評論 日本の政治 著作権法

(26.2.8) 佐村河内さんのどこが問題なのだろうか? ゴーストライター事件

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(何が問題なのだろうか?)

 私のように音楽と言えば演歌しか聞かないものにとって、佐村河内さむらごうち守氏と言われても、交響曲第一番HIROSHIMAと言われても何のことかさっぱり分からなかったが、連日新聞やテレビで報道されているので嫌でも目についてしまった。

 佐村河内氏全聾ぜんろう)の作曲者でかつ被爆者二世で、今回のソチオリンピック・フィギュアスケートの高橋大輔選手が使用する「ヴァイオリンのためのソナチネ」の作曲者だったことを初めて知った。

 この佐村河内さんには新垣隆さんというゴーストライターがいて、いままで佐村河内さんの作品と言われていた曲のうち20曲余りが、新垣さんが実際は作成したものだという。
新垣さんは自身の作品があまりに有名になってきたこともあり、佐村河内さんとのゴーストライターとしての契約を破棄して独り立ちしようとしたが、佐村河内さんが受諾しないので思い余って週刊誌にその事実を暴露したものだという。

 佐村河内さん自身は簡単な曲が弾けるぐらいで、譜面作りは全くできなかったというから、実際は曲のオーダーであり、この世界の言葉でいえばプロデューサーだったようだ。
自分のイメージを曲の指示書に落して新垣さんに渡し、できた曲について二人で推敲して最終的に曲が出来上がっていった関係らしい。

注)佐村河内さんの作品は20曲以上あるから新垣さんが代作した以外の作品についてもゴーストライターがいる可能性がある。

 どこかで聞いたことのあるような話だなと思ったが、NHKで放送した刑事コロンボの「構想の死角」というドラマの筋にそっくりなことを思い出した。
この筋書きを知らない人のために説明するとケンとジムという二人の推理小説家がいて共著で大人気の「メルビル婦人シリーズを書いていたのだが、実際はジムがすべての小説を作成し、ケンはもっぱら出版者との交渉や講演等を行っていた。
ある時ジムがもう「メルビル婦人シリーズ」はやめて、シリアスな小説を一人で書くので共著を辞めたいと申し出たので、それまでの優雅な生活ができなくなることを恐れたケンが、相互に生命保険が掛けられていることを利用して殺人を犯すという筋立てだった。

 佐村河内さんとしては急に作曲ができなくなって世間から訝られてしまうことを恐れて、新垣さんのゴーストライター解消の要請を何とかとどめようとしたのだろう。
せっかくここまで日本のベートーベンと言われる名声を確保したのに、新垣がいなくては作曲ひとつできないではないか・・・・・この名声を確保するために俺はどんなに努力したことか・・・

 私もシナリオを書いたことがあるからよく知っているが、どんなに上手な素晴らしいシナリオが書けても、それだけでテレビドラマになったり映画で使用されることはない。
いわばそれを売り込むための仕組みが必要で、作者に特別に人を引き付ける話題性があったり(全聾の日本のベートーベン)、プロデューサーとの特別な関係があったり、放送局の実力者とコネがあったりしたプラスαが必要で、それなくして無名の新人が世間に認められることはほとんどない。
だから新垣さんが佐村河内さんのゴーストライターとして作品を発表していたのはある意味で致し方がない点があった。
 
 よく政治家が総理大臣になると急に本を出版したりするが、これなどはゴーストライターが書いているのは誰でも知っている。
第一現役の政治家が本を記載しているような時間はないので、せいぜい政治家の抱負や生い立ちをテープに落として後はゴーストライターが最大限に脚色して記載したものだ。

 また売れないが才能ある小説家のために著名な小説家が名前を貸して支援することもあり(川端康成氏も当初は菊池寛氏の代筆をしていた)、またシナリオライターの世界では弟子が著名な先生のシナリオを共同で作成しているのは常識だ。
また漫画の世界は今では多くの弟子の共同作業になっている。
そして学問の世界でも教授の論文が実は弟子の論文であることはよくあることだ。

 だから私などは音楽の世界でもそうした名前貸しのようなものがあってもおかしくないのではないかと思っていたので、「だから何が問題なの」と思ってしまった。
今回の問題はたとえてみれば独り立ちしたい弟子を親方が何とかして押しとどめようとして失敗した例のようなもので、弟子が十分独り立ちできればそれを認めるのが親方の度量だ。
今回の件はその度量が佐村河内さんにはなかったと言うお粗末な事件に過ぎない。

(別件)ちはら台マラソンのご案内


3月15日(土)に第1回市原ちはら台マラソンが行われます。
   種目は10km、5km、2km、1kmです。
   コースはすべて公道を使用して、白バイの先導もあります。


コースは以下のとおりです。

  (10km)
   http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=561210b401f2b16a5c8bdc88ecb
b0880


   (5km)
   
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=52a9cd953c0833d66bc02ab0c21
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runnetの参加申し込み締め切りは 2月17日までです。

 

 

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(24.6.24)違法なダウンロードに罰則規定 喜ぶのは警察と悪徳業者だけになりそうだ

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 世の中はドサクサにまぎれて何が起こるかわからないものだ。
今回の著作権法改正で、急遽音楽と映像(映画)の違法ダウンロードが刑事罰の対象になった。
2年前の改正では音楽と映像の違法なアップロードは刑罰の対象だったが、ダウンロードの方には刑事罰は存在しなかった。
それが2年以下の懲役または200万円以下の罰金刑」が今回科せられることになった。

 推進したのは自民党と公明党の有志議員で、ロビー活動を行ったのは日本レコード協会である。
日本レコード協会によると違法な音楽のダウンロードは年間約45億ファイルで、金額にして6683億円相当、これは正規の売上げ金額860億円約8倍にも及ぶと言う。

 日本レコード協会はこうした違法なダウンロードを許していては、日本の著作権ビジネスが崩壊し、音楽や映像文化の喪失につながると主張している。
私もこうした違法なダウンロードが著作権者の権利をひどく侵害しているのは分かるが、アメリカではソフトウェアを無料にして企業からの宣伝費で収益を上げるGooglefacebookのようなビジネス形態が一般化しており、著作権保護の観点より自由なネット利用のほうにビジネスは動いている。

 一方日本ではGoogleのようなまねができないため、著作権保護を行わないとビジネスが成り立たない。そのために著作権の強化に走るのだが、今回の罰則規定は思わぬ副作用をもたらしそうだ。

 副作用は大きく言って2つありどちらもかなり問題がある。

 一つ目は警察による別件逮捕が実に容易になると言うことだ。
これは少し考えてみれば分かる。
たとえば麻薬捜査である人物を逮捕したいが証拠がない場合は携帯電話かスマートフォンかパソコンを抑えればいい。

 通常こうした通信道具を保有している人なら必ず一つや二つ(あるいはめちゃくちゃに多く)の違法なダウンロードが見つかるはずだ。
あんた、これは何だ。著作権法違反で2年は豚箱だな。それとも200万払うか・・・、どっちに転んでも日の目は拝めないな・・・・まあ、麻薬のありかを吐けば著作権法違反は見逃しても良いが・・・」なんてことになりそうだ。

 もちろん法に抵触している人を逮捕するのが警察の役目だからそうした場合は別件逮捕もありとは思うが、何しろ違法ダウンロードは罪の意識なくほとんどの人がしているから日本人のほとんど(パソコンも携帯も使わない人は除く)が容疑者になって逮捕されそうだ。
日本人のほぼ全員が犯罪者となる刑罰は果たして妥当だろうか

 もう一つの問題は(私はこちらのほうが大きいと思っているが違法ダウンロード詐欺が横行する可能性が高いことだ。
少しでも画面を触れば音楽ソフトや映像をダウンロードする仕組みを作っておいて、後は法外な料金を請求すればいい。
そうした悪質な業者が雨後のたけのこのように発生しそうだ。

お客さん、あんたは違法なダウンロードをしているのですよ。これを警察に言えば2年の懲役か、200万円の罰金刑ですね。払わないのならすぐに警察に通報しますがいいんですか、週刊誌にでも書かれたら、あんたは困るんじゃないの」なんて脅されそうだ。
男であればある種のサイトを覗いてみたくなるものだが、すねに傷もつ身だとこの脅しに耐えるのはかなりの精神力が要るだろう。
今までは警察に訴えるのが顧客だったのに、今度は悪徳業者が警察に訴えると言う。
正義が悪徳業者に移ってしまう。

 実際はこの法律は親告罪と言って被害者(レコード会社)が訴えないと罪に問われることなく、また違法と知らないでダウンロードした場合は罪にならないのだが、「違法と知らなかったことを立証」するのはかなり大変そうだ。
それに毎日2年の懲役か200万円の罰金だなんて脅かされれば、数千円から数万円の請求は払ってしまいそうだ。

 今回の著作権法改正の違法ダウンロードの罰則規定は、目的は正しくとも副作用が大きすぎて、強すぎる抗がん剤を投与された癌患者のようになってしまうだろう。
警察については相応に大人の判断をするとしても、後者の悪徳業者についてはおれおれ詐欺に変わるビジネスとして裏社会に蔓延しそうだ。

注)今回の著作権法改正には当初違法ダウンロードの罰則規定はなかった。
①写り込みに関する規定、② 国会図書館のデジタル化資料の規定、③リッピングソフトの違法化、と言った規定だけだったのに急遽「違法ダウンロードの罰則規定」が加わったのは日本レコード協会のロビー活動の成果である。

日本レコード協会は自民党と公明党の有志議員に働きかけて政府提出の著作権法を修正させたのだが、民主党は消費税法案を通すのに全力を挙げているので、今なら自民党と公明党の言うことを丸呑みしてしまう。

 

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