカのFRBが行っている紙幣の増刷については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-6d1d.html

 こんな国家の恣意的な通貨を見限って、仮想国家による新通貨を発行しようと気が付いた天才プログラマーいた。名前をナカモト・サトシという日本人のような名前をしているが、このナカモトの呼びかけに世界中のプログラマーが賛同し、仮想通貨の決済システムを作ってしまった。
一般の人は気が付いていないが、金融機関が金融機関としてその地位を保っていられるのは決済手段、特に世界的なスイフトという決済手段を構築したからだ。

 おかげで資金のディリバリーはすべて金融機関の口座を通さなければならなくなり、政府は金融機関の口座管理さえすればマネーロンダリングの防止も、おれおれ詐欺の防止も、そしていざというときは預金凍結もできるようになった。
政府の通貨操作の鍵を握っているのが銀行口座と言うことになる。

注)政府は銀行に預金者の本人確認を厳しく求めており、そのため人に知られたくない資金は現金で保管して自宅の庭になどに埋めておくことになる。

 一方ビットコインは金融機関の口座を通さないので、その資金の捕捉は国家はできなくなり、また金融機関にとっては重要な手終料収入の激減になる。
このビットコインは世界で数百万人が利用し、その規模は1兆円というから相当なものだ。
そしてこのビットコインの利用者の約半分は中国人なのだが、これには中国政府が目をむいた。

なんということだ。中国人民には人民元というこよなき通貨を提供しているのに、人民元を見限ってビットコインに換えて、しかもその資金を海外に送金してドルに換えている。中国人民には愛国心がないのだろうか
中国国内でビットコインの取引を禁止したが、これはインターネットの世界の通貨だから口座凍結ではなくインターネットの遮断になるが、こうしたサイトは雨後の竹の子のように発生する。

 中国人の金持は中国政府を信用していない。本当は預金はドルか円かユーロで持ちたいが、通常の人民が勝手に外国通貨を購入することはできない。だからあらゆる手段を通じて自身の人民元を海外にもち出そうとする。その最適な手段がビットコインでこれならだれにも知られずにそっと国外に資金を移すことができるからだ。

 ビットコインの将来はどうなるだろうか。すべては国家通貨との信用力との競争で、キプロスやアルゼンチンのような弱小国家の通貨よりビットコインの方が信用力はあることは確かだ。
人民元については意見が分かれる。中国政府はいつなんどき金持ちに牙をむいてくるか分からないので金持ちは人民元を信用していない。一方一般の人民にとっては人民元は相応の信用力がある。

 21世紀に入って国家通貨は仮想通貨の挑戦を受けることになった。弱小国家の紙幣は顧みられなくなり、かつてはドルやユーロや円に換えていた人々はさらにビットコインと言う選択肢が得られることになった。
今は中国人がその主要な利用者だが、ドルやユーロや円が増刷競争をすればするほどビットコインの利用者が増加することだけは確かだ。

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(25.12.25) 世界通貨体制への激震  ビットコインの登場

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(ちはら台走友会のクリスマスプレゼント)

 ビットコインと言われても普通の人には何のことかわからないだろう。インターネットの世界で現れた世界通貨のことだが、そういわれてもますます混乱するかもしれない。
通常世界通貨と言えばドルで、それ以外で世界で広く使用されている通貨はユーロであったりであったりする。

 こうした通貨はFRBECB日銀が厳しく(本当はユルフンで)通貨量を制限しているからその価値が維持されているのだが、一方ビットコインはコンピュータで管理されており、管理主体はプログラムである。
イメージ的には言語におけるエスペラント語の通貨版が現れたようなものだが、現在はまだ海のものとも山のものとも分からない。

 ビットコインが現れたのは2009年だが、現在この利用者が爆発的に増えており、ちょうどインターネットの普及の初期のような状況になっている。
アメリカから利用され始めたのはいつものことだが、2013年に入って中国で爆発的に利用が増えるようになったため中国政府が慌てふためいて通達を出した。
中国国内でのビットコインの取引を禁止する!

 ビットコインがどのようなものか分からない人のために説明すると、利用の仕方はネットバンクの口座登録と同じようなもので、ビットコインを扱っている業者(マウントマックス等)に口座を作って、日本人ならば円を振り込む。すると業者の口座にビットコインという残高ができて、あとはこのビットコインで支払いが可能な商店やレストラン等で商品を購入したり食事をすればいい。

 「だからなんなの??という感じだと思うが、実はインターネット通貨独自のメリットがあって、たとえば顧客がクレジットカードで支払いをすると、業者は1%前後の手数料をクレジット会社に支払わなければならないが、この手数料がビットコインでは0.5%程度になる。
業者にとってはビットコインで受け取るほうが手取りが大きいのだ

 もう一つのメリットはビットコインで支払えば通貨の交換手数料がいらなくなる。通常円・ドルの交換を行うと1ドル当たり1円の交換手数料を銀行に払わなければならないが、これが不要だ。
さらに海外送金を行うと送金手数料がかかるが(これはかなりな金額を取られる)、ビットコインはインターネットという公衆回線を使用するから送金手数料がかからない
通貨の交換手数料も、また送金手数料もかからないところがミソだ。

注)金融機関は独自の閉じた通信網を構築してその中で安全かつ正確に送金を行っている。これに対しビットコインはインターネット回線を使用している。高速道路を使用せず一般道を走っているトラックのようなもので、高速道路料金がかからないのとおなじ。

 そして中国で爆発的にビットコインの取り扱いが増加したのは通貨元は他通貨と自由に交換できない通貨だからだ。
中国では為替の自由化が行われておらず、輸出入業者以外が元と他通貨(ドル)の交換をすることができない。
一般の人民がオーストラリアやアメリカに預金できなかったのだが、このビットコインを使えば海外に預金口座を持てる。
中国で人民元をビットコインに代えてそれを海外の口座に送金すればいい。

いつ元が紙くずになるかもしれないから今のうちに資金を海外に移してしまおう!!
中国の小金持ちがこのシステムを利用して資金の海外逃避を始めたために中国政府が目をむいた。
なんと愛国心のない奴らだ。このままいくと中国人民の預金が国内にとどまらずオーストラリアやアメリカに逃げてしまう。まずいじゃないか!!
為替の自由化をなし崩し的にされてしまったようなものだ。

注)為替が自由化している国の国民(日本人もそう)は自由に外貨預金を持てる。一方中国人は元以外の預金ができないが、ビットコインを使えばそれが可能になるので飛びついた。

 ビットコインは自由な市場で取引されているから、需要者がいれば当然高くなる。アメリカで始まったころは1ビット当たり10ドルが相場だったのだが、中国の小金持ちが参加し始めて一気にフィーバーし始めた。1ビットが200ドルを超えてさらに300ドル前後に跳ね上がった。

注)ビットコインの価格推移は以下のグラフを参照
http://gigazine.net/news/20131106-bitcoin-price-record/

 中国人にとりビットコインは通貨元を海外に逃避させる手段だが、中国人が海外に資金を逃避させようと焦ったため、その動きを見て投資資金がこのビットコインの市場に流れ込んだ。ビットコインは高騰し、それ自体が投資の対象になってしまった。
信じられん、これならビットコインを海外の口座でそのまま持っていれば俺は大金持ちだ
ますますフィーバーし始めた。

 その通貨の希少性はきん)並になってきて、この先どこまで上昇するか分からない。
何しろ中国を含め世界中が自国の通貨を大量に印刷し切り下げを行っているので、ビットコインはますますその価値を高めている(ビットコインは通貨量に上限を設けている)。
ビットコインは、一人最強の通貨みたいだ。

 今後ビッドコインはどうなるのだろうか。インターネットがそれまでの通信インフラを駆逐したように、世界の通貨インフラを駆逐するのだろうか。今は生まれたばかりで使用がってもそれほど良いものではないが、時間がたつにつれてその重要性が増しそうだ。
ビットコイン通貨の交換や海外送金インフラが劇的に変わってしまう恐ろしい可能性を持っているといえそうだ。

なお、金融問題については以下に記事をまとめております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat50073508/index.html





 

 

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(25.9.10) リーマンショックから5年 再び世界はリーマン前夜

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(北海道東部の海岸線。ところどころに人家があり昆布で生計を立てている)

 
 やはりと言おうか当然と言おうか、資本主義体制を維持する最高の特効薬はまたもやインフレーションになった。
リーマンショックから5年たち、あれほどサブプライムローンに悩まされたのに、アメリカはじめ世界各国は再び金融緩和という麻薬の投与で不況から立ち直ろうとしている。

 かつて私が学生だったときに経済学を学んで一番不思議だったのはクリーピング・インフレーションという概念だった。
毎年1~2%程度のインフレーションが経済にとって最適だというのだが、私はインフレもデフレもない価格が安定した状況が最適と思っていたので(日銀も白川前総裁まではそうした立場だった)この概念を理解することはできなかった。

注)現在安倍政権が行っている年に2%程度のインフレ政策とは、このクリーピング・インフレーションのことである。

 だがリーマンショックによる経済失速から立ち直るため、アメリカや日本やヨーロッパや中国が、意図的にインフレを起こし経済を再生しようとしているのを見てインフレこそが資本主義体制の特効薬だという感を強くした。
そうなのか、金を増刷して紙幣の価値を低下させれば人々は紙幣でなく物を持とうとして、経済活動が活発化するわけか・・・・・・

注)資本主義体制がインフレなくして生き残れないことは前にも述べてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-e932.html

 リーマンショック前、先進各国は金融緩和策をとり、その結果住宅宅市場が過熱化し貧困階級まで住宅を手当てしてサブプライムローンの崩壊を招いた。
一時は世界各国が反省し、金融機関を野放図にするとバブルが発生するということで金融規制の強化を図かり、3年前アメリカのオバマ政権は「金融規制法」を議会に通過させた。
だがこれは本質的なところで自己矛盾を抱えた法律だったと言える。

 金融規制法のポイントはボルガー・ルールと称するもので、金融機関がサブプライムローンのような金融商品を自己資金で売買することを禁止し、こうした金融商品を扱っている投資会社に出資することも禁止する法律である。
金融機関は金融商品の投資に手を出すな」ということだが、しかし法律制定から3年、このボルガー・ルールは実際には適応されていない。

 理由はJPモルガン・チェースのような大銀行が反対していることだが、より本質的な理由はFRBが歴史上でもまれといった金融緩和策をとり続けているからだ
考えても見てほしい。FRBは金融機関に対しサブプライムローンを担保に未曽有の貸し出しをしているが、一方で金融機関がボルガー・ルールに縛られて投資ができなければ資金は金融機関の中から外には出ず、資金は死蔵される。
FRBさん、あなたは資金供給をしてくれるが融資先などほとんどないのですよ。投資をする以外金融機関が資金を使用する相手はいません

 金融機関の主要な機能は融資だが、成熟した資本主義社会においては製造業に対する融資などは傾向的に低下している。今は住宅投資のような実需に基づかない危険な投資以外に資金需要はない。
アメリカにおいては再び住宅バブルが発生し、リーマン・ショック前の価格に戻りつつあると投資家は喜んでいたが、バブルを再来させるほかに先進国経済を成長させる手段がないからだ。
住宅価格も石油も株も、なんでもいいから価格を上げよう。それが資本主義経済を活性化する道だ。だからボルガー・ルールなんか無視してじゃんじゃん投資を行おう

注)アメリカの住宅価格の推移を示すケース・シラー指数の推移は以下参照
http://lets-gold.net/chart_gallery/chart_usa_macro_case-shiller.php

 何度も同じことを言うが成熟した社会では物やサービスに対する需要はこれ以上増やしようがない段階になっている。
人々が消費活動をしなくなればデフレ傾向になり、経済は失速する。
実需がなければ仮需を無理やり作って経済があたかも成長しているように見せるのが、ケインズ政策の真骨頂で紙幣を印刷してばらまき金融機関に無理やりその資金を使用させる。
しかし金融機関は危険な投資以外に資金を使用する方法はないのだから、ボルガー・ルールなど適用されてはFRBの超緩和策が何の意味を持たない。

 かくして、経済成長を図るためには金融機関に野放図な投資を認めることになるが、その結果紙幣をばらまきすぎて今世界経済は再びリーマン前夜に突入してきた。
これは資本主義体制の持つ本質的な矛盾だと言っていい。

)マルクスは資本主義体制は10年ごとの恐慌に襲われると指摘したが、ケインズは政府の財政・金融政策で恐慌を回避できると主張した。しかしその手段は主として金融緩和策ということになったため、現在の資本主義体制は常にインフレがないと生き残れなくなった(そして行き過ぎるとパニックを起こす)。

(別件)ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせ。

以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)
https://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&tab=wl

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

*人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません)

主催 ちはら台走友会 担当 山崎次郎


 

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(24.7.17) JPモルガン・チェースのディリバティブ取引の大失敗と金融規制問題

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 やはりボルガー・ルールは必要なのだなとしみじみ思ってしまった。
ボルガー・ルールとは元FRB議長のポール・ボルガー氏が提案しているルールで「なんでもありのアメリカ金融界を規制するルール」のことである。

 ボルガー氏は「多くの人々から預金を集めて商業銀行業務を行っている金融機関は自己勘定取引やヘッジファンドへの投資をすべきでない」と主張した。
自己勘定取引とは金融機関が集めた預金をもとでに自身で証券市場でディーリング業務を行うことであり、ヘッジファンドへの投資は自分のダミー会社を作って好き勝手な金融取引を行う行為である。

 いづれもアメリカの大手金融機関が長年にわたって行ってきた商業慣行で、これがリーマン・ショックを引き起こしたと言うのがボルガー氏の認識だった。
しかしこの主張はアメリカ共和党とそれを支持するウォール街の大反対にあって未だに日の目を見ていない。
だがウォール街の急先鋒だったJPモルガン・チェースディリバティブ取引で大失敗をしたので風向きが変わるかも知れない。

 JPモルガン・チェースはリーマン・ショック時にほとんど唯一と言って良いほどの軽微な損失で切り抜け「さすがJPモルガン・チェースのリスク管理は完璧だ」と賞賛されてきた金融機関である。
そのためJPモルガン・チェースはますます自信を深め「自由市場と自主管理こそが金融市場の発展に寄与し、ボルガー・ルールはこの金融市場を窒息させるだけだ」と舞い上がっていた。

 そのJPモルガン・チェースが信じられないような大失敗をしでかした。
CIO(最高投資戦略室)と言われる部門で2期にわたり損失が発生しさらに損失が膨らみそうになっている。

注)12年1~3期 ▲17億ドル  12年4~6期 ▲44億ドル、NYタイムズは全体で90億ドル(7200億円)の損失になると予測している。

 CIOとは聞きなれない言葉だが、ボルガー氏が反対している自己勘定取引部門の一部だと思えばいい。
CIOロンドンに本拠を置いて「合成クレジット・ポートフォリオ」と言う取引を行っていた。
名前を聞いても何の取引かさっぱり分からないがCDS(クレディット・デフォルト・スワップ)の取引を大々的に行っていたようだ。
CDSとは保障契約の一種で、融資者の返済が危ぶまれると判断したとき、より信用がある企業に保障をしてもらう契約である。

注)たとえばA銀行がB社に5%の利回りで融資をしていて、この会社からの返済を危ぶんだとする。その場合C銀行に2%の利回りで保障をしてもらう契約をするとA銀行はB社が倒産してもC銀行から元金の回収ができる。

 CDSは本来このような保障契約だが(JPモルガン・チェースの融資金に対する保障契約であれば何の問題もないが)、CIOでは融資金とはまったく関係なくCDSの大々的な取引を行ってきた。
この取引でJPモルガン・チェースは2009年 43億ドル、2010年 36億ドル、2011年 13億ドルと荒稼ぎを行ってきた
いわばJPモルガン・チェースの稼ぎ頭で、そのあまりのすさまじい市場支配力によりロンドンではCIOを「ロンドンの鯨」(CDSをがぶ飲みすると言う意味)と言って恐れていたものだ。

 取引の詳細は不明だが(JPモルガン・チェースの最高経営責任者でもよく分からないらしい)、「ロンドンの鯨」はもっぱらCDSの先物取引で利益を上げていたらしい。CDSは保障だから保障先の業績が悪化すれば値が上がり、反対に業績がよくなれば値がさがる。
前にNHKで放送していたギリシャ国債のCDSを扱うヘッジファンドは、CDSが安いときに大量に仕込んでギリシャ危機が発生するとそのCDSを売り抜けていた。

注)ヘッジファンドの事例は「NHKスペシャル ユーロ危機とヘッジファンドのCDS戦略 日本も狙われている」を参照

 2011年末まではこうして「ロンドンの鯨」はわが世の春を謳歌していたが、11年末にJPモルガン・チェースの方針が変わった
どうも当局の金融規制の方針は強固だ。ボルガー・ルールも導入されるかもしれない。ここいらで将来を見越して自己勘定取引を縮小しよう

 ロンドンにCDS取引の縮小を指示したが、「ロンドンの鯨」はこれをまったく無視した。
本社のお偉方は気が小さい。良いからどんどん取引を行
信じられないことに本社の通達が出てから3ヵ月後にはCDSの持高は3倍に膨れ上がってしまった

注)正確に言うと将来価格が上がると予想されるCDSと価格が下がると予想されるCDSをバランスして購入してリスクを軽減しようとした。このためCDSの持高が急激に上昇した。

 しかし所詮は予測に過ぎない。この予測がはずれると持高が多い分損失は一気に膨らむ。
ここにきて欧州金融危機の予測に失敗し実際にそうなってしまった。
今回の損失は最大でも7000億円程度だからJPモルガン・チェースの経営に支障が出るほどのものではない。
しかしこの銀行が従来から言っていた自慢のリスク管理は実際は張子の虎だったことが判明し「自由市場と自主管理こそが金融市場の発展に必ずしも寄与しないこと」が明らかになった。

なお、世界の金融機関の問題は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat50073508/index.html

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(24.7.8) LIBORをめぐる世界の金融機関の談合が暴かれようとしている。 世紀のスキャンダルになるか?

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 大変だ。世界の金融機関に激震が走っている。
ことの起こりは英の大手金融機関バークレーズ銀行が不正にLIBOR(ライボー)を操作したとして米英の監視機関から摘発を受け、総額360億円の罰金を支払わされたことに始まる。

 金融関連の仕事をしたことのない人はLIBORといっても何のことか分からないだろうが、世界の主要な金融機関で使用されている融資をする場合の指標金利のことである。
この金利はロンドン市場で取引している主要な金融機関の銀行間取引レートで、毎日16行の金融機関が英国銀行協会に届出をし、その平均金利として公表される。

注)正確には上位4行と下位4行を除いて、中間の8行の平均金利。金融機関は通常現金を十分に持っていないため金融機関同士で短期の資金の貸し借りをして資金繰りを付けている。その銀行間でやり取りされる金利。

 このLIBORがなぜ重要かというと、たとえば企業融資はその会社の格付にしたがってLIBOR+X%と言うように決められ、世界市場の金利設定メカニズムの根幹にあるからだ。
LIBORを基礎に決められる融資額は世界で残高が360兆ドルと言われるほど途方もなく多い。

注)日本国内では日銀の指標金利に対しX%上乗せと言うような決め方が多いが、世界ではLIBORこそが指標金利になっており、ロンドン市場やニューヨーク市場での基準金利になっている。いわば世界標準の金利。

 そのLIBORが不正に操作され、しかもそれはどうやらバークレーズだけでなく、一種の金融闇カルテルと言うようなLIBOR参加金融機関全体による不正操作の疑いが濃厚になっている。
米英当局は不正を疑われるすべての金融機関を調査しており、日本のメガバンク等もその対象だ。

 なぜこのような不正操作が始まったかというと、当初は(2005年ごろからトレーダーが利益を生み出しやすいようにLIBORを高めに報告していたからだ。
たとえばバークレーズの本当の銀行間取引レートが1%のときに、当局に2%と報告しそれが基準金利になれば、「お客さん、あなたのところLIBOR+1%ですから3%の金利になります」なんて言って実際は2%の鞘を抜くことができる。

注)トレーダーは個人ごとに収益管理をされているが、コストは実際にバークレーズが調達する銀行間取引レートが使用される。

 こうして暴利を貪っていたのだが、2008年のリーマンショックで環境が逆転した。
この時期銀行間金利が高いと言うことは信用力がないということで、たちまち市場で倒産がうわさされてしまう。
このため信用力を疑われていたバークレーズ銀行はLIBORを意図的に低く報告するようにした。
お客さん、わが行は安全です。その証拠は他行からの調達金利がこのように低いのです。金融機関相互間での信用力は抜群です

 さて問題はこうした金利操作がバークレーズ一行かと言うことだが、そのようなことはありえない。何しろLIBORは上下の8行の金利は切り捨てになるのだから、16行全体で操作しなければ何の意味もない
日本でおなじみの談合だが世界の金融機関も同じ穴のむじなだ。

 さらに2008年以降の金利操作は英国のイングランド銀行の副総裁が主導した疑惑が上がっている。
このままでは英国の金融機関の信用力は市場から見放される。いいから報告金利は低くしろ。他行にもそのようにサジェスチョンする
これで英国政府公認の談合になってしまった。

 このような世界の大手金融機関の談合体質が今暴かれようとしているが、しかし私が不思議なのはなぜバークレーズ銀行に今捜査の手がはいったかだ。
このような金利操作は昔から行われており、金融機関の裏社会では常識となっていた。
それなのにユーロが混乱を極めていて、国家も金融機関も青息吐息のときにさらに世界の金融機関を巻き込んだスキャンダルが表面化した理由はなぜなのだろうか。

 単に米英の監視当局が急に生真面目に仕事をしはじめたというのでは影響が大きすぎる。決定的な証拠のあるたれ込みが監視当局にされたのだろうか。
何か大きな深い理由がありそうだが、現状ではそれは不明だ。

注)監視当局は08年のリーマンショック時にはLIBORの問題点を把握していた。それを4年間にわたって知らないことにしていた理由が何かが分からない

なお過去のバークレーズに関する記事は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/21123-1e19.html

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