評論 日本の経済 自動車産業

(28.5.21) 軽自動車の燃費計測は机上計算。どこの会社も数値をごまかしている!!

22522_012

 私のように自動車にはのらず、もっぱら移動は自転車か公共の乗物を使用しているものには、軽自動車の燃費がどのようなものであっても関係ないが、軽自動車の愛好者にとっては大事な問題だ。
ここに来て三菱自動車スズキで燃費の改ざんが明らかになったが、いづれも法令で定められた実際に走らせる方法でなく、実験室で得られた数値を基に燃費を机上計算したものだった。

 三菱自動車の例では、もっとも条件を良くした実験環境で得られた数値から計算された燃費効率は本来の燃費より15%程度アップしているという。
なぜ本来の走行実験ではなく、実験装置のデータを使用したかというと、実際の走行実験が大変なことと、データにばらつきがあることが研究者をなやませたかららしい。
ええ、面倒だ。すべて実験室のデータを利用して、燃費は机上で計算しよう」

 当初はやむおえない措置だったのかもしれないが、この机上計算を始めるとテストデータを少しいじれは驚異的な燃費が出ることにすぐに気づく。
何しろ経営層からは、「他社に負けない燃費を達成しろ」といわれ続けていたので、技術開発を積み上げるよりデータを改ざんするのが最も手っ取り早い。

 中国ではGDPデータを報告者が改ざんして統計局にあげ、さらに統計局は党中央の指示でさらにデータを改ざんするので何が何だか分からなくなっているが、三菱自動車やスズキの改ざんもそれにちかい。
国土交通省はこちらの提出データをうのみにするだけで自分で計測などしないし、同業他社も鉛筆をなめて燃費を上げているのだから、我が社も遅れるわけにはいかない。
それにユーザが独自に燃費を計測することはないし、もしクレームをつけてきたら、テスト環境の違いだとうそぶけばいい

 私など軽自動車の燃費が毎年驚異的に向上していることに目を見張っていたが、机上計算によるごまかしで報告していたのならいくらでも向上させられるだろう。
しばらく前に日本の旧石器時代の石器の研究者がやたらと古い年代にさかのぼる石器を発見し続けていたが、実際は自分が作った矢じり等を自分で埋めて古い地層から発見していただけだった。

 今回の三菱自動車の軽自動車の燃費問題は実際は燃費向上がこれ以上不可能になったなかで、経営者、研究者、開発者がグルになって燃費をだました問題だが、どうやらこれは他のメーカーでも同じような事例が今後発生する可能性が高い。
何しろ国土交通省はこの問題が発覚するまでは、単にメーカーから提供された数値をそのまま認めていただけで、本来のチェックなど全くしていなかったのだから国土交通省も同罪だ。

 考えてみれば燃費などは自動車が備えなければならない基本的な問題でないから、その計測データはメーカーに任されていて、メーカーごとに勝手にデータを出していたにすぎない。簡単に言えば単なる参考数字が販売上の最有力データになってしまったためにどこのメーカーも自分に都合のいい数字を出していたのだ。
一方国土交通省は今までは厳密な指導などしないで、ここに来て大慌てで「法律違反だ」といっているにすぎない。
だからこの燃費の計測違反は構造問題だといえる。

| | コメント (3)

(24.6.8) ニッサン カルロス・ゴーン社長の最後の警告

Dscf5597

 日本車の中で最も好調なニッサンカルロス・ゴーン社長が、自らの「経営者ブログ」の中で日本に対する最後通牒を発した。
以下の3つの条件が整わない限り日本での生産は減少させると言うのだ。

注) 2011年、トヨタやホンダが東日本大震災やタイの洪水で販売数量を減少した中でニッサンは約16%増の485万台の販売実績をあげ最も好調だった。

 三つの条件とは以下の通りだが、まずもって解消が困難なことばかりだ。

① 円高の是正に向けた政策の実行
(理由)
・現在日系メーカー全体で1円の円高に対し約900億円の損失が出る。
・リーマンショック後円は米ドルに対し
約22%、ユーロに対し約30%、ウォンに対し約50%の円高になっている。
・このためライバルのアメリカメーカーは日本車に対し22%安く、ドイツメーカーは30%安く、韓国メーカーは50%安く車を販売し
日本生産の日本車は対抗できない。


(実態)
 日銀は昨年の10月から11月にかけて75円の円高になったときに総額で10兆円規模の為替介入を実施した(8月にも4.5兆円の為替介入をしている)。これで一時的に80円台の相場になったが、その後再びじりじりと円高が進んでいる。
円高の最大の原因は、ドル安の場合はFRBの超金融緩和策の結果であり、ユーロ安の場合はヨーロッパ経済の危機のためである。

 日本が為替介入を強化してもアメリカとユーロがそれ以上の金融緩和を実施すれば効果がない。アメリカは大統領選挙を控えており、ユーロは存続に危機に瀕している。こうした状況下で日本が為替戦争を仕掛けるのは(世界経済秩序を崩壊させるので)無理がある。
せいぜい75円以上の円高にならない程度に為替介入するのが実態だろう。

② 持続可能なエネルギー政策の確立
(理由)
・企業に対し常時節電を要請しているような電力供給の生産場所は企業立地としては不適。
・東電は企業に対し17%電気料金値上げを通知してきたが、これはニッサン車一台当たりの電気料金を2000円~3500円アップさせており、日本で生産する競争力を阻害している。
・電力の安定供給には原発の再稼動が必要だがめどが立っていない。


(実態)
 現在唯一再稼動を目指している関西電力の大飯原発3・4号機でさえ、京都府と滋賀県の知事が「夏場だけの限定利用」にするように国に申し出をしており、どのような決着になるか予断を許さない。
原発の再開は原発のある市町村が雇用確保のために賛成しているだけで、その周辺自治体は大反対を繰り返しており、政府も明確なエネルギー政策を打ち出せないでいる。
したがって今後とも日本のエネルギー事情は不安定な状況が続きそう。

③ 人口減少と高齢化対策
(理由)
・人口が減少して高齢者ばかりが増える場所は生産場所としては最悪。
・若者の人材確保のための移民政策を大々的に取り入れるべき。

(実態)
 この問題が日本の場合は最も難しい。日本人は本心では外国人を嫌っており鎖国体制が一番望ましいと考えている。
看護師や介護士をインドネシアやフィリピンから受け入れても、思いっきり難しい試験を課して日本に居続けないように厚生労働省が誘導している。

 難民の受け入れも消極的で、日本に若者がやってくることは期待できない。

 

 以上のようにカルロス・ゴーン社長の3つの条件はいづれも達成が困難なことばかりであり、ゴーン社長も日本社会が3つの条件をクリアするとは当初から思っていない。

 だから今回発表した3条件はゴーン社長から日本への最後通牒であり「どうせ現状維持だろうからニッサンは日本を生産現場として選択しない」ということを裏から述べたことに過ぎない。
日本での300万台生産を社是としているトヨタが円高で呻吟している間に、ニッサンは中国、ロシア、ブラジル、メキシコ等での生産を強化し、グローバル企業としてトヨタを追い越すだろう。

注)現在最も元気な自動車メーカーはフォルクス・ワーゲン、現代、そしてニッサンである。前2者は為替安の追い風による販売好調であり、ニッサンはグローバル生産体制を完全に引いたことによる販売の好調と言える。


なおトヨタ自動車の苦悩については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-090f.html
 

またゴーン社長の「経営者ブログ」を直接読みたい方は以下参照
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0500F_V00C12A6000000/


 

| | コメント (0)

その他のカテゴリー

NHK NHK特集 超常現象 | NHK クローズアップ現代 | NHK コズミックフロント | NHK BS世界のドキュメンタリー | NHK ミクロの大冒険 | NHK NHK特集 | NHK NHK特集 ヒューマン | NHK NHK特集 病の起源 | NHK ためしてガッテン | NHK ためしてガッテン 老化予防法関連 | NHK ためしてガッテン 認知症関連 | NHK ハイビジョン特集 | NHK プロジェクトWISDOM | NHK ワールド・ウェーブ | システム facebook | システム Twitter | システム You-Tube | システム ウィニー | システム グリーティングカード | システム サイバー戦争 | システム スマートフォン・タブレット KDP | システム スマートフォン・タブレット・テレビ | システム ネット社会 | システム ブログ ココログ | スポーツ サッカー | スポーツ ロンドンオリンピック | スポーツ 大相撲 | スポーツ 東京オリンピック | スポーツ 野球 | ボランティア おゆみ野の森 | ボランティア おゆみ野の森 活動の交流 | ボランティア おゆみ野クリーンクラブ | ボランティア 地域活動 円卓会議 | ボランティア 教育指導 数学・理科・英語 | マラソン | マラソン ちはら台走友会  | マラソン ちはら台走友会 登山 | マラソン ウルトラマラソン | マラソン ハーフマラソン開催 | マラソン 四季の道駅伝 | リメイク版 夏休みシリーズ 23年 | リメイク版 夏休みシリーズ 24年 | リメイク版 夏休みシリーズ 25年 | リメイク版 夏休みシリーズ 26年 | リメイク版 夏休みシリーズ 27年 | 事件 中学生誘拐事件 | 個人生活 ヨガ | 個人生活 同窓会 | 個人生活 失敗記 | 個人生活 学校 | 個人生活 家族 | 個人生活 山崎書店 | 個人生活 散策 | 個人生活 数学 | 個人生活 文学入門 | 個人生活 日本人論 | 個人生活 映画 | 個人生活 映画鑑賞 | 個人生活 樹木剪定問題 | 個人生活 歩く会 | 個人生活 水泳 | 個人生活 演歌 | 個人生活 登山 | 個人生活 私の人生観 | 個人生活 自転車 | 健康 | 健康 坐骨神経痛 | 健康 眼病 | 健康 精神性胃炎 | 健康 老化対策 | 健康 難聴 | 旅行 サンチャゴ巡礼 | 旅行 ネパール | 旅行 ロドリゴとイェティ | 旅行 勝浦ビッグ雛祭り | 旅行 北アルプス縦断 | 旅行 自転車周遊記 | 旅行 蝦夷地周遊記 | 歴史 ローマ史 | 歴史 世界史 | 歴史 中国史 | 歴史 日本史 | 歴史 郷土史 | 災害 東日本大震災 | 災害 東日本大震災 メガクエイクⅢ | 災害 東日本大震災 地震保険 | 災害 東日本大震災 心に与える影響 | 災害 東日本大震災 政治 | 災害 東日本大震災 東電の経営問題 | 災害 東日本大震災 汚染水問題 | 災害 東日本大震災 経済 | 災害 熊本大地震 | 評論 世界 国連 | 評論 世界 地球温暖化 | 評論 世界 水資源問題 | 評論 世界 科学 | 評論 世界 自然保護 | 評論 世界政治 | 評論 世界経済 | 評論 世界経済 アフリカ経済 | 評論 世界経済 アメリカ経済 | 評論 世界経済 アメリカ経済 アフガン戦争 | 評論 世界経済 アメリカ経済 シェールガス・シェールオイル | 評論 世界経済 アメリカ経済 社会問題 | 評論 世界経済 イギリス経済 | 評論 世界経済 イタリア経済 | 評論 世界経済 インドネシア経済 | 評論 世界経済 インド経済 | 評論 世界経済 ウクライナ経済 | 評論 世界経済 オーストラリア経済 | 評論 世界経済 カナダ経済 | 評論 世界経済 カンボジア経済 | 評論 世界経済 ギリシャ経済 | 評論 世界経済 サウジアラビア経済 | 評論 世界経済 シンガポール経済 | 評論 世界経済 スペイン経済 | 評論 世界経済 タイの政治・経済 | 評論 世界経済 トルコ経済 | 評論 世界経済 ドイツ経済 | 評論 世界経済 ネパール経済 | 評論 世界経済 バングラディシュ経済 | 評論 世界経済 フィリピン経済 | 評論 世界経済 フランス経済 | 評論 世界経済 ブラジル経済 | 評論 世界経済 ベトナム経済 | 評論 世界経済 ポルトガル経済 | 評論 世界経済 ミャンマー経済 | 評論 世界経済 ヨーロッパ経済 | 評論 世界経済 ロシア経済 | 評論 世界経済 ロシア経済 プーチン | 評論 世界経済 中国経済 | 評論 世界経済 中国経済 不動産投資・統計 | 評論 世界経済 中国経済 政治情勢 | 評論 世界経済 中国経済 社会問題 | 評論 世界経済 中国経済 社会問題 尖閣諸島 | 評論 世界経済 北朝鮮経済 | 評論 世界経済 北朝鮮経済 政治情勢 | 評論 世界経済 台湾経済 | 評論 世界経済 外国為替・金 | 評論 世界経済 石油問題 | 評論 世界経済 石油問題 イラン関連 | 評論 世界経済 経済成長 | 評論 世界経済 金融問題 | 評論 世界経済 韓国経済 | 評論 世界経済 韓国経済 社会問題 | 評論 世界経済 韓国経済 竹島・従軍慰安婦 | 評論 世界経済 食糧問題 | 評論 中東・アフリカ アラブの春 | 評論 中東・アフリカ アラブの春 エジプト | 評論 中東・アフリカ アラブの春 シリア | 評論 日本の政治  八ツ場ダム | 評論 日本の政治 ノーベル賞 | 評論 日本の政治 人口問題 | 評論 日本の政治 公共事業 | 評論 日本の政治 内部告発者保護法 | 評論 日本の政治 医療行政 | 評論 日本の政治 危機管理 | 評論 日本の政治 原子力行政 | 評論 日本の政治 地方政治 | 評論 日本の政治 地方政治 大阪 | 評論 日本の政治 地方政治 東京 | 評論 日本の政治 大学入試改革 | 評論 日本の政治 学校問題・子育て | 評論 日本の政治 安倍内閣 | 評論 日本の政治 安倍内閣 TPP交渉 | 評論 日本の政治 安倍内閣 外交政策 | 評論 日本の政治 小沢裁判 | 評論 日本の政治 年金制度 | 評論 日本の政治 教育問題 | 評論 日本の政治 新聞報道 | 評論 日本の政治 普天間基地 | 評論 日本の政治 東京オリンピック | 評論 日本の政治 生活保護政策 | 評論 日本の政治 石原都知事 | 評論 日本の政治 確定申告 | 評論 日本の政治 航空行政 | 評論 日本の政治 菅内閣 | 評論 日本の政治 著作権法 | 評論 日本の政治 観光行政 | 評論 日本の政治 警察機構 | 評論 日本の政治 農業政策 | 評論 日本の政治 選挙制度 | 評論 日本の政治 野田内閣 | 評論 日本の政治 陸山会事件 | 評論 日本の政治 領土問題 | 評論 日本の政治 食糧問題 | 評論 日本の政治 24年度衆議院選挙 | 評論 日本の政治・経済 | 評論 日本の政治・経済 将来像 | 評論 日本の政治・経済 歴史 | 評論 日本の政治・経済 高速鉄道 | 評論 日本の経済 AIJ、MRI詐欺事件 | 評論 日本の経済 JRの経営 | 評論 日本の経済 アクリフーズ | 評論 日本の経済 イオン | 評論 日本の経済 エルピーダメモリ | 評論 日本の経済 オリンパス | 評論 日本の経済 シャープの経営問題 | 評論 日本の経済 ソニー | 評論 日本の経済 ソフトバンク | 評論 日本の経済 トヨタ自動車 | 評論 日本の経済 マクドナルド | 評論 日本の経済 不動産価格 | 評論 日本の経済 医療分野 iPS細胞、STAP細胞 | 評論 日本の経済 外食産業 | 評論 日本の経済 宇宙ビジネス | 評論 日本の経済 安倍内閣 経済政策 | 評論 日本の経済 安倍内閣 金融政策 | 評論 日本の経済 家電業界 | 評論 日本の経済 就職問題 | 評論 日本の経済 日本再生 | 評論 日本の経済 日立製作所 | 評論 日本の経済 旭化成建材 | 評論 日本の経済 東芝の会計処理 | 評論 日本の経済 海運業界・造船業界 | 評論 日本の経済 為替相場 | 評論 日本の経済 経済成長 | 評論 日本の経済 経済成長 医療分野 | 評論 日本の経済 経済成長 観光産業 | 評論 日本の経済 経済成長 GDPの計測 | 評論 日本の経済 総合商社 伊藤忠商事 住友商事 | 評論 日本の経済 自動車産業 | 評論 日本の経済 航空機産業 | 評論 日本の経済 証券市場 | 評論 日本の経済 詐欺 | 評論 日本の経済 財政金融政策 | 評論 日本の経済 野村証券 | 評論 日本の経済 金融機関 | 評論 日本の経済 金融機関のシステム障害