評論 世界経済

(30.12.25) 株式大暴落 持てる者の危機

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  世界中で株が暴落して大騒ぎをしている。日経平均も1000円余り下落し、1年3か月ぶりの水準になってしまった。もともとの原因はアメリカの株価暴落が原因で、トランプ大統領とFRBのパウエル議長が反目しあって大統領が議長の解任を画策していたり、連邦予算が宙に浮いて政府機関の閉鎖が続いていることが原因だが、その余波が津波のように世界の株式市場を席巻している。

 すでに先進国の経済は飽和状態に達しており、それでもGDPが成長していたのはアメリカ、EC、日本、中国がそろって金融緩和策を実施し資金を大量に市場に供給してきたからだ。
この恩恵を最も多く受けたのは投機筋であり、ほとんど金利のかからない資金で株式や不動産や仮想通貨といったそれ自体は価値がないが、ケインズの言う美人投票で美人と思われる投機財に資金を集めてさやを稼いできた。
これで先進国のGDP はかろうじて成長していた。

 しかしあまりにひどい投機現象は投機市場に参入して大金を手に入れることができる少数と、そうした機会に恵まれない多数に国民が階層分化してしまい、世界中で持てないものの反乱がおこっている。
トランプ大統領は取り残されたアメリカのプアホワイトをたきつけて大統領に当選したが、実際の経済の牽引車は投資家(投機家)だからウォール街の支持者をコケにすることはできない。

 株価に赤信号がともり始めるとFRBのパウエル議長を名指しで非難し始め「アメリカの唯一の経済問題はFRB]だとツイッターで攻撃している。
一方FRBは今年に入って4回利上げを実施し、さらに来年も2回の利上げをすると表明したためトランプ大統領の怒りが爆発した。
そんなことをすれば株価は急落するではないか。株価が急落すれば俺の支持者がいなくなる・・・・・・・

 アメリカの本当の支配者はウォール街だがその利益がここ4日間の株価暴落で120兆円も失われてしまった。アップルもアマゾンも大きく株価を下げている。
確かにFRBが資金を絞れば今まで中進国と呼ばれていたブラジルやトルコといった国から資金がアメリカに還流し、さらにそのアメリカでも投機資金が不足する。

 だがしかしこのブログで何回も述べてきたが、そうした投機財にシフトした経済成長は一部の人以外には全く意味もない成長であり、成長の恩恵を全く受けることができない。
もうGDPなんかどうでもいいではないか
私のような持てないものはすっかりこの金融緩和策による成長にうんざりし始めた。
日本には昔からたるを知るという生活信条があり、鴨長明の方丈の庵がその典型だ。
そういう生き方のものにとっては株式がどのように推移してもどうでもいいことになる。
だからそろそろそうしたたるを知る経済に転嫁すべきでないかと貧しい山崎氏などは考えている。

 

 

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(30.8.26) 資本主義文明の終焉と米中貿易戦争

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 300年前にイギリスで生まれ世界を席巻してきた資本主義文明が静かに死を迎えようとしている。歴史を文明の興亡としてとらえたのはアーノルド・トインビーだが、彼の予言通り資本主義文明も永遠の成長などなかったことが明らかになりつつある。

 今でも世界の主要な政治家は「成長こそ国家経営の基礎」と主張し、具体的にはGDPの拡大こそが政治目標になっているが、それに真っ向から異議を唱えた政治家が資本主義文明の総本山と思われていたアメリカに現れた。トランプ大統領である。
トランプ大統領が主張しているのは一国資本主義だが、これはグローバリズムといわれた世界資本主義に対立する反成長主義の主張であり、資本主義文明の否定でもある。

 思いだしてほしい。戦後の日本経済はアメリカが主張するグローバリズムとの相克の歴史だった。アメリカから貿易と為替の自由化を迫られいやいやながら応じると、今度は金融の自由化を世界標準という名目でせまられ、日本の金融秩序は崩壊させられた。
1990年代の長銀、日債銀、拓銀の倒産と2000年代の相次ぐメガバンクの生き残りをかけた統合がそれである。
アメリカは自身の経済秩序を世界標準別名をグローバリズム)という名目で世界中に押し付け、「それこそがアメリカだけでなく地球人類の平和と生活水準の向上の切り札だ」と主張してきた。

 日本では安倍首相をリーダとしてTPPの推進に邁進し、アメリカもオバマ前大統領が熱心にグローバリズムを後押したが、そのアメリカがトランプ大統領に代わったとたん「TPPもWTOも国連もNATOもくそくらえ」と言い出した。
いづれも当のアメリカが世界の指導者に対し「これこそが資本主義文明を発展させる基礎構造」と洗脳し作り上げてきた組織である。

 なぜアメリカが急に一国資本主義に先祖返りしたかというと、グローバリズムに疲れ切ってしまったからだ。21世紀に入り貿易と為替の自由化をしても自身には何のメリットがないことが判明してきた。17年度のアメリカの貿易収支は約8000億ドル(88兆円)の赤字だが、その半分の4000億ドルは対中国貿易からもたらされている。
なんだ、貿易の自由化はくそったれの中国を富ませるだけで、アメリカからは製造業が消え、工場労働者はいまではマクドナルドの低賃金労働者になってその日の生活にもあえいでいるだけじゃないか

 グローバリズムの現実は「強者の一人勝ち」で、自由な公平な市場では強いものだけが生き残るというジャングルのおきてに外ならない。
アメリカが世界の強者であった時代はアメリカ企業が世界を席巻したが、21世紀に入り製造業の分野では中国が世界を席巻している。
鉄鋼産業などは中国の製鉄業にUSスチールも新日鉄も韓国のポスコも蹴散らされてしまった。自動車産業もドイツと中国の合弁会社がアメリカのビックスリーや日本のトヨタを大きく引き離しつつあるし、太陽電池の生産も中国が世界一となっている。

このままいくとアメリカの産業はすべて中国の後塵を拝し、中国だけが富むことは確実だ・・・・・・・・
トランプ大統領は中国だけにメリットがあるグローバリズムに決別し、中国との貿易戦争を開始した。これに対し中国も同額の規模の関税の上乗せで対抗している。
しかし中国がどんなに対抗措置をとっても貿易戦争に勝ち目はない。何しろアメリカの対中国貿易の輸出は1500億ドル規模で一方輸入は5000億ドル規模だから、アメリカは最大5000億ドルに対し関税の上乗せができるが中国ができるのは1500億ドルに過ぎない。

 この貿易戦争で米中の貿易額は徐々に減少するだろうが、影響はそれだけでなく対米黒字を持っているドイツ、日本、韓国にも相応の影響がある。
特に韓国は貿易立国を標榜して国内市場が狭いままで対米、対中輸出を増加させてきたが、アメリカからはグローバリズムの終焉を告げられ、一方中国からは韓国自慢の造船、自動車、半導体等の企業秘密を盗まれて韓国の製造業は次々に規模縮小に追い込まれている。韓国の新聞は悲観論一色だ。

 今や世界の資本主義の弱い環が次々に崩壊過程に入ってきた。アジアでは韓国が悲鳴を上げ、中東ではトルコがインフレの悪夢と戦っている。そして南米ではアルゼンチンとベネズエラ経済が実質的に崩壊してしまった。
そして一国資本主義の道を選んだアメリカ経済は国内産業の復活で一時的には好況になるが、世界経済の縮小に伴ってその影響がアメリカにも表れる。
中国は対米貿易の縮小を一帯一路政策で、鉄道、港湾等のインフラ輸出で補おうとしているが、インフラ投資先はどこもパキスタンやラオスといった貧乏国ばかりで、結局中国の借款による建設になっている。すべては中国の持ち出しなのだ

 アメリカがグローバリズムから降りてしまえば、後にそれを推進する指導者はドイツのメルケル首相と日本の安倍首相しかいないが、どちらもトランプ大統領の影響力に及ばない。アメリカ・中国の経済が縮小すれば世界経済は負のスパイラルに陥る。
こうしてイギリス産業革命から300年続いた資本主義文明にとうとう黄昏が訪れた。

 

 

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(30.3.25) 世界経済の転換点 自由貿易の時代が終わり世界は保護貿易の時代に入ってくる。

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 ついに貿易戦争が始まった。トランプ政権は中国の鉄鋼とアルミニウム製品に25%の報復関税をかすという。前回の貿易戦争は世界恐慌を回避するために主要国がブロック経済に走った、今からおよそ90年前のことだ。
日本は対抗上満州国を植民地化したが、歴史の教科書ではイギリス、フランスのブロック経済に対抗してドイツとイタリアと日本がファシズムに走ったことになっている。

 一方今回の貿易戦争は第二次世界大戦後世界の自由貿易を推進してきたアメリカが、「もうばかばかしくて自由貿易など知ったことではない」とけつをまくったので世界中が驚愕している。
オバマ大統領まではTPPの推進等世界のリーダを自任していたのに、この変わりようはまさに驚天動地ともいえる。

 しかし歴史を静かに検証していけば、今回のアメリカによる保護主義への回帰はある意味で必然であったともいえる。
なぜならリーマンショックで世界の経済は実質的にはピークを打ってしまい、後は金融資本主義という紙幣の印刷経済で成長を糊塗していただけだからだ。
金を印刷してばらまけば経済は好転するといったのはFRBのバーナンキ元議長だが、実際世界の中央銀行が行ってきたのはその印刷経済で、アメリカ、EU、日本、そして中国がこの印刷経済に走っていた。
リーマンショックにより実質的な経済成長の時代は終わり、不動産や株式や仮想通貨といった投機財にのみ資金が集中し、必要財のパイは増大していないのだから、世界経済拡大のための自由貿易など不要になった。

 日本の場合を考えてみれば経済拡大がもはや不要で、貿易の拡大も必要ないことがわかる。
人口は毎年のように減少し、増えるのは年寄りだけで消費意欲などほとんどない。金があっても使い道はもはやないのが老人で、使うのは孫のために学用品を買ってあげることぐらいだ。
もはや物は溢れかえり住宅など田舎に言えば空き家だらけだし、衣類なども箪笥に入りきれないほどある。食事も年寄りになればお茶づけ以外は受け付けない。

 これは日本だけの現象でなく、実はアメリカもヨーロッパも同様で、アメリカなど一見人口が増加しているように見えるが、合法非合法の移民がアメリカに押し寄せて子供をアメリカで生むからで、アメリカで生まれた子供は自動的にアメリカ人になるからだ。
ヨーロッパでもほぼ同様でアフリカや中東からの合法非合法の移民がおし寄せては子供を産んでくれるので、一時の人口停滞期を脱したように見えるだけだ。

 だが実際はアメリカの白人やヨーロッパの白人は少数派に追いやられつつあり、これがトランプ旋風やヨーロッパの極右政党の躍進につながり、移民排斥運動が広がりつつある。
そうしてこの排斥が進めば進むほど見せかけの人口増がはがれるので、実際に人口が減少すれば経済成長などする理由がなくなる。
なんで今までで十分なのに誰のためにこれ以上成長しなくてはならないの????」

 トランプ氏にとってはその支持基盤で失業者が多いプアホワイトを救うのが使命で、世界貿易の拡大などどうでもいいことだ。
いまだに経済成長を必要としている中国やインドといった国があるのは確かだが、トランプ氏はそうした国のために自国市場を明け渡して自国民を失業者にするのにはあきあきしている。
経済成長などどうでもいい。白人系アメリカ人の生活が安定する職場さえあればいいんだ
こうして先進国は一応に成長より安定の時代に入ってしまった。
外国人を締め出し中国製品を締め出せば確かにプアホワイトの仕事は確保できて、アメリカ国内は安定する。一方で成長は止まるが、人口が増加せず年寄りばかりになれば成長などくそくらえなのだ。

 かくしてトランプ氏によって世界貿易の拡大は急ストップさせられ、保護貿易の時代に入ってきた。世界が一つになるという幻想は崩壊し、小さなブロックごとに静かに衰退していくのが21世紀の世界のトレンドになることが明らかになった。

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(28.11.19) 資本主義文明の終焉 アメリカがリーダを降りた。

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 トインビー
が名著「歴史の研究」を完成させたのが1961年で、その研究で21の文明の発生から成長、衰退、解体を描いたが、その中に記載されなかったもう一つの文明が今衰退し解体期に入ってきた。資本主義文明である。
資本主義文明とは18世紀後半のイギリスの産業革命に始まり、19世紀中はイギリスがこの文明をリードし、20世紀に入りアメリカが引き継いで今日まで継続してきた文明をいう。

 この文明を支えた基本的なコンセプトは「富の極大化」だが、国家レベルでそれを表明するときはGDPの極大化という言葉で置き換えられてきた。
GDPは計測しやすく目標にしやすいが、富は計測しにくくさらに国家目標としてはあまりに露骨だったからで、そうしてもGDPは富に近似できたからである
特に20世紀の後半はこのGDPが、もっとも華やかに花開いた時期で人々は口を開けばGDPと唱えていたものだ。
明日は今日より豊かになる。GDPが毎年のように増大するからだ!!!!」

 しかし21世紀に入りこのGDPの増大がピタッと止まりだした。最初は先進国と呼ばれたアメリカやEUや日本だけだったが、その後新興国と呼ばれた中国やロシアやブラジルや韓国といった国も成長が減速し実質的に止まってしまった。
何が起こったのだ!!!!」
国家政策者は周章狼狽し、これに対処する手段を考案したのだがそれが金融緩和策という手段で、非常に簡単に言えばお金を印刷してばらまくという手段だった。
バーナンキ元FRB議長の言う「金を印刷してヘリコプターでばらまけば景気は回復する」という手段である。

 先進国でGDPが増大しなくなった最大の原因はこれ以上モノやサービスを生産しても人々が使いきれなくなってしまったからで、「なんで熊だけが遊ぶ高速道路をこれ以上作ったり、大阪まで新幹線で行けば十分なのにまだリニアが必要なのだろうか」と困惑し始めたからだ。
そこでこの状況を打開すべく考案されたものがばくち経済である。ほかの言葉でいえば投機であるがばくちはいくらやっても飽きないことに気が付いた。

 食糧生産や衣類や家といった実物の保有には限界があるが、ばくちには限界がない。アメリカもEUも日本も一斉に金融緩和に走り投資会社や金融機関という名のばくち屋に世界的規模でばくちを奨励した。
金はいくらでも印刷する。あんたらは株式や不動産投資や資源投資で儲けておくれ。そしてGDPを増大させてくれ

 確かにこの方法でも株や不動産投資で儲けた個人はボジョレーワインを飲んで散財するからGDPは伸びるし、投資銀行や金融機関の所得は伸びるのでGDPは増大する。
21世紀に入りアメリカをはじめとする先進国が一斉に行ったこの方法で毎年数%の成長が可能になった。
ほれ見てみろ、紙幣を印刷するだけでGDPは伸びる。資本主義体制は盤石だ!!!」

 だが、しかし突然というような形でこのばくち経済が終了し始めた。アメリカでトランプ氏が大統領になり「1%の国民より99%の国民の生活を守れ!!」という大合唱が始まり、アメリカが資本主義文明のリーダから降りてしまったからだ。
ばくち経済の実質的担い手はウォール街で、ウォール街はこの経済を世界に広げるために自由貿易を唱えたが、トランプ氏を支持する怒れる99%は保護主義の権化となってアメリカ市場を世界から切り離そうとし始めている。
くそったれの金融業者だけが儲けて、俺たちは失業者か。アメリカはまじめな生産者の国でばくち屋の国でない。生産者のためにアメリカ市場をとざし中国製品や韓国製品や日本製品は関税障壁を高くして一切入れるな

 世界貿易は中国経済の凋落によって既に2年前から減少に転じていたが、アメリカ経済の保護主義によってそれが決定的になる。資本主義文明はそれを世界に広げることでGDPを拡大してきたが、今その世界市場が閉じられ狭い国内市場だけになりつつある。
国内市場の規模はおおよそ現在のGDPの約6割だが、その6割に向かって経済は終息し始めた。
世界中が日本の江戸時代のように鎖国体制に入りつつあり、貿易も投機行為も縮小していく。

 トインビーはあらゆる文明は生まれ成長しそして死ぬと唱えたが今19世紀と20世紀に恐竜王国を築いた資本主義文明が死に絶えようとしている。
そして世界中が江戸化しローマ帝国亡き後の静かだが面白味はないあの中世世界に入っていきつつある。

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(28.11.15) 輸出立国の崩壊 中国経済がこけアメリカが保護主義になれば貿易は激減する

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 輸出入を合わせた世界貿易が毎月のように減少している。この原因は世界貿易をリードしてきた中国経済が2014年夏を境に崩壊過程に入ったためであるが、ここにきてさらに追い打ちをかける事態が発生した。
アメリカでトランプ氏が大統領になり保護主義政策を実施することが確実になったからだ。
世界貿易のウエイトでは中国がダントツでその約6割ぐらいのウェイトでアメリカとドイツが続くがその世界のトップの2国が一方は経済崩壊、他方は保護主義による関税障壁で貿易量を減らしていけば、世界の貿易額は激減する。

 特に影響が大きいのは貿易立国でGDPに対する輸出の割合は韓国が約40%、中国が約25%、日本が約15%、そしてアメリカが約10%だから、現在最も大きな影響を受けている輸出大国は韓国ということになる。
実際韓国経済は瀕死の重傷で造船や海運はすべてゾンビ企業になり、サムスンは自慢のギャラクシーが火を噴いてスマートフォン市場でシェアを激減しているし、現代自動車は国内労組のストでまともに自動車生産ができなくなってしまった。
さらに政治情勢は末期的症状でいつパク・クネ大統領が辞任するかというカウントダウンが始まっている。

 中国経済の失速でこの有様だが、さらにアメリカ経済が関税障壁で輸入を制限するとアメリカへの輸出量が多い中国、カナダ、メキシコに決定的な影響が出る。特にひどい影響が出るのは中国で、安価な中国製品も関税をかけられてアメリカ国内製品と競争するのではもはやアメリカへの輸出に頼れないことは確かだ。
20世紀後半はアメリカ主導で自由貿易が花開いたが、21世紀は同じくアメリカ主導で保護貿易が花開くことになる。

 このため各国は貿易に頼ることができなくなり、最終的には国内市場だけがその国の企業の市場になってしまう。勿論貿易は行われるが必要最小限に限られ日本でいえば国内で算出しない原油や天然ガスや鉄鉱石といったところで、国内に代替製品があるものは関税障壁ですべて守られるから農産物の輸入などほとんど発生しないことになる。
この結果GDPは加速度的に減少するがそれは大雑把に言えば国内消費の割合まで減少するだろう。
GDP水準は日本だったら現状の約6割、アメリカで約7割、中国や韓国で約5割程度まで落ち込んでそこで安定するが、もはやGDPが増加するなどとは夢のまた夢になる。

 現在先進国では財やサービスが行き渡ってしまいこれ以上生産を増加してもどうしようもない水準になっているが、それでもGDPが増加しているのは株式と不動産に資金を投下して金融や証券関連の利益でGDPのかさ上げを行っているからだ。
日本の黒田総裁の金融緩和もアメリカやEUの金融緩和も資金は通常の財やサービスに向かわず株式と不動産、そしてしばらく前までは天然資源に向かっていた。

 だが、この金融緩和策も限界に近付いている、富が金融証券関連や不動産関連に集中して1%の国民が富を独占するようになり、それゆえトランプ氏のようにウォール街に反旗を翻す大統領が当選したからだ。
選挙では99%の怒れる国民が勝つから、もはや金融緩和によるGDPの拡大策も終わりに近づいた。

 貿易立国もダメ金融緩和による一部国民に対する富の集中もダメということになれば、後は国内消費だけをあてに細々と経済運営を行う以外に対応策はない。
それが21世紀の現実であり、今後とも世界の貿易金額は漸減し、金融緩和が限界に達すれば先進国経済は完全にストップする。
まだ財とサービスを必要とするインドやアフリカのような諸国はあるものの、一方で先進国や振興国は過剰生産に陥るから全体としたらGDPは減少する。

 何度も言うように成長の20世紀は終わり停滞と後退の21世紀が始まり、成長神話も崩壊したのだ。これを新しい中世と呼ぶことは何度も説明してある。




 

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(28.11.12) 自由貿易の終焉と保護貿易主義の台頭  そして進歩の時代は終わった。

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 「ちゃぶ台をひっくり返す」とはこのことをいうのだろう。トランプ新大統領の行おうとしている経済政策である。
選挙公約としてTPPも、NAFTA北米自由貿易協定)も韓国とのFTAもそのたすべての自由貿易協定を破棄するというのだから尋常ではない。
戦後70年、アメリカが主体となって推し進めてきた自由貿易の波は一瞬のうちに消滅することになりそうだ。
全部ご破算だ。自由貿易など知ったこっちゃねい!!」

 もともと自由貿易はリカードの比較優位の理論に基づいており、貿易が自由化されればすべての国民に恩恵を及ぼすというものだった。よくある説明では「ある町に町一番の弁護士でかつ町一番のタイピストだった場合でも、本人は弁護士家業に専念すべきでタイピストは雇ったほうが全体の収益は増加する」というものだ。
比較して最も優位な仕事をするようにすればそれが利益を極大化させるというものだが、その反対意見はアダム・スミス絶対優位の理論で、自由化が行われると最も優位な産業を持っている国だけが富むというものだった。

 貿易の自由化が進むと実際に起きたことはアダム・スミスの理論に近く、確かに全世界の富は増えたが、その富を獲得したものは絶対的に強い産業の一人勝ちであり、絶対的に弱い産業は淘汰されてしまった。
アメリカでは金融業とソフト産業が世界を席巻し、一方製造業は日本や中国や韓国に蹴散らされ自動車産業も鉄鋼産業も今では見る影もない。
さらに一国の中でも勝ち組と負け組の明確に分かれ、負け組は絶対的な負け組になるというのが実情で、アメリカ中でかつて製造業に従事していた労働者はプア・ホワイトだらけになってしまった。
俺たちはウォール街の犠牲者だ。あいつらを富ませるために俺たち製造業者はみな失業した

 実際は「強いもの常に強く、弱いものは常に弱い」というジャングルのおきての世界だったわけである。
もう嫌だ。くそったれのリカードを追い出せ」いま世界中で比較優位の理論が放逐されつつある。
これから起きる世界は保護主義の世界であり、貿易の自由化協定は次々に破棄され、国内市場の保護が最優先課題になり、その結果世界貿易は徐々に縮小しGDPは年を追って減少する。
それでいいじゃないか。俺たちの職場は安泰だ。安い外国製品など追っ払って高くてもみんなで助け合って暮らしていこう

 戦後70年たち、トランプ大統領が現れいま突然と言っていいほどの速度で自由貿易が放逐されつつある。世界経済は成長から停滞に入りそして衰退するだろう。 
アメリカはトランプ氏の政策で海外からの移住者を制限するから人口増は望めなくなり、人口ボーナスはなくなるのでGDPが伸びる要因がなくなる。
いやはや、お騒がせの20世紀が終わったんだから21世紀は静かに暮らそうじゃないか
今までは成長と進歩が人類の合言葉だったが、これからは停滞と安定が人類の合言葉になる。
ちょうど今から150年前に終わった江戸時代のような、他国とはほとんど没交渉で国内産業だけで生計を立て、決して明日はより豊かになるなどと夢を持たなかったあの江戸時代が世界中でも始まるのだ。

 「世界の江戸化」というのだが別名を「新しい中世の始まり」ともいう。

 

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(28.9.30) 新大国の興亡 日本と中国の凋落は過剰投資にあり

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 ポール・ケネディ氏
の「大国の興亡」が日本で大ヒットし、広く読まれたのは日本が世界最強国家と思われていた1980年代の後半だった。
当時はバブル真っ盛りで土地の値段はとどまるところを知らず、東京のある地域でマンハッタン全域を買えると豪語していたころである。

 ポール・ケネディ氏がこの本で述べたことは、大国はしばしば植民地等の拡大により守らなければならない地域が拡大し、そのために軍事費が増大し経済的負担に耐えられず国家が崩壊するというものだった。
まさにその時に軍事力だけが突出したソビエト・ロシアが崩壊し、一方低軍事費の日本経済が世界を席巻していたので、このポール・ケネディ氏の主張は広く受け入れられた。
そうか軍事大国は崩壊し、軍事小国が栄えるのか!!!!」

 しかしそれから約30年たった今、興隆すると思われた日本は失速して大国の地位を滑り落ちてしまい、そして日本に代わる大国と思われていた中国も経済が2014年にピークを打ち大国から滑り落ちようとしている。
日本は完全に軽武装であり、中国は軍事大国化を目指しているとはいえロシアなどに比較するとはるかに軍事費の負担が少ないのにもかかわらず、いずれも大国から滑り落ちている。
ポール・ケネディ氏の論述はどこか間違っていたのではないだろうか」疑問を持たれるようになった。

 大国の興亡の主たる原因はポール・ケネディ氏が指摘した軍事費だけでなく、他の要因があることが日本と中国の例でわかる。
両国とも世界の工場といわれるぐらい第二次産業が隆盛になったが、日本は1980年の後半には韓国の追い上げで製品が売れなくなり、過剰生産恐慌に陥っていた。
しかし一方で内部留保は絶頂を極めていたので、その有り余る資本を不動産投資に向けたため地価は狂乱状態になって上昇した。
不動産投資をしない経営者は経営者でない」と言われた時代である。
しかしそのバブルは日本銀行の金融引き締めで急激につぼみバブルがあっという間に崩壊し、その後20年余りの低迷期を迎えている。
日本の場合は過剰生産恐慌を不動産投資で乗り切ろうとして失敗した例といえる。

 一方中国も21世紀に入って日本と韓国を蹴散らして世界の工場になったが、主として人件費の上昇によって東南アジアやインド等との競争に負け世界の工場から滑り落ちてここも過剰生産恐慌に陥っている。
しかし内部留保は十分にあっため中国は世界中の不動産を購入する方策に出た。
住宅地としてはニューヨークやロンドンだが、一方鉱山資源を求めて石油や鉄鉱石や石炭やボーキサイト等に莫大な投資を行ってきた。
そして最近ではニカラグアで運河を建設したり、インドネシアで高速鉄道の建設を請け負っている。

 中国が大国から凋落したのはこうした鉱山資源に対する投資が資源価格の劇的な低下でどこも採算割れになったことと、ニカラグアの運河建設では予想に反して世界貿易が減少し当初予定した大型船による物資の輸送などはとても見込めなくなってきたからだ。
ニカラグア運河建設は香港在住の中国資本家が請け負ったのだが、彼が集める予定の500億ドルその後600億ドルに膨らんだ)は自身の財産と後は中国政府が支出したもので、それも目標の500億ドルにはとても足りない金額になっている。
世界中から資金を集めようと思ったが、だれも投資してくれない・・・・・・・・中国資本だけでは無理だ・・・・・・どうしよう・・・・・・

 当初は2014年に工事を着工する予定だったが金が集まらず今は2017年に着工することに変更した。完工も2019年から2022年に伸びたが、実現はほとんど不可能だと言われている。理由の一つは資金不足で500億ドル(600億ドル)を市場から集めることになっているが本人と中国政府以外からは資金が全く集まらないことと、もう一つの理由は世界の貿易量が毎年10%の速度で縮小しているときに、ニカラグア運河を利用する船舶は中国船以外に使用する見込みがないことだ
なんということだ。世界貿易が拡大すると思っていたが急激に縮小してきた。これではパナマ運河だけで十分で、ニカラグア運河は閑古鳥が鳴いてしまう

 日本と中国が大国の地位を滑り落ちたのは過剰投資が原因である。
日本は主として国内とニューヨークやロンドンの不動産投資に失敗し大国から滑り落ちたが、一方中国は主としてリビアやベネズエラやイラクといった場所での資源投資に失敗し、さらにニカラグアやインドネシアでの運河や鉄道投資に失敗したからだ。

注)インドネシアでの高速鉄道の失敗の詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/pppp-3.html


 どうやら大国の興亡の要因の一つに過剰投資があり、簡単に言えばバブルって自ら崩壊する道を選ぶことにあるらしい。
現在中国がその崩壊過程にあり、投資案件がことごとく失敗しているがそれを詳細に追えば大国の興亡のメカニズムを把握することができそうだ。
そうした意味でニカラグワ運河とインドネシア高速鉄道の失敗過程を詳細にたどることは学問的に非常に意義のあることになる。

 

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(28.9.8) 存在感をなくしたG20。 杭州見物だけが唯一の成果

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 今回のG20ほど何の成果もない会議は珍しい。主催国は中国で杭州で開催されたのだが、ただ世界の首脳が集まって杭州見物をしただけに終わってしまった。
もともとG20とはリーマンショックで落ち込んだ世界経済を立て直すための会議として主宰されたもので、当時はG8だけの力ではどうにもならず、中国と中国組ブラジル、オーストラリア、南アフリカ、韓国)の力を借りて危機に対処したものだった。

 実際リーマンショックから世界経済が立ち直れた最大の功労国は中国で、50兆円規模の公共投資を行いアメリカ発の危機を救ったといえる。
1929年の世界恐慌はアメリカがニューディールと称する公共投資で乗り切ったが、そのリーマンショック版が中国の公共投資だった。
しかしあれから8年、中国はすべての財源を枯渇させた結果中国経済が14年夏から大失速をはじめ、それにつれて中国組の経済も見るも無残なほどの荒廃を示している。
世界貿易は危機的なほど収縮し、先進国の経済は完全に停滞し、新興国経済は先進国以上に崩壊の瀬戸際にある。
これを中国ショックという。

 だから本来は今回のG20で「崩壊しつつある中国経済をいかに救うか」が主要テーマにならなければならなかったが、当の中国が自国の経済崩壊を認めないため何とも間の抜けた会議になってしまった。
わが国は毎年6.5%前後の経済成長をしており、インドを別にすれば世界最高のパフォーマンスとなっている。したがってわが国と世界経済は一点の曇りもない

 実際は中国組のブラジルや南アメリカは中国が資源を購入しなくなったためにマイナス成長に陥っているし、韓国は最大の貿易相手が中国だが19か月連続で輸出が前年同期を下回っている。
中国さん、そんなに景気がいいならリーマンショックの後みたいに我が国の資源や商品を購入してください
わが国は世界屈指の経済成長をしているが、省エネ技術が発達して大量の資源は必要なくなった。また商品も有り余るほど今まで購入してきたので必要ない
しかしそれでは世界経済がもちません。中国のバク買いこそが、世界経済牽引の原動力じゃありませんか
うるさい、我が国は大成長をしているから海外の輸入品は必要ないのだ!!」

 今では世界経済の癌は中国経済で、GDPの約半分を稼ぎ出している国営企業が過剰生産恐慌に陥りすべてといっていいほどゾンビ企業になっていて、中国の経済成長は今では統計官の鉛筆にすべてがかかっている。
統計官、何とか6.5%の経済成長を達成してくれ
習主席、共産党の伝統であるプロパガンダの力で6.5%の経済成長は必ず達成いたします
それでこそ栄えある中国共産党の統計官だ。毛主席も毛沢東語録で言っておられた。・・・人間とはいざとなったら数字だけ食べても生きていられる羊のようなものだ・・・・・」

 中国が癌にかかっていることを認めない以上、20か国の首脳が集まっても処方箋の下しようがない。
まあ、仕方ない。杭州見学でもして時間をつぶしますか」各国ともさじを投げた。
G20とは「融と世界経済に関する首脳会議」の略だが、もはや中国経済の失速に対処する手段は誰も持ち合わせていない。
先進各国は1%程度の経済成長がやっとで世界経済の牽引車になれない。中国経済に代わる新しい新興国はインド以外には見当たらないが、インドのGDPは中国の5分の一程度だから、インドが5つでようやく中国経済の失速を補えるような状況で、とても現在の世界経済の失速を補えるような立場にない。

もうこれはどうにもなりませんな。中国が自国の経済状況を正しく把握してゾンビ企業を淘汰するまでは、世界経済の処方箋など無駄ですな
かくしてG20は習主席がふんぞり返って握手するだけの会議に終わってしまった。

 

 

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(28.8.21) なぜデフレが発生し、しかもどの国にも同じように起こるのか?

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 長い歴史を見ていると歴史は繰り返すものだとしみじみ思ってしまう。日本経済がバブル崩壊後ほぼ25年間にわたってデフレに苦しんでいるが、歴史を見るとこれは何も日本だけの経済現象ではなくどこの国にも起こる一般現象だということが分かる。

 最初にデフレの病にかかったのはイギリスだが19世紀の後半の約50年間イギリスはデフレに悩まされた。毎年のように物価は下落し最終的には約半分の価格になってしまったが、イギリス経済が生産過剰に陥ったことによる。
ドイツとアメリカの追い上げがあってイギリスの生産能力が需要量を超えてしまったためだが、この調整が済むまでイギリスのデフレは終息しなかった。

 次にデフレに襲われたのはアメリカだが。1929年の世界大恐慌とは本質的にはアメリカを襲ったデフレの嵐である。 第一次世界大戦で世界の工場に躍り出たアメリカだが、有り余る生産力がこのころになると過剰になってしまった。ヨーロッパ経済が復興するにしたがってアメリカの輸出が伸びなくなり過剰生産に陥ったからである。
アメリカでは製造業の投資機会が失われたため、有り余っていた資金は不動産へと向かいマンハッタン等の不動産価格を急上昇させたが、不動産バブルは度を越せば調整局面に入る。
その後アメリカは第二次世界大戦が起こるまではチャップリンが描くモダン・タイムスの世界になり巷に失業者があふれあらゆる価格がここも約半分になってしまった。
アメリカがこのデフレから立ち直ったのは究極の公共投資と呼ばれる戦争が始まったからで第二次世界大戦で息を吹き返した。

 20世紀の後半は日本の時代だったが中国と韓国の追い上げで日本も過剰生産に陥り1980年代後半には余剰資金が設備投資ではなくほとんど不動産と株式に投下された。当時の経営者で不動産投資をしない経営者は無能と呼ばれ馬鹿扱いだった。
当時の不動産価格の上昇は半端でなく通常の経営をするのがばかばかしくなるほどだったが、これが不動産バブルというものだ。
日銀が資金供給を絞ったため、1990年を境にバブルが崩壊すると日本はその後約25年間に及ぶデフレの脅威に悩むことになる。
日銀の黒田総裁がインフレ目標2%と叫んでいくら資金を市中に投下してもインフレにならないが、不動産価格の調整が済むまでこのデフレは進むからだ。

注)なお日本に限って言えば人口減少が激しく不動産価格が上昇する要因がない。大都市の一部で値上がりしているのは中国人が資産の逃避を図っているため。

 
なぜ高度成長をして世界の先端に躍り出た国にデフレが襲い掛かるかというと、いづれも高度成長期に設備投資を行いすぎて製品が売れなくなり、一方でそれまでの自己資金の蓄積や金融機関の過剰融資に誘発されて、「本業がだめなら不動産と株式だと一攫千金を狙うからだ。
だが不動産投資は必ずどこかでバブルがはじける。不動産は使ってなんぼのものだが、それ以上の不動産は不必要だからだ。

 現在このデフレの圧力が襲い掛かっているのが中国で1990年ごろから続いた高度成長が過剰生産を引き起こして、デフレ局面に入ったからである。中国経済は2014年にピークを打ってその後は長期低迷期に陥っている。
すべての生産力が過剰で鉄鋼などは必要な生産規模の約2倍程度の生産力があるためどうにもならない。
本来は競争力のない企業が淘汰されて調整は終わるのだが、中国の場合は鉄鋼、石炭、アルミ、電力といった基幹産業がすべて国有企業のため、倒産させるわけにいかない。
掛け声だけで生産調整は一向に進まず過剰生産が続いて特に工業製品物価は急下降している。
経営者は投資機会を失い、ここでも余ったは資金は不動産に向かっており不動産バブルは農村部では崩壊しているが、相も変わらず大都市の不動産ブームはつづいている。

 最後は不動産に資金が集中しそれがはじけてこのバブルは終息するがこのパターンはイギリス、アメリカ、日本、中国ともみな同じだ。
経済などというものはすることが同じであれば結果もみな同じなのだ。
今中国は統計数字をごまかすことでこの事実を隠蔽しようとしているが、中国がどこの国にもあった長期デフレ局面に入り高度成長が終わったことは確実だ。

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(28.7.4) 経済進歩の時代が終わり宗教の時代に入ってきた。 新しい中世の始まり

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 なにをやってもさっぱり効果があがらず、かえって状況が悪化したときに人間はどうするかというと神に祈るようになる。
全能の神よ、我らを助けたまえ!!」
これは冗談でいっているのではなく今世界経済が遭遇している状況なのだ。

 現在世界経済は奈落の底に落ちようとしているが、これに対処する手段はすべて使い切ってしまった。日本は停滞の20年間、ケインズが提唱した財政金融政策をただひたすら実施しその費用は約1000兆円に達したが、全く効果がなかった。
ケインズ政策を諦め安倍首相は黒田氏を日銀総裁にしてマネタリストの政策、簡単に言えばお金を無尽蔵に印刷したが、その効果も約3年で終わってしまった。
もう後がない、サプライズで金利をマイナス金利に下げてみたが、それでも借り手があらわれない。一体世界はどうしてしまったのか・・・・・・・・・」

 現代人は成長が当たり前で経済も進化すると思っているが、これはひどい誤解だ。
経済は時として停滞しそして後退する。
世界史を見ると成長の古代ローマの世紀が終わると、その後約1000年に及ぶ中世という宗教以外は何も存在しないような社会があらわれた。
日本でも成長の奈良時代の後は平安という400年にわたる低成長時代が続いた。
かつて私が始めて世界史を学んだ時、この中世という世紀は歴史の間違いではないかと思ったものだ。

 現代でいうGDPは毎年のように低下し、人々は働くよりも神に祈ることを重要視し西洋では教会以外ははまともな建物がなくなってしまった。
それ以前の古代ローマが当時の世界全体に石畳の道路網を張り巡らし川に は現在でも残っている 橋をかけ、競技場や大浴場を兼ね備えた近代に通ずる大都市まで築いていたのと雲泥の差だ。
中世とは簡単に言うと経済成長が終わり経済が委縮し宗教だけが残った時代といっていい。

 今や日本もEUもアメリカもほぼ1%前後の成長しかできないが、これがゼロになりマイナスになるのは時間の問題だ。
何度も言って恐縮だが先進国の市民はこれ以上物財やサービスが増えてもただ当惑するほど物財やサービスにあふれかえっている。
現在言われている先進的な技術で現代人が飛びつきそうなものは何もない。
4Kテレビなど1kで十分だし、リニア新幹線など新幹線があるのに何で必要なのかと悩んでしまう。
自動車も自動運転が次の目標だそうだが、何もしないで車に乗っている方が苦痛だろう。
携帯など機能が多すぎて使用の仕方がわからない。
人型ロボットもはっきり言えばろくなものではない。
もはや技術が進歩しても何の役にもたたない時代に入ってしまった。

 新興国や後進国に はまだ伸びしろはあるが、先進国の技術が停滞してくると新興国などは盗むべき技術がなくなり自前で技術開発をしなければならないので成長速度が鈍る。
中国や韓国やブラジルといった新興国グループがさっぱりなのは、盗まないと経済成長ができない経済の宿命といっていい。
こうしたグループももはや成長の時代は終わったといっていいだろう。

 そして今世界中ではやりだしたものは原理主義的な宗教である。アメリカはティーパーティと称する原理主義的宗教団体がトランプ氏を担ぎ出して宗教改革を行おうとしているし、EU はイギリスをはじめとした国粋団体が「自国中心主義」という宗教に酔いしれ始めた。これは約80年前にヒットラーが「ゲルマン民族の優位性」という宗教を説いたがその現代版で、第二次世界大戦までしてこの国粋主義を葬り去ったのに今や世界の潮流になってきた。
そしてイラクやシリアやバングラディシュではISと称するイスラム原理主義者が棟梁跋扈している。

 経済が停滞すると人々は宗教以外に救いを求めることができない。
我らは貧しい、しかし心は豊かだ」というのが宗教だから停滞の時代に宗教が心の支えになるのは当然だ。
21世紀、経済状況はますます悪化し、それに比例するように人々の宗教心は厚くなる。
神よ我らを救いたまえ
こうして21世紀は過去1000年も続いた中世世界に再び入ってきた。

 

 

 

 

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