評論 世界経済 ドイツ経済

(29.2.15) 最後の自由主義経済国家ドイツの運命 メルケル氏は踏ん張れるか?

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 トランプ政権
によって為替操作国と名指しされたのは中国、ドイツ、日本だがこの3国の中で経常収支も貿易収支も絶好調なのはドイツで、世界の中でドイツ経済は際立っている。
中国の統計数字はいつも厚化粧なので本当の姿はわからないが、ドイツの好調さは本物で、33兆円の経常収支の黒字も30兆円の貿易収支の黒字も本物だ。

 ユーロ圏は実質的にドイツの経済圏だし、またECBがEU全体の景気振興策として金融緩和を実施しているためユーロは安値で推移していて、1ドル1ユーロの時代が迫っている
ドイツ以外のフランスやイタリアやその他の経済がアップアップのため超緩和策が実施されているのだが、ドイツ一国に限って言えば順風満帆で緩和政策は必要ない。

 製造業も金融業もバランスが良く、とうとう16年度の経常収支が中国を抜き世界一位になった。日本が21兆円の経常収支黒字で4兆円の貿易収支の黒字だからはるかにドイツ経済のほうが順調だ。
人手不足で職場はいくらでもあるのでメルケル氏はシリア難民の受け入れに積極的だが、他国は不景気のさなかのためこのメルケル氏の政策に大反対だ。
特に東欧圏の人々はドイツに出稼ぎに行って生計を立てているのに、職場をシリアやイスラム諸国の難民に奪われてはEU に参加した意味がない。
東欧圏の人々はちょうど中国の農民工のような立場で、ドイツはそうした低賃金労働者を雇用してさらに大発展している。

 2014年夏までは世界経済のけん引役は中国だったが、中国経済がピークアウトし資金が中国から怒涛のように逃げ出していて、残った世界経済のけん引役はドイツに変わろうとしている。
ユーロ圏はアメリカ並みの人口と豊かな市場に恵まれており、ドイツが実質的にユーロの盟主だから、メルケル氏の実力はトランプ氏に匹敵する。
ここはヨーロッパよ、アメリカの好き勝手はさせないわ」

 実際アメリカはトランプ大統領になってから世界の盟主を辞め、アメリカンファーストと称する保護貿易主義に邁進している。
資本主義文明は自由貿易を世界中に拡張することでその生命力を保ってきたが、その最大の経済圏であるアメリカが自由貿易を放棄した。
残った自由貿易の盟主はドイツとなり、メルケル首相は資本主義文明の成果である民主主義と国際協調を懸命に唱えている。

 ドイツの新しい大統領になったシュタインマイヤー氏は「欧米の民主主義の基盤が揺らいでいるのであれば、われわれが断固として守らなくてはならない」と就任にあたっての抱負を述べている。
今や民主主義の伝道師はアメリカでなくドイツに移り、21世紀の資本主義文明はドイツの頑張りにすべてがかかってきた。

 一方でドイツの経済が好調なのはEUという市場があるからだが、ヨーロッパにも保護主義に嵐が吹きすさびイギリスがEUを離脱しただけでなく、フランスもイタリアも右翼の台頭が著しい。そして右翼の主張はどこも自国第一主義であり、経済でいえば保護貿易主義だ。
アメリカが自由貿易から降りてしまった後の資本主義経済の盟主であるドイツにとっては、このEUの結束をどこまで保てるかが正念場になる。
右翼政治家との厳しい戦いが最後の資本主義経済の盟主メルケル氏に待っている。


 

 

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(28.10.4) ドイツ銀行に明日はあるか? アメリカからは追い出されメルケル政権は救ってくれない。

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 ここにきてリーマンショックの亡霊ドイツ銀行を揺るがしている。
リーマンショック以前にドイツ銀行は多額の住宅ローン債券サブプライムローン債券)をアメリカ国内で販売していたが、その際リスクについて適切な説明をしていなかったことで、今米司法省から多額の罰金を言いわたされている。

高利回りで絶対もうかる安全確実な住宅ローン債券です
当時はどこの金融機関もそう言ってこの債券を売りまくり、そのため多くの債券購入者が損失を被ったことで米司法省はドイツ銀行に対して140億ドル1.4兆円)の制裁金(和解金)をかした。
これはドイツ銀行の株式の時価にほぼ相当する金額で、実際に支払うとなると資本不足に陥りかねないほどの大金だ。

 米司法省は今までも米銀やトヨタ等に制裁金の支払いを求めてきたが、最大で2000億程度であり、トヨタに対してはレクサスの問題で約1200億円の制裁金和解金)だった。
したがってこの1.4兆円という金額は途方もなく大きく、VWの1.5兆円制裁金和解金)に並ぶ高額なものだ。
米司法省はドイツの経済活動に対して従来から苦々しく思っており(かつて日本がされたように)、これを機会に世界最高といわれるドイツの金融機関と自動車産業の追い落としを図ろうとしているのではないかと推測される。

 1.4兆円の制裁金(和解金)のニュースが出てからドイツ銀行の株式は過去最安値になってしまうし、CDSは飛び上がるしドイツ銀行をはじめドイツの金融界は大揺れになっている。
通常こうしたときは政府が前面に出て金融不安を払しょくする発言をするものだが、ドイツのメルケル政権は金融機関の救済に否定的で、イタリアの大銀行モンテ・パスキの経営不安でイタリア政府が救済に乗り出すことを口を極めて避難してきた。
駄目よ、金融機関に甘い顔をしては。まず自己努力をさせて預金者にも一定の負担をさせてから、その後政府資金の導入を図るのよ。いいい!!」

 イタリア政府に言っていた言葉が今メルケル政権に跳ね返って、ドイツ銀行の救済に乗り出すことができない。実際に米司法省に1.4兆円の制裁金を支払えばドイツ銀行の経営危機は確実になる。
その時ドイツ政府が見て見ぬふりをすればドイツ銀行だけでなくコメルツ銀行や他の経営基盤の弱い金融機関は軒並み倒産するだろう。

 かつて日本で長銀や日債銀や拓銀が次々に倒産した金融危機の再現だ。今回アメリカは意図的にドイツ銀行つぶしを行っているので、ドイツ銀行の要請の制裁金(和解金)の減額もなかなか実現しそうにない。
今やグローバリズムの時代は遠くにかすみ、アメリカ市場はアメリカの金融機関のものにしようとする動きが活発だ。

 かつてはグローバリズムの旗手だったアメリカがすっかりローカリズムの嵐に巻き込まれ、もはや他国の企業に対しては容赦しなくなった。
一方ドイツのメルケル政権だけはEUの金融政策の原則論(金融機関に一方的に税金を投入しない)を振りかざしてドイツ銀行の救済に乗り出そうとせず、グローバリズムの残りかすを引きずっている。
ドイツ銀行は今グローバリズムとローカリズムの谷間でまさに翻弄されている。


 

 

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(28.6.10) エネルギー時代の終わり  「再生可能エネルギーだって必要ありません!!」 ドイツの転換

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 クリーンエネルギーの最先進国として自他ともに認めてきたドイツに息切れがしてきた。
来年以降に新規参入する再生可能エネルギーの買取価格は市場価格に近い価格で買い取ると表明したからだ。
ドイツの再生可能エネルギーの割合は現在約3分の1で、これを今世紀の半ばまでにすべて再生可能エネルギーにするという野心的なものだったが今その一角が崩れようとしている。

 従来からドイツは固定価格買取制度を導入し、個人であれ会社であれ、だれがこの分野に参入しても必ず利益が上がるように価格設定をしてきた。
買取資金はすべて電力料金に上乗せされる。
したがってこの制度で費用負担をするのは電力使用者だけのように見え、電力会社にとってはどうでもいいことのように思えるが、実際に運用してみると電力使用者だけでなく電力会社の負担は相当なものになってきた。

 たとえば風力発電などは北の北海に面した強風地帯に建設されるが、電力を使用するのは南の工場地帯だからそこまで送電線を敷設しなければならない。
送電線の建設は電力会社の責任だから、ちっぽけな風力発電設備ができるたびに莫大な金額で送電線網を敷設してきた。
一方で従来の火力発電所のシェアは再生可能エネルギー発電所ができるたびに下がってきてしまい、個々の火力発電所レベルで見ると損益分岐点がどんどん上がってしまう。

 それでも世界的にエネルギーがひっ迫して原油価格が100ドルを越えているころはドイツ人も楽観的だった。
そのうち原油価格は200ドル近くまで高騰するだろう。そうなれば再生可能エネルギーとさして変わらないコストになるのだから、このドイツのクリーンエネルギー政策は間違っていない

 ところが2014年夏頃から世界の経済情勢に劇的な変化が発生した。
それまで原油やLNGや鉱物資源を湯水のようにがぶ飲みしていた中国経済がピークを打ち「もうこれ以上原油を輸入しても貯蔵するタンクさえない!!」という状況になってしまった。
そうなると原油価格は劇的に低下し200ドルどころではなく一時は30ドルに値下がりしてしまった(現在は約50ドル)。
なんだい、これじゃドイツ人だけがバカ高い電力料金を支払って、一方日本やアメリカはウハウハじゃないか。これじゃ国際競争力もあったものではない・・・・・

 先進国はほとんど成長が止まった世界になり、新興国は中国を中心に総崩れで世界経済は完全に停滞している。
そうなるとエネルギー需要など増加するはずがなく、一方で省エネ技術は発達するので世界全体でエネルギーはありまるようになってきた。
あんた、エネルギーはもういらないのに固定価格で買い取るから、北海周辺にばかすか風力発電所ができてしまい、しかもその電力の需要者なんてどこにもいないよ。どうするの!!」
さすがのメルケル首相も悲鳴を上げだした。

 2014年夏を境に世界経済のゲームの仕方が変わった。それまでは供給者優位で資源会社などはこの世の春を謳歌していたが、いまや資源投資にまい進したプレーヤーは地獄を見ている。
日本の商社は毎年1兆円の評価損を出しているし、中国はこの数倍の規模の評価損を出している(ただし中国の会計には評価損を計上するシステムはない)。アメリカではシェール産業が次々に倒産し雇用情勢に暗雲がたなびいており、そしてドイツは不要な再生可能エネルギーの買い取りに悲鳴を上げている。

 このドイツの政策転換を機会に再生可能エネルギーの見直しが世界各地で進むだろう。
再生可能エネルギーであろうと化石燃料であろうともはや世界はエネルギーを必要としていない。
もうこれで十分です。経済成長が止まっているのに新たなエネルギー供給は必要ありません
世界が変わったのだ。

 

 

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(28.2.12) 今度は欧州の銀行が火を噴いた。「殿、ドイツ銀行が落城しそうです!!」

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 「ううーん、これは」というような状況になってきた。ここにきて欧州の金融機関が火を噴き始めたからだ。火元は欧州最大・最強のドイツ銀行である。日本でいえば三菱UFJにあたる。
ことのおこりは15年12月期の決算で約9000億円の最終損失を計上したことに始まる。
この時期にドイツ銀行がこれほどの赤字になったので、市場が驚愕してしまった。
「ドイツ銀行でこれほどの赤字ならば他の大手金融機関もおなじではないだろうか?」
疑心暗鬼が始まりドイツ銀行をはじめクレディ・スイスなどの大銀行のCDSクレジット・デフォルト・スワップ)のレートが跳ね上がっている。

 欧州の銀行は日本の銀行と異なり投資銀行を兼営している。日本的イメージで言えば銀行と証券会社が一緒になっているような感じだ。
問題はその投資部門で大幅な赤字が発生しているのだが、原因は資源価格の低迷である。
投資先はもっぱら資源開発会社等で、数年前までは我が世の春だったが14年夏を境に資源価格が急落してしまった。

 それに伴い投資をした会社がことごとく赤字を計上するようになって、債権に評価損が発生しいわゆる特別損失を計上しなくてはならなくなった。
日本では商社が資源会社への投資を積極的に行ってきたが住友商事が2か年間で4700億円の特別損失を計上している。
ヨーロッパの大手金融機関はいづれも投資部門を兼営しているから、ドイツ銀行と同様に投資に失敗していると市場は見ている。

 さらに問題を複雑にしているのがドイツ銀行が劣後債を8兆円規模で発行しており、この中にココ債という一定条件がトリガーとなって株式に転換できる債券があることだ。
一定の条件とは「経営が悪化した場合」でまさに今がその時だからココ債保有者がパニックに陥ってしまった。
高利回りの債券のつもりが株式に転換されては利息はなくなり、さらに株価は低下の一途をたどっているので踏んだり蹴ったりではないか・・・・・・・」
ドイツ銀行の株価は年初来40%近く低下した。

 このココ債はリーマンショックの後、金融機関の資本増強の一環として導入された劣後債で、ドイツ銀行にとっては自己資本の充実策のつもりだったが、いざ経営が悪化してくると悪い噂の元凶になってしまう。
ドイツ銀行はココ債の利払いができずに倒産するかもしれない・・・・・・・なにしろ全体で8兆円も劣後債があるのだから・・・・・・
欧州の他の大手銀行もこのココ債を大量に発行しているため、銀行への信頼が一気に失われている。
今やパニックの様相を呈してきてドイツ政府が「ドイツ銀行の経営に は問題がない」とコメントしなければならないほどになっている。

 いったん悪いうわさが出ると今までは無視されていたようなことまでが不安の種になる。
ドイツ銀行に は計測不能なぐらいにディリバティブの残高があり、これが問題を引き起こしている。
アメリカで法廷闘争も盛んに行われていて欠陥商品(ディリバティブ商品)を販売したかどで年間7000億円程度ペナルティーを支払わなくてはならない。

 資源投資は大失敗。過去に販売したディリバティブ商品は欠陥品で訴訟の山。資本増強のための劣後債を本当に株式に繰り入れなくてはならなくなってきた。
欧州の金融機関は伏魔殿で、本当はリーマンショックの付けをまだ支払っていないのではなかろうか・・・・・
市場関係者が疑心暗鬼になって株価が急落し、CDSが急騰している。

 

 

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(27.10.29) ドイツ・メルケル政権の黄昏 「経済は失速し、難民が押し寄せる。どうしたらいいの!!」

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 ここに来てドイツ・メルケル政権に暗雲が立ち込め始めた。
暗雲は2か所から発生しており、一か所はドイツ経済が失速し始めたことと、もう一か所は難民問題をメルケル政権の失政だと国民が感じ始めたことである。

 経済的失速はメルケル氏にとってはまさに晴天の霹靂といっていいものだった。それまでは順調に実質2%程度の経済成長を遂げEUの中で一人勝ちしていたが、中国経済の急減速がドイツ経済に与えた衝撃は大きかった。
メルケル氏は中国との関係を何より重視し、ドイツ企業の投資を推奨してきており特に自動車産業はVWをはじめとして中国に工場を建設して中国市場を席巻していた。
その自動車が中国でぱったりと売れなくなった。

 更なる追い打ちはVWディーゼル車の排ガス規定をイカサマのソフトウェアでだまかしていたことが分かり、現在判明しているだけで1100万台のリコールに応じなければならなくなった。リコールに要する費用だけで総額4兆円規模に達するという。
さらにアメリカ等から制裁金がかせられるので、VWに未来はなくなった。
欧州車の約半分はディーゼルカーだが、こうした車も多かれ少なかれ規定以上の窒素酸化物を排出しているので、ドイツ自動車業界は根底から販売戦略を見直さざる得なくなっている。
中国と共に栄えよう」というのがメルケル氏の経済戦略だが、パートナーの中国が大失速したためにドイツ経済に跳ね返ってきて、従来のような楽観的な経済見通しが根底から覆っている。

 加えて難民問題がメルケル氏の肩に重くのしかかっている。
現在の難民はシリアやイラクといった紛争地帯から逃れてきたイスラム教徒だが、今まではトルコやヨルダンに留まって欧州に逃れる難民は少なかった。それが今年に入ってその数が爆発的に増大し始めた。
理由は二つあって、難民の間でドイツが難民を受け入れるとの情報が伝わり、我先にドイツを目指し始めたのと、もう一つはトルコ政府が約200万人の難民に悲鳴を上げて、トルコからギリシャ経由でドイツに向かう難民を阻止しなくなったからだ。
なんでもいいからドイツに行ってくれ。わが国は出国を黙って認めてやる!!」
黙認という追い出しであり、実際の手配は密航業者がするのだがトルコ政府は密航業者の取り締まりをしていない。

 現在ドイツには毎日1万人規模で難民が押し寄せており、年間に150万人程度が難民申請をしそうだという。
メルケル首相としては5~6万人程度の難民なら受け入れ可能と判断していたが、実際は二桁違う数の難民が押し寄せている。
シリア難民は基本として受け入れるということになっているため、押し寄せる難民はみんなシリアからの難民を偽装しており、シリア難民かイラク難民かアフガン難民かの判定に多大な時間をとられている。

 今一番問題なのは受け入れ先の地方自治体で住居や食料の手配、子供には学校の手配、そして老人や病人には緊急医療が必要なのだが、何もかも不足していることだ。
地方自治体は難民対策で悲鳴を上げだした。
この難民対応に政府は約1兆3000億円の経費をかけることになっているが、とてもその程度で収まりそうもない。
当初ドイツでは受け入れ賛成者が多かったが、あまりの数の多さに辟易し現在は受け入れ反対者がじりじりと増加している。
そしてメルケル氏の支持率は難民の数の増大と反比例して低下し始めた。

注)難民が押し寄せている現状については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/pppp-cda7.html

 現在の状況は第二次ゲルマン民族の大移動といっていい。移動しているのがイスラム教徒だから正確にはイスラム民族の大移動だが、かつて西ローマ帝国が滅んだ直接の原因は当時の難民問題に対処できなかったからだ。
何しろイスラム社会はアメリカやNATOが空爆をして社会構造をずたずたに切り裂いてしまったのだから、生活基盤がなくなっている。
食えなければ豊かな土地を目指そう」今から1500年前のゲルマン民族の大移動もローマ領に行けば何とか生きることができると思ったからだ。

 メルケル首相としてはこのところの読み間違いに歯ぎしりしているだろう。
中国経済が急停車し、VWはイカサマをするためのソフトウェアがばれて経営危機に陥り、さらにシリア難民の数は時間が経つにつれて増大している。
ああーやだ、なんでほかの国は難民を受け入れないの。いくら何でもドイツだけじゃ無理よ!!」メルケル氏ならずともため息が出てしまうだろう。
メルケル氏の失敗はこれがゲルマン民族の大移動と同じ性質のものだとの認識をしなかったことだ。


(別件)  現在高校1年生の数学の指導を行っています。以下の条件で対応いたします。

・ 対象: 高校1年生で中学時代の数学は理解できていたが高校になって急に困難になった生徒
・ 場所の制限: 我が家で指導をしているのでおゆみ野等近在に住んでいる人
・ 勉強方法: 当初は集中的に指導を行ってある程度実力がついたら週1回程度に変更する。指導に基づいて必ず毎日1時間は数学の勉強をしてもらう。
・ 目標レベル: 教科書を完全に理解できるレベルを目指すので、使用している教科書に基づく指導になる(大学受験レベルはさらに高いので落ちこぼれつつある生徒が目指しても無理)
・ 費用:実費レベルを徴収 月1万円(高校生を教えるために資材の購入やそのための準備で多大のエネルギーがいるため実費レベルの徴収をする。ただし家庭の事情で支払いが困難でかつ本人が勉学の意志が固ければ費用の免除も検討する)

 
希望者はこのブログの「コメント欄」か「メール機能」を使用して連絡してほしい。なお募集人員は1名なので採用者が決まれば後の方はお断りする。

なお私がなぜ高校一年生の指導をするかの経緯は以下参照

 

 
 

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(27.9.26) VWがコケてドイツがコケる。「ドイツ環境政策の大失態!!」

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 ドイツの誇る環境政策がとんだイカサマだったことがばれてしまったのが、今回のVWフォルクスワーゲン)による窒素酸化物の環境汚染問題だ。
ヨーロッパでは新車販売の約5割がディーゼル車だが、ディーゼル車は軽油を使用するので燃料代が安価だが、一方窒素酸化物をまき散らしてしまう問題点があった。

 これを技術的に克服したとVWは公表し、それをクリーンディーゼルと称して欧州独自の環境技術として売りだしていた。
全く問題はありません。テストをして見てください。窒素酸化物はほとんど出ず基準を大幅にクリアしています

 ただ不思議なのはテストの時は基準を軽々クリアするのに実際の走行実験をするとやたらと窒素酸化物が発生することだった。
実際のテストを行ったのはウェストバージニア大学で路上でのテストをすると基準値を大幅に上回り、最大で基準の40倍になったので驚いた。

 大学はEP米環境保護局)にこの事実を報告し、なぜEPAのテスト時には窒素酸化物が少ないのに、走行テストをするとやたらと窒素酸化物が出てくるのかの真相解明を行った結果、信じられないようなソフトが搭載されていたことが判明した。
このソフトはハンドルが一定時間動かないのにエンジンが稼働していた場合は、それはテストと認識して燃費を落として窒素酸化物の放出を抑えるソフトだという。
だから反対にハンドルが動いている時は燃費を重視して窒素酸化物をまき散らすことになる。

 「さすがドイツ人だ。すごいソフトを考え付いたものだ」と私などは感嘆したが、収まらないのは7年間もだまされてコケにされたEPAで「こうした手段でEPAを欺くとはふてい野郎だ」と最大2兆円にのぼる制裁金をVWにかす準備をしている。
このVWの違法ソフトは欧州で販売されたディーゼル車でも見つかっていて、ことは全世界的規模でリコール問題が発生する。その数は1100万台だそうだ。
今回の問題が悪質なのは、意図的にだまそうとVWが操作をしていることであり、タカタのエアバック問題のような想定外の案件とは明らかに違う。

 それにしてもこれではドイツが誇る環境政策は台無しだ。いくら原発の稼働を止めクリーンエネルギーを利用しているといっても、足元の自動車が基準を大幅に超える窒素酸化物をまき散らして欧州中を走り回っているのでは欧州の空は真っ黒に汚れているのと同じだ。
こうした問題にドイツ政府が気が付かなかったこと自体不思議で、本当は気が付いていたのだがVWの世界戦略を後押しするためにあえて目をつぶっていたのではいかと勘繰りたくなる。

 ドイツの経済政策の基本は中国との結びつきの強化でドイツ・中国連合だが、その中国市場に最も適合していた企業がVWであり、いわばドイツ政府の先兵の役割を演じていた。
最近はますますボルテージが上がり19年までに中国での生産規模を500万台にするとアナウンスしていたばかりだ。
中国とドイツは一心同体でその象徴がこのVWの中国投資です」メルケル首相の鼻息はあらかったが、この中国シフトは完全に裏目に出てきそうだ。
VW車がどんなに排気ガスを出そうとも本当は中国は全く気にもしていないが、世界中で問題が発生した時に「中国では投資さえしてくれれば窒素酸化物の排出は認めます」とはさすがに言えない。

 これでガソリン車とディーゼル車の30年戦争に決着がつきそうだ。
ドイツは原発ゼロでクリーンエネルギーだけで発電を行うといったが、それならこの排気ガスだらけのディーゼル車をなんとかしなければ論理に整合性がなくなる。
このままではメルケル首相が環境保護政策を打ち出すたびにヤジに見舞われる。
メルケル地球温暖化ガス削減のためには、・・・・・・・
ヤジまずVWのディーゼルエンジンを捨てることだ!!!」

 
このVWの失態は一人VW社だけの失敗にとどまらない。ドイツはVWを先兵に中国との同盟を強化していたがその見直しを迫られる。
ドイツ(EU)・中国連合アメリカ・日本組に対抗しヨーロッパの復権を狙ったがとんだところでつまずいてしまったものだ。


 

 


 

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(27.9.24) ドイツVWの反環境政策 「ドイツが環境先進国だなんて嘘でした!!」

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 降ってわいたような話だが、世界最大の自動車メーカーVWフォルクスワーゲン)が絶体絶命のピンチに陥った。この事件が起こる前まではVWトヨタを抜いて世界最大規模の生産量を誇っていたのだから、運命とは分からないものだ。

 VWEA189というディーゼルエンジンを搭載したゴルフ、ジェッタ、ビートル、A3といった車種を世界中で売りまくっているが、アメリカでは環境基準が厳しくEPA(米環境保護局)の検査を通過しないと販売できない。
ところがEA189搭載エンジンはこの環境基準をクリアできなかったため、検査の時だけソフトウェアに手を加え特殊仕様にして検査をパスさせ、アメリカ全土では約40万台の車を販売していた。不正は09年からだというから7年間も継続していたことになる。

 ところがこのイカサマをEPAに察知されてしまい(おそらく何らかのタレこみがあったのだろう)、VWはEPAに申し開きができなくなりこの50万台のリコールを発表した。
それに関連する費用は約8700億円で、第3四半期に特別損失として計上するためこの期は赤字決算になるという。

 VWの14年度の営業収益約1兆7千億円でトヨタよりやや少ない程度だが、約その半分の損失を計上しなければならず、あまつさえEPAからペナルティーとして最高で約2兆円制裁金を科せられそうだという。
これが事実とすればVWは1年から2年分の営業収益をふっ飛ばすことになり大問題だ。
しかもこれはアメリカだけの話で、こうしたイカサマは他の国でも同様に行っているはずだから、今後中国や韓国やイタリアいった国でもリコール問題が発生するだろう。
全世界では1100万台だというから世界一の販売量が裏目に出てくる。
VWのブランドイメージは極度に悪化して世界的規模で販売量が減少し、アメリカのGMのようにドイツ政府のテコ入れが必要になるかもしれない。

 しかもこのVWの大失敗は一人VWだけの問題にはとどまりそうもない。ドイツにはほかにBMWベンツといった世界的規模の自動車メーカーが存在しているが、いづれもディーゼルエンジン車が主力だから、他のメーカーも本当にEPAの基準をクリアしているのか疑心暗鬼にさらされる。
ドイツは環境先進国だなって言っていたが、中国と同様にイカサマ大国だったのか!!」評判はガタ落ちだ。

 VWは中国市場の開拓に最も積極的で中国での販売量が飛躍的に伸びていたが、ここに来て5か月連続で前年実績を下回っていた
中国自体の新車販売量が減少しているせいだが、そのなかでもVWの落ち込みは大きい。
ドイツはメルケル首相を先頭に中国シフトを引いて、特に自動車産業はその目玉だった。
VWは現在生産量をさらに増やすための工場建設を中国で行っており19年度までに500万台の生産体制を引く計画だったが完全な誤算になった。
中国市場は縮小しさらに全世界的規模で販売量が減るのだから、生産拡大でなく工場閉鎖の方が必要になってくる。

 ドイツの産業を引っ張ってきたのはこの自動車産業だが、それが思わぬつまずきをするとドイツの経済政策に支障が発生する。
ドイツ経済は毎年2~3%の成長をしていたが、その数値が日本並みに1%前後まで落ちてしまう可能性がある。

 今ドイツは異常な好景気に見舞われていてシリア難民の受け入れにも積極的だが、それもこれも経済が順調に拡大して低賃金のブルーカラーが必要だからだが、このシナリオも崩れてしまうかもしれない。
すでにVWの株価は30%程度落ちたが、今後ことの推移が明白になるにつれて株価は低下していくだろう。

 世界最大の自動車メーカーになった途端にその地位から滑り落ちることになりそうだが、環境基準の約40倍の窒素酸化物を放出して、ドイツの環境政策に泥を塗りアメリカのEPAをだまそうとした「ふてい野郎」だから、制裁も致し方がないといえそうだ。
しかしこのことでドイツ経済が低迷をし始めるとEUが世界をリードする時代は終わり、特に環境政策は世界の笑いものになるだろう。
VWはヒットラーのスターリングラードになってしまったようだ。

 


 

 

 

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(27.3.11) 日独関係の再構築 互いに助け合おうじゃないか!!

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 さすがにドイツのメルケル首相は世界情勢を明確に把握している。10年間ドイツを率いてきた手腕はだてではなかった。
7年間にわたって日本を無視し中国との蜜月関係を築いていたが、中国経済の失速が明らかになりいつバブルがはじけてもおかしくない情勢を見て、日本との関係改善に乗り出した。

 昨年末にメルケル政権は対日関係をアジア外交の最重要支柱にする」とアナウンスメントしたが、これは今までの中国よりの姿勢を改め一方的に中国の肩を持たないという中立姿勢の表明だった。
実はドイツにはドイツの事情があり、日本との連携強化を模索しなければならない事情がある。
一番の理由は拡大欧州に亀裂が入り、従来のようにEUの後ろ盾の中で安住していれば問題ないといえなくなってきた。

 ギリシャ問題が再び火を噴き始め、ギリシャに緊縮財政を求めるドイツに対し、ギリシャは戦後賠償問題を持ち出してきた。
インフラの破壊を含めればギリシャは約20兆円の賠償金を請求する権利がある
ドイツとしては晴天の霹靂だ。こうした戦後賠償を抑え過去を清算するためにフランスと協力してEUを立ち上げ、全員が欧州市民という形で問題を抑え込んだつもりなのに、ギリシャのように戦後賠償を請求する国が現れては努力が無に帰する。
ドイツはうまくやったと思っていたが、これでは中国と韓国から何かというと戦後賠償を持ち出される日本と変わりがないじゃないか・・・・・」

 「国連の安保理常任理事国入りも中国の反対(日本は絶対にいれないという態度で結果的にドイツも入れない)で思うように任せられないし、これなら日独枢軸の復活の方がいいのじゃなかろうか・・・・・・・・メルケル首相の脳裏に70年前のドイツがよみがえっている。
中国経済の失速によって経済圏としての魅力が中国になくなりつつあり、一方日本は安倍首相の下で21世紀国家として大復活しつつある。特に先端医療では日本が世界をリードする勢いで日本には山中伸弥教授という絶対的な切り札がある。
中国のような20世紀型の経済でなく日本が目指す21世紀型の経済の方がドイツとの親和性が高い。

 さらにメルケル首相を悩ましているのはウクライナ問題で、メルケル首相の本音はプーチン大統領と適当なところで手打ちをしてロシアを国際社会に復帰させることだ。
ドイツはロシアから4割も天然ガスを輸入しているし、一方自動車産業等の主要な輸出先でもある。
アメリカは原則主義の国で相変わらず民主だとか人権だとか言って融通がきかない。その点日本の安倍はプーチンと仲がいいし、ここはドイツと日本でなんとかウクライナ問題を収めよう・・・
もともとウクライナはロシア領だったしクリミヤやドネツクがロシアに編入されてももとに戻っただけだという認識がメルケル首相にはある。それにメルケル氏は東ドイツ出身だ。

 一方安倍首相としては中国と韓国が戦後70周年の対日戦勝パレードで手を携えて、相変わらず日本非難ばかりしているし、王毅外相などは「70年前に戦争に負けた日本が70年後に良識を失うべきでない」などとほとんど外相のスピーチとしては異例なほど高圧的な発言をしている。
70年前に勝利した中国が70年後に良識を失って近隣諸国の領土侵略をしているが、これは国際秩序への挑戦だ」と日本の外相が反論のスピーチしたらおそらく国交断絶になるだろう。

注)なお韓国は当時日本の植民地で朝鮮人は日本人として戦争に参加していたのだから戦争に勝利したのではなく敗北したのが正しい。また日本が戦っていたのは蒋介石の国民党軍で共産党は山奥に逃げ込んで隠れていただけだった。

 中国と韓国は良識を失ったまま日本非難を繰り返しているのだから、ここはギリシャから戦後賠償を求められて苦境にたちはじめたドイツと連携し70年前の同盟を復活させる良い機会だと安倍首相も判断したようだ。
それにウクライナ問題ではドイツと協力してプーチンの苦境をなんとか助けてやりたい思惑もある。

 時代の動きは速い。アメリカは中東問題で手いっぱいでウクライナはドイツに任せっきりだ。
今回の首脳会談を通して敗戦国同士のきずなを確かめ合い、ロシアを再び国際社会に復帰させようと手を握ったのが今回の日独会談の一番の成果だろう。

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(26.10.24) ドイツの苦しい選択  財政健全化かヨーロッパ経済の救済か!!

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 最近まで絶好調だったドイツ経済がすっかりさえなくなってしまった。14年4~6期はマイナス成長であり、本年度いっぱいこの傾向が続くとみられる。
ドイツ経済不調の最大の要因はウクライナ問題で.、ドイツはロシアから天然ガスと原油を大量に輸入しており燃料の全輸入量の3分の1になっている。
一方ドイツにとってロシアは重要な輸出先であり、また直接投資も熱心で2013年には2兆円を上回る投資を実施した。
日本が東南アジアを生産拠点にしようとしているようにドイツはロシアを生産拠点にしようとしている。

 それがこのウクライナ問題ですっかり頓挫してしまった。アメリカは金融措置や貿易での制裁措置を発動しておりEUもこれに倣っているから、EUの一員であるドイツだけが制裁措置の発動を止めるわけにいかない。
さらにロシアだけでなく中国との関係も中国経済の急停車ですっかり色あせたものになり、ドイツ経済が浮上する条件がない。
現在ドイツを除くヨーロッパ経済は見る影もないし、ドイツだけがヨーロッパ経済の牽引役だったのに牽引役がいなくなってしまった。

 フランス、イタリア、スペインと言った各国はメルケル政権に対し財政出動やECBによる金融緩和を盛んに求めている。
しかしメルケル首相としては2015年の財政黒字化目標シュバルチェ・ヌルという)は政権公約だから下ろすわけにもいかない。
駄目、絶対に財政は黒字化するの!!
ドイツはアメリカや日本とは違って財政規律にやかましく、紙幣を印刷して景気浮揚を図ろうとはしない。
第一次世界大戦後のハイパーインフレを忘れるな!!」が合言葉になっている。

注)ドイツは第一次世界大戦後紙幣の印刷経済に突入し約1兆倍のインフレに見舞われた。

 しかしこのかたくなな態度にIMFもECB(欧州中央銀行)もいらだっている。
このまま行くと欧州経済は完全に失速し、日本の失われた20年間と同じになりますよ。財政と金融を緩めるべきです
世界の投資家はメルケル首相とECBの綱引きをかたずを飲んで見守っている。
ECBが優位になれば金融緩和策が発動されるので世界の株価は上昇するし、反対にメルケル首相が優位になれば緊縮財政で世界景気は後退する。

 確かにドイツがECBによるユーロの印刷を認めれば株価も不動産価格も上昇するだろう。アメリカも日本もそうして景気回復策をとってきた。
そのアメリカが紙幣の増刷を止めると言ったとたんに世界のマーケットは大揺れになり、石油や鉄鉱石や銅からヘッジファンドが資金を引き上げてしまった
今ではアメリカの株式からも引き上げ始めたので株価は上下運動の真っただ中だ。

注)FRBが金融を引き締めたとたん世界の金融市場が大揺れになったが詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-b492.html


 メルケル首相は分かっているのだ。
確かに金融緩和策は効果がある。しかしこれは麻薬だ。麻薬患者が麻薬から抜け出せなくなるように金融緩和策から国家は抜け出せなくなる。結局半永久的に緩和を続け紙幣を印刷し続けることになる
ドイツは悩んでいる。目標通りドイツの財政黒字化を図って欧州経済を奈落の底に落とすのか、はたまた金融緩和という紙幣増刷をして一時的なユーフォリアに酔うべきか難しい選択だ。




 

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(26.2.25) G20 「 ドイツさん、あんたが世界経済を引っ張って!」!

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 シドニーで開催されていたG20(財務相・中央銀行総裁会議)では財政規律ではなく成長路線が採択された。
財政規律のチャンピオンはドイツで、一方成長路線のチャンピオンはアメリカだが、アメリカがドイツを押し切ったと言うところだ。

 ドイツの13年度の経常黒字がGDPに占める割合は6%で断トツのパフォーマンスを示している。13年度の世界経済はドイツの一人勝ちと言ってもいいくらいだ。
ドイツさん、あんたそんなに金をため込んでどうするの。少しは世界経済拡大のために使いなさいよ
IMFのラガルド専務理事やFRBのイエレン議長がドイツを責めたてた。

注)なぜドイツ経済が好調かの理由は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/2448-4d47.html

 今回の会議では 5年間でG20の全体の成長率を2%引き上げ、約200兆円のGDPの増加を図ることになり、ラガルド専務理事は数値目標が明確になったと大はしゃぎだが、実際はあまり明確でない政策目標なのだ。

 第一にG20全体で2%UPだが、個別の国の成長率目標にはなっていない。本音はドイツに頑張ってもらいたいというところだからドイツが世界経済をけん引すれば他の国は2%以下でよいことになる。
次にどの数字を基準とするかもわかっていない。各国はそれぞれの成長目標を掲げているが、いづれも政治的な思惑のもとで掲げており、成長目標と実質的な成長余力とは乖離がある。
またIMFの予想数字を基にすることもできるが、こちらはIMFの思惑が加算された数字だ。

 だからもとになる数字が明確でなく、かつどの国が責任を持って成長路線に進むかが玉虫色なのだ。
この玉虫色の決定に具体的内容を添えるために11月に行われるG20までに各国が政策目標を出すことになっている。
この段階でどのように計算して2%UPにするかはともかくとして、実際は5年後に2%UPを図ることはかなり難しそうだ。

 日本を見ても分かるように2%目標が実際は1%程度になっており、またヨーロッパも成長が図れるか否かのギリギリの水準で推移している。
アメリカはFRBが湯水のごとく資金をばらまいた結果ようやく3%前後の成長率になったが、いまは資金の引き上げを始めており、これ以上の成長は望み薄だ。
新興国はアメリカの資金で成長してきたのにその成長資金がなくなれば、経済は減速しかねない。中国理財商品で青息吐息で財政出動をすればするほどバブルだけが拡大する。

注)日本が金融政策で無理をしていることは浜矩子氏がしばしば指摘している。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-9f20.html

 リーマンショック後の世界経済は中国、インド、ブラジル、トルコと言った新興国がけん引してきたが、こうした新興国の高度成長の時代は終わり中成長の時代に入っている。
先進国はもともと成長余力がないから無理をして公共投資を増やすか株式や不動産価格を上げて見かけだけの経済成長を図る以外に方策は残されていない。
アフリカが高度成長に入ればけん引役になるがまだテイクオフには時間がかかりそうだ。

 結局財政出動が可能なのはドイツだけで、世界は今ドイツに圧力をかけているが、ドイツだけでG20 のGDPを2%引き上げるなんてことは不可能だ。
だから今回のG20の数値目標設定はラガルド専務理事がどんなに自画自賛しても絵にかいた餅に過ぎないと言えるだろう。

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