(27.11.25) 橋下氏ダブル選挙で勝利。 大阪都構想が再び復活
橋下大阪市長は何ともしぶとい政治家だ。
5月に行われた大阪都構想の是非をとう住民投票で敗北し、大阪市長の任期の12月で政界を引退すると表明していたが、単なる寝たふりだったようだ。
「大阪都構想実現のためには死んでも死にきれない。そのためには嘘も方便だ!!」
11月に行われた大阪府知事と大阪市長のダブル選挙で見事勝利し、ふたたび橋下氏は生き返った。
「よっしゃ、もう一度大阪都度構想を再提案するぞ」燃えている。
注)橋下氏が維新の党をつぶしても大阪都構想を復活させた経緯は先に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48411184/index.html
大阪の地盤沈下が明らかになったのは昭和の高度成長期で、私が大阪で貸出担当をしていたころだった。当時大阪に本社がある会社が次々に東京に本社機能を移し、大阪には中小のローカル企業しか残っていなかった。
企業分析をしていた担当者が「大阪は今後とも成長は不可能で市場としては魅力がない」と評価していたのを思い出す。
あれから40年、人口では神奈川に抜かれ第3位であり、GDPこそ2位を保っているものの愛知に抜かれるのは時間の問題となっている。
日本では東京が突出して大きいが、あとは神奈川、愛知、大阪の規模は人口でもGDPでもどっこいどっこいであり、大阪の存在感は薄くなっている。
橋下氏がこうした大阪の現状に危機感を持ち、大阪都構想を引っ提げて住民をしった激励している気持ちはよくわかる。
「負けてはいけん、負けてはいけん、東京に・・・」
ほとんど演歌のセリフだが実際に大阪を第二の都市に復活させるには自然に任せていては不可能だ。
何しろ急進している愛知にはトヨタ自動車があるが、大阪には誇るべき企業がない。核が何もないのだ。
だから残された道は政治の力で復活するより手がない。
現段階で可能な方法としては大阪を東京都のバックアップ都市として位置づけ、大災害が発生したときのリカバリー都市にするのが最も現実的な選択になる。
東京はいつ関東大震災並みの大地震が起きてもおかしくないのだから、どうしてもバックアップ都市を整備せざる得ない。
大阪に機能を小さくした国と東京都の機能を移すことができれば、確実に大阪の地位は向上してまさに大阪都構想は実現できるだろう。
問題はこうした案に反対している既得権益層で、最も大きな反対をしているのが政治家と公務員だが、橋下氏の構想の中に地方自治体のスリム化が入っている以上反対するのは当然だ。
構想が全体として利益があっても首を切られるかもしれない地方議員と地方公務員はこの案に賛成するわけにはいかないだろう。
注)橋下氏と地方公務員の死闘については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-3546.html
橋下氏は来年に行われる参議院選挙に立候補する可能性が高い。
本人は5月の住民投票敗北の後「政界から引退する」といっていたが、単なる一時の気のまよいだったようだ。
まだ11月のダブル選挙に勝っても、国政に地盤を築かないと大阪都構想は実現できない。
橋下氏と安倍総理は政治信条がとても似ており、違いは橋下氏が大阪にこだわって大阪再生に全力をつくしていることだけだ。
参議院選で相応の支持が得られれば、確実に大阪都構想は前進する。安倍総理は憲法改正を視野に入れているが、その場合の相方は公明党というより橋下氏の党になる可能性が高い。
なんとも橋下氏は粘り強い政治家だ。
最近のコメント