(27.9.1) タイの爆弾テロ事件は新疆ウイグル人の関与が濃厚になった!!
タイのバンコクで8月17日に発生した爆弾テロ事件の犯人像がだんだんと明らかになってきた。
タイの警察はトルコ系と思われる男を逮捕したがこの男が住んでいたアパートには爆発現場で使用されたスチール製のパイプや鉄球が多数保存されていた。
また逮捕された男は200冊の偽トルコ旅券を保持していたが、こうした証拠物からこの男が何らかの意味で今回の事件に関与したのは確実だとタイ警察は発表している。
本人は黙秘して何もしゃべらないが、タイでトルコと何らかの関連があるといえば新疆ウイグル自治区との関連がすぐに浮かぶ。
現在雪崩を打ったようにタイに新疆ウイグル自治区のウイグル人が逃げ込んでおり、ここで偽のトルコのパスポートを入手してトルコ人としてトルコに密入国している。タイと中国は直接国境を接していないが、このあたりは国境はあってないような地点だから、徒歩で国境を超えることができる。
それを手助けする組織が存在していたことは前から分かっていたが、今回逮捕された男はその組織の一員とみられる(さらに2名のトルコ系男とタイ人の女の逮捕者が出ている)。
現在トルコに密入国した数は推定で数千人といわれているが、密入国だから正確な数字は分からない。
もともとウイグル人はトルコ系だからトルコに親近感を持っており、また一時はトルコが大トルコ構想というようなものを持ち中央アジアのイスラム諸国の盟主になろうとしたこともあったから中央アジアのイスラム教徒に対しては寛容なところがある。
簡単に言えば偽パスポートによる入国を黙認する。
一方なぜこのような多数のウイグル人が逃亡を図っているかというと、中国政府がウイグル人を片っ端から逮捕しているからだ。
ウイグルでは通年のように暴動が発生しているが、特に有名なのは2009年にホータン市で発生した暴動で、ウイグル人2名が工場で不法に殺害されまともな裁判がひらかれなかったことを抗議したものだ。
この時の死亡者数は中国政府発表で約100人、亡命ウイグル人組織の発表では3000人になっている。
また最近では14年の7月にも暴動が発生していて、この時の死者は中国政府発表で98人、亡命ウィグル人組織の発表では2000人になっている。
このほか小さな事件はほぼ毎月のように発生しており、中国政府の発表では死者は常に10人以下の数字になっているが情報統制が厳しく外国人記者の取材はないから本当のところは分からない。
中国の警察は拷問が日常的にされていて容疑者を捕まえては拷問にかけるので、拷問死も多く少しでも反抗的なそぶりを見せる若者は片っ端から連行されている。
したがってこうした若者を中心に海外に逃亡するもの多く、逃亡者は肉親や関係者が中国警察によって殺害されているケースが多いので中国に対し深い憎しみを感じている。
そしてその一部はトルコを経由してISやアルカイダの組織の一員になり戦闘訓練をしているので中国としては気が気ではない。
今回逮捕されたメンバーはそうしたウイグル人をトルコに密入国させる組織の一員である可能性が高い。
こうした状況下で中国政府はタイの軍事政権に対し不法入国者を強制送還するように強く申し入れをしていた。
タイの軍事政権と中国は世界の嫌われ者同士で最近結びつきを強化していたので、この7月にタイは中国の要請を入れて109名のウィグル人を不法滞在を理由に中国に強制送還している。
強制送還された後の措置については明確になっていないが悲惨な運命であることだけは確かだ。
今回の爆弾テロ事件はこの強制送還に抗議した亡命ウイグル人の組織が関与して起こしたものというのがタイ警察の見方で、特にエラワン廟というタイ仏教の総本山のような場所で起こしていることから、明らかに仏教徒とは異なる宗教の持ち主だということがわかる。
たとえ軍事政権に反対していても信心深い仏教徒のタイ人がアウラン廟を狙うことはありえないというのがその判断だ。
中国がひた隠しにしている新疆ウイグル問題がタイで露見したということだが、実際新疆ウイグル地区はほぼ内戦状態のような状況になっており、分離独立戦争が今後こうした形で(国内は中国警察の警備が厳しいので)世界に伝搬し始めた。
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