評論 世界経済 ギリシャ経済

(27.7.7) ギリシャ悲劇とヨーロッパ統合の挫折 「EU、ユーロもここまでか!!」

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 新たなギリシャ悲劇が誕生した。主人公はチプラス大王といい、幻想にかられてオリンポスの神ユーロと戦い、最後に悲劇的死を遂げる物語である。
チプラス大王は群衆に向かって叫ぶ。「我に力を与えよ、ユーロを打ち負かす力を与えよ、、雄たけびを上げよ!!
群衆は歓喜してチプラス大王を支持したが、実際はチプラス大王にはたたかうべき剣もなく、やむなく竹光を仕込んで巨人ユーロの勇者メルケルと戦うがすぐに竹光と見破られ、その竹光でもって首をのこぎり引きされて息絶えたという話である。

 今回の国民投票ではユーロの提案にNOオーヒ)と投票した人が61%にのぼった。
これ以上の緊縮財政は耐えられない」ということだが、今まで公務員給与が支払われ年金も支払われていたのは33兆円規模の財政支援をEU等から受けていたことを忘れている。
今回の国民投票を経てチプラス首相33兆円の棒引きを主張するだろうが、この主張にEUがすんなり応じるわけはない。

 実際はギリシャには返済する資金などどこにもなく、ただひたすらユーロEU、ECB、IMF)から借り替えていたのに過ぎない。したがってユーロの借り替え資金がなくなれば自動的に返済は不可能になりデフォルトに陥る。
すでにIMFに対する2200億円は踏み倒しており、7月に来るECBに対する返済資金9500億円も当然踏み倒すだろう。

 そしてユーロ側が新たな支援をしなければ、ギリシャに残された手はギリシャ国家の借用証書ギリシャ通貨)を発行するよりほかはなくなる。
さあ、公務員も年金生活者もドラクマを使用しよう。この通貨は古代ギリシャで用いられていた由緒ある通貨だ!!」とチプラス首相は言うだろうが、現実には誰もこの通貨を見向きもせずすぐにユーロかドルに交換されてしまう。

 ギリシャがあくまで強硬策に出ればユーロも妥協するわけにいかないから互いににらみ合いが続き、借金返済はできないから結局は33兆円は踏み倒されることになる。
もう仕方ない、33兆円は勉強代だ。ギリシャのことはほっておこう
ギリシャはユーロにとどまってはいるが、ユーロからは村八分にされて実質ユーロから離脱したも同然になる。
国内の物価は高騰し生活はさらに苦しくなるがもうユーロからの支援はなく、ギリシャは昔のギリシャに戻るだけだ。

 一方ユーロから見るとこのギリシャ悲劇は同時にユーロの悲劇になる。ここまで拡大を続け19か国が使用しているが、とうとうユーロの拡大に限界が到達した。ヨーロッパは統合から離散に舵を切り始めた。
EUやユーロは簡単に言えばドイツとフランスの連合体だが、イギリスではすでにキャメロン首相がEUに残るかどうかの国民投票を行うと言明している。
ヨーロッパはEUの旗のもとに通貨も経済もそして政治の統合までも目指したが、通貨統合で限界を示し始めた。
ヨーロッパの復活もここまでだったのか・・・・・・・」再びヨーロッパに深い霧が立ちこみ始めた。

注)古代ローマにおいてもユーロと同様なこれ以上の拡張が不可能な時代に遭遇したのがハドリアヌスの時代である。ハドリアヌスはラキア(今のルーマニア)の土地の放棄を主張したが元老院から拒否された。具体的には以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/23720nhk-c973.html

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(27.7.1) 愚者二人  パク・クネ大統領とチプラス首相

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(友達のブログ「ちば公園のベンチから」に掲載されている利根川の夜明け。このブログの主催者はほぼ毎日利根川の夜明けの写真を撮影している)

 東西の二人の愚者が今国家を倒産させようとしている。東の愚者は韓国の大統領パク・クネ氏で西の愚者はギリシャの首相チプラス氏である。
国家の指導者が愚者だとどうなるかの具体的な事例研究としてこの二人ほど適切な人はいない。

 韓国のパク・クネ氏が愚者であることはこのブログで何回もとりあげているからいささか耳ダコだろうけれど、簡単に整理すると従軍慰安婦という存在もしなかった亡霊を呼び覚まし、ただひたすら日本を呪うという言霊政治を続けてきたことにある。
その結果従軍慰安婦問題以外は完全に無視されたから、韓国の経済はがたがたに崩壊し、政治は何も決められず、セオゥル号が沈没して300名あまりの死者が出たときは大統領は7時間も密会をしていた。
それを指摘されると産経新聞の支局長を拘束し韓国から出られないようにし、さらにMERSの拡大の時はサムスンソウル病院の名前を秘匿したため患者がこの病院を中心に拡大してしまった。

 ただひたすら日本を呪い、日本が明治の産業遺産をユネスコに登録しようとすれば、韓国とは何ら関係ないのにもかかわらずケチをつけて引きずりおろさせようとした。
パブロフの犬とおなじで日本」と聞くと「妨害せよ」と命令していただけだ。
しかしこれでは国家の指導者としては落第だ。今や韓国の日刊紙は崩壊過程の政治・経済の現状に悲鳴を上げているが、言霊政治のパク・クネ氏の耳にははいらない。
朝日の神よ、朝日の神よ、日本を呪うのじゃ、呪うのじゃ!!!! 1000年の業火に焼かれてしまえ

注)韓国経済が海面に衝突しそうなことは前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44234699/index.html

 パク・クネ氏の政治は相当非道なものだと思っていたら、西のギリシャにパク・クネ氏とブービー争いをするような政治家が現れた。ギリシャのチプラス氏である。
もともとEUからの借入はすべて踏み倒すのが公約で首相になったのだから、意気揚々と踏み倒し交渉できると思ったらしいが、世の中には契約やら約束やら条約やらがあって一筋縄ではいかない。

 あまりの複雑さに嫌気をさしてアレクサンダー大王の故事を思い出した。こうしたときはアレクサンダー大王にならって「ゴルディアスの結び目を一刀両断に切断するのがいい。金は返さん、一銭も返さん、文句があるか!!!
6月末のIMFに対する返済金の約2200億円をとりあえず踏み倒し、その後のECBへの返済も踏み倒すことにし、「あとは野となれ山となれ、俺の知ったことじゃない」と居直った。

注)ギリシャの債務の総計は約40兆円でこの償還期限が次々に迫ってくる。


 国家の首相としては相当荒っぽい対応で、おかげでギリシャの銀行は資金が底をつきそうになったのでとりあえず休業になった。
金は下ろせない(正確に言うと60ユーロまでは下ろせるが紙幣切れになっている場合が多い)、送金はできない、決済機能はなくなってしまって、ギリシャ経済は19世紀に一気に逆戻りだ。
経済なんてもはやあろうはずはなく、観光客もATMから金を下ろせないので観光に訪れることもできない。

 チプラス氏がEUの提案をけったのは年金の受給開始年齢を61歳から段階的に2020年までに67歳にするように要請されたからである
この67歳という年齢はヨーロッパ諸国の標準的な支給年齢だからそれに合わせるように言われたのだが、何しろギリシャ人は働くのが何より嫌いだ。
「駄目だ、61歳で定年退職して余生を過ごす、これがギリシャ的生き方だ。働くのはドイツ人だけでいい
自己主張はすさまじいが、しかしその財源はないのでEUから調達することにしている。
ギリシャ国債を発行するからこれをECBが買い取れ。それを年金財源に充てる
もちろん最初から踏み倒しのつもりだからいくらでも国債を発行するつもりでいる。

 チプラス氏の問題は妥協ということをしないことで、一国の首相としては信じられないような資質だが、チプラス氏が運動家で政治家でないことがその原因だ。
政治とは妥協の技術であり相手のあることだからぎりぎりの妥協点を探って落としどころを見つけるのだが、それを一切しない。
ギリシャの年金支給年齢はヨーロッパの標準からするとあまりに若すぎ、しかも財源が全くないにもかかわらず引き上げには一切応じないという。
駄目だ、駄目だ、一切駄目だ、ギリシャ人に働かせるなんてオリンポスの神が許さない。働くのはドイツ人で金があるのだからそれをギリシャに回すのが神の意志だ

 はたから見ていると何を言っているのかさっぱり理解できないがギリシャ人には受けがいい。
そうよ、そうよ、働くのはドイツ、遊ぶのはギリシャ、ソクラテスの昔から奴隷が働いていたわ・・・・・・・・」

 運動家が国政を運営すると国家が滅ぶ典型的な例がギリシャになりそうだ。
こうして東西の愚者が今二つの国家を倒産させようとしている。


 


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(27.6.30) 愚かなギリシャ、チプラス首相のチキンゲーム 「死ぬのはギリシャかユーロか!!」

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 いやはや驚いた。ギリシャのチプラス首相とドイツのメルケル首相チキンゲームを始めたからだ。最も仕掛けたのはチプラス首相で、メルケル首相は致し方なく応じたのに過ぎない。
この6月30日を期限とするギリシャ支援策の延長を巡って、チプラス首相は7月5日に国民投票を行うという。

 投票の内容はEUの支援策の是非を問うもので、「これに反対投票をしろ」とチプラス氏は意気軒高だ。
途方に暮れたのはユーロ圏の財務相たちで「チプラスはいったい何を考えているんだ。せっかくの妥協案をけって国民投票とは頭がおかしいのではないか」と息巻いている。

 私は前のブログでギリシャ問題はもはや終わったと記載したが、これは即断しすぎたようだ。
ECBが毎月10兆円規模の資金緩和に乗り出したので今更ギリシャにきつい緊縮策を押し付けることはなく、したがってギリシャも妥協すると思っていたが、チプラス氏は一ミリたりとも妥協しないと突っ張った。

注)私がギリシャ問題はすでに終わったと書いたブログは以下の通り
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-affe.html

 ユーロ圏が出した妥協案は非常に微温的なものであり、① 年金の支給開始年限を現在の61歳から2020年までに段階的に67歳まで引き上げること、② 空港や港の一部民営化の二つだから、これなどユーロ各国がギリシャに妥協させるために示した提案だ。
ここまでは読み通りだったがそれをチプラス氏は「駄目だ年金の支給開始期間を引き上げることは断じてできない。ドイツ人は働くのが好きだがギリシャ人は働くのは嫌いだ。年金財源はないからEUがギリシャを支援して年金を払え」とばかりに突っぱねている。

 ドイツのメルケル首相としてははらわたが煮えくり返る思いだろう。すでにEU側はギリシャに対し33兆円余りの支援をしてきており、ドイツ一国でも7兆円余りの支援をしているのに「それでも足りないから支援を継続せよ、代金はドイツもちだ」といわれているに等しい。
政治とは妥協の技術でどこで妥協を図るか懸命に探るものだが、チプラス氏は政治家ではなく運動家だから妥協など一切せず、それをするなら国民投票の結果を受けてだと居直っている。
私はEUの提案に反対だが、国民がイエスといっているなら仕方ない」何とも都合のいい論理で自己保身そのものだが、運動家とはえてしてそうしたものだ。

 日本でも沖縄の辺野古への移設を巡って仲井眞前知事は政治家だから妥協案に応じたが、現在の翁長知事は一切の妥協をしないと突っ張っている。
チプラス氏と翁長氏はメンタリティーとしては国が違っていても心の友だ。

 しかしギリシャ問題はチプラス氏がチキンゲームを始めたために市場が大荒れになってきた。市場の一般的な見方はチプラス氏もメルケル氏も妥協に向かいギリシャ問題は軟着陸するということだったので、驚いた東証などは約600円も日経平均を下げてしまった。各国の市場も同様の流れだ。

  チプラス氏の国会演説が振るっている。
民主主義が生まれた国で市民の声を生かし民主社会を守るためにEUの許可を求めるようなことはせず、国民投票を行う
民主主義が生まれたのは確かにギリシャだが、現在のギリシャとは場所が等しいというだけで何の関係もない。
何しろギリシャは東ローマ帝国滅亡後はオスマントルコに約400年にわたって植民地化されていたし、オスマントルコから200年前に独立したものの第一次世界大戦までは王政だった。
その後も王政と共和政と軍事政権が交互に樹立されており、とても民主主義国家だといばれるような状況でない。
あえて言えばオリエント風国家といった方が実態にあっている。

 ドイツにとってはギリシャは目の上のたん瘤だ。何しろ駄々をこねることだけは一人前で、ドイツが少し強気に出ると「第二次世界大戦の戦後賠償金をよこせ、金額は約20兆円だ」と居直る。丁度日本と韓国の関係がこのドイツとギリシャの関係で、日本人に説明するなら「ギリシャとは韓国のような国家だ」というと納得できるだろう。
このチキンゲームはいったいどうなるだろうか。
7月5日までの国民投票日まで全く目が離せない状況になってきた。
それにしても運動家という人種は厄介なものだとつくづく思ってしまった。

 

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(27.6.5) ギリシャ危機は終わった。 もうみんなで緊縮財政は放棄だ!!

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  2009年以降津波のようにし寄せては引いていたギリシャ危機はどうやら欧州の最大の問題ではなくなったらしい。
15年2月にギリシャ支援策の延長ですったもんだし、結局15年6月末までその支援策を継続することにしたのだが、今は互いに条件闘争を行っており市場の観測は「どうせどこかで妥協して支援は継続される。だからギリシャ危機は発生しない」と読んでいる。

注)15年2月段階でのギリシャ支援騒動については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-8d2d.html

 ギリシャの国庫は完全に底をついており、5月のIMFへの返済金7.5億ユーロ(約1000億円)などはIIMFに積んでいた預金を取り崩して行ったし(SDR引き出し権という)、公務員給与や年金支払いは地方政府や政府の準機関が隠し持ってた預金をかき集めて支払った。
しかし6月分はもうない。

 6月にはIMFに対しさらに16億ユーロ(約2100億円)の返済をしないとならないし、さらに7月にはECB(欧州中央銀行)に70億ユーロ(約9500億円)の返済をしなければならない。
だがギリシャ政府の金庫はからだからびた一文も返せない状況になっている。
それでも急進左派連合のチプラス首相が平然としていられるのは、必ずEUは妥協してこの返済資金の手当てをしてくれると踏んでいるからだ。

 なぜチプラス氏が自信があるかというと、ECBがこの3月からドイツの反対を押し切って金融緩和策を展開しているからだ。毎月10兆円規模の(建前は優良な)国債を購入して市場にばらまいているが、これはアメリカのFRB、日本の日銀に順じた金融緩和策で、ヨーロッパも金融緩和に舵を切った。
金はいくらでも出すから公共工事でも年金増額でも好きなことをして景気を上向かせろ」といっているので、一人ギリシャだけに緊縮財政を強いるわけにいかなくなった。
真面目に緊縮財政を守っているのはドイツだけで後のユーロ各国はこのECBの超資金緩和を喜んで受け入れている。
やはりヨーロッパもアメリカや日本並みの緩和策で景気を刺激せんとあきませんわ!!まあ、ギリシャさんもおなじこってすわ!!」

 6月末の支援期限がせまったのでさすがのドイツも妥協案を示した。
財政健全化の目標年次を先に延ばしたり目標基準を大幅に下げたりしてチプラス政権が妥協しやすいようにした。
チプラスさん、これで妥協してくれ、そっちがその気を見せてくれさえすればわが国の国民も納得する
もはやドイツも本気でギリシャに緊縮策を求めていない。実行するふりさえしてくれればOKを出すということだ。


 今や緊縮財政の時代は終わり、現在は金融大緩和の時代に入っている。アメリカも日本も中国も大緩和を実施しているし、ドイツの反対で緩和策ができなかったECBもついにドイツを口説いてこのグループに滑り込んだ。そんな中でギリシャにだけ緊縮財政を説いても迫力がない。
父ちゃんはキャバレーで豪遊だ。だが坊主おまえには小遣いはなしだ!!」とは言えない。

 何度も同じことを言って恐縮だが高度に発展した資本主義経済では何もしなければ経済は失速する。それは当たり前で公共工事などやりすぎて保守に困っており、自動車や家電商品などは家にあふれかえっているのでこれ以上買いたくもない。
旅行しように老人ばかりだから体力に限界があっておいそれとは海外旅行にも出かけられない。簡単に言えば消費が伸びないのが普通だ。

 だからそうした経済では金を印刷して株価と地価を上げなんとか経済成長をしている素振りでもしなければどうしようもないのだ。
21世紀に入ってアメリカも日本もそのことに気づき、一斉に金融緩和に乗り出した。
まあ、花見酒の経済みたいだが伸びないよりましだろう
みんなが酔っぱらって花見をしている間は楽しく、高度に発展した資本主義経済は無駄をすることだけが生き延びる唯一の方法だ。
ECBがこの花見酒の経済に舵を切った以上、ギリシャに緊縮策を求める時代は終わったといってよい。


 




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(27.2.18) ギリシャとEUのチキンゲーム 2月危機はEUが妥協するだろうが・・・・・・・

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  こういうのをチキンゲームというのだろう。ギリシャとEUが真っ向から対立しこの2月末で期限が切れるギリシャ支援策をめぐってののしりあっている。
EUは過去に約32兆円規模の支援をギリシャにしてきたが、すべて条件付きで緊縮財政と増税をギリシャが実行するのを見ては3か月に1回程度の割で必要資金を供給してきた。
EUのいうことを聞いて真面目に対応しなければ支援はしないよ」ということだ。

 サマラス前政権はEUとの約束を履行して公務員の首切りと増税で応じてきたが、この政策はギリシャ人の怒りを買い1月の総選挙でEUの支援金の踏み倒しを主張した急進左派連合に敗北してしまった。
急進左派連合のチプラス氏は当然踏み倒しを主張して「ギリシャはEUの植民地ではない」と意気軒高だ。

 16日にユーロ圏の財務相が緊急に集まりギリシャ支援策の枠組みを巡って協議をしたが、EUが従来の枠組みの継続を主張したのに対し、ギリシャは緊縮財政の放棄を主張し、国債の自由な発行を認めろと迫っている。
最もギリシャ国債を購入するのは政府の息のかかったギリシャの金融機関ECB(欧州中央銀行)のような公的機関だけで、ギリシャの金融機関が購入する資金はEUが出すことになるので、結局はEUにギリシャ国債を無制限に購入せよといっているのと同じだ。

 「あんなサブプライムローンのようなギリシャ国債を無制限に購入しろとはチプラスは頭がおかしいのではないか」ドイツのメルケル首相が切れているが、チプラス首相はいたって本気だ。
我々はドイツに対し第二次世界大戦の戦後賠償の権利を保持している。インフラの破壊を含めれば約20兆円規模になる。支援をしないのなら戦後賠償を支払え」国際司法裁判所に提訴する構えだからドイツの気持をさらにさかなでしている。
日本では韓国が何かというと戦後賠償の要求を繰り返すので閉口しているが、ドイツとギリシャの関係はそれにうり二つだ。

 すでにギリシャの金融機関から資本逃避が始まっており、金持ちはさっさとギリシャから逃げ出している。ギリシャの金融機関はギリシャ国債をたっぷり持たされているがその償還金はEUの支援金なので、EU との話し合いが決裂すればギリシャの金融機関が生き残る道はなくなり、キプロスと同様の預金封鎖に陥らざる得ない。

 今のところEUもギリシャも一歩も後に引かないが、月末の短期国債の返済金約1兆円の期限がせまってきているから、結局このチキンゲームは必ず終わりになる。
ギリシャをユーロから追い出すまでの勇気が今EU にあるとは思われないので、ギリシャの国債増発の枠を認めてその資金をEUが付けてやることで2月危機はのり切るだろう(あるいは交渉期限を延長して当面の資金をEUが出すことになるかもしれない)。

 いずれにしてもEU側が折れざる得ないのではないかと私は思っているが、ギリシャ政府の強がりを見て投資家や金持ちはギリシャから完全に逃げ出しているので、ギリシャには貧乏人しか残らないことになる。
すでに税収は予定より3割も落ち込んでいるが税金を払うよりギリシャから逃亡することを選択しているからだ。

 2月を乗り切っても次々に国債の償還期限がくるから毎回この大騒ぎを繰り返すのはEUとしてもたまらないだろう。ギリシャの言う新たな枠組みを認めて結局はEUが資金援助を続けるか、どこかでギリシャの離脱を認めるかの決断を迫られている。


 

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(27.1.29) ギリシャ急進左派連合の勝利とEUの困惑 もう面倒見るのはこりごりだわ!!

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 結局ギリシャにはどんなに支援をしても無駄だということが分かってきた。1月25日の選挙で急進左派連合が勝利し再び借金の棒引き要請が始まったからだ。
2009年のギリシャ危機以来EUは何度も支援策を要請され、国債の半額減額や新たな追加融資策の合計32兆円でギリシャをささえてきたが、ギリシャ人はEUに全く感謝をしていない。
反対に「破滅的なEUの緊縮策から抜け出せ」と急進左派連合が唱えて一気に国政を奪取したが、EUとしてはただ当惑するばかりだ。
急進左派連合は「年金を元の水準に戻し、最低賃金を上げ、借金など返さない」と叫ぶが、そのための新たな資金はもちろんEUから引っ張り出すのだという。

 これではいくらなんでもドイツのような謹厳実直な国を説得できない。
ギリシャ人は遊ぶことだけ考え支払はすべてドイツ人にさせようとしているメルケル首相が切れている。
急進左派連合は一方でEUやユーロからの離脱はしないといっているが、それは「EUがギリシャ人の言うことを聞いて借金棒引きに応じ、新たな追加支援策をすることが条件」だというから、泥棒が追い銭を請求しているようなものだ。

 急進左派連合がそれだけ強気になれるのは、もしギリシャの離脱が現実化すれば拡大欧州の夢はその段階で敗れ、EUがそれを恐れているのを知っているからだ。
絶対に大丈夫だ、EUは折れる。ギリシャが離脱したらドミノ現象が起こってEUが終焉する。だからEUはギリシャを半永久的に支援せざる得ない弱者の脅しが効果的という判断だ。

 だがそれは政治的な判断であっても金融的な判断とは全く異なる。
すでにギリシャの金融機関の株式は30%値下がりしたが、これはギリシャの金持ちと、ひともうけしようとしたヘッジファンド)がギリシャの金融機関に資産を置いていることに不安を感じたからだ。
現在は選挙前の銀行資産の5%程度が流失した段階だが、金持ちでなくてもギリシャ人の預金者がギリシャの金融機関に預金を置いておくことは心配でならない。いつ凍結されるか分からないからだ。
現在ギリシャの金融機関が倒産もせずに営業で来ているのは32兆円規模のEUの支援があるからで、これがなくなったらすぐさま倒産する。
だからギリシャは政治的思惑とは別に資金面でじりじりと追い詰められている。

注)ギリシャ支援金はギリシャ国債の償還金に相応するが、ギリシャ国債のかなりの部分をギリシャの金融機関が保有している。もしEUの支援がストップするとこうした金融機関が倒産する。

 EUも頭が痛いだろう。浪費癖のドラ息子がいつまでたっても働くことをせず、親の資産をあてに遊び暮らしているようなものだ。「おやじ、あんたは金持ちなのにケチケチするなよ、おれが代わって使ってやらあ、世間ではあんたのことをメルケル因業ババアと同じだといっているのを知らないのかい」なんて感じだ。

 急進左派連合は選挙で勝利した余勢をかって借金棒引き交渉を始めるといっているが、EUとしてはいつまでも折れているわけにいかない。
今までお前の面倒を何とかして見てきたが、これ以上の面倒は見ない。好き勝手に生きなさい。ただし二度とEUの敷居を跨がせない
どこの社会でも自分で生活を切り開いて生きていかなければならないのだからギリシャ人もゆすりたかりだけで生きていけないのは同じことだ。
こうしながら拡大EUの時代は終わりヨーロッパは身の丈にあった経済規模に縮小していくのだろう。

注)ギリシャ人の意識は第二次世界大戦でのドイツへの賠償金請求をチャラにしてやったのだからいつまでもドイツはギリシャに追い銭を払わなければいけないという感度だ。何か韓国と日本の関係に似ていて笑ってしまった。
 

 

 

 

 

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(26.12.12) 金融緩和競争の勝利者は誰か? 再び火を噴き始めたギリシャ危機

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今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」と歌っていたのは故鶴田浩二さんだが、このところのギリシャ危機の再発はまさにそんな気がする。
ようやく落ち着いていたと思われていた欧州で再び危機の火の手が上がったからだ。

 ギリシャ政治について日本人は全く無知だが、現在の政権与党がEUとの協調路線をとっており、年金の減額と公務員のリストラを積極的に行い財政再建を目指してきた。
この政策に対し野党急進左派連合は大反対で、EUの救済資金の返済をおこなわず、EUから離脱しようとアジってきた。
もちろん国民は緊縮財政より借金の踏み倒しの方が好きだから、急進左派連合の支持が与党の支持を上回っている。

注)従来からギリシャは何度も国家倒産という借金の踏み倒しをしてきた。

 だから今の状態で総選挙を行えば野党が有利になるのでギリシャ危機が再発することになるが、今なぜそのことが問題になるかというと大統領選で与党が負けそうだからだ。
ギリシャの大統領は象徴的な存在で日本の天皇とさして変わりがないが、議会での間接選挙で選ばれるところが違う。
そしてもし与党が推薦する大統領候補が議会で否決されると首相は議会を解散して総選挙をしなければならない規定になっている。
サラマス首相の押す大統領候補が議会の承認が危うくなり、「すわ、ギリシャでは総選挙がおこなわれ、左派連合が勝利してEUの支援金を踏み倒しそうだ」と市場が危ぶんだ。

 その結果12月9日から10日にかけての欧州市場は大荒れになってしまい、ギリシャの株式は2日間で17%も低下し、今年の4月にようやく国債発行ができるようになったがそのレートが9%に跳ね上がった。こんな高いレートでペイする国などありはしないからこれは倒産予想レートでギリシャ国債は再び投げ売りになってきた。

注)国債の格付が低いと発行すらできない。

 今のところ議会で新大統領が否決されるかどうかは分からず、したがって総選挙が実施されるかどうかは分からないが、ちょっとした噂で世界市場に激震が走っている。
今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」という状況下では悪い噂は世界を駆け巡る。
ギリシャ問題が再発すればすぐにスペイン、ポルトガル、イタリアに飛び火をしてまたユーロ危機の再発だ。

 市場はECB(欧州中央銀行)に各国の国債を購入することを催促しており、ギリシャ国債などは何の値打もないから、これはサブプライムローン債権を担保として貸し出しを行ったアメリカのFRBと同じ手法だ。
価値なんてなくていい。どうせ紙幣を印刷するだけのことだ!! 早く刷れ!!」
この政策にはドイツが反対しているがギリシャ危機が再熱すれば、これ以外に有効な手立てなどない。

 結局世界中で紙幣の印刷合戦が行われ、20世紀の大恐慌後の為替引き下げ競争と同じになってきた。現在この手段で為替を引き下げられるのはアメリカ、EU、日本といった国際通貨でしかもそうしたからと言って海外資金が逃げ出さない国だけだ。
20世紀の為替引下競争に負けたドイツと日本とイタリアは、その後第二次世界大戦を引き起こしたが今回の金融緩和競争の結果はどうなるだろうか。

 すでに隣国の韓国はこの競争から脱落して経済が急降下しており、中国もかなり危うい。約1世紀を隔てて再び世界経済は荒波に突入したが、今のところケインズは現れていない。
だから「今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」なのだ。
 

 

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(24.5.11) ギリシャ危機の第2ラウンド ユーロに留まれるかの瀬戸際

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 再びギリシャに端を発するユーロ危機が再発している。
先日行われた総選挙で与党の緊縮財政連合が破れ、放漫財政派が勝利したからだ。
最も勝利と言ってもどこも過半数を取れない中途半端な状況で、過半数の連合が出来ない限り総選挙のやり直しになる。
現状ではやり直しの公算が最も高い。

注)過半数が取れなくても少数与党、その他政党の閣外協力という手もあるが、今回は対立点が明確なので再選挙の公算が大きい。

 ギリシャ人は与党を憎んでいる。
特に前回与党で第一党だった全ギリシャ社会主義運動党PASOK)を憎み、160議席から41議席へ地すべり的敗北をさせた。
社会主義政党で労働者の味方と思っていたのに公務員の首切りと給与カット、それに増税とは許せない」と言う気持ちだ。

 そこで今回はPASOKより急進的で労働者の見方と思われている急進左派連合SYRIZA)に票が集まり13議席から52議席に躍進させた。
SIRIZAの主張は以下のとおりだから国民の支持を集めたのだろう。

① EU・IMF・ECBとの合意の取り消し(再交渉)
② 銀行の国有化
③ 年金と給与の削減の取りやめ

 たしかにギリシャ人としたらそうしたいだろうが、問題は誰がギリシャに金を出して助けるかだ。
メルケル首相サルコジ大統領が薄氷を踏む思いで纏めたギリシャへの第2次支援策1300億ユーロ約13兆円)は、ギリシャの自助努力を前提にしている。
だがギリシャ人は「自助努力なんてトンでもない。金をよこせばいいんだ」と居直っている。

 メルケル首相としてははらわたが煮えくり返る思いだろう。
サルコジは失脚してしまうし、私一人でどうすればいいの。欧州中が駄々っ子ばかりになってきたわ・・・・・・・

 市場はすっかりこの混乱に愛想をつかしユーロがたたき売りされ始めた。再び1ユーロ100円を割り込むのも時間の問題だろう。
さらにヨーロッパだけでなく世界中の株式市場が弱気一色だ。
仕方ない、こうしたときはアメリカ国債と円を持っているに限る
アメリカ国債の利回りは低下し、円はすべての通貨に対して円高になって、日本の輸出産業は完全にアウトだ。

 ギリシャの混乱がこのまま続き、さらにフランスが緊縮財政を放棄し、スペインやイタリア国債が売られればさすがのドイツと言えどもこのヨーロッパの危機を救うことは出来ない。
結局は「それぞれが勝手にやればいい、私は知らない」と言うことになってユーロ圏が崩壊する可能性が出てきた。

 しばらく前に同志社大学教授の浜矩子氏が言っていたユーロが崩壊して第一ユーロと第二ユーロの出現という現象である。
第一ユーロは緊縮財政派のドイツ、オランダ、オーストリア、ベルギーあたりが参加し、第二ユーロは放漫財政派のギリシャ、スペイン、ポルトガル、イタリアあたりが参加することになるだろう。
これに伴いECB欧州中央銀行)も二つに分かれざる得ない。

注)浜矩子氏のユーロの二分割案は以下のとおり。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/2417.html

 第二ユーロ国は放漫財政をするとしても財源がなく、国債での資金調達が不可能だから、残された手段は第二ECBによる無尽蔵の通貨供給だけだ。
このインフレ政策で第二ユーロを第一ユーロの半額程度にしたら輸出環境が好転し何とか経済がたて直るだろう。
ただし国民生活はインフレ更新で今の生活レベルは半減する。

 ギリシャ人がいくら居直っても現状の国家倒産状態が好転するわけでないから、結局はEUの第二次支援枠の中で緊縮財政を受け入れて生きるか、EUの支援をけって大インフレの中で生活水準を落とす以外に選択肢はない。

 それにしてもヨーロッパの経済危機は波状的に押し寄せる津波のようで、一旦は収束したと見えても再び大波に襲われてしまい、結局は抜本的な改革を余儀なくされるまで津波が襲ってくるようだ

なおヨーロッパ経済の記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43160490/index.html

またギリシャ経済については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44468201/index.html


下記の柴犬は家に戻りました。ご協力ありがとうございました


(原文)
失踪した犬を探しています。お見受けした方はこのブログのメール機能で連絡していただければ幸いです。

失踪場所、おゆみ野のケーズデンキ周辺。



P1000202_2
柴犬、生後7か月 雄
色は茶
名前は「ふく」と、言いますが、呼んで来たことは一度もありません・
警察と保護センターには連絡致しました。

お手数ですが何か情報ありましたら宜しくお願いいたします。

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(24.4.16) ドキュメンタリーwave 嘆きのギリシャ 700ユーロの世代の真実

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 今回見たドキュメンタリーwave嘆きのギリシャ 700ユーロの世代の真実」はなかなか見ごたえがあった。
700ユーロの世代とは月収が最低賃金に近い約7万円で、かつこの賃金でも「若者の二人に一人は失業者だと言うレポートだった。

 「月収が7万円か」感無量だ。
と言うのも私が60歳で退職した5年前、さらに職場に残った場合の賃金が20万円だったからである(61歳から65歳までの賃金水準)。
私はそのあまりの低さに驚いて、「そんな低賃金で働くなら働かないほうがましだ」と思い退職したのだが、この水準は60歳以上の一般の働き手の水準であることを後から知った。
そして私が働く気を失った20万円は今のギリシャの若者にとっては破格の賃金水準になっている。

 このドキュメンタリーは2月13日にギリシャ国会で緊縮財政法案が可決され、それと見返りにEUから1300億ユーロの資金援助が行われた日の前後のギリシャの若者の行動を追ったものだ。
番組に出てきた若者はELEという国の債務を監査する会のメンバーだった。

 ELEは国の債務を調べ、それが公的な債務私的な債務かを分類し、私的な債務は返済義務がないという運動を起こそうとしていた。
私的な借金は返すな、踏み倒せ」と言うことだが、貸した側からすると私的であろうが公的であろうが貸し出しは貸し出しだから返済してもらわなければ金融行為が成り立たない。

 ギリシャの債務が膨れ上がったのは2001年のユーロ加盟からである。
それまでのギリシャ国債はまったく信用がなかったが、ユーロの一員になったことでユーロ圏が後ろ盾になった(ギリシャをユーロ圏が救うと思われた)。
それ以降ギリシャはいくら借金をしても市場が応じてくれたが、それが不動産バブルを発生させた。

 ギリシャでバブルが最盛期だったのは2004年のギリシャオリンピックの頃で、ギリシャ中に高速道路や競技場や飛行場を作りまくっていた。
資金はギリシャ国債を発行すれば湯水のように集まったので、日本の不動産バブルと同じで地方公共団体も不動産投資にのめりこんでいた。
土地を購入すれば何倍にも収益が上がる。借金をしないのは馬鹿だ」。

 しかし2008年のリーマン・ショックがすべてを暗転さしてしまった。持っていた不動産が値下がりし、企業は倒産ラッシュとなり、投資物件は焦げ付いて塩漬けになり借金だけが膨らんだ。
さらにこの状況を複雑にしたのは09年に政権をとったパパンドレウ首相が「前政権の債務残高は粉飾があって実際は債務はさらに多い」と公表したからだ。

 元々ギリシャの経済数字が粉飾があるのは公然の秘密で、公表したパパンドレウ首相もその程度の感度で「だから選挙公約を守る資金がない」と言いたかったのだが、市場のほうはパニックに陥ってしまった。
それまであえて知らないことにして舞い上がっていた市場に「本当の事実」パパンドレウ首相が知らせたことによって格付会社がギリシャ国債の格付の引き下げに走ったからだ。

注)市場は格付という虚飾の上で取引がなされており、格付会社は明確な事実が公表されない限り虚偽の事実を元に格付けを決定している。

 以来ギリシャ国債の利回りは30%以上に上昇し、実際はギリシャ国債を購入する金融機関が消えてしまった。
一方でギリシャ国債の返済日はほぼ3ヶ月ごとに迫り、この借換えができなければギリシャは倒産する運命に陥っている。

 ギリシャは巨額の債務が発覚したあとはトロイカと称するIMF、ECB(欧州中央銀行)、EUの実質的な管理下におかれ、トロイカが提示する、① 最低賃金の引き下げ、② 賃金カット ③ 公務員の削減、を飲まなければEUの支援は一切受けられないことになっている。

 番組ではELEのメンバーの女性が20億円の借金を独断で行った市長に「借り入れは合法か?」と詰め寄っていた。
この20億円トロイカの裁定で国の借金と認定されたものだが、この女性にとっては私的な債務で許しがたい汚職とみて追求していた。
一方前市長は「無担保で支払期限が25年と言う破格の条件だったので借り入れを実施し、不動産を購入してショッピングセンターを建設する予定だった」と弁明していた。
商業施設が建ったらすぐにでも返済できる。市民のためだ」とあくまで強気だったが、実際はそのような建設は金輪際できそうもない。

 ギリシャで起こっていることはバブル崩壊後の日本と同じだから別に驚くことはないが、日本との相違は市長と言う公職についている人が独断で借金をしまくっていたと言うところだろう。
こうした借金は経済が好循環にあれば問題がないのだが、反対に悪循環に陥るといっぺんで問題が表面化する。
日本で言えば第3セクターの倒産がそれだ。

注)ギリシャでは日本の自治体がしたような第3セクターを作ってそこで自由に借金をするような手間を省いて直接市長が借金をしていた。

 
ギリシャで起こっていることと日本で起こっていることはいづれも不動産バブルの崩壊で変わりがない。
相違はギリシャは国の借金の約8割が外国銀行であるのに対し、日本の場合は外国銀行の割合が10%以下と言うところだろう。
さらにギリシャは金融政策をECBに握られているのに、日本は日銀という日本の中央銀行が行っていることだ。

注)このため日本は独自のインフレ政策を採れるがギリシャにはそれができず残された手段は緊縮財政しかない。
なおインフレ政策とは実質的に消費税の値上げと同じ効果をもつ。
毎年1%インフレが発生すれば5年間で5%の消費税増税に当たり、国債は5%相当分減価される。

ELEのメンバーがいくら騒いでも結局はギリシャ債務はギリシャ政府トロイカの間で決められていく。
若者は無力感にさいなまれて自殺をしようとしたり、あるいは「残された道はギリシャを出て行くことだ」と言っていたが、実際破綻した国家の若者は19世紀のアイルランドの若者がそうであったように他国で働き場所を見つける以外に生きる手段はない。

注)
トロイカとの交渉で金融機関は50%相当の棒引きに応じたから実質的にはELEの運動は実ったことになる。


なお、ギリシャ経済については以下に時系列的にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44468201/index.html



 

 

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(24.2.19) ギリシャ支援は泥沼のごとく ギリシャの国家財政と脱税の闇

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 ギリシャユーロ圏諸国の関係を見ていると、振り込めサギにいつまでもつきあっている老人と詐欺師の関係のようだ。
ギリシャ危機が発生したのは2009年10月08年度のギリシャの財政赤字が粉飾されていると突然パパンドレウ首相が暴露したからだが、粉飾はギリシャのお家芸であることが次々に明らかになっている。

 あわててユーロ諸国は約11兆円の支援に乗り出したが、その程度では焼け石に水だと言うことが最近分かってきて、さらに13兆円の支援と国債の約5兆円の棒引きに乗り出した。
これでギリシャ人はユーロに感謝すると思ったが、反対に怒り狂い公務員はストを打つし年金受給者は年金の切り下げに反対している

 
自分たちは悪くない、悪いのは政治家と高額所得者だ!!!」
市民はそう訴えてデモをしている。
確かにギリシャでは脱税が横行し、たまりかねたギリシャ政府脱税のベスト400人を公表した。その総額は約1.5兆円最高は1000億円と言うから高額所得者の脱税は後をたたないようだ。

 しかし市民も似たり寄ったりで23%消費税を市民も商店も払わないことを誇りに思っている。
お客さん、この商品は100円で消費税込みでは123円だけど、110円にするから領収書は発行しないよ
あんた、10円は取りすぎよ。105円ならまあいいわ」なんて感じだ。

 また固定資産税をほとんど補足できないのは建物の約95%が違法建築で当然登記はされていないから固定資産税は払っていない。
これもたまりかねた政府が違法建築を摘発して、その徴収を電気代と一緒にして支払わせることにした。
これだと固定資産税を払わないと電気を止められてしまうのでしぶしぶ税金を払うことになったが市民はおまらない。
税金を払わない権利の侵害だ」と政府を突き上げている。

注)NHKのレポートを見ていたら地元の市長が「すべて違法建築だがそのうちの合法化されるでしょう」と言っていた。合法化したら固定資産税が入るのか、そうしても入らないか意味不明の発言だった。

 ギリシャの国家予算は12兆円規模で、このうち国債の償還が4兆円規模になっている。歳入は5兆円で残りの7兆円は国債の発行でまかなっているので、赤字比率は約60%と日本のそれより悪い(日本は約5割
脱税は2兆円~3兆円規模と推定されているので、本来徴収すべき税金の約3割~4割は脱税によって失われている。

注)脱税の規模については正確には分からない。先日のNHKのレポートは2割と言っていたが、3~4割程度が本当のところでなかろうか。
税務当局が脱税者を摘発しても裁判官も脱税の常習者だから有罪になることはまれだ。


 そしてギリシャは国家破産の常習者で1829年の独立以来、すでに5回の国家破産を経験している。
借金は踏み倒せばいいんだ。ギリシャに金を貸したほうが悪」いたってあっさりしているが、金を貸したフランスやドイツやスイスの銀行は死活問題になってきた。

 ギリシャ国債の残高は約33兆円だが、金融機関は現在50%の債務の削減を迫られている。
EUの金融支援、それと金融機関の国債の50%の棒引きでギリシャは立ち直るのだろうか。
もしギリシャ政府が脱税者を完全に取り締まって脱税をゼロにできれば国債の償還や利子の支払いを除けば国家予算はバランスする。
いわゆるプライマリーバランスが均衡するが、脱税天国のギリシャでそんなことができるはずがない。

注)経常支出は約8兆円、計算上はこれを徴収済み税金5兆円 + 脱税の税金の徴収3兆円でバランスが取れる。

 一方国債を発行しようにも金融機関は50%の棒引きを迫られているのだから購入者はいない。
結局EUはいつまでも歳入の不足分を補填し続けなくてはならず、残された国債の償還時期が来るたびに大騒ぎをしなくてはならないだろう。
振り込めサギの詐欺師のようなギリシャとEUはいつまで付き合うのだろうか。

注)EUは2回の支援で24兆円の資金援助をすることにしたが、今後も半永久的に資金援助は必要になりそうだ。いつまでEU諸国がギリシャに付き合っていられるかはとても興味がある。

なお、ギリシャ経済に関して過去に記述した記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44468201/index.html
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat44471509/index.html

 

 

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