評論 日本の経済 日本再生

(28.12.2) カジノはマネーロンダリングの温床 日本にもカジノが始まる!!

286 

 どうやら今国会でカジノ法案が成立する雰囲気になってきた。自民党が推進し、公明党は消極的だったが反対はしないという態度に転じたからだ。
カジノ法景気回復の切り札として過去何回も国会成立を図ろうとしたが、一方でこのカジノがもつ非社会的な性格のゆえに反対者が多かった。
カジノはラスベガスマカオが有名だが、いずれも何らかの意味でマフィアと結びついており、完全に健全なカジノなどないからだ。

 経済的に見るとカジノは資本主義社会に花開いたあだ花といえる。もともと資本主義社会では人間にとって有用なものを生産してきたのだが、生産力が消費力を上回るようになって財もサービスもあり待ってしまった。
もうこれ以上何もほしくないのにまだ生産しなくてはならないのか!!」
本来はこの段階で生産拡大をやめるのが妥当なのだが、成長論者にとってこの状況は実に恐ろしい状況で「成長なくして財政再建なし」などと言いながら、さらなる成長を模索する。

 そこで現れたのが投機経済で、簡単に言えば紙幣を印刷してこれを不動産や株式といった本来は価値のないものに資金を投入させて投機をあおるやり方だった。
不動産は全く価値がないというのは言い過ぎだが、必要以上は不要で投機ではこの不必要な不動産に投資させるのがポイントだ。
アメリカのサブプライムローンでの住宅購入では本来もう住宅手当が住んだ人に対し「1年で倍になりますからその時に売り抜けましょう。金は銀行がいくらでも出します」と言ってあおっていた。
通常の人にとって住宅は一軒あれば十分で2軒め以降は投機物件になる。

 しかしこの投機経済はもともと不要なものに投資をしてその利ザヤだけを狙っているので、何らかの事情で一気に崩壊する危険性がある。簡単に言えば砂上の楼閣だから崩れやすいのだ。
日本のバブルが崩壊したのは日銀が不動産価格のあまりの上昇に驚いて不動産融資を制限したからだ。
当時私は現役の銀行マンだったからよく知っているが、毎月日銀に融資金の内容を報告させられそれが不動産関連資金だとわかると日銀からの融資を絞られたものだ。
またアメリカのサブプライムローンバブルの崩壊はリーマン・ブラザーズの経営が怪しいという市場のうわさが広がったもので、そうなるとリーマンに対してどこも融資をしなくなるので資金繰りに窮して倒産しバブルが一気に崩れた。

 現在黒田日銀総裁やECBのドラギ総裁や中国人民銀行はこの投機経済を後押しするためにそれぞれ毎月10兆円規模で紙幣を市場にばらまいているが、これがまだ有効に作用しているのは中国だけで、日本やEUでは限界に近付いている。
日本やEUは人口低減下にあり、今までも十分住宅建設をしてきているのでどんなにあおっても購入者は現れなくなりつつある。
一方中国ではいまだに幽霊のような高級住宅があちこちに建設されて投機をあおっているが、中国人の住宅事情は極端に悪く将来的には使用可能だとの幻想を維持できるのでまだこの投機が続いている。

 投機は鞘を求める経済行為だが、一方カジノは富が一定の中でそれを他に移転する行為といえる。麻雀の点棒と同じで全体の点棒は一定だから誰かが得をすれば誰かが損をするゲームだ。
カジノ法を推進している議員の頭には、胴元は場所代が必ず入るのでカジノを始めれば経済が活性化して特に地方財政が好転すると思っているが、必ずしもそうとは言えない。

 カジノが成立する前提条件は金持ちが多くいるか、海外から金持ちが集まってくるかのいづれかだが、しばらく前までラスベガスを抜いて世界最大のカジノを誇ったマカオで異変が起こっている。ここは中国本土で非合法で金儲けをしてきた中国人がマネーロンダリングのために集まっていたが、中国経済そのものが失速したことと中国政府の監視が強化されたとたん閑古鳥が鳴き始めた。
また韓国では中国人を目当てとしたカジノが開設されているが、こちらは中国人観光客の減少でさっぱり人が集まらなくなっている。

 カジノに集まる人は通常は健全な生活をしている人々でなく(時に気晴らしにそうした人もいるが)、もっぱら資金を非合法で得てはそれをマネーロンダリングしたい人で、マカオにはそうした人を対象にしたビップ専門の部屋があり、オーナーと示し合わせては金を正常なものに変えていた。
カジノは単に富の移転だから移転してほしい人が主として集まる場所で、そこでもうけを期待しているわけでない(もちろんカジノ好きな人もいて身を持ち崩すがそうした人を主な対象にはしていな)。

 お分かりだろうか。カジノとは非合法の資金を合法化する場所でケイマン諸島にある無税地域に所得を移すのと何ら変わりがない行為なのだ。
どうせ隠すならケイマンでなくわが日本に隠してくれ。そのための場がカジノだよ」というのが実態で、共産党や民進党が反対するのもある意味で当然なのだ。




 

| | コメント (0)

(28.4.16) 森ビルの果敢な兆戦 「虎ノ門ヒルズ」 果たして成功するか!!

Dscf5425

 私の趣味の一つに街歩きがあった。時間の許す限り街を歩き回るのだが、これは日本でも外国でも変わりがなかった。
日本の街なら歌舞伎町界隈の怪しげなところに行ってはいけない等の判断が付くが、外国の場合はそうした知識がないため非常に危険な場所に迷い込むことがあった。
かつてフィリピンでいかにも不穏な雰囲気の場所に迷い込み、あとで現地のフィリピン人から「私はあんな場所には絶対に近づかない。あんたよく殺されなかったね」と言われてしまった。

 まだ現役のころ私が働いていた会社の電算センターが新宿にあり、本店が有楽町にあったのだがその間を歩いて移動したものだ。距離的には10km程度で2時間程度かかり、よく同僚から「山崎さん、時間が大事だから乗物に乗ってきてください」と言われたが、よほどのことがない限り無視した。
歩いているととても幸せな気分になったし、また東京は割合狭く2時間も歩けばたいていのところに行きつける。
江戸時代の武士や町人はそうして移動していたが、私も江戸時代のひそみにならったわけだ。

 歩いて何をしていたかというと、主として街の変貌を確認していた。ちょうどバブル真っ最中のころはどこもかしこも建設ラッシュだったが、青梅街道や甲州街道に面した商店の敷地に煙突のようなのっぽビルがよく立っていた。
私は「こんな使い勝手の悪いビルに入居する人がいるのだろうか」と不振に思ったが、バブルが崩壊するとこうしたビルから入居者がいなくなってしまった。

 一方で三菱地所や三井不動産、森ビルといった大手のディベロッパーは当時から真面目な都市建設を行っており、丸の内周辺は三菱地所、日本橋周辺は三井不動産、そして六本木は森ビルが再開発したものである。
森ビルは当初中型のビルを二等地にやたらと建設していたが、六本木ヒルズでブレイクし、大手のディベロッパーの仲間入りをした。

 業務棟と商業施設、それに住居を併設して建設するのが森ビルのコンセプトだったが、これはニューヨークやロンドンやパリのように職住近接の都市開発を目指したもので他のディベロッパーが業務棟と商業施設だけなのと好対照だ。
最も東京都心に居住を構えるには相当の所得がないと不可能だから、こうした場所に住んでいる人は芸能人や医者のようなセレブや外国人と相場が決まっている。

 日本の経済成長はせいぜい1%前後で金持ちといっても限界があり、外国企業はこの20年間にほとんど撤退してしまったので、こうした森ビルの住宅を併設するコンセプトは崩壊したと思っていたが、このたび4000億円をかけて虎ノ門に「虎の門ヒルズ」を建設すると発表したのには驚いた。
へー、確かにオリンピックはあるけれど外国人が大挙して日本に住むようになるのだろうか・・・・

 外国企業が日本に押し寄せその上級職員が住居を求めなければ不可能だと思うが、日本は住むだけならこれほど快適な場所はないが、商売をするには障害が多すぎる。
規制が多くまた税率が高く永住権の取得も容易でないから業務環境としてはほめられたものでない。
日本の行政の基本的な姿勢は外国人の追い出しだ。
だから安倍政権が進める経済特区で特別な場所になるならともかく、そうでなければ外国企業が日本にやってくるとはおもわれない。

 森ビルの「虎ノ門ヒルズ」の果敢な兆戦はどうなるだろうか。個人的には成功してもらいたいが、なかなか大変な兆戦になりそうだ。

「カンパの依頼 」

 市民の財産は市民が守る運動の一環として昨年に引き続き一人当たり3000円のカンパをお願いできないでしょうか。カンパは塗料、草刈のガソリン代、ベンチ補修用資材に使用いたします。

  28年度のカンパ目標を10万円とし、ベンチの補修目標を10基にいたします。

 賛同していただける方は以下の口座に送金いただければ幸いです。なお送金していただいた場合は同時にこのブログのメール機能を使ってその旨連絡いただけると幸いです(お礼のメールを出したいため)。


・千葉銀行 鎌取支店(092) ・おゆみ野クリーンクラブ 普通預金口座(3743511)
・郵貯銀行 店名 058 (ゼロゴハチ)・おゆみ野クリーンクラブ 普通預金口座(3695852)


なお、おゆみ野クリーンクラブの活動状況については以下にまとめてあります。 http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45485858/index.html

 
 

| | コメント (0)

(27.11.20) ようやく貿易収支が黒字になった。 輸出産業の復活と燃料代輸入の半減

22102_051 

 10月
貿易収支がようやく1115億円の黒字になった。ここ7か月にわたって貿易収支は赤字だったからようやくのことで黒字になったということになる。
アベノミクス円安政策の目的が輸出産業の再生にあったのになかなか貿易収支が黒字にならず、「いったいいつになったら貿易収支は黒字になるのだろうか」とずいぶん気をもんだものだ。
80円程度だった円が120円前後に約5割も円安になっているのに貿易収支が赤字であったのは、LNG等の燃料代が嵩んでいたからで、この問題が片付かないとどうにもならないという状況だった。

 しかしここに来て原油価格は劇的に低下し、いまや日本が輸入する中東のドバイ原油の指標価格は40ドルまで落ちている。
従来ならサウジアラビアが減産を行って価格維持を図るところだが、サウジはイエメンでイランが後押しをしているシーア派と死闘を演じており、軍事費の捻出に四苦八苦しているからとても減産をする余裕はない。
またイラクも増産しており供給は増えるばかりだが、一方需要の方は中国がさっぱりになってきたので今後とも原油価格は低下する傾向にある。
日本が主として輸入するLNGも原油価格にディペンドしているから燃料輸入は半減してきた。

 10月の貿易収支の内訳を見てみると、輸入が前年同期比▲13.4%の6.4兆円、輸出が▲2.1%の6.5兆円だった。
このところ輸出は毎月前年同月を上回り、輸入は大幅な減少だったのが、14か月ぶりに輸出がマイナスに転じた。
中国に対する輸出が▲3.6%減少しているからだが、中国経済の減速が日本経済に影響を及ぼしてきた。
今後とも中国経済は失速していくから中国への輸出は期待できない。唯一経済が好調なアメリカに対する輸出増で中国の輸出減をどの程度カバーできるかにかかっている。

 山崎経済研究所の山崎所長に言わせると、「そもそも中国と貿易や投資を拡大するのは最初からキチガイ沙汰で、中国と取引したほうが悪い」ということだが、一時はネコもしゃくひも中国にたなびいていたものだ。
だが冷静に考えてみると汚職と経済が不可分の前近代的な世界に進んだ資本主義経済を導入するのは無理というものだ。
あまりの汚職のひどさに習近平主席が汚職撲滅運動に乗り出したが、中国人から汚職をとったら何も残らないのだから全員逮捕しないと収束できないような状況になってきた。
公務員や国営企業の幹部は仕事を始めると即汚職になるので今は逼塞して何もしないため、経済はますます縮小均衡に陥っている。

 その結果中国経済は信じられないようなスピードで崩壊過程にはいっており、ここに来て中国との関係が深い企業の業績低下が著しい。
輸出が低迷し始めているのもそれが原因だが、いまやどの日本企業もいかに素早く中国から撤退できるかが業績を左右するようになっている。
伊藤忠商事などは中国投資を拡大しているが、こうした企業は中国経済の凋落にあわせて自らも凋落するものと思っていた方がいい。
中国の時代は終わったのだ。

注)伊藤忠商事の中国シフトの実態は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-62c9.html

| | コメント (2)

(27.5.7) よかった、日の丸半導体もよみがえってきた。 ルネサスの復活

Dscf6552

 最近まで政府系ファンド日本再生機構が支援した案件の失敗例と言われていたルネサスの業績が急回復している
ルネサス日立、三菱電機、NECの半導体部門を統合し、なんとか日本に日の丸半導体を残そうとした苦肉の合併策だったが、円高や東日本大震災による主力工場の被災等によって実質債務超過に陥ってしまった。

 当初は外資系ファンドに身売りをする話が持ち上がったが、ルネサスが世界で自動車用半導体のトップシェアを持つ会社だったためトヨタが外資への身売りに反対した。
日本企業の会社でないと自動車メーカーの要望を聞いてもらえない。なんとか政府と自動車産業がバックアップして再建しよう

 12年12月1500億円の資本を投入することにしそのうちの約7割を産業再生機構が引き受けた。
いわば政府と自動車会社が全面的にバックアップに乗り出しなのだが13年3月期はひどい赤字で、14年3期も相変わらず赤字になりで「一体ルネサスに資本参加した意味はあったのだろうか?」と言われたものだ。

 しかし世の中なんて本当にわからないものだ。
アベノミクスによる円安と自動車産業の業績回復によって15年3期は約800億円の最終利益が計上できるという。
現在世界の半導体市場はインテルサムスンが席巻しており、日本勢としては東芝がかろうじて世界のトップテンの中に入っている。
1990年の時点では世界の半導体トップテンのうち6社が日本メーカーだったのに、今では東芝一社だけで再建途中でリストラが続いているルネサスはトップテンから落ちてしまった。

 誰もが最近では半導体のことを口にしなくなったが、かつては産業のコメと言われていた。そのコメが取れなくなって久しかったがアベノミクスはそのコメをよみがえらせつつある。
国にはその国の形というものがあり、相撲でいえばその型にはいれば絶対に勝負に勝つという勝負手だが、日本の場合は輸出産業である。

 輸出産業にとって円高は鬼門で円高である限りは国外に転出するより生き残る道はない、だから日本復活の道は輸入産業を無視して円安を誘導することが最大の政策イシュウーとなり、アベノミクスはまさにそのことを熟知した政策といえる。
アベノミクスにより輸出産業で競合する韓国は凋落し中国は成長が止まってしまった。

 そうした流れの中でルネサスの復活がある。この円安が続く限りはルネサスの業績はさらに改善されるだろう。1990年以降日の丸半導体が撃墜される場面ばかり見てきたがここに来てようやく反転攻勢の足がかりがつかめたといえそうだ。

| | コメント (3)

(27.4.3) 日銀短観の悲観症 これ以上の好況はないのになぜ悲観なの?

Dscf6436

  日本人はつくづく悲観症なのではないかと、あきれ返ってしまった。
日銀が短期観測(日銀短観)を発表したが、3か月前と好況感は横ばいで先行きについては悲観的だという。
日銀短観とは日銀が資本金2000万以上の企業1万社を対象にアンケート調査した結果をまとめたものだが、企業に景気が良いか悪いかを尋ね「良い」から「悪い」を引いた値を業況判断指数DI)として発表しているものだ。

 それによると3月のDI全規模全産業で+7、大企業製造業は+12、大企業非製造業が+19、そして中小企業全産業が+2だった。
これを見て私などは「そうか大企業はほぼ好況感に包まれていて、一方中小企業にはまだ十分浸透していないのだな・・・」という判断をするが、毎日新聞の見出しなどは「景況改善せず。先行きは悪化」となっていた。
私がもし見出しをつけるとしたら「リーマンショック以前の好況感に戻る。中小企業にも明るさ。しかし先行きに慎重」というところだ。

 「悲観症」には二つの側面があって企業の悲観症とマスコミの悲観症がハーモニーとなって日本経済の見方が下振れしている。
中国だったら「わが国の経済は有史以来の最高の状態になっている」というだろう。

 現状を見てほしい。大企業の決算状況は輸出産業を中心に過去最高益を稼ぎ出しているし、株価は2万円に迫ろうとしているし、不動産価格も都心を中心に上昇している。
大学生や高校生の就職状況はほとんどバブル状態で賃金を上げなければ人手が集まらない。
確かに住友商事などはシェールオイルの投資に失敗し減損処理に追い込まれて赤字を計上しているし、シャープなどはこの期に及んで液晶パネルの販売に失敗し赤字になっている。
しかし全体で見ると上場企業の営業利益率は27年3月期は6.3%と1980年以降で過去最高になり、これ以上儲かったらどうしようというような状況だ。
これで景況が悪いと判断するなら「いったい良いとはどのような状況を言うのですか」と聞きたくなるくらいだ。

 安倍首相と黒田日銀は過去に例を見ない通貨の膨張で円安政策を推進し輸出産業に未曾有の収益を上げられる環境を演出した。
黙っていても収益が上がるのにこれで業況が悪い会社はほとんど自業自得で言ってみればがん患者のようなものだ。
さすがの名医も末期のがん患者は救えないがそれと同じだ。

 さらに視点を変えて日本がいかに好調かはライバルの韓国の経済状況を見ればはっきりする。韓国経済は日本経済を見る鏡なのだ。停滞の20年間日本企業は韓国企業に蹴散らされてきた。
サムスンに対抗できる企業はなくソニーもパナソニックも赤字に苦しみ、シャープなどはほとんど倒産直前に陥った。
そのサムスンが今急激に収益を減らしており、現代自動車はぱったり売れなくなってきた。
ウォン安だけが韓国経済のけん引役だったので、そこを安倍首相につかれては韓国企業の生き残るすべはない。
韓国の新聞の論調は悲観一色で、韓国が停滞の20年に入り日本病になったと報じているが韓国が病人になれば日本が復活する。

注)サムスンの経営悪化状況については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-69f6.html

 何しろ韓国の輸出産業はサムスンが出現するまではすべて日本のコピーで、日本製品よりは品質は悪いが圧倒的に安く、特に中国やインドと言った新興国で人気があったからだ。
日本製品はいいんだけれど高いから韓国製品で我慢するわ!!」
それが安倍首相と黒田日銀の円安政策で高品質の日本製品と低品質の韓国製品の値段がほぼ同じになったのだから韓国に勝ち目はない。出血輸出という手が残されて懸命に我慢しているが、これはいつまでも継続できるものでなく血がなくなれば死んでしまう。
日本輸出産業の復活は世界から見たら確実だ。

 日銀短観で大企業の製造業が将来(と言いても3か月後)を見て、「いつ円安が終わるかもしれないので楽観できない」という判断をしているが、私だったら「安倍政権が存続する限り円安政策は継続され将来の見通しは明るい」と評価する。
今が日本経済が過去のどのような時よりも輝いている時だとなぜ認識しないか不思議なくらいだ。
韓国を蹴散らし、停滞の中国から撤退し、インドやアセアンとの提携を強化する日本経済はバラ色だという方がはるかに現実的判断だとなぜ思わないのだろうか?
企業もマスコミも悲観論さえ出していれば「俺は立派な判断をしている」と思っているようだが、それでは現実を見誤るというものだ。

「最近私のブログにとてもレベルの高いコメントを寄せてくださる読者がいます。単にコメント欄に追いておくだけではもったいないのでブログ本文に転写します。なお転写の基準は私の意見に賛成反対を問わず内容が充実しているものは転写いたします。」

 すべての悲観論の根源はただ一点、財政赤字、つまり国債残高がうなぎ上りに上昇しいずれ破綻するのではないかとの不安です。

 財政が大きく傷ついているのは確かでその立て直しは言うまでもなく必要ではあるが、だがしかし、それは世界と日本の経済社会状況を勘案しながらなされなければならないと思います。
日本国民の慎重さ 善良さ 悲観主義に陥りやすい心配性の強さにつけこみ、ユダヤ金融資本の双璧ニューヨーク、ロンドンの金融界の手先たる格付け機関と称するムーディーズ社、それに便乗することしか能のない日本の経済評論家の言動、マスコミの不勉強等が一体となって日本社会に不安感を与えています。

 これは日本人が不勉強だからでもあります。
財政政策に関する古典派自由主義経済学者の学説を読んだこともなく、ただテレビを見、大衆新聞を読めば,自分は一応の中間階級物知りと思っている 夜郎自大的無知蒙昧 がそうさせていると思います。

 財政 経済運営にあたって 社会情勢 失業等経済雇用の運営のためにはいわゆる 「健全財政の必要はない」。

 もう学校を出て50年近くも経ちますが、この一文は記憶にありありと残っています。
この経済学者名前は失念いたしましたが、もしお分かりの方が居られましたらご教示下さい。 ケインズ経済学などもう用はないと言う金融資本に手玉に取られ 言われっぱなし右往左往する自信喪失の日本人は哀れです。

 我々はもっと自分の頭で考え 経済学を世界の経済史を勉強すべきです。
もし日本政府が財政出動しなかったらあの戦前のアメリカ経済破綻の二の舞い、いやそれ以上の惨状となり、日本はもう二度と立ち直れなかったことでしょうに。
日本は再建しました。財政再建は必要。 でもよくよく計画的に時間をかけ経済状況を慎重に考案しながら行うべきです。 
日本を破滅に追い込みたい、自滅に追い込み儲けたい鬼のような国ばかりですよ世界は。



(別件) カンパ募集中

 市民の財産は市民が守るおゆみ野クリーンクラブの活動の一環として昨年に引き続き一人当たり3000円のカンパをお願いしております。カンパは塗料、草刈のガソリン代、ベンチ補修のテスト用資材に使用いたします。

 賛同していただける方は以下の口座に送金いただければ幸いです。なお送金していただいた場合は同時にこのブログのメール機能を使ってその旨連絡いただけると幸いです(お礼のメールを出したいため)。


・千葉銀行 鎌取支店(092) ・おゆみ野クリーンクラブ 普通預金口座(3743511)
・郵貯銀行 店名 058 (ゼロゴハチ)・おゆみ野クリーンクラブ 普通預金口座(3695852)

なお、カンパ依頼の具体的な内容は以下を参照してください。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-6213.html

| | コメント (4)

(27.2.24) 旦那、統計では世の中不況といっていやすぜ!! 統計と実態の乖離現象

23211_018 

 最近景気の実態と経済統計が全くと言っていいほど合わなくなってきた。特にGDP統計がひどく、統計では日本経済はマイナスかかろうじてプラス程度だが、実体経済は好景気に沸いている。
企業の四半期ごとの決算報告では毎期過去最高の収益を計上している企業が続出しており特に自動車関連金融関連は我が世の春を謳歌している。
企業は人手不足に悲鳴を上げており、農林水産業や土建業界や運送業界は特に深刻だ。
株価も上昇の一途をたどりついに2万円の大台が見えてきたが、それでもGDPは低迷したままだ。

 GDP崇拝者に取ってこの現象はどうにも説明がつかない。GDPが正しいのか企業の好決算が正しいのかGDP崇拝の経済学者は頭をかかえている。
企業は絶好調で求人倍率は高く、その結果GDPは落ち込み不況のただなかにある」などと精神分裂病のようなことを言っている。
一方実務家はすっかりこうした結果だけの指数を諦め、もっぱら「景気ウオッチャー調査」のような心の調査を重要視し始めた。
なにか他にまともな指標はないだろうか」ということだ。

注)これによると14年11月に41.5と最低になってその後回復基調にあるが15年1月は45.6となっている(50が平均)。景気はまだまだだとの認識だがこれも現状認識で今後の景気動向の把握には役立たない。

 かつては景気が回復してくると電力使用量が増加していたが今はさっぱり電力使用量は増加しない。企業が自家発電システムを備えて福島原発事故のような災害に備えたからで、電力会社から電力を購入する割合が減ったので景気との相関が少なくなってしまった。
求人倍率は今でも有効だが、日本は長期的に人口減で特に働き盛りの年齢層が減少しているため、長期のトレンドも加味しなくてはいけなくなった。

 それに日本経済もソフト化しているので単に鉱工業生産を見たり電力使用量を見ていても金融業や保険業やソフト産業の動向は分からない。株式が上昇して株の売買益で散財するようになっても鉱工業生産とは無縁だろう。
経済の羅針盤が勝手に動き回るので経済学者も実務家も頭をかかえている。

 
 私はこのブログで何度もGDPは景気動向の把握には役立たないと言ってきたがそれでは何を見たら景気の動向が分かるのだろうか。
初心に帰って企業業績の推移を見て把握するのが何よりわかりやすい。
そもそもGDP の定義は付加価値の集積なのだから、近似的には企業の営業収益に等しい。
だから企業が発表する3か月ごとの決算内容と期末の見込みを知れば日本全体の景気が分かる。

 また有効求人倍率も長期的なトレンドを捨象して考慮すれば十分判断には役立ち、どこもかしこも人手不足で悲鳴を上げているのに景気は後退期にあるなどといえば笑われてしまう。
簡単に言えばトヨタが好決算に沸き、三菱UFJが過去最高の収益を上げ、東証の上場企業の営業利益のトータルが前年同期比で大幅に上昇していて、パートタイマーの時間給が上昇すれば景気がいいのだ。

注)現在は正社員より非正社員の方が圧倒的に多いのだから賃金は1時間当たりの時間給に反映する。

 あまりに簡単で馬鹿馬鹿しいくらいだが、景気などというものはそうした程度のものが分かりやすく、何もGDPや経常収支を見なければ分からないというものではない。

注)経済統計の多くは経済学者や統計担当者を食わせる飯の種で、特にGDPなどはそうした性格が強い。

| | コメント (1)

(27.1.16) 日本経済の回復がトラック業界を直撃している

20128_025 

 経済は生き物だからGDPのような静止した過去の指標をいくら眺めていても現在日本経済に起こっていることは分からない。
GDPはここ2四半期マイナス成長になっているが実際は非常な勢いで経済は成長している。

注)GDPが景気の指標にならないことは何回も述べている。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-53bf.html


 その例が物流業界の現状で、NHKのクローズアップ現代が物が運べない「物流危機」をレポートしていた。
現在日本経済は急激なスピードで立ち直りつつあるのだが、その影響が物流ネックに出てきてトラックの運転手が集まらないのだ。

 トラックの運転手のイメージは菅原文太さんが演じたトラック野郎のイメージで、どう見ても若者がしたくなるような職業ではない。
賃金水準は全産業平均の約8割、労働時間は2割増しだから、低賃金・長時間労働の典型的な職場だ。
それでも従来人手が確保できたのは停滞の20年間、職場が日本から消えていたので致し方なくこの職場を選んでいる人が多かった。
しかし経済が活況を呈し今ではトラック運転手より条件のいい職場がいくらでもあるから、より条件のいい職場を目指してシフトし始めている。

 日本の物流システムは世界最高水準でアマゾンなどで本を注文すれば翌日には配達してくれる。最近ではスーパーやコンビニでも宅配を始めたから消費者は家にいてもすべての商品を買いそろえることができるほどだ。
大手コンビニの配送システムも素晴らしくセブン・イレブンでは一日9回の配送を行っており、時間は5分単位で設定されている。
しかしこうしたシステムが運営できたのはトラック運転手があり余るほどいたからで、運転手がいなくなれば前提条件がすべて壊れる。

 物流業界の対応策としては主婦による自転車配送システムを導入したり、運転手の労働の軽減を図るために積み下ろし用リフトを導入したりカートで運ぶシステムを導入していたが、こうした対応にも限界がある。
物流業界の自助努力ではどうにもならない水準になりつつあり、もっと大きな改革が求められているようだ。

 たとえば従来のトラック輸送を縮小しJR貨物輸送や船舶輸送に切り替えてトラックに頼らない輸送法の検討だが、受け入れ側のJR貨物にも問題があって十分な列車本数の拡大ができない問題がある。
結局はトラック運転手の待遇を改善して魅力ある職場にしなければならないのだが、そうしたコストは輸送費に跳ね返るから早晩この物流費を消費者が負担しなければならなくなるだろう。

注)鉄道輸送は一列車で10トントラック65台分の輸送力があると言っていた。

 こうして日本経済の急激な回復が輸送業界を直撃してトラック運転手の不足問題を浮き上がらせた。何度も言うが景気回復はGDPを見ていても全く分からない。かえって具体的業界の人手の問題大きく言えば失業率)を追っていくと、今日本で起きていることが明確に分かるのだ。

注)アメリカではFRBの政策決定の重要な要素に失業率を入れているが、これは経済というものをよく理解しているといえる。
 

| | コメント (0)

(27.1.8) 中国進出企業の怒涛の回帰が始まる。 世界中で最も優れた生産拠点が日本になった!!

2039_102 

 人間長く生きていると何が起こるか分からないものだ。
しばらく前まで日本企業は中国こそが日本企業の最後のフロンティアと言って怒涛のごとく中国に進出していたが、今やその波は完全に収まり引き潮になってしまった。
今はまだ緩い引き潮レベルだがこれが怒涛のような引き潮に変わるのは時間の問題だ

 パナソニック、シャープ、ホンダ、TDK、ダイキン工業、キャノンと言った企業が中国で採算割れをしている商品の日本国内での生産を急いでいる。
何しろ為替相場が120円では海外で生産して逆輸入しては赤字になってしまうので、企業経営として持たない。
中国での生産は中国の消費者向けに限定して輸出用は日本での生産に切り替えるという。

 もともと中国への進出は賃金が安かったからだが今では数年で倍の賃上げラッシュだし、地方政府からはわけの分からない税金実際はワイロ)を要求されるし、労働者はすぐに辞めていってしまうので中国で生産するメリットはほとんどなくなっていた。
そればかりでなくパナソニックなどは日本たたきの標的にまでされて工場は焼打ちに会い損害賠償にも応じてくれない(ただし一部は北京政府に内緒で地方政府が損害賠償に応じている)。

 日本企業が中国にいても我慢できるのは自動車のような中国の消費者が相手の企業だけで、それ以外の企業にとっては中国に生産拠点を持っている理由は全くなくなってしまった。
こんなことなら真面目な従業員と清廉な役人がいて、なんでもクリーンな日本で生産した方がいい
中国の魑魅魍魎とした世界にほとほと愛想をつかして日本回帰が始まっている。

 アベノミクスとは日本のたたき売りであり、円を刷りまくって円安を誘導して輸出産業を後押しする政策だ。何しろアベノミクスが始まる前の資金供給量(残高)は100兆円ベースだったのに今や日銀券は300兆円に迫っている。
さあ、兄さん、買った買った、安いよ。今日は特別に半額にしちゃおう!!」なんて寅さん並のバナナのたたき売りだと思えばいい。
おかげで円安は劇的に進み世界中で最も魅力的な生産拠点が日本になってしまった。
今まで閉鎖や規模縮小が続いていた地方経済にとっては福音であり、国内中で仕事場があれば若者が止まるから地方の衰退も緩和される。

 もともと円安政策にはデメリットがあって食料や燃料と言った輸入価格が高騰し一般庶民の生活を直撃するが、思わぬ資源価格の下落でそうしたデメリットも出にくくなっている。
原油価格などは半額になってしまい電力会社やガス会社も経営が改善しており信じられないような好環境だ。
それというのも中国経済の失速で石油や鉄鉱石や銅と言った資源の輸入が減少したからで、日本企業が中国から撤退すればするほど中国経済は落ち込むのでこの資源価格の低迷は当面続く。

 正直に言うがアベノミクスがこれほど成功を収めるとは私には予想ができなかった。物価上昇に消費者が根を上げて政策変更を余儀なくさせれると思っていたが予想が外れた。
反対にアベノミクスとは日本経済を大復活させた経済史に残る快挙として語られることになりそうだ。

 戦後の日本のフレームワークを作ったのは吉田茂だが、そのフレームワークがほころびて衰退の一途をたどっていた日本を立て直したのが安倍首相ということになるだろう。
徳川幕府の例でいえば吉田茂が家康で、安倍首相は徳川吉宗と言った立場だ。
日本の歴史の教科書に「日本経済を立て直し、中国を蹴散らした勇者」として安倍首相の名が刻まれる日が早晩きそうになってきた。

 

 

| | コメント (0)

(26.12.31) 2014年は世界史の転換点だった。 日本の復活と中国の凋落

22121_006 

 2014年
は世界史に残る年になるかもしれない。今から100年前に第一次世界大戦が勃発し、それがシュペングラーの言う「西洋の没落」の年だったが、2014年は新興国と資源国が没落した年だった。中国とロシアがピークアウトしたからだ。
これが本当に100年前の事件に匹敵するかどうかはもう少し時間をかけてみないと分からないが、10年や20年の単位で見れば確実に潮目が変わった年になるだろう。

 中国経済は公表された統計数字とは別に信じられないような経済失速に陥っている。飛行機で言えば高度計は1万メートルを示しているのに、、目の前に海面が近づいているようなものだ。統計数字はすべて政治的数字だから中国経済の実態をまったく反映していない。
何てことだ、これなら計器なしの飛行のほうがもっとましだ!!」パイロットの習近平氏がコクピットで悲鳴をあげている。
2015年にはいまだに中国経済が好調と思っている企業は地獄を見るだろう。

 資源国ロシアの凋落も著しい。こちらは国家予算のほとんどを石油と天然ガスに頼っているのでもはやどのように細工をしても対応できなくなっている。プーチン大統領は「今まで溜め込んでいた4000億ドルがあるから大丈夫だ」と見栄を張ったが国立銀行総裁は真っ青だ。
ロシアや中国の場合統計上の数字と実体が乖離する最大の理由は頭の黒いねずみが国庫金をちょろまかしていて、実際に金庫を開けるとからと言う場合が多すぎるからだ。
あるべき資金が無ければ国立銀行総裁が真っ青になるのも無理は無い。

 資源価格が急落した最大の理由は中国経済の失速である。中国では石油集団グループが利権化しており、国家のためでなく利権集団のために石油や天然ガスの輸入を行っていた。現地の独裁者と組んでピンハネをするためである。
これを習近平主席が汚職撲滅の一環として停止させたとたん、世界の石油市場から中国人のバイヤーが消えてしまった。もともと不必要なものを輸入していたが実需に戻ったからだ。

 ここ20年近く中国経済に振り回されていた世界が急に中国が撤退を始めたために激変している。隣の韓国はパク・クネ大統領が中国と心中をしてもいいくらい相思相愛になっていたが、本当に曽根崎心中になってきた。
韓国経済の花だったサムスン電子はその中国でスマートフォンがぱったり売れなくなったためにソニーに近づいてきた。
かつてサムスンという優良企業が韓国にあった」という時代になりつつある。

 一方で日本の復活は著しい。安倍首相のアベノミクスは紙幣を印刷するだけの政策だが、これによって日本の円は急激に安くなり輸出産業が大復活してきた。輸出産業はどこも過去最高益をたたき出し、パナソニックもシャープも回復軌道に乗った。
投入された資金は株式と不動産に流れ込んでおり株式も不動産も一斉に鎌首を上げている。
本来なら円安は輸入価格の上昇によって国内物価を引き上げ庶民は怨嗟の声を上げるところだが、石油や天然ガスやコモディティが中国経済の失速で一斉に値下がりしているためそうした声も聞かれない。
アベノミクスは絶妙のタイミングで発動されたことになる。

 日下公人氏は「日本の世紀が始まった」と公言しているが、攻守が交代したことは確かだ。
中国のバブル崩壊の後始末には日本の失われた20年程度はかかるから今後資源をがぶ飲みする余裕はない。ここ20年近くは資源価格は安定し日本の輸出産業は世界を席巻し中国は国内問題で精いっぱいになって海外進出する余裕すらなくなるだろう。
もしかしたら長谷川慶太郎氏の言う中国の崩壊もあるかもしれない。
隣の韓国ではパク・クネ大統領がつるし上げに会いそうだ。
なぜ、落ち目の中国に寄り添ったのか」ほとんど国会はマヒ状態になるだろう。
だって、統計数字では中国は大飛躍してるじゃない
大統領、中国の統計数字は豚も食わないのですぞ!!」
何よ、豚もおだてりゃ木に登るのだから統計数字ぐらい食うわよ!」
韓国では国家的事業として豚が統計数字を食うかどうかの実験が始まりそうだ。

 2014年が過ぎて2015年になれば誰もがこの状況を理解できるようになるだろう。
そして誰もが言うに違いない。
そうか2014年が世界史の転換点だったのか!!!!」
 

| | コメント (0)

(26.12.27) 2015年日本が大復活する年 中国と韓国を蹴散らそう!!

J221216_002

  2015年は誰の目にも日本の世紀が再び始まったと認識できる年になるだろう。
現在は2四半期連続してGDPがマイナスになり、GDP信奉者の目には日本経済は停滞していると映っているが、そもそも景気の先行きをGDPで図ろうとすることが間違いなのだ
 

 今日本では株式が18000円の大台に乗り、都心部の不動産価格はうなぎ上りに上昇し始めている。
輸出産業は軒並み過去最高益になっていて、しばらく前まで倒産するのではないかと危ぶまれたパナソニックもシャープも大復活している。
新卒者は引っ張りだこになり、また有効求人倍率は一倍を優に越えた。
どこもかしこも人手不足になり特に土木建築業などは人手が確保できない人材ネックに落ちている。

 こうした情勢下でもGDP信奉者は日本は景気後退期に入ったと大騒ぎしているが「どこが景気後退したの?」と聞いても答えられないだろう。
会社は大儲けをしているし,人手不足だから景気は後退しているのだ」なんて回答になってしまう。
実はGDPの値は景気の先行指標にならない。それは過去のデータであってこれからの予想には何の役にもたたない。
それよりも経済実態を見た方が経済予測には役立つ。

注)GDPが景気の転換点では全く役立たない指標であることは前に述べた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-53bf.html


 日本経済が大復活するのはアベノミクスがアメリカFRBの前バーナンキ議長が行った金融政策のコピーだからだ。アメリカの成功を日本は後追いしている。
バーナンキ氏の金融施策はただひたすらアメリカドルを印刷しまくる政策だった。
金はいくらでも刷っていいぞ。物価が上昇しない限り金を刷りまくれ

 いくら紙幣を増刷しても問題がないのはこうした資金が主として株式や不動産の購入に向かうからである。
株式や不動産の価格が上がるのはそれに価値があるからだと一般には思われているがそれは違う。
単に購入資金が市場に流れ込んでいるからで、この流れ込んだ資金量と株式や不動産を交換しているだけなのだ。
考えてみてほしい。なぜあの株式が1000円で50円でないか理論的に説明できるだろうか。

 しかも株式や不動産は消費者物価の計測の対象外家賃は計測の対象)だから、いくら価格が上昇しても物価上昇とは言わない。限度を超えた時のみバブルという表現を使うが実際は投入された紙幣はこうしてインフレを起こしている。
そして金融緩和が株式や不動産やコモディティに向かっている限り(消費財の価格が上がらなければ)、人々は何か自分たちが金持ちになったようなユーフォリアに浸れるのだ。
実際に株式なり不動産なりを売却すれば現金が入ってくるので、後は不要な家具等の購入に走るから景気は回復する。

 私は資本主義経済とはどうしようもない側面があるといつも思っている。高度に発展した日本のような資本主義社会ではテレビやスマートフォンのような物財はいきわたってしまい、これ以上テレビ等を購入してもどうしようもない段階に来ている。
だからそうした社会でさらにGDPを伸ばそうとすれば不要なものの購入を推し進めるより以外に方法はないのだ。
その結果唯一価格が上昇する株式や不動産の保有者はますます裕福になり、一方貧乏人におこぼれが来るまでには非常なタイムラグがある。

 共産党の言うようにアベノミクスは金持ち優遇策だが反対に貧乏人を優遇する分配政策をとると誰も働かなくなるので国家は貧窮する。現在のキューバや崩壊したソビエト・ロシアを見れば分かるはずだ。金持ちを優遇しない限り国家は裕福にならないのが資本主義体制でアメリカの金融政策がそれを証明している。

注)現在世界で唯一景気回復期に入ったのはアメリカだが最も貧富の差が広がりつつあるのもアメリカだ。

 日本は2015年大復活するはずだ。輸出産業はこの世の春を迎え、就職難は解消し、株式も不動産もうなぎ上りになるだろう。そして金持ちはますます金持ちになって貧富の差はアメリカがそうであるように拡大するだろう。
停滞の20年間、日本は中国と韓国からいい様にあしらわれてきた。衰退国は目ではないということだ。
だが今日本が大復活し、再び中国や韓国を蹴散らす日が近づいている。衰退国は今度は中国と韓国になる。
だから貧乏人の私にとってメリットがあるわけではないが安倍首相のアベノミクスを支持しているのだ。

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

NHK NHK特集 超常現象 NHK クローズアップ現代 NHK コズミックフロント NHK BS世界のドキュメンタリー NHK ミクロの大冒険 NHK NHK特集 NHK NHK特集 ヒューマン NHK NHK特集 病の起源 NHK ためしてガッテン NHK ためしてガッテン 老化予防法関連 NHK ためしてガッテン 認知症関連 NHK ハイビジョン特集 NHK プロジェクトWISDOM NHK ワールド・ウェーブ システム facebook システム Twitter システム You-Tube システム ウィニー システム グリーティングカード システム サイバー戦争 システム スマートフォン・タブレット KDP システム スマートフォン・タブレット・テレビ システム ネット社会 システム ブログ ココログ シナリオ ぼくが生きた時 シナリオ ハバロフスク シナリオ 友よ風に向かって走れ シナリオ 忠助 シナリオ 桃ノ木栗の木左遷の木 スポーツ アメフト スポーツ サッカー スポーツ リオオリンピック スポーツ ロンドンオリンピック スポーツ 大相撲 スポーツ 平昌オリンピック スポーツ 東京オリンピック スポーツ 野球 ボランティア おゆみ野の森 ボランティア おゆみ野の森 活動の交流 ボランティア おゆみ野クリーンクラブ ボランティア 地域活動 円卓会議 ボランティア 教育指導 数学・理科・英語 マラソン マラソン ちはら台走友会  マラソン ちはら台走友会 登山 マラソン ウルトラマラソン マラソン ハーフマラソン開催 マラソン 四季の道駅伝 リメイク版 夏休みシリーズ 23年 リメイク版 夏休みシリーズ 24年 リメイク版 夏休みシリーズ 25年 リメイク版 夏休みシリーズ 26年 リメイク版 夏休みシリーズ 27年 事件 中学生誘拐事件 個人 アーカイブス 個人生活 ヨガ 個人生活 同窓会 個人生活 失敗記 個人生活 学校 個人生活 家族 個人生活 山崎書店 個人生活 散策 個人生活 数学 個人生活 文学入門 個人生活 日本人論 個人生活 映画 個人生活 映画鑑賞 個人生活 樹木剪定問題 個人生活 歩く会 個人生活 水泳 個人生活 演歌 個人生活 登山 個人生活 私の人生観 個人生活 自転車 個人生活 陸ガメ 健康 健康 坐骨神経痛 健康 眼病 健康 精神性胃炎 健康 老化対策 健康 難聴 旅行 サンチャゴ巡礼 旅行 ネパール 旅行 ロドリゴとイェティ 旅行 勝浦ビッグ雛祭り 旅行 北アルプス縦断 旅行 自転車周遊記 旅行 蝦夷地周遊記 歴史 ローマ史 歴史 世界史 歴史 中国史 歴史 日本史 歴史 郷土史 災害 東日本大震災 災害 東日本大震災 ひたちなか便り 災害 東日本大震災 メガクエイクⅢ 災害 東日本大震災 地震保険 災害 東日本大震災 心に与える影響 災害 東日本大震災 政治 災害 東日本大震災 東電の経営問題 災害 東日本大震災 汚染水問題 災害 東日本大震災 経済 災害 熊本大地震 評論 世界 国連 評論 世界 地球温暖化 評論 世界 文明論 評論 世界 水資源問題 評論 世界 科学 評論 世界 自然保護 評論 世界政治 評論 世界経済 評論 世界経済 EU 評論 世界経済 アフリカ経済 評論 世界経済 アメリカ経済 評論 世界経済 アメリカ経済 アフガン戦争 評論 世界経済 アメリカ経済 シェールガス・シェールオイル 評論 世界経済 アメリカ経済 トランプ大統領 評論 世界経済 アメリカ経済 社会問題 評論 世界経済 イギリス経済 評論 世界経済 イタリア経済 評論 世界経済 インドネシア経済 評論 世界経済 インド経済 評論 世界経済 ウクライナ経済 評論 世界経済 オーストラリア経済 評論 世界経済 カナダ経済 評論 世界経済 カンボジア経済 評論 世界経済 ギリシャ経済 評論 世界経済 サウジアラビア経済 評論 世界経済 シンガポール経済 評論 世界経済 スペイン経済 評論 世界経済 タイの政治・経済 評論 世界経済 トランプ現象 評論 世界経済 トルコ経済 評論 世界経済 ドイツ経済 評論 世界経済 ネパール経済 評論 世界経済 バングラディシュ経済 評論 世界経済 フィリピン経済 評論 世界経済 フランス経済 評論 世界経済 ブラジル経済 評論 世界経済 ベトナム経済 評論 世界経済 ポルトガル経済 評論 世界経済 ミャンマー経済 評論 世界経済 ヨーロッパ経済 評論 世界経済 ロシア経済 評論 世界経済 ロシア経済 プーチン 評論 世界経済 中国経済 評論 世界経済 中国経済 不動産投資・統計 評論 世界経済 中国経済 政治情勢 評論 世界経済 中国経済 社会問題 評論 世界経済 中国経済 社会問題 尖閣諸島 評論 世界経済 中国経済 鉄道建設 評論 世界経済 北朝鮮経済 評論 世界経済 北朝鮮経済 政治情勢 評論 世界経済 台湾経済 評論 世界経済 外国為替・金 評論 世界経済 石油問題 評論 世界経済 石油問題 イラン関連 評論 世界経済 経済成長 評論 世界経済 金融問題 評論 世界経済 韓国経済 評論 世界経済 韓国経済 社会問題 評論 世界経済 韓国経済 竹島・従軍慰安婦 評論 世界経済 食糧問題 評論 中東・アフリカ アラブの春 評論 中東・アフリカ アラブの春 エジプト 評論 中東・アフリカ アラブの春 シリア 評論 人類衰亡史 評論 人類衰亡史 EU 評論 人類衰亡史 WHO 評論 人類衰亡史 アパレル業界 評論 人類衰亡史 アメリカ 評論 人類衰亡史 イギリス 評論 人類衰亡史 イスラエル 評論 人類衰亡史 イタリア 評論 人類衰亡史 インド 評論 人類衰亡史 エチオピア 評論 人類衰亡史 オーストラリア 評論 人類衰亡史 コロナ 評論 人類衰亡史 コンビニ業界 評論 人類衰亡史 サイバー戦争 評論 人類衰亡史 サウジアラビア 評論 人類衰亡史 シリア 評論 人類衰亡史 シンガポール 評論 人類衰亡史 スェーデン  評論 人類衰亡史 タイ 評論 人類衰亡史 トルコ 評論 人類衰亡史 ドイツ 評論 人類衰亡史 バーチャル時代 評論 人類衰亡史 ファーウェイ 評論 人類衰亡史 ブラジル 評論 人類衰亡史 ベラルーシ 評論 人類衰亡史 ベーシック・インカム 評論 人類衰亡史 ヨーロッパ 評論 人類衰亡史 リビア 評論 人類衰亡史 レバノン 評論 人類衰亡史 ロシア 評論 人類衰亡史 世界 評論 人類衰亡史 世界経済 評論 人類衰亡史 中国 評論 人類衰亡史 北朝鮮 評論 人類衰亡史 医学業界 評論 人類衰亡史 台湾 評論 人類衰亡史 国連 評論 人類衰亡史 地球温暖化 評論 人類衰亡史 日本 評論 人類衰亡史 森林火災 評論 人類衰亡史 業界 ソフトバンク 評論 人類衰亡史 業界 自動車業界 評論 人類衰亡史 業界 航空業界 評論 人類衰亡史 民族紛争 評論 人類衰亡史 石油業界 評論 人類衰亡史 砂漠とびバッタ 評論 人類衰亡史 金 評論 人類衰亡史 鉄鋼業界 評論 人類衰亡史 韓国 評論 人類衰亡史 WTO 評論 人類衰亡史序説 アメリカ・中国激突 評論 人類衰亡史序説 エジプト 評論 日本の政治  八ツ場ダム 評論 日本の政治 ノーベル賞 評論 日本の政治 人口問題 評論 日本の政治 公共事業 評論 日本の政治 内部告発者保護法 評論 日本の政治 加計学園 評論 日本の政治 医療行政 評論 日本の政治 危機管理 評論 日本の政治 原子力行政 評論 日本の政治 地方政治 評論 日本の政治 地方政治 大阪 評論 日本の政治 地方政治 東京 評論 日本の政治 大学入試改革 評論 日本の政治 天皇制 評論 日本の政治 学校問題・子育て 評論 日本の政治 安倍内閣 評論 日本の政治 安倍内閣 TPP交渉 評論 日本の政治 安倍内閣 外交政策 評論 日本の政治 官僚機構 評論 日本の政治 小池都知事 評論 日本の政治 小沢裁判 評論 日本の政治 年金制度 評論 日本の政治 教育問題 評論 日本の政治 新聞報道 評論 日本の政治 普天間基地 評論 日本の政治 東京オリンピック 評論 日本の政治 森友学園 評論 日本の政治 生活保護政策 評論 日本の政治 石原都知事 評論 日本の政治 確定申告 評論 日本の政治 航空行政 評論 日本の政治 菅内閣 評論 日本の政治 著作権法 評論 日本の政治 観光行政 評論 日本の政治 警察機構 評論 日本の政治 農業政策 評論 日本の政治 選挙制度 評論 日本の政治 野田内閣 評論 日本の政治 陸山会事件 評論 日本の政治 領土問題 評論 日本の政治 食糧問題 評論 日本の政治 24年度衆議院選挙 評論 日本の政治 29年度総選挙 評論 日本の政治・経済 評論 日本の政治・経済 将来像 評論 日本の政治・経済 歴史 評論 日本の政治・経済 高速鉄道 評論 日本の経済 AIJ、MRI詐欺事件 評論 日本の経済 JRの経営 評論 日本の経済 アクリフーズ 評論 日本の経済 イオン 評論 日本の経済 エルピーダメモリ 評論 日本の経済 オリンパス 評論 日本の経済 シャープの経営問題 評論 日本の経済 ソニー 評論 日本の経済 ソフトバンク 評論 日本の経済 デパート業界 評論 日本の経済 トヨタ自動車 評論 日本の経済 マクドナルド 評論 日本の経済 不動産価格 評論 日本の経済 仮想通貨 評論 日本の経済 医療分野 iPS細胞、STAP細胞 評論 日本の経済 外食産業 評論 日本の経済 宇宙ビジネス 評論 日本の経済 安倍内閣 経済政策 評論 日本の経済 安倍内閣 金融政策 評論 日本の経済 家電業界 評論 日本の経済 就職問題 評論 日本の経済 日本再生 評論 日本の経済 日立製作所 評論 日本の経済 旭化成建材 評論 日本の経済 東芝 評論 日本の経済 海運業界・造船業界 評論 日本の経済 為替相場 評論 日本の経済 石油元売り 評論 日本の経済 経済成長 評論 日本の経済 経済成長 医療分野 評論 日本の経済 経済成長 観光産業 評論 日本の経済 経済成長 GDPの計測 評論 日本の経済 統計 評論 日本の経済 総合商社 伊藤忠商事 住友商事 評論 日本の経済 自動車産業 評論 日本の経済 航空機産業 評論 日本の経済 証券市場 評論 日本の経済 詐欺 評論 日本の経済 財政金融政策 評論 日本の経済 野村証券 評論 日本の経済 金融機関 評論 日本の経済 金融機関のシステム障害