評論 日本の政治 野田内閣

(24.11.11) 落ち目の民主党とTPP  日本はアメリカの戦略を理解しているのだろうか?

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 TPP(環太平洋パートナーシップは落ち目の民主党にとって最後の福音になるのだろうか?
このところ前原国家戦略担当相枝野経済産業相が盛んにTPP交渉への参加表明を言い出し、もともとTPPに賛成の野田総理の尻を突っつきだした。

総理、このままでは民主党は惨敗です。なんとか選挙民をひきつけるための魅力的な公約が必要で、自民党との相違を明確にしましょう。

不要な公共事業の停止、脱原発、そして自由貿易のためのTPP参加、これしかありません


 TPP交渉への参加については野田総理が1年前に表明しようとして、党内の反対勢力によって葬り去られた経緯がある。
山田元農相を中心とする反対勢力「TPPを慎重に考える会」はTPP参加に絶対に反対で、もし野田総理が協議に参加すれば離党すると脅している。

注)1年前のTPP参加(協議)についての記事は以下に纏めてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/2311.html

 背後には農水省がいて、もしTPPに参加して農産物の自由化が行われれば、米の4割が外国産になり、乳製品や牛乳は壊滅的な影響を受け、農業従事者の約200万人が失職すると試算した。
平成22年現在の農業従事者数は約260万人だから、これは「日本から農業が消える」と言っているのに等しい。

もし日本に農業従事者がいなくなれば農水省は食料輸入省になり、農協や農業団体は消えてなくなる。こんなことは絶対に許せない」農業団体もいきまいている。
最もいきまいているのはアメリカも同じで、「TPPで関税がなくなれば日本メーカーの車がアメリカ中で販売され、GMもフォードもクライスラーも消えてなくなる。TPP参加には絶対反対だ
アメリカの自動車業界は弱者集団だ。

 
 TPPはもともとシンガポール、ニュージランド、ブルネイ、チリと言ったローカルな自由貿易圏の創設を目的としたものだったが、09年にアメリカが参加を表明してから俄然戦略的なものに変質した。
アメリカの狙いは最終的には中国で中国封じ込めのフレームワークがTPPだ。、

 そのためには中国を除いた自由貿易圏をアジアに作って自由貿易のルールを定め、もし中国がこの協定に参加を希望すればそのルールを中国に適用して中国を丸裸にさせようと言うものだ。
中国を封じ込めるには中国以上の経済圏をアジアに造らなくてはならない

注)一方で中国、韓国、日本との間でFTA(自由貿易協定)を締結しようと言う動きがあるが、これは日本が中国組に入ることを意味する。それがどんなことかは尖閣諸島問題や竹島問題で日本がどのように取り扱われるかが分かったはずだ。

 TPPにはオーストラリアカナダも参加表明したので、残された経済大国は日本だけになってしまった。
実際に自由貿易圏が出来上がればその域内での経済活動はどの国の企業にとっても原則自由だから、最も強い企業が勝利を収める公算が強い

 日本が競争力があるのは自動車や家電と言った伝統的な産業や、最近復活した金融、そしてiPS細胞に代表される医療分野である。
一方競争力がまったくないのは補助金行政でかろうじて命脈を保っている農業分野で、アメリカやオーストラリアやカナダの農業には太刀打ちできない。

注)もし農業分野にハイテクを駆使した企業が進出すれば競争力のある農業を作り出せるが、こうした取り組みには農協や農業団体、それに農水省が陰に陽に反対しているので日の目を見ることはない。

 アメリカには農業、シェールガス、IT、航空機産業、ソフト、宇宙産業、金融、医療等競争力のある分野が目白押しだから、オバマ政権がTPPに積極的なのはうなずける。
しかし本当の狙いはアジアで中国に先立っていわばアジア版EUともいえる自由貿易圏を作って中国を封じ込めるのが狙いだ。

 中国と言う国は無断で他国の特許を侵害し、コピー製品を作りまくっているので、中国を世界のルールの下にひれ伏させなければ21世紀は中国の世紀になってしまうと言う危惧がアメリカにはある。
だから日本も農業といった国内問題でぐずぐず言わずに、中国封じ込めの経済戦略に参加してくれ」と言うのがオバマ政権の本音だ。

 だが日本には戦略と言う思想はない。せいぜい戦術レベルの発想しかないから、このアメリカの中国封じ込めより、目先の農業団体の陳情のほうを重視する。
野田総理はさすがにTPPの本質を分かっているから積極的だが、山田元農相のようなローカルな政治家を説得するのは並大抵のことではない。

 それに日本は既得権益者の利益を守ることにおいては実に熱心な国だ。
農業や農業団体を守っても日本の再生にはならないが、それでもこうした既得権益者の利益に配慮し、まだ見ぬ成長分野を育てようとする政治家は少ない。

 戦略的にはアメリカの中国封じ込めに積極的に参加すべきなのだが、戦術重視の日本はTPP参加を先延ばしをして静かな衰退を選択する可能性が高そうだ。


なお野田内閣に関する記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45463769/index.htm

 
 
 
 

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(24.11.6) あたしが大臣よ、私の言うことを聞きなさい!! 田中真紀子大臣の性(さが)

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 人間にはどうしようもない性格と言うものがあって、自分で制御しようにも制御しきれないものらしい。
田中真紀子氏を見ているとつくづく人間の性さが)の恐ろしさを感じる。

 今回の内閣改造で文部科学大臣を拝命した田中氏は、当初こそ「これまでの経験を生かして、みんなの話を聞いて行政を行っていく」と言う神妙でしおらしい発言をしていたがすぐに馬脚を現した。

 大学設置・学校法人審議会が認可の答申をした3校秋田公立美術大、札幌保険医療大、岡崎女子大)の短大から4年制大学への昇格を認めないと言い出したからだ。
田中氏によると「現在約800あまりも大学があって、質が低下しているから」大学の新規設立を認めないのだと言う。

 これには3校の大学関係者がびっくりした。
大臣、質が低下しているのは既存の大学で、質が低下しようにもわれわれはまだ教育を始めておりません」といたってまともなことを言ったが田中氏は聞く耳を持たない。
うるさい、私が駄目だと言ったら駄目なの、黙って言うことを聞きなさい

 田中氏は性(さが)として、権力を振りかざすことが実に好きだ。
2001年の自民党政権外務大臣になったときもそうだった。
外務事務次官とひどいバトルになって「一体次官と大臣とどっちがえらいと思っているの!!」なんて普通の人は気恥ずかしくて絶対にいわない台詞を吐くし、私書官を泥棒扱いして「あんたが私の指輪を盗んだのでしょう、買って弁償しなさい」なんて暴言を吐いていた。

 好意的に見れば田中氏外務省がバトルになった原因は、田中氏の親中政策と外務省が進めてきた親米政策の対立だったともいえる。
アメリカ政府内きってので親日家のアーミテージ氏との会見をキャンセルして田中氏は言った。
アーミテージなんて国務副長官で私が会う相手じゃないわ。私は大臣よ

 外交政策の相違と言えば相違だが、口さがなく言えば単なる権力亡者だ。

 今回もさっそく権力を振りかざしたが、納得できないのは文部省の指導に従って大学の整備を進めてきた3校で、特に秋田公立美術大学などは5億円相当の巨費を投じて校舎や施設を整備してきたので収まらない。
文部省の指導に従って一つ一つ基準をクリアし、審議会の答申のルールにのっとって大学の新設を行うことがなぜいけないのでしょうか。このルールは文部科学省が決めたもので、田中真紀子氏はもしかしたら文部科学大臣ではないのでしょうか」と噛み付いた。

 現在の文部科学行政での大学設置については基本自由で、設置基準さえ満たせばそのまま設立を認めている。
これは自由競争こそが教育の質を高めると言う思想で、もし競争に敗れれば自然淘汰されるし、教育内容に不備があるまま教育を続けようとすれば文部科学省が解散命令を出せることになっている(際最近堀越学園に解散命令を出した)。

注)堀越学園に対する解散命令の記事は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-61cb.html

 こうした自由競争を田中大臣は否定して「入り口で大学数を絞ろうと言う政策に変更する」と言うのだが、それならば現行の大学設置の承認ルールを変更してから始めるべきで、田中大臣のしたことは法律を過去に遡って適用するのと同じ暴挙だ。

 はっきり言えば田中氏は自分の権力を誇示したいだけのために3校を犠牲にしたので、なんともひどい話と言える。
あたしはポパイより強いのよ、ルールは私よ!!!!」
人間には本人にはどうしても止めることのできない性(さが)がある。
このような権力欲だけで生きている人を大臣にするとは野田首相の任命責任を問われてもいたし方ない事態だ。

 さすがに自民党の石破幹事長が正論を吐いた。
これが思いつきでないことをきちんと述べないかぎり、誤った政治主導といえる」石破さんの言うとおりだ。

なお、野田内閣関連の記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45463769/index.html

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(24.8.10) 「政治は決断の技術」を示した野田総理 野田氏は本当の政治家だ!!

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(トシムネさん撮影。白馬の岸壁

 世間の野田総理の評判はさっぱりだが、私は高く評価している。
ここ数世代にわたった総理は自民党を含めて決断をすることなき総理だったが、野田総理ははじめて「政治は決断の技術」であることを身をもって示している。

 ことに2代続いた民主党の総理はほとんど最悪と言ってよく、鳩山氏はできもしない辺野古以外への普天間基地移設を唱えて自爆し、菅氏は東日本大震災に遭遇してただヒステリーを爆発させていただけだった。
もし菅氏が福島第一原発の事故処理を東京電力の技術者に任せていたらメルトダウンはなかったのではないかとさえ私は思っているが、これは別途論証がいるだろう。

 野田総理は「社会保障と税の一体改革関連法案」を政治生命をかけて通すといったが、その言葉がうそ偽りでなかったことが明白になっている。
昨日(8日)自民党の谷垣総裁と30分間の秘密会議を開き、自民党との手打ちをし、10日には参議院で法案が通過する見込みとなった。
会談前までは自民党は解散の確約がなかったら衆議院に内閣不信任決議案を提出する予定だったから、秘密会談で野田総理は今国会開催中の衆議院解散について言及したのだろう。
社会保障と税の一体改革の法案が成立し、24年度予算消化のための赤字国債発行法案と、最高裁で憲法違反と認定されている選挙制度改革関連法案を成立させたら解散総選挙を行う」とでも言ったのだろうか。

 もともと自民党は消費税の増税には賛成で、赤字国債発行法案、選挙制度改革関連法案は誰が政権を担当しても通過させることが必要だから、特に異議を挟めない。
野田総理が政権政党としての責任ある決断をする限り、責任野党の自民党としても単に足を引っ張っているだけでは政治にならない。
責任政党と責任野党は日本国のために決断を下す責任があり、単に政局を有利にするための反対は無責任野党だけの特権だ。

 かつて民主党が野党であったとき小沢氏は自民党のすることにすべて反対し特に日銀総裁の人事で足をすくっていたが、そうした反対だけの野党では政治が行えないことは、鳩山氏菅氏が身をもって教えてくれた。
現在野田内閣が自民党野田派と揶揄されるほど自民党に近いのは、誰が総理を勤めてもアメリカとの協調なしに日本国の運営ができないからだ。

 
 消費税増税、TPPの交渉参加、オスプレイの沖縄配備、原発の再稼動等すべて自民党政権となんら変わりがないが、それだけが日本の許された政治的選択肢で、それ以外の選択はほとんど機能しない。
小沢氏のアンチアメリカ、親中国路線は小沢氏の言う「政治的陰謀」で押さえ込まれており、鳩山氏の「友愛」と言う名の全方位外交もすでに崩壊している。

 私が野田氏に感心するのは、消費税増税を行うとその内閣は崩壊し自身のよって立つ政党は選挙で敗北するのだが、それでもなお消費税増税を実施しているからだ。
野田氏は自身の保身よりも日本の将来のために決断しており、真の意味の政治家と言える。
現在野田政権の評判は散々だが、歴史的には「政治は決断の技術」ということを示した稀有な総理として評価されることになると私は思っている。

注)過去の政権が消費税増税のたびに崩壊した経緯は以下参照http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/22221110-nhk862.html

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(24.7.5) 野田首相のがんばりと小沢元代表の黄昏  ようやくまともな首相を得た

P7240110_2(マッスルさん撮影 山崎編集

  3代続いた民主党政権で日本国民はようやくまともな首相にたどり着いたようだ。
鳩山氏は幼稚園児の首相のようだったし、菅氏は東日本大震災でヒステリーを爆発させただけだったので、私は民主党のあまりの人材のなさに愕然としていたが、野田首相の政権運営には感心した。

注1)鳩山氏の幼児性については以下参照。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/23218-9a65.html
注2)菅氏のヒステリー体質については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-c0f8.html

 民主党内部の消費増税反対勢力を抑えこみ、自民党と公明党との3党合意にこぎつけ消費税関連3法案を衆議院で通過させたのだからたいしたものだ。
この法案を通過させるには民主党と自民党、そして公明党の大連立しか方策がないことは最初から分かっていたが、今までは自民党政権も民主党政権もそれをなしえなかった。

 野田首相党内反対勢力小沢元代表を追い出す決心をすることでこの難局を乗り切った。
小沢氏らの勢力は衆議院で関連法案に反対し、その後輿石氏との茶番の会談(輿石氏は小沢氏の腰ぎんちゃくだった)を重ねた後離党したが、小沢氏に同調した離党者は衆議院37名、参議院12名の49名であり、これは当初小沢氏が予定していた人数をはるかに下回っている。

 何しろ小沢派衆参両議院で約100名の勢力を誇ってきたのに、いざ離党となってそれに同調した議員は半分だったことになる。
しかも離党した衆議院議員37名のうち一年生議員は24名で、この24名は先の民主党バブル選挙の結果のバブル議員だから、次回は落選確実だ。

 昨今の衆議院選挙ではどこがバブルの人気を得るかで勝敗が決まっている。小泉郵政選挙では自民党が圧勝し、先の鳩山アンチ自民党選挙では民主党が大勝したが、次回の選挙で小沢新党が台風の目になることはない。
日経が行ったネットでの世論調査で「小沢新党に期待しない」とこたえた割合が80%にのぼったが、次回選挙が行われればバブルの風は橋下新党もし候補者を立てれば)に吹くことは確実だ。

 その結果選挙がおこなわれれば小沢派は現在の37名から13名程度に激減して、社民党程度の政党になり国会内での勢力としては消滅してしまう。
小沢氏は離党したことで民主党内の基盤を失い、次の選挙では単なる弱小政党となり消滅する運命にある。
そうした意味で今回の野田首相の3党合意の決断は、ようやく日本の政治の中にリアルポリティックスが芽生えたと私は歓迎している。
決めるべきときに決められないのでは政治ではない。

 実際日本の財政は危機的でこれを国債発行でしのいできたのも限界に近づいている。なぜこれほどまでに財政が悪化したかの理由は税制が高度成長を前提にしているからで、法人税も所得税も増大するとの前提に予算が組まれている
しかし実際は両税とも年を追って減少しているのだから、低成長型の租税体系にならなければ財政が持たない。
そうした意味で消費税増税は必然で、長らく低成長を経験してきたヨーロッパでは租税の中心が消費税(20%前後)になっているのはそのためだ。

注)なぜ消費税増税が必要かは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/24516-b54b.html

 小沢氏は選挙で勝つことだけを目標にすえた政治家であることは確かで、細川内閣のときに大蔵省と諮って消費税増税を打ち上げている張本人だ。
だから消費税増税に反対しているのは選挙で勝つための方便で、本心で消費税増税に反対しているわけでない。

注)細川内閣のときの小沢氏の対応については以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/22221110-nhk862.html

 
 野田首相をアメリカのオバマ大統領が「地味な方だがやることはやる」と評価したのは正しかった。
政権政党であれば財政改革は避けて通れない。しかもそれを実行するのは民主党・自民党・公明党との3党合意しかなく、今後の政権安定のためには大連立しかない。
野田総理はなかなかのやり手だ。小沢氏の懐刀だった輿石氏に小沢氏を説得をさせて、当然に決裂することを見越して参議院のドン輿石氏を政権内に留めた。

 これで参議院での法案通過は確実になり、さらに実質的にはこの三党で政権を運営していく基礎が固まったのだから野田首相を私は高く評価している。

なお野田内閣の事績については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45463769/index.html

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(24.5.16) 野田総理は清水の舞台を飛び降りるか 税と社会保障の一体改革の行方

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 政治とは本質的に妥協の産物だが、野田総理が目指している「税と社会保障の一体改革」ほどそれを示しているものはない。
野田総理にしてみれば消費税増税法案が通れば後は何でも良いので、民主党がマニフェストで歌っていた、最低保障年金の導入後期高齢者医療制度の廃止は棚上げして、自民党との妥協を図った。

 もともと野田総理消費税増税に踏み切ったのはこのままでは日本の財政が成り立たなくなるからで、それなのに新たな予算措置が要る最低保障年金の導入や、後期高齢者医療制度の廃止などしようとは思っていない。
民主党のマニフェスト信奉者が文句を付けているが、政権政党としての自覚がないのではなかろうか・・・・・
野田総理は政権担当時代の自民党の総理と精神構造は同じだから、ばら撒き政策には反対だ。

注)後期高齢者医療制度については以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/2319-bd3c.html

 しかし小沢氏を中心とする民主党内野党はこの措置を苦々しく思っている。
なんということだ。これでは民主党は自民党となんら変わりがないじゃないか。消費税を増税し、社会保障制度に手を付けないのならそれは民主党ではない。こうなれば造反だ。野田政権を打倒しろ」

 野田総理がたとえ自民党と手打ちをしても、小沢派はこれを阻止して消費税増税を阻止するつもりだ。
そのためのトロイの木馬が「景気条項」で、「名目3%、実質2%の経済成長がなければ消費税の増税は行わない」と法律に是が非でも書かせようとしている。
この「景気条項」が法律に明記されると、消費税は導入できなくなる。なぜなら日本のGDPが実質で2%アップすることは金輪際ありえないからだ。

 結果的にこの「景気条項」については3党合意
民主・自民・公明)で法案の付則条項に残すことになったが、なんとも不思議な取り扱いだ。法案の一部ともいえるし、付則であって本則でないから場合によっては守らなくても良いともとれる。
もっとも玉虫色の解決方法といえるだろう。

注)民主党執行部としては党内反対派をなだめるために、「景気条項」を法案に入れることにしたが、付則条項という手段で実質的には無視しようとしている。

 すったもんだのあげくようやく3党合意ができたので、民主党執行部は党内の了承を取り付けるつもりだが、「景気条項の付則条項」では消費税増税に反対している小沢派の了承を得ることは不可能だろう。
だが党内の了承が取り付けられない場合はどうなるだろうか。

 民主党執行部としては党内分裂は避けたいが、さりとて自民党との共闘なしには消費税増税法案は国会を通過しないのだから、野田総理は清水の舞台を飛び降りることになる(もし飛び降りなければ野田内閣の命運はない)。
こうして民主党は結果的には分裂せざる得ないところまで来た。
今後は消費税増税派と増税反対派を対立軸に政界再編が進むと思われる。

 だが誰が政権を担当しようが、日本の財政が完全に危機ラインを突破していることは予算の約半分が国債の発行でまかなわれていることから明らかだ。
なぜこれほど税収がたらないかの理由は租税体系が経済の実態に即応しておらず高度成長型だからだ。

 高度成長期は企業は業績を伸ばし、個人の所得は上がりその結果法人税も所得税も毎年のように増加した。
しかし1990年のバブル崩壊ですべてが逆転し始めた。
その後日本では経済規模が年々縮小して所得税法人税も年を追いながら減少してきた。
さらに追い討ちをかけるように日本の収益の稼ぎ頭だった輸出産業がリーマンショック後崩壊して海外に出て行ってしまい法人税はますます先細りだ。

注)税収の推移は以下のグラフを見れば一目瞭然に分かる
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/011.htm

 ヨーロッパを中心に消費税による徴税が普及しているのも、ドイツを例外としてヨーロッパから輸出産業が消えているからで20%前後の消費税が主要な税収になっている。

 だから日本の実情から消費税増税は致し方ないのだが、一方で日本では支出が過大で、特に社会保障費のばら撒きについては再考の余地が大きい。
問題なのは生活保護費で現行の制度では働かないことがもっとも有利な選択方法になっていることだ。
さらに医療費が無料なのを利用して過剰診療と医薬品の密売が横行しているのはさらに問題を複雑にしている

注)生活保護費の問題は以下を参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/231214.html

 税を上げるだけでなく、社会保障制度を実態に合わせて改革し支出を削減しないと、ただ単に税率を上げるということに終ってしまいそうだ。

なお、野田内閣についての記事は以下にまとめてあります
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45463769/index.html

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(23.12.20) なんともさえないFX(次期戦闘機)F35の選定方法

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   私のように軍事技術について特別な知識がないものにとっては、次期戦闘機F35に決まった経緯がよく分からない。
新聞報道では14日F35を採用することを防衛省が内定し、それを16日に総理と主要閣僚に説明の上、、20日安全保障会議で了承したのだという。

 防衛省の内定と言っても一川防衛相は自らも言っている通りの素人大臣でF35といわれても何のことか分からないから実際は防衛省の幹部が決めたものだ。
そしてその決定がすんなりと(なんら反論もなく)政府決定になっているようでは一川大臣が言ったシビリアンコントロールが泣く。

注)一川大臣は「私は防衛問題の素人だが、これが本当のシビリアンコントロールだ」と言っていた。

 次期戦闘機のことをFXこれは普通名詞で特別な性能の戦闘機をさす言葉ではない)と言うのだが、それが他の候補機ユーロファイターFA18Aを押しのけて内定されたのはそのステレス性能にある。

注)F35は完全ではないがステレス性能がある。

 軍事力のレベルを決定する最大のファクターは仮想敵国の軍事力とのバランスで、日本は現在仮想敵国中国の空軍力に追い上げられて四苦八苦している。
現在の戦闘機のレベルは第4世代と言い、日本の第4世代戦闘機F15F2が290機なのに対して、中国は同レベルのスホーイ27と殲10を350機配備している。
日本は空軍力で中国に劣っているのだ

何とかして中国空軍を上回る性能の戦闘機がほしい」防衛省の悲願になっていた。
元々日本はアメリカが開発した最強の戦闘機F22を導入しようとしたが、この戦闘機はあまりに高性能しかも高価)なためアメリカが外国に売ることを禁止し、生産も止めてしまった。
F22を日本に売ってこの情報が中国にもれたら大変だ。なにしろ日本は秘密保持能力が低いから売ったら安全保障上の問題がでてくる」とアメリカ上院が判断したからだ。

注)F22は完全なステレス性能をもっており、また攻撃力も高い。

 実際日本の防衛機密は中国に筒抜けになっており、防衛省や三菱重工業が頻繁に中国のサイバー攻撃をうけている。
中国も第5世代戦闘機ステレス性能をもったもの)の開発に躍起になっているが、自らそうした開発能力はないからもっぱらアメリカやその同盟国へのサイバー攻撃で情報を集めてコピーしようとしている。

 F22は売ることを禁止されたので、そのレベルを少し落として多機能型にしたのが今回導入するF35である。これは最初から外国に販売する目的で開発されており、同盟国イギリスやオーストラリア、オランダ等)との共同開発となっているが実際はアメリカのロッキード社が製作している。

注)主要な部分はブラックボックス化されておりアメリカだけがこの部品の生産ができる。

 日本に対しても共同開発の打診があったが、日本は武器輸出3原則の立場から共同開発には参加せず(本当はF22を購入予定だったのでF35には興味がなかった製造段階で日本の防衛産業三菱重工の参加を打診している。
アメリカからすれば少し性能を落とした戦闘機を同盟国に売って防衛産業の振興を図るつもりだったが、信じられないことにこの開発で手間取った。

 当初は2017年からアメリカで実戦配備される予定だったのだが、これが2年間延長(予算がないのとすでにF22という最強の戦闘機を実戦配備しているためF35の導入が遅れてもかまわない)されることになり、日本の2017年3月導入予定に赤ランプが付いてきた。
アメリカに先立って日本が導入する場合は部品調達等でアメリカの性能保証がない。

注)アメリカの国内法で外国が先にアメリカの戦闘機を導入した場合は部品や性能の保証はアメリカ政府は行わず導入国の自己責任になる。

 なんともさえない結論になってきた。最強のF22は売ってくれないし、販売用F35の生産は遅れ気味で当のアメリカは導入時期をさっさと2年間延期してしまった(もしかしたらアメリカは自国での導入をしないかもしれない)。
日本は中国に負けまいとF35でいいから早く作ってくれとせがんでいるが、その戦闘機の性能保証をアメリカはしてくれない。
一川防衛大臣はまったくの素人で頼りにならないし、野田総理は防衛省の言いなりになってシビリアンコントロールなど絵に描いた餅だ。

 本当にF35でいいのだろうか? 北澤前防衛相だったらそれなりの判断能力はあったが、一川氏にそれを求めるのは猿に微分を教えるようなものだ。
私でさえ不安になる結論になってきた。

なお野田内閣についての記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45463769/index.html
 

 

 

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(23.12.12) 日本の民主党政権を見捨てたオバマ大統領

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  鳩山・菅・野田と続いた民主党政権は完全にオバマ大統領から見捨てられてしまった。
来年1月野田総理が民主党の首相として何とかしてこぎつけたかったアメリカへの公式訪問をアメリカからキャンセルされたからだ。
大統領選挙が始まるので日本の首相と会うのは難しい
民主党政権になってからオバマ大統領とサシで交渉する時間すら取れなくなった。

 鳩山氏の時はランチタイムの合間に数分間鳩山氏の泣き言を聞いただけだし、菅総理は東日本大震災対応に追われていたこともあるが、決断力のない首相として公式に会ってもらえなかった。
イ・ミョンバク大統領に対する国賓としての最高級の扱いとひどいコントラストだ。
そして今度は野田総理がやはりTPP普天間基地移設問題での優柔不断な態度を嫌がれて会談をキャンセルされた。
民主党の首相とあっても泣き言を聞くだけで時間の無駄だ。無視しろ!!!」
日本は完全にアメリカから干されている。

 しかしそれも仕方がないのではないかと私の目に映る。野田政権は党内融和を重視するあまり、まったく無能な一川保夫氏を小沢氏の側近と言うだけで防衛相に任命してしまった。
一川氏が無能なことは本人が正式に認めており、就任早々「安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアンコントロールだ」と言っている。
素人と言うところが本音のところで、シビリアンコントロールは当初からするつもりはない。

注)私が使用している無能と言う言葉は愚かと言う意味ではなく、任に堪えられないという意味で使っている。

 またブータン国王夫妻が国賓として来日し宮中で晩餐会が開かれた時は欠席し、その時間に民主党議員の激励会に出席して「ブータン国王が来て宮中で催し物があるが、私はこちらの方が大事だ」とリップサービスをした。
これは三重の意味で問題で、① ブータン国王夫妻に対して非礼だし、② 天皇陛下の国事行為を無視しているし、③ 公式行事より私事を大事にしていて閣僚としての責任を放棄している。

 さらに国会答弁では野党からその無知・無能さをつかれ、95年に起きた米兵による沖縄県の少女暴行事件をまったく知らなかったことがばれてしまった。
前原政調会長が「勉強不足にすぎる」と苦言を呈したのは当然だ。
私は一川氏が本質的に無能なのは本人の責任で致し方ないと思っているが、そう言う人を防衛相としておくのは国家的損失だ

 かつて日本の総理も閣僚もまったく無能でも務まった時期があった。経済一流・政治三流といわれていた高度成長期の頃のことで、当時は何をやってもうまく行っていたのだから、政治家が口を出さず料亭ではしゃいでいればよかった時代である。
官僚機構もしっかりしていたから素人大臣でも十分に勤めることができた。

 しかし1990年のバブル崩壊以降日本は未曾有の不況に襲われ、政治家の技量がためされる時代に突入した。会社でも国家でも同じで、ピンチの時は経営者や閣僚の能力が試される。
無能であれば会社であれば倒産し、国政ならば停滞して対外的に日本の評価を低めてしまう。
特に防衛相はアメリカとの間で普天間基地移設問題と、次期主力戦闘機の選定問題という最重要案件を抱えているのだから、無能な素人が務まるわけがない。
一川氏はその無能さをさらけ出しており今後ともおりにふれて野党の餌食になるだろう。
野田総理としては罷免要求がある前に辞任させるのが適切な処置だったが、小沢氏の顔色を伺って現職の続行を決めた。
これではオバマ大統領が「決断力のないヤツ」とあきれるのは無理もない。

 野田政権は消費税の増税税と社会保障の一体改革公務員給与の引下げ国会議員数の削減等どう見ても一筋縄では行きそうもない案件を抱えているのに、わざわざ足を引っ張る閣僚を現職に止めたままだ。
政治が全面に出て解決しなければならない案件だが、政治家が無能ではどうしようもない。

 民主党政権は自民党政権が飽きられて発足した政権だが、鳩山・菅・野田と続く3代の民主党政権は自民党政権に輪をかけてひどく、ただただ日本の国際的評価を貶めてきただけだった。
自民党は駄目、民主党はさらに輪をかけて駄目だとすれば、日本国民はどのような政体を望めばいいのだろうか。

 今幸いに地方には大きな変革のうねりがある。私が期待しているのは橋下氏が率いる地域政党で、橋下氏の強引と思えるような手法が今日本に必要だと思っている。
民主党3代の首相が室町幕府の将軍とすれば、さしずめ橋下氏は織田信長と言うところだ。停滞しきった日本には橋下氏のようなリーダーシップを持った指導者が必要で、そうなるまでは日本はアメリカから無視され続けるのもいたし方ないだろう。

なお野田政権に関する記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45463769/index.html


別件)本日「おゆみ野四季の道」「おゆみ野四季の道 その2」のカウンター10000を加算しました。

 

 


 


 

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(23.11.14) TPPには参加か協議か? なんともさえない野田総理の決断

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  なんともさえない決断になってしまった。TPP環太平洋パートナーシップ)に参加表明するか否かでおお揉めにもめていた案件は11日「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」という表明で決着した。

 反対派によると「協議」は参加」を意味しないということで、一方賛成派は「協議」して「参加」することだという。
同床異夢とはこのことで日本の政治には実にこの種のあいまいな表現で全員を納得させる手法をとることが多い。

 韓国のイ・ミョンバク大統領などはアメリカとのFTA交渉ではっきりと前向きな発言をするのと好対照だが、これが「和の国」日本の合意形成方法だといわれれば「まあ、そうだろう」と言う気持ちにはなる。

 今回のTPP交渉野田総理は「貿易立国で繁栄を築いた我が国の発展にはアジア太平洋地域の成長力を取り入れる必要がある」と説明したが、日本と言う20年間にわたって成長が止まった国を何とか救うのはアジア太平洋地域の成長力だとの強い思いがあるからだろう。

 TPP交渉の眼目は関税の例外なき撤廃だから、競争力のある輸出産業にとってはメリットだが、高関税に守られてきた日本農業にとって大変な問題であることは事実だ。
なにしろ米は約800%、小麦は約250%牛肉は38.5%の関税によって守られている。

注)牛肉については関税の引下げが行われた1991年以降、日本の小規模畜産農家は実質的に淘汰されてしまった。

 農業団体は日本の美しい国土と農業を守るためにTPP参加に大反対だが、実際は都市近郊の米作農業は壊滅している。
私の住んでいるおゆみ野の周辺にはまだ農地が残っているが、実際は耕作者が高齢化しており、耕作を放棄した農地が点在している。

注)皮肉なことに大都市近郊の元農家が農協組織を金融と共済の面で支えている

 私の知り合いはそうした農家の一人だが、私はその農家から「山崎さん、あんたそんなに毎日走る体力があるなら農業を手伝ってくれないか」と勧誘を受けた。
私のような農業とは無縁であった退職者さえ農業労働力として求められるほど、農作業に従事する人はいない。

 本来は農協農事法人に農地を貸し与えて規模拡大すればいいのだが、都市近郊の農地は宅地に転用される可能性があるので、本格的な農業者に貸してしまうと宅地として販売する時にそれができなくなる。
したがって私のような素人に貸しておいて当面は様子を見ようと言うことになるわけだ。

 日本の都市近郊の農業はどこもこうした状態で、実際埼玉県に匹敵する耕地が耕作されずに放置されている。
守るべき農業はすでに内部が空洞化しており、農業団体が言うほどの農業は日本に残っていない。

 また医師会が「健康保険制度が崩壊する」といって反対しているのには驚いた。実際は保険診療と保険外診療の混合診療の全面解禁に反対しているのだが、なぜ反対するのか良く分からない。

 すでに歯科医療では金歯は保険対象だが、白い象牙質の歯は保険対象外で、よく歯医者に行くと「どちらにしますか」と聞かれることが多い。
特に収益重視の歯科医がこの保険対象外の歯を勧めることが多いが、これなどは断ればいいだけだから特にどうと言うこともない。

 また美容整形などはすべて保険対象外で、この値段は宣伝費と医者の腕に比例して決められている。「世界に冠たる日本の保険制度」といっても実際はいくらでも自由診療があるのだから、いまさら「健康保険制度が崩壊する」と言うのは大げさすぎる。

注)日本の人的資源で最も優秀な人(勉強のできる人)は医者になっている。この人的資源が競争力がない様では日本の他の部門の人が勝てるはずがない。
実際は自由診療になると世界各地から金持ちの病人が日本の優秀な医療を求めて押し寄せてくる。
日本は世界の医療機関になれる可能性が高い。

 一方金融の分野で特にアメリカから槍玉に上がってきたのは郵政の貯金と保険で、郵政は国の機関として特別に保護されていると言うのがその主張だ。
小泉政権はアメリカの意向を斟酌して、郵政の全面自由化に乗り出し国の関与をできるだけ縮小しようとしたが、民主党政権になって亀井氏の強いリーダーシップの揺り戻しがあって、再び国有企業になってしまった。

 なぜ郵政の民営化に亀井氏が反対し、一方アメリカがこだわるかと言うと、郵政こそが日本の国債の約3割程度を購入する国の財布だからだ。
亀井氏は日本を守ることはこの国債購入システムを守ることだと思っている。
一方アメリカから見れば1%前後の利回りで満足している国債購入者を解き放なてば、ヘッジファンド等への顧客獲得のチャンスに映る。
なにしろヘッジファンドの通常の利回りは10%から20%を目指しているのだから、1%などは利息が存在しないのも同じだ。

 このようにTPPには農業の他に医療預金・保険の問題もあるが、本質的には農業問題だといっていい。
医療の日本の技術は世界最高レベルなのだからかえって、輸出産業に代わる成長産業になる可能性のほうが高い。
また国債購入機関としての郵政が崩壊すれば、日本の金融機関の国債保有率が95%程度から大幅に低下することは確かだが、日本の放漫財政を改める良い機会になる。

 そして何より自由貿易こそは競争力の強い輸出産業がまだ日本にとどまっても良いと判断する要因になることは確かだ。
日本はすでに農業国家ではなく工業国家だ。農業保護のためにTPP参加をとどまることはできない立場にある。
野田総理もそのことは良く理解しているが、今回の「協議に参加」は中途半端ななんともさえない発言で、イ・ミョンバク大統領のような明確なメッセージを発してもらいたいものだとつくづく思ってしまった。

 

 

 

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(23.8.31) 日本復活か衰亡か? 野田新首相の誕生

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 はたして野田新首相の誕生は日本の再生になるのだろうか、それともここ5年間続いたように1年後にはおはうち枯らした姿で退陣するいつもの首相と同じパターンになるのだろうか。
日本に長期政権が存在しなくなって5年が経った。
5年間で6人目の首相であり、各首相の任期はほぼ1年前後になっている。
そしてこの5年間は明確な日本の衰退と重なっており、1年で代わる首相に何か期待するほうがどうかしている。

 アメリカを始め各国の首脳もこの日本のあまりに早い首相交代に戸惑っており、そのたびに外交政策が変更するのにはさらに当惑している。
なにしろ何を約束しても次の首相が外交交渉で約束した国家間の取り決めを守るかどうか分からない。
だから何を決めても無駄だとオバマ政権は諦観してとうとう菅前首相をホワイトハウスに呼ぶことすらしなかった。
日本は無視しよう。これからは中国だオバマ政権の基本的姿勢である。

 今回の民主党の代表選挙はまったく魅力のないものだったが、それでも小沢・鳩山連合に押された海江田氏か、それとも菅氏の流れを汲む反小沢連合かの闘いの側面は無視できなかった。
私が最も恐れたのは小沢・鳩山連合に押された海江田氏が首相になることで、もしそうなったら鳩山氏の言う「民主党の原点に戻る」ことになるからだ。

 ここ2年間の民主党の原点とは目を覆いたくなるようなひどいものだった。
財源の裏づけをまったく無視したばら撒き政策で、おかげで国家予算の半分以上が国債発行によってまかなわれる異常事態になっている。
これを鳩山政権はまったく気にすることもなかったし、菅政権では消費税のアップが必要だとの認識を菅首相は示したが、民主党としては増税は絶対に認められないと言うものだった。

 外交政策においても鳩山元首相は何のビジョンも持たずに従来の自民党政権が築いてきた日米同盟を崩壊させることだけに熱心だった。
菅政権になって修正はしたものの、中国とロシアからは完全に足元を見られ尖閣諸島も北方4島も領有権問題では押しまくられている。

 これが民主党の原点なのだから、海江田氏が首相になったら日本の衰退はほぼ決定すると思っていた。
そうした意味で財政再建の必要性を説き、自民・公明との3党合意についてそれを守るとの立場の野田氏のスタイルは混迷する日本政治を救う一つの方向性を示している。

 経済についてみると日本経済は輸出主導型の経済運営が崩壊し、新しい産業が発生しない限り日本の再生はありえないのだが、新しい産業育成のためには安定した政権の強いリーダーシップが必要になる。
今までのような1年交代の政権運営で良いはずはなく、もし海江田氏が首相になれば自民・公明との権力争いが激化してすぐにでも解散総選挙になり、経済再建どころではなかった。

注)現在総選挙を行えば自民党の復活、民主党の大敗は確実なので、民主党としては選挙ができないが、追い込まれて選挙をせざるえなくなる。

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 さらに日本の財政が破局的なことは誰でも知っているが、かろうじてこの状況が破綻しないのは財務省・日銀による金融支配が貫徹していて、国債消化がほぼ日本国内で可能だからである。
日本で商売したかったら、おれっちの言うことを聞いて国債消化に協力しろ。いやならどうなるか知ってるな!!!」財務省・日銀の脅しはみかじめ料を脅し取るヤクザとなんら変わらない。

注)もし言うことを聞かないと金融庁と示し合わせて徹底的な検査を行い、業務運営を麻痺させ、さらにあらゆるいちゃもんをつけて金融機関の免許を取り上げることもできる。

 日本だけがどんなに格付会社が日本国債の評価を引き下げてもレートも上がらず、国債消化も順調なのに世界が驚いているが、この財務省・日銀の脅しのシステムを理解すべきだ。
そしてこの脅しのシステムによって金融機関は1%程度の利回りしか上がらない国債投資に多額の資金を固定されるため、世界の常識に反して金融業が斜陽産業になっている。

 こうした財政破綻や経済破綻から立ち直るためには野田氏の言う財政再建が絶対に必要で、消費税のアップは避けて通れない。
また福島原発事故に伴う補償金等の支出のためにも増税は必要で、野田氏が増税論議を避けなかったことは評価していい。

 そして参議院を野党に握られている以上、3党合意に基ずく協力と、将来的な大連立(ただし民主党からは小沢・鳩山が出て行くだろう)以外に安定した国会運営も不可能なことも確かなのだから、坂本竜馬がいれば民主・自民の大連立を模索するだろう。

 今回の野田政権の誕生で民主党は首の皮1枚で残ったと言う感じだ。これからどうなるかは野田新首相の手腕によるが、安定した政権運営のためには大連立以外の選択肢がないことも確かだ。

 

 

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