評論 日本の政治 教育問題

(29.2.9) どこまで続くぬかるみぞ!!  文部科学省と官僚機構の天下り

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 文部科学省
による天下りの斡旋については、前川事務次官が辞任しまた関係者の処分を行ったが、それだけで済まされる内容でなくなってきた。
文部科学省の斡旋では嶋貫氏という文部省OBが中心になって天下りを仕切ってきたのだが、嶋貫氏の天下りの経歴そのものも魔訶不可思議だ。
現在明治安田生命の顧問として月二回出勤し1000万円の年収、さらに第一生命顧問として週一回でここも1000万円の顧問料だそうだ。
そして実際は文教フォーラムという訳の分からない団体の役員を隠れ蓑に天下り斡旋を一手に引き受けていた。

 嶋貫氏は文部科学省の高級官僚だったが、現在の顧問先が何とも奇妙な感じがする。文部科学省と生命保険会社と何のかかわりもないからだ。
国家公務員法では現役職員主として人事課)が職員の天下りのあっせんをすることを禁じているほか、直接に担当した業界への5年間の再就職を禁じている。

 この網の目をくぐる方法がOBによる斡旋と、直接関係しない業界への「たらいまわし」の再就職だ。
例えば文部科学省管轄の大学と金融機関を管轄している財務省が天下り先をバーターで交換する方法で、これだと全く関係のない業界に就職したことになる。
嶋貫氏の生命保険会社への天下りなどはこのバーターでないかと思われる。

 文部科学省をはじめ官庁では「天下りは一切ない」ことになっていたが、これはしばらく前の大相撲の八百長試合と同じで、実際は網の目のように天下りのネットワークが張り巡らされており、地位、年収、勤務時間等によってランク付けられた天下り番付表のようなものがあり、これをもとに嶋貫氏のようなOBのブローカーが大活躍をしている。
嶋貫氏の言葉でいえば「人助け」であり、確かに天下りをする官僚にとってはそうだが、こうした天下りには必ず相応のバックペイが用意されている。

 文部科学省の例でいえば補助金の獲得や大学院の設置や学校そのもの認可といった許認可がそうで、たとえば文部科学省は申請が上がった学校法人に対しいったんは不許可の裁定を下す。
学校法人としては必死になって再度認可申請をするのだが、その時に嶋貫氏等が大活躍する。
あんた、こういう人を受け入れてくれれば文部科学省は必ず認可しますよ」

 早稲田大学の教授に収まった前局長もこうした類で、早稲田大学の総長が「このような天下りを阻止できなかったことは誠に申し訳ない」と陳謝したが、早稲田でさえこの低落だからほかは推して知るべしということだろう。

  文部科学省は補助金と許認可が餌だが、こうした権限を持っているすべての省庁が天下りを実施している。
必ず嶋貫氏のようなOBが暗躍していて補助金や許認可権と引き換えに官僚の天下りを実現していて、いくら取り締まってもこの官僚の天下りはなくなりそうもない。

 何しろ天下れば何もしなくても1000万円程度の年収は保障されるのだから天下らないほうがおかしい。
もっとも生命保険会社の立場からは、天下られても生命保険の運営を行う能力はないから、会社に来てもらってはかえって困る。
顧問料1000万円で飼い殺しにする。
まあ、これは〇〇を認可してもらった見返りですな

 日本は中国のように汚職国家ではないが、この天下りについては完全に汚職だ。官僚の給与が相対的に安いからで、高級官僚の給与が大企業並みの給与にならない限りこの天下りはゾンビのように生き残るだろう。

 

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(28.4.6) 千葉の中学生の英語能力が日本一だという。 うれしいじゃござんせんか

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 私がここ千葉市のおゆみ野にひっこしてきてからはや20年がたとうとしている。
今ではすっかり千葉の住民になり切ってしまい「千葉」という言葉を聞くとそれがどのようなものであれ敏感に反応するようになった。
昨日新聞を見ていたら「千葉の中学生の英語力が日本一」だという調査結果を文部科学省が発表していた。ちなみに高校では2位だそうだ。

 調査の方法は中学の場合は英検3級を取っているか、それと同等の学力を有」していると判断される中学3年の学生数を各学校から報告してもらうもので、3級相当というところは学校の判断に任しているのでやや恣意性が残っている。
高校の場合は英検準2級を取っているかそれに相当する生徒を報告させている。
千葉県の結果は英検3級および相当数が52%で英検準2級および相当数が46%になっていた。
へー、千葉の学生は英語が得意なのか・・・・・・」感心した。

 私が教えている中学生が懸命に英検3級レベルのテスト問題に取り組んでいたので聞いたことがある。
千葉県の入試では英検は関係ないのだけれど、どうしてそんなに熱心に英検をとろうとするの?」
英検をとると英語の内申点が上がるのと、私立受験ではとても有利になるからです
千葉県では英語検定協会と協力して英検IBAという「聞く」と「読む」の学力を図るテストを開発しこれを受験させる体制になっていた。
また教員に対しても千葉にある神田外語大の講師による講習を積極的に受けさせている。

 そうした努力の結果として千葉県の学生の英語の実力が中学で日本一になったのは実に慶賀すべきことで、こうした学力も都道府県別に競争しないとどうしても向上しない。ちょうど都道府県単位で高校駅伝を京都で実施しているが、ああした取り組みは必要だと思う。

 英語力は千葉県のようだが、小学生と中学生の国語と数学では文部科学省のテストで上位を占めるのは秋田県、福井県、石川県、富山県といった日本海側の県になっている。
この順位は最近ではほとんど変わらず、特に秋田県は小学校では絶対の一番で中学は福井県とトップを常に争ってきた。

 こうした県では農業以外にさしたる産業はなく、多くの学生は大学を卒業すると東京や大阪や名古屋の企業に就職する。
自分の住んでいる県内では公務員や教員以外には魅力的な職場はほとんど存在しない。
こうした相対的に貧しい県では、児童を社会と戦わせるは教育を授ける以外に手段がない。

 私はいつも秋田や福井の教育委員会と教員が懸命に児童の教育を行っていることに感銘してきた。
そうだよ、貧しさに打ち勝つ唯一の方法は十分な教育を受けさせることしかないのだ。頑張れ、秋田、福井!!」
この日本海に面した「何もないところ」でも教育だけは授けられるというとても良い見本だ。
秋田や福井の子供は実に幸福だと思う。子供たちはそれとは気が付かないと思うが、大人たちの懸命な努力にいつか感謝する日がくる。

「カンパの依頼 」

 市民の財産は市民が守る運動の一環として昨年に引き続き一人当たり3000円のカンパをお願いできないでしょうか。カンパは塗料、草刈のガソリン代、ベンチ補修用資材に使用いたします。

  28年度のカンパ目標を10万円とし、ベンチの補修目標を10基にいたします。

 賛同していただける方は以下の口座に送金いただければ幸いです。なお送金していただいた場合は同時にこのブログのメール機能を使ってその旨連絡いただけると幸いです(お礼のメールを出したいため)。


・千葉銀行 鎌取支店(092) ・おゆみ野クリーンクラブ 普通預金口座(3743511)
・郵貯銀行 店名 058 (ゼロゴハチ)・おゆみ野クリーンクラブ 普通預金口座(3695852)

なお、おゆみ野クリーンクラブの活動状況については以下にまとめてあります。 http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45485858/index.html
 

 

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(27.10.4) 日本の大学の危機 世界水準から大きく後れをとっている!!

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  それにしても残念な結果だ。英教育専門誌THE)が毎年発表している「世界大学ランキング」で日本の大学が大きく順位を下げた。
ベスト100以内に入ったのは東大の43位前年23位)、京都大の88位前年59位)だけで、東京工業大大阪大東北大は昨年の200位以内から姿を消した。
下村文部科学相は「文科省も大学も危機感を持たなければならない」とコメントしているが当然だろう。

 世界の大学のランキングはいくつかの機関で発表されているが、その中でこのTHEの評価が最もよく知られている。
THEの評価基準は13の指標で評価するのだが、論文の引用頻度、教育スタッフ一人当たりの学生数、留学生の数等で評価されている。

 もともと英国の評価機関だから英語圏に有利なのは致し方なく、たとえば論文の引用と言っても英語で書かれた論文が主な対象だから、日本人は最初から不利だ。
また留学生の数も英語圏が有利で日本ではまだ授業は日本語で行っているところがほとんどだから、特別な目的を持った外国人でないと日本に留学してこない。
だからこの大学評価では圧倒的にアメリカとイギリスが有利で英語圏以外がこの中で上位に来ることは難しい。

 しかしそれにしても残念なのは日本の大学が中国や韓国やシンガポールの大学に負けてしまっていることだ。
アジアトップシンガポール大学の25位で次は北京大学の42位東京大学は第3位ということになる。
シンガポール大学は英語圏なので相対的に有利なのは分かるが、北京大学に抜かれてしまったのは何とも口惜しい。自由な研究を許さない独裁国家の北京大学にも負けるとは思いもしなかった。
また200位以内の数で言うと日本は2校だが韓国は5校も入っている。

 中国も韓国も日本と同様に言葉でハンディを持っているのに日本より上位にランクインしている。
なぜ日本の大学の順位が下がったかというと論文の引用件数が減少傾向にあることと、外国人教授の数や留学生の数で順位を大きく落としているからだという
簡単に言うと国際性がなく世界からそっぽを向かれているということのようだ。

 最近文科省がスーパーグローバル大学SGU)のもとにAランクの大学を指定したが、その効果は今のところさっぱりで、反対に順位を落としているのだから何とも情けない。
もっとも日本の大学の教育レベルの低さは私も痛感しているくらいだから、この評価もある意味で致し方ないところがある。

注)SGUについては以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/t-fe34.html


 私が大学を卒業したのは今から45年も前のことでそのころの大学のレベルの低さは酷かった。高校の方がもっとましで高校生は実に真面目に勉強したが大学生になるとぱったり勉学から足を洗い、もっぱらバイトと趣味に徹していたといっていい。
私は文科系の学生だったが大学の授業に出てくる学生はまれで、その中で私は例外的に勉強をしていた。いつもA君と一緒にサミュエルソンの経済学と当時流行だった数理経済学の勉強を空き教室を使ってしていたものだ。
時に学生が全く出てこない授業があると、事務の女性が私達のところにやってきて「あんた、誰も生徒がいないからA先生の講義を聞いてあげて」なんて頼んできたものだ。

 これは45年前の話だが、私の息子や娘の大学も同じようなもので、何か趣味のために大学にいっているようなところがあった。
これで世界の大学ランキングで上位を狙おうとするのはそもそも無理だ。特に文科系の学部は問題が多く、文科省が「文科系を再編成する」と通達を出して大騒ぎになったが、遊ばせるためだけの大学運営はもう止めた方がいい。

 日本では長い間中学生と高校生が真面目に勉強をし、大学生は一時のモラトリアムとして遊びほうけ、就職してからまた真面目に仕事をするというパターンだったが、このモラトリアムも世界的な競争下では全く評価されないシステムになってきた。
少なくとも国立大学は国の予算で運営しているのだから、あほな学生を再生産するために予算を使うのは止めた方がいい。

 私は大学を卒業する時に大学生全体を対象に大学卒業者能力テストを実施して、能力判定をすべきだと思っている。医師の国家試験のようなものだが、そうしたものがなければ学生は絶対に真面目な勉強はしないし、教授連もアホな学生相手だから論文も書かずにさぼっていてもその地位を追われることはない。
日本の大学は特に文科系で顕著だが、教育者と学生がなれ合って遊んでいるのが実態だから、これをなくなさない限り世界のグローバルな競争に打ち勝つことはできそうにない。

 

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(27.7.23) レジャーランドの終焉 大学の文系にリストラが迫っている!!

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 文部科学省が大学に対して文系学部の再編を迫っている。
日本には現在86校の国立大学があり、ほぼ10万人の定員枠があるがこれは同一世代の若者の約8.5%が国立大学にはいれる勘定だ。
1966年というから私が大学生になる直前だが、そのころの定員は約7万人同一世代の若者の約3%が国立大学の学生だった。

 大雑把に言って私が大学生だったころに比較して約3倍程度大学に入りやすくなっているのだが、理由は定員枠の拡大と少子化である。何しろ戦後のベビーブームの時は約270万人の子供がいたのに、今は約100万人だから、当然のことに大学の定員はゆるゆるになってしまった。
企業だったらすぐにリストラの対象になり、規模を3分の1にする対策が採られるが、大学の場合はなかなかそうはならない。

 最大の理由は教職員の身分保障の問題があり、規模縮小をするとありあまった教職員の処遇に苦慮するからだ。
たとえば漢文の大学教授に「漢文の講座を閉鎖しますのでこれからはコンピュータの授業を受け持ってください」などととても言えない。
仕方なしに文部科学省は大学の定員を維持し大学の教職員の職場を確保し続けてきたが、財政がひっ迫してそうした手段をとっていられなくなってきた。

 財務省から「あんた国家財政の立て直しのために協力してくれなくては困る。第一子供がいないじゃないか」とせつかれて、いたしかたなく文部科学省は国立大学に対して来年1月までにリストラ計画を出すように大学に迫っている
特に問題なのは教育系学部で、ベビーブームの時に270万人いた児童が今は100万人でしかも毎年のようにその数が少なくなっているのだから、小学校や中学校や高校の教員を養成しても教える生徒がいなくなってしまった。

 また文学部や法学部、経済学部の卒業生の受け皿についても、企業は世界的規模で学生を募集するので、ほとんど外国語もしゃべることができない学生は就職が極端に難しくなっている。
日本の文系の大学生は大学でまともに勉強しておらず、高校生の時のレベルを超えることがないから、海外の優秀な学生と競争すると勝ち目がない。
現在大相撲がモンゴル勢に席巻されているが、それと同じ事が文系の学生の就職戦線でも現れている。

 文部科学省は今までは教員をリストラせずになんとか職場を確保しようと、たとえば教育学部に教員を目指さない生徒の応募を認めたりしていたが、こうした弥縫策も万策が尽きてしまった。
もうだめだ。これ以上教員を養っていく力は文部科学省にはない
ついに匙を投げたのだが、驚いたのは国立大学の文系の教職員だ。
文系は理系に比較してすぐに役立つことはないが、源氏物語を読んだ人とそうでない人は教養に差があり、人間の奥深さが異なる。何の教養の香りがしない理系の大学生だけでいいのか」と反論している。

 しかし私も文系出身者だからよく知っているが、大学で勉強をして卒業するものはごくわずかでほとんどがバイトやクラブ活動をして卒業している。
源氏物語等読んだ学生などほとんどおらず、教養の香りがしないのは理系の学生と同じだ。
勉強をしようがしまいが卒業できることは同じだから馬鹿馬鹿しくなって勉強などしない学生が多く、かくして文系の大学はレジャーランドになっている。

 こうした大学生のために養育予算をとらなければならない財務省や文部科学省に同情するが、いったん大学は学部を作ってしまうとそこに身分保障された教授等が配属されるため、教職員のリストラができないという側面の方が大きい。
文系の大学教授になるには数十年の研鑽が必要だが、なれる年齢に達した時には学部がなくなっていたというのではあまりにかわいそうだ」というのが文部科学省の立場だった。

 だが大学も時代に即応して変化しなければ存立が難しいのは企業と同じだ。今まではなんとか教育予算を捻出してきたが、ただ遊びほうけているだけの文系の学生や、教職員のための職場確保のために学部を残し続けるのは難しいのが実態だ。時代に合わせて文系の再編成をしなければならないのは当然だと私は思っている。

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(26.12.28) 大学入試改革より大学改革が先ではないか!!

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 中央教育審議会が答申した大学入試改革の輪郭が明らかになった。今までのセンター試験をやめて大学入学希望者学力評価テストを行うのだという。
センター試験との相違は複数回実施できることと記述式や論文式を多く取り入れて知識偏重の点数主義から抽象的思考能力を主に見るのだという。

 何かどこかで聞いたことのあるセリフだなと思っていたら、失敗したゆとり教育のコンセプトに似ていることに気が付いた。
ゆとり教育でも「詰め込み教育を止めて思考力を強化しよう」ということだったが、実際は教員も児童も遊びほうけることを選択したので思考力などどっかにすっ飛んでしまった。
ゆとり教育とは全員でサボっただけで、おかげで世界の教育水準から日本はひどく後退し「単なるアホを再生産しただけか!!」と教育関係者を嘆かせた。

 今回の大学入試改革においても「総合型思考」なるものが唱えられているが、ゆとり教育と同じ轍を踏みそうだ。そもそも高校生の段階でそうした高度の思考に期待する方が愚かだと私には思われる。
独創よりは踏襲でまずは先人の残した遺産を学ばないことには独創もへったくれもありはしない。

 独創に関して昔読んだ本の中に面白い例があった。
 
過去の数学の成果を全く学ぶことなく一生をかけて二次方程式の解の公式を見つけ出した人の話である。
確かに偉業ではあるが、解の公式は中学生の教科書にのっており誰でも知っている知識で、すでにギリシャの昔から知られていたことをすべて自分で発見したとするのはばかげたことだ。

 教育とは先人の人が残した成果を追体験することだからどうしても記憶力と理解力が必要になる。独創的な思考力の前に記憶力や理解力がなくてはどうにもならない。今では完全に覚えてなくてもインターネットを操作すればあらゆる知識が入手可能だが、最低限どのような知識が既知として存在しているかは知っておかないと検索もできない。

 ゆとり教育にしろ総合教育にしろこうしたことを主張する人の最大の欠点はまず基礎がなってなくてはゆとりも総合も存在しないことを理解しないことだ。
大学入試試験で一点刻みで入学の適否を決定することは基礎的学力を十分に身に着けていることを確認するために重要なのだ。

 今回の中央教育審議会の答申では個別の大学が入試試験をする場合は、論文や面接やグループ討論を積極的に活用することを勧めている。
いわば点数でなく大学側が学生を総合的に判断してほしいということだが、実際に論文や面接で学生を評価するのは並大抵のことでない。
進学塾ではこうした論文の書き方や面接の仕方を十分トレーニングするから、独創性など全くなくなり誰もかれもが同じことを言うに決まっている。
そのうち面接者もあほらしくなってしまうだろう。
みんな同じことを言うのじゃ、点数でびっしと決めた方がいいのではないか!!!」ということになる。

 はっきり言ってしまえば高校生の卒業レベルで独創性を要求すること自体が無理なのだ。それより問題は大学教育の方にあり、日本の大学生のレベルの低さを嘆くべきだ。私も大学に行ったからよく知っているが、特に文科系の学生でまともに勉強をしているのは一握りで、後はバイトやレジャーやスポーツにいそしんでいた。
大学とはレジャーランドか」という状況であり、独創性云々を言うのなら大学教育改革の方が急務なのだ。
日本の高校生は大学生に比較すればよく勉強しておりそこの問題を云々するより大学生の知的退廃を嘆く方が先だろう。

注)ゆとり教育の問題点については前にまとめたことがある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-609e.html

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(26.10.5) 日本の大学のランキングとグローバルスタンダード

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 恒例のTHE(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)が発表する本年度の世界の上位200の大学ランキングが発表された。
東京大学23位京都大学59位で、200位以内に入ったのは他に東京工業大、大阪大、東北大だった。
かろうじてアジアではトップだが中国・韓国の追い上げが激しいとTHEは総括していた。

 私などは大学のランキングをどうやって比較するのは不思議に思うが、研究・論文の引用頻度や外国人の教師と留学生の割合、そして企業から調達する研究費の額等13項目で評価するのだという。
日本の大学は研究・論文のレベルは高いが、外国人教員の数が極端に少なく、また留学生が日本を選択することも非常に少ないと評価されていた。

 外国人教員が少なければ英語での授業はほとんどなくもっぱら日本語での授業になり、また海外からの留学生も日本語をマスターしなければ授業についていけない。
しかし外国人が日本の大学で勉強できるレベルの日本語をマスターするのは至難の業で、「そんな苦労をするくらいならアメリカやイギリスの大学に留学してしまおう」ということになる。日本文学や日本文化に興味を持っている人以外は日本に留学しなくなる。

 また日本の大学は一種の徒弟制度のようなものがあり、准教授が教授になるには教授の覚えがめでたくないとなれない。学術研究能力とは別の要素があって、これでは外国人教育者が日本でそれなりの地位を築くことはできそうにない。

  文部科学省も危機感を持ち始めて、最近スーパーグローバル大学37校を制定して資金援助に乗り出すことになった。
トップ13校には毎年約4億円、その下のグローバル牽引型校24校には毎年約2億円の資金援助をするという。

注)37校の中に一橋大学が入っていなかった。文科系だけの大学は支援に値しないのだろうか?

 資金援助費はもっぱら大学の国際化に使用され、たとえば東大は秋入学の推進と英語による学位取得プログラムの充実を図るというし、京都大は入試改革で受験生全員にTOEFLを受験させるという。
外国人教員と留学生を増やし学生は英語を完全にマスターせよということのようだ。

 世界のトップスリーはアメリカのカリフォルニア工科大、ハーバード大、英オックスフォード大だが、外国人教員は30%~40%程度で、一方日本の大学の平均は4%程度だ。
また日本の大学の留学生の割合は3%程度だが、OECD平均は8%で、国際化が極端に遅れていると評価されている。

 大学もすっかりグローバルスタンダードになってしまい、英語の授業でなければ授業でないような雰囲気だし、大学が日本人の村社会であった時代が終わりつつある。
私が大学生だったころは授業は日本語だけで行われていたし、海外からの留学生も極端に少なかった。
受け入れ環境も悪くたまたま友達になった台湾からの留学生は、「日本語をまずマスターしないと授業を受けさせてもらえないので、こんなことならアメリカの大学に留学するんだった」とぼやいていた。

 日本で最も国際化が進んでいるのが意外に大相撲の世界で日本人の横綱がいなくなって久しく、活躍するのはもっぱらモンゴル勢だ。強ければ横綱になれてサッカーやバレーで採用しているような外国人枠はないからTHEが世界のスポーツ界を評価したら大相撲が上位に入ることは間違いなさそうだ。

注)ただし部屋ごとの外国人力士の人数制限はある。

 先日テレビを見ていたら評論家が「大学ランクは英語の世界によるランキングだ」と言っていたが、確かに上位校はもっぱらアメリカとイギリスに集中している。
S&P による企業格付と似たようなところがあっていささか胡散臭いが、世界を英語民族が支配してから200年間、それに対抗できる言語民族がいないのだから致し方ない面はある。

 さらに言うと日本の大学教育のレベルは特に文科系は極端に低い。学生も教育者もまともな教育をしようとしておらず、社会に出るまでの一種のモラトリアムと思っているようだ。遊びとスポーツとバイトばかりで勉強をしている学生は少数だから、親から見ればこんな大学に子供を入れるくらいならアメリカの大学で徹底的に絞ってもらいたいと思うのも当然だ。
少しは外国の荒波にもまれてまともな教育を日本の大学がするようにならなければ、世界から評価されないのは致し方がないだろうと私は思っている。


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(26.8.28) 受験産業界は生き残れるか? 代々木ゼミナールの経営規模縮小

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 受験産業もここまで追い込まれていたのかと感無量だった。
このたび受験産業界の雄、代々木ゼミナール27つある校舎の20を閉鎖し15年度からの受験者の受け入れを停止すると発表したからだ。
代々木ゼミナール駿台予備校河合塾と並んで受験産業界の御三家だったが、その一角が崩れたことになる。

 すでに駿台と河合塾との間にはかなりの格差が生じていて、2013年の東大合格者数は代々木ゼミ369人、駿台1257人、河合塾1101人になっていたから、代々木ゼミの規模縮小は時間の問題だったが、7割もの校舎の閉鎖には驚いた。
不採算部門の切り捨ては企業が生き残る常套手段だが、何かソニーやパナソニックやシャープを彷彿させるドラスティックな対応だ。

 受験産業界が構造的不況業種になることは数年前から指摘されていた。日本社会が少子高齢化を迎え何しろ子供がいないのだ。
平成初期に団塊ジュニアが受験していたころは約200万人いた子供が現在では約120万人だから4割も子供が減っている。
そのため受験倍率は年々低下し、1976年2.15倍、1992年1.94倍だったのが2013年には1.16倍になっておりこれなら高望みしなければどこかの大学に入れる。

 大学の方も生徒の囲い込みに躍起となっており推薦入試やOA入試が花盛りでひどい青田買いをしているから、学力がなくても大学に入れるため受験勉強をしなくなった。
平成12年度の青田買いのウェイトは34%だったが平成24年度には44%と10%も跳ね上がっている
受験生の半分は青田買いで大学に入り、残りの一般受験生も少子化の影響で急速にいなくなっているのだから予備校に来る人はますます少なくなる。

 さらに教育費を負担する親の懐は停滞の20年間は全く増加せず、かえって減少していたのだからとても負担に耐えられない。
お前、予備校の費用は大学並なんだからとても払えない。どこでもいいから大学に入ってくれ」ということになる。
これでは一部の特殊なノウハウがある予備校以外生き残ることは不可能で、国立大学の理系、それも医学部に強い予備校以外は生き残れないだろう。

注)私が受験していた50年ほど前は駿台予備校に入ると何か著名大学に入ったようなプライオリティがあった。

 
 従来から日本の大学生の質は相当低く、特に文系の学生の能力は高校生レベルからほとんど向上していない。
そうした低レベルの大学生を企業が雇用する余裕はだんだんなくなって、真面目に勉強している理系の学生に企業の雇用がシフトしている。
それなら何も東京の有名な私立大学でなくても地方の国立大の理科系でいいじゃないか」というのが最近の傾向だ。

 代々木ゼミナールは東京の有名私立の文科系に強いという定評があった。早稲田や慶応や上智と言ったところだが、そのことが代々木ゼミの経営の圧迫要因になってきたようだ。
少子高齢化と経営戦略の失敗で代々木ゼミの経営は悪化していったのだが、はたしてこうした受験産業界に未来はあるだろうか。

 非常に単純に言えば一般の企業と同様に子供が少なくなる国から多くなる国への経営資源の移転をするしか対応策はなさそうだ。
家電や自動車産業が主として新興国に移転したように、この業界も子供が多くいて大学進学熱が激しい場所で生き残ることしか考えられない。
幸い受験のノウハウは十分に蓄積しているのだから、東南アジア、特にインドネシアやタイやミャンマーやフィリピンあたりが対象になるだろう。

注)韓国や中国はこちらの方が受験戦争が厳しく携帯を使った不正や替え玉が横行していて日本の正統的な受験技術の上をいっている。

 受験産業もグローバル化して生き残るよりほかに対応策がなくなってきたのだと感慨深かいが、果たして代々木ゼミはそうした戦略を練っているのだろうか?

 

 

 

 

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(25.12.30) 「英語教育を充実せよ!!」 財界と自民党の怒り

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(軽井沢のトレイルラン  しまちゃん撮影)

 財界と自民党が怒ってしまった。文部科学省の英語教育のレベルの低さにである。
あんたら、いい加減にせいよ。中学から大学まで10年間も英語教育をしながらまともに英語がしゃべれん生徒ばかりなのはどういうこと。教育の仕方が間違っているんじゃないの!!

 実際に日本人の英語力、わけても会話の能力の低さには定評がある。TOEFLが2010年に行った各国別英語力テストでは日本は163か国中135位で、アジアの中では30か国中27位だった。日本人と並んで英語が下手と言われている韓国の後塵を拝してしまったのだから問題だ。
日本人は世界でも屈指の英語下手な国民といえる。

注)なお英語以外の数学と科学と国語の分野では日本の教育水準は上昇しつつある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-609e.html

 人のことは言えず私も10年間英語を学んだ口で、その後も英会話のトレーニングをそこそこ行ったがまともな会話力を持っていない。読解力はあるが英字新聞を読めないのだから程度がしれている。

 それでも生きていくうえで私の場合は全く支障がなかった。
私が勤務した金融機関の公用語は日本語で、反対に言えば日本語以外の言葉を使用する人はいなかったからこれで十分足りたのだ。

 確かに外国に支店を持つようになってからは外国人の従業員が増え海外職員は相応の英語力を求められたが、私は国内が職場だったので相変わらず日本語で十分コミュニケーションが取れた。
はっきり言えば英語は不要な言語だったから、覚えてもすぐ忘れてしまったのが実態だ。

 だが昨今の日本の企業が置かれている状況は様変わりしてきた。日本経済は完全に成熟し企業が生き延びるためには海外に進出する以外に方策は残されていない。
その時従業員をどのように確保するかが問題になるが、最も最適な従業員は日本語と英語をバイリンガルに話せる人材だ。
日本語だけでも英語だけでも駄目で、この2言語を駆使できる人材が必要になる。

注)特に製造業などの場合は日本の技術を移転しなければならないから日本語マニュアル等が読めないと仕事にならない。

 しかし実際はそうした人材を見つけることは非常に難しい。時に日本語を理解する外国人がいると非常に大事にされるが、必ずしも実務にたけているとはいいがたいので、語学専担のような立場になってしまう。
これではだめだ。使い物にならない。日本人の優秀な職員で英語力のある者が一番だ

 楽天や日産などは社内の公用語を英語に切り替えているが、だからと言って十分才能のある日本人を採用できているわけではない。
そこで文部科学省の尻を叩いて、英語教育を充実させることにした。
小学校で英語を正式教科にし、中学の授業は英語で行い、高校卒業時には英検2級以上にするのが目的だが、このためには英語教員の資質向上を何としても果たさなければならない。

 何しろ日本の英語教員の質は会話力という点に関しては全くレベルが低く、私とさして変わりがない。
強いのはリーディングと文法だから、何かラテン語の勉強のように文法一辺倒になっていたりする。生きて使用されている英語をすでに滅んでしまったラテン語のように教えているから会話力など磨かれるはずがない。

注)ラテン語の勉強法がどのようなものだったかは、ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」を読むとよくわかる。この教育方法と日本の英語教育が酷似しているので私は笑ってしまった。

 それでも支障がなかったのは本当は英語など覚えなくても問題なく生活できていたからで、英語を学ばなくても済んだ稀有な国民だったといえる。
しかし今状況が変わり、日本人も英語力がないとまともな職場を得ることができなくなった。
こうした時文部科学省がラテン語教育並みの英語教育を続けていては、日本人はコンビニのバイトのような最下層の職場しか就けない。
財界と自民党が危機感を持って文部科学省の尻を叩くのも当然といえる。
あんたら、このままでは日本はつぶれる。いい加減明治期の勉強法を止めろ!!


注)一年前に大阪市長の橋下氏が教育問題で吠えていたがその時の記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/2411-f0a8.html

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(25.12.5) ゆとり教育から脱却し、ようやく教育レベルが上がってきた。

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 文部科学省もほっとしたことだろう。国際学習到達度調査PISA)で日本の15歳(高校一年生)のテスト結果が改善されてきたからだ。
元々このテストはOECD加盟34カ国高校1年生での学力を国際比較しようとして2000年に開始し、3年に1回の割で実施されているが、当初こそ日本はすべての科目数学、科学、国語)でトップだったものの、その後は急速に順位を低下させてどこまで落ちるか分からないような状況だった。

注)今回のテスト結果は、国と地域では国語4位、科学4位、数学7位だったが、国だけ比較すると日本がトップ(地域:上海、香港、シンガポール、台湾等)

これはまずいのじゃないか。いわゆるゆとり世代が全く勉強をしなくなって日本人はアホばかりになってきた」さすがの文部科学省も慌てふためいてゆとり教育を止めたのが2008年だが、その効果がようやく出てきたようだ。

 もともとゆとり教育は日本が高度成長を達成し、「ジャパン アズ NO1」と言われた高度成長期末期から提唱された教育方針で、詰め込み教育を止めて創造性あふれる学習体系にしようと言われたものだ。
だがその本当の心は「日本は今まで十分働いて世界の最先端に躍り出たのだから、これからは休むことにしよう。お父さんは休みをとるから、坊主、お前も勉強など止めて遊びなさい」ということだった。

 しかしバブルが崩壊すると日本は停滞の20年に入り込み、学業以外にまともな資源を持たない日本は急速に国際社会でその立ち位置を失っていった。
資源がほとんどなく、人口ばかり多い国家は勉学に励んで頑張る以外に生きるすべはないのに、油断をして国際社会から滑り落ちそうになったわけだ。

 これに危機感を持ったのが安倍首相で、2006年第一次安倍内閣の時に見直しを決定した。
アホばかりではこの国は持たない

 私はボランティアで中学生と小学生に勉強を教えているから分かるのだが、小学生や中学生にいくらゆとりを与えたからと言って創造性あふれる知性など期待できない。
それよりも先達が達成した学問レベルを吸収して、そのレベルに追いつくことが第一で、そうした後初めてこの世に役だつ創造性あふれる知識をもたらすことができる。
それでも実際はほとんどの人が創造的な仕事などせずに先達の後をただ追う存在として一生を送るのが普通だ。

注)私は老人はボランティア教師をすべきと思っており実践しているが、その詳細は以下の通り
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/24111-898b.html

 私がいつも不思議に思うのはほとんどの人間がクリエイターではなくフォロワーとして一生を終わるのに、日教組やかつての文部省創造的人間を作るためにゆとり行為が必要だと説いていたことだ。
本当ですか、創造的人間を一般の教育で行うのは無理ではないですか??」というのが私の正直な感想で、特殊な人間を育てるには幼児期から特別な訓練をさせる以外に方法はなく、実際、成功した音楽家やスポーツマンがそうした英才教育の結果だというのを見てもよく分かる。

 今回の結果を受けてイギリスのBBCが面白い報告を行っていた。
イギリスは成績がさっぱりで、いつもテストで上位に食い込む韓国を見習ってもっと受験勉強をまじめにしなければいけないというレポートだった。
私はレポートするなら韓国より今回トップの日本の方がいいのではないかと思ったが、おそらくレポーターは今回も韓国がトップに食い込むと想定してあらかじめ番組のシナリオを作っていたのだろう。

注)従来の常識では韓国の学生が最も学業成績が良いと世界的に思われていた。

 今回日本は大復活し国単位のオリンピックだったら金メダルになった。日本が韓国に負けるような教育レベルでは将来がないのだから何とも喜ばしい結果だと私は思う。
高校生までの学業はつめこみが当たり前で、これ以外の方法などあり得ない。
 ゆとり教育が終わりようやく日本は教育の面でも復活を遂げつつある。

 
 

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(25.8.17) 子供の貧困化と学力の低下

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(白馬岳登山 花が美しい山だ)

 「日経プラス10」という番組で子供の貧困化を扱っていた。
それによると子供の貧困化率は上昇傾向にあり、6人に1人は貧困家庭に育っているのだという。
この場合の貧困家庭とは日本人の所得の中央値の半分の所得しか得られない家庭で、大雑把な言い方をすると平均の半分以下の所得の家庭ということになる。

 あくまでも相対的な貧困率だから日本における貧困家庭と、たとえばインドにおける貧困家庭は全く内容が異なる(絶対的な貧困化はインドの方が激しい)。
現在の日本の貧困家庭とは可処分所得税金や社会保障費を控除後の手取り)で125万円程度のレベルだから、月に10万円程度で暮らしている家庭ということになる。
これは生活保護費とさして変わらないレベルだから、実際は生活保護を受けているかあるいは最低限の所得で生活しているということだろう。

注)貧困率については厚労省の以下の説明を参照
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/2-7.html

 確かにこのレベルでは食べるだけで精いっぱいで、とても子供の教育費など支出できない。
たとえば塾の費用など月に3万円程度はかかり、夏休みの集中講義を受けると20万程度だというから、子供を熟に通わせたら生活が破たんする。

 
 問題なのは母子家庭が急増しており、その大半が貧困家庭ということだそうだ。
たとえば平成17年に526万世帯だった母子家庭が、平成22年には615万世帯になっているから、この5年間で17%程度増加したことになる(この数字には父子家庭も含まれている)。
母子家庭になった原因のほぼ8割は離婚だそうで、特に離婚後の母子家庭の家計は苦しい。

 日本は1990年代から成長の止まった社会になり、この間企業は収益確保のために正社員を減らしてパート職員の増大を図ってきた。
労働費を圧縮するためだが、母子家庭の母親はほとんどがそのパート職員の担い手になっている。
番組に出ていたあしなが育英会の会長が「母親は昼も夜も働いて家に帰ったらただ寝るだけの生活になっており、子供を構っている時間はほとんどない。こうした家庭の子女は塾にもいけずたいていの場合は学力が低い」と言っていた。

 私の個人的な経験でも母親が教育に熱心でないと子供の学力は向上しない。父親はたいていの場合仕事でくたくたになっているので子供の教育にはタッチすることができす、母親が塾の送り迎えをして支援している。
そして小さいころから受験勉強に励み、受験テクニックを身に着けた子供だけが著名大学に入学することができ、医者や大企業や公官庁に務めることが可能で、それ以外の人は正社員にもなれず社会から落ちこぼれてしまう。
所得の低さが勉強レベルにそのまま反映し、その結果成人後も所得の高い職業にはつけないという悪循環だ。

 
 私が大学を卒業した昭和45頃は日本の経済成長の真っただ中で、就職できないなどということはなく誰でも正社員として安定した生活が保障されていた。
私などもあまりに内定が多いので断るのに苦労したが、今はその正反対の状況だ。

 あれから45年近くたち、日本経済は失速しそして子供の貧困問題が表面化している。
貧困家庭の子供でも高学歴を身に付け、高収入の職業に付けるようにあしなが育英会は支援しているのだそうだが、貧困家庭の増大に育英資金が追いつかないのだそうだ。

 私の提案は定年退職した老人がボランティアで児童の学業を見てサポートすることで、高額な塾費用を捻出できない家庭にはこうした取り組みは有効だ。
何度も同じことを言うが、老人はそれまで社会から多くの恩恵を得てきたのだからその返済をする義務があり、単に自分だけの趣味や喜びだけに生きるべきではない(特に高学歴の人ほどその恩恵を受けてきた)。

 日本の学生の学力低下はそれだけで国力をそぐのだから、子供たちのために老人はひと肌脱ぐことを勧める。

注)なお実際にボランティア教師を始めてみると、教育熱心な母親から頼まれることの方が多い。

ボランティア教師の勧めについては過去に以下の記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/24111-898b.html

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