(30.6.29) 西野ジャパンは快挙を成し遂げたけれど・・・
私は熱烈なサッカーファンだから、ワールドカップなどが始まると気がそぞろになってしまう。しかし今回に限って言えば日本チームが勝つとは思っていなかった。大会前のテストマッチは散々であまりのひどさに監督のハリルホジッチ氏を日本サッカー協会は解任したほどだ。
その後を西野監督が引き受けたのだが、日本人監督としてはJリーグ屈指の勝利数を誇る西野氏としても、大会直前だしとても十分な準備はできないと私は思っていた。
「やれやれ、また一次リーグで3連敗するのだろう。とてもテレビ観戦する気にならない」そんな気持ちだった。
しかししかし信じられないことに日本は強豪コロンビアを仕留めた勢いで、決勝トーナメントに出場してしまった。これは信じられないような快挙だ。
一次リーグを突破した16チームのうち10チームがヨーロッパ勢で、サッカーがヨーロッパのスポーツだということをまざまざと見せつけられたが、残り5チームが中南米、そしてアジアとアフリカを代表して日本だけがベスト16に残った。
もし日本が決勝に進出できなかったならば、世界のサッカーファンから「アジアやアフリカなどまったくのサッカー後進国で、ワールドカップに参加する資格などないのだ」といわれかねない状況だった。
だから西野ジャパンはアジアとアフリカの星でちょうど19世紀の植民地獲得競争の中で一人日本が植民地にならず西洋と伍したのと似ている。
決勝トーナメントの最初の相手はベルギーだが、予選を3連勝で勝ち上がってきた強豪チームだ。ここに果たして西野ジャパンは勝機があるのだろうかと今から心配になる。
常識的には日本が完敗になりそうだが、サッカーは何が起こっても不思議ではなく、FIFAランク一位のドイツが韓国に完敗して一次リーグを最下位で敗退した例もあるから、戦う気持ちさえあれば勝利も可能だろう。
これも昔の例だが、とてもかなうはずのなかったロシアに日本は日ロ戦争で勝利しているのだから、最初から負けだと思うようでは勝負にならない。
それにしてもヨーロッパのサッカーの技術水準の高さには驚く。Jリーグなどと比較するとパス回しが格段に速く、そしてゴールを狙った時の決定力にはJリーグは全く歯が立たない。
今回の日本チームはヨーロッパで活躍している選手を中心に編成されているが、ヨーロッパ慣れしている選手でなければとてもヨーロッパ勢を相手に戦うことができないことは確かだ。
だがしかし日本がポーランド戦の後半37分から見せた時間稼ぎには正直がっくりした。
かつてといっても50年前のメキシコオリンピックのことだが、日本は3位になるために後半はボール回ししかしなかった。私はその場面を見て「なんてサッカーというものはつまらないスポーツなんだな」と思ったことを思い出した。
しかしまあ、今は決勝進出ができた余韻を楽しもう。奇跡が起こったのだから、また次なる奇跡が起こらないとも限らない。かつて一度も進出したことのない8強にでもなったら、日本国中お祭り騒ぎになることだけは確かだ。
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