(24.7.16) 確定申告システムのひどい作業フロー 国税庁の怠慢
私が行う事務処理の中でこの確定申告処理ほど気が進まない処理はない。この確定申告は年に1回だけの処理だが、そのためやり方をすっかり忘れてしまう。
「エーと、なんだったけかなー、ああそうだ、まずパソコンで国税庁の画面を呼び出すんだっけ」
ところがこの国税庁の確定申告システムの画面は世にも不可思議なひどい作業フローになっていて、これに匹敵するようなシステムはちょっとお目にかかれない。
これが500億円の巨費をかけ、また毎年メンテナンスに80億円もかかると言うのだから涙がこぼれそうだ。
一度でもこの画面を空けたことがある人なら、腰を抜かすほど驚く。
まず「確定申告等作成コーナー」から「23年度分確定申告作成開始」の画面に入る。
ここまではいたって通常の画面推移だが、次が信じられない。
ここで「作成開始」を選択すると、「タブは表示中のWebページにより閉じられようとしています。このタブを閉じますか」と聞いてくる。
追加)これはブラウザ等でポップアップ機能を停止している場合にでてくるメッセージだとUWANO SORAさんから教えてもらった。
この意味が分かる人がいたらお目にかかりたいものだ。おそらくインターネット・エックスプローラを使用したことに伴うシステム画面だが、「はい」か「いいえ」を選ばせる。
そしてここが冗談のようだが、どちらを選ぼうと次の「税務署への提出方法の選択画面」が裏画面に出ている。
表面ではない。裏画面なのだ。
表面だけ見ていると「はい」を選択するとは前画面の「確定申告書作成コーナー」の画面に戻り、一方「いいえ」を選択すると「23年度分確定申告作成開始」から一歩もうごかない。
「どうすりゃいいんだ、まったく画面が進まん!!!!!」普通の人は泣きたくなるだろう。
実際は裏画面に次の「税務署への提出方法の選択画面」があるので、今ある画面を消せばよいのだが(そうすると裏画面になる)、これほど利用者を愚弄した画面推移はお目にかかれない。
私はかつて金融機関でシステム開発の仕事を長くやってきたが、その中で最も気を使ったのがユーザーインターフェースだった。
誰もが間違わずに快適にシステム操作ができるように処理の流れを組み立てるのだが、これは利用者のセンスがないと設計がうまくできない。
システム担当者のセンスで作ると、平気でシステム関係者しか分からないような画面を作ったり、裏画面に隠れていたりして利用者をパニックに落としてしまう。
国税庁は毎年80億円もの巨費を投じてメンテしているのに、いくらたってもこのような画面を残して平気でいるのだから、よほどシステム部門にユーザセンスのある人がいないのだろう。
注)実際は国税庁の職員はこうした画面推移をまったく理解していないのだと思う。子会社や関連会社の職員にシステム開発をすべてを任せていて、「私はシステムのことは分からないからいいように作ってくれ」なんていっているに違いない。
年に1回の作業で作業者は作業過程を忘れてしまうのだからもっと親切な画面推移を設計してほしいのだが、年間80億の維持費を使っていても国税庁にそうしたことを頼むのはほとんど無駄なようだ。
ただ怠慢なだけなのだろう。
なお確定申告についての過去の記事は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat38759142/index.html
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