評論 世界経済 オーストラリア経済

(28.4.2) オーストラリア ターンブル政権の二股外交 「俺はほんとは中国が好きなのだ!!」

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 オーストラリア政権
は果たして信頼できる相手だろうかと、オバマ政権が悩んでいる。
ここに来て豪州のターンブル首相中国の国策会社にオーストラリア北部のダーウィンの港湾を99年間にわたって貸与する契約を結んだのだが、ここはオバマ政権がアジアシフトの最重要拠点としている海兵隊が駐留する場所だ。

 オバマ氏は「なんで事前に相談してくれなかったんだ、これでは海兵隊が中国軍に丸裸にされて戦争時に は簡単に標的になってしまう。安全保障上の大問題だ」とかみついた。
しかしターンブル首相は「これは単なる商取引に過ぎない。安全保障の問題でない」といいはなった。
99年の貸与の金額は430億円で、この地を管理している北部準州にとっては思わぬボーナスだが、アメリカにとっては世界戦略上危険極まりないターンブル首相の二股政策だ。

 ターンブル氏は自由党の党首だが、2013年に労働党政権を破った前任者のアボット氏明確な反中国政策、親日本、親アメリカ政策をとったのと違って中国とアメリカの二股外交を続けている。丁度韓国のパク・クネ政権と同じスタンスだ。
もともとターンブル氏は中国共産党員と親戚関係にあるなど中国との関係が深く、親中国を公然と表明し「オーストラリアと中国は日本と戦った同盟国だ」とまで言いきっている。

 オーストラリアは中国との貿易量が全体の約25%で圧倒的に多い。
ここ数年中国経済の失速で貿易額は激減しているが、それでも中国との取引が一番なことは変わりがない。
鉄鉱石と石炭を売るなら中国しかない。中国のご機嫌を損ねるわけにいかない
経済では親中国、安全保障は親アメリカだが、この二股政策がダーウィンで激突してしまった。

 オーストラリアは労働党政権の間中国の尻馬に乗って日本バッシングを続け、特にシー・シェパードはオーストラリア政府の別部隊として活躍したが2013年の労働党政権の敗北によって日本バッシングは終わった。
勝利した自由党のアボット政権は日本との関係改善に努力したが、一方で経済の失速はどうにもならず、党内闘争で15年9月ターンブル氏にアボット氏は敗れてしまった。
アボットさん、あんたは経済政策を実行する能力がない」ということだ。

 小躍りしたのは中国で、以来再び中国の揺り戻しが始まっている。中国はアメリカの世界戦略にくさびを刺すためにここダーウィンの港湾を430億という破格の値段で賃貸したのだが、そうした中国の世界戦略にターンブル氏は実に好意的だ。
「俺は中国が好きだ。日本とアメリカを中国と組んで蹴散らそう!!」それがターンブル氏の本音だ。

 オーストラリアを西側陣営の一員としてアメリカも日本も信頼してきたが、ターンブル氏は中国の犬でとても信頼に値する人間でない。
オーストラリア経済はがたがただからターンブル氏の命脈もそのうち尽きるだろうが、それまでは日本にとってもアメリカにとっても苦難の日々が続きそうだ。


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 市民の財産は市民が守る運動の一環として昨年に引き続き一人当たり3000円のカンパをお願いできないでしょうか。カンパは塗料、草刈のガソリン代、ベンチ補修用資材に使用いたします。

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・郵貯銀行 店名 058 (ゼロゴハチ)・おゆみ野クリーンクラブ 普通預金口座(3695852)

なお、おゆみ野クリーンクラブの活動状況については以下にまとめてあります。 http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45485858/index.html

 

 

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(26.4.2) とうとう調査捕鯨も終わりだ!! モビー・ディック《白鯨》の勝利

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   長い間オーストラリアと日本の間でもめていた南氷洋での調査捕鯨について結論が出た。
ハーグの国際司法裁判所が「調査捕鯨は条約に違反しており調査捕鯨とは認められない」との判決を出したからだ。
この裁判は一審制だから判決は確定された。

 そもそも調査捕鯨というのがなぜ始まったかというと、1982年に南氷洋での乱獲が心配された商業捕鯨を一旦中止し、その間に調査を行って資源が回復したことを確認されれば捕鯨を再開するとの取り決めがIWC(国際捕鯨委員会)でなされたからだ。
日本はそれに従って調査捕鯨を始めたが、一方捕鯨反対国は当然そのような捕鯨を行わないから、資源量についての報告に全く一致点を見いだせなくなってしまった。
ほれ見ろ、こんなにクジラ資源が復活しているではないか
「とんでもない、死滅しそうな資源を日本はさらに乱獲している

 本来は1990年に商業捕鯨の再開の是非を検討することになっていたが、全く話し合いが行われずその結果日本は調査捕鯨を継続し、一方オーストラリアはシー・シェパードを資金援助することで実質的な妨害工作を行ってきた。
現在調査捕鯨で捕獲される頭数は南氷洋で約100頭、北西太平洋で約400頭500頭程度で、商業捕鯨が禁止になる前の3000頭前後に比較すると約6分の1の水準になっている。

注)南氷洋での調査捕鯨はシー・シェパードの激しい妨害にあっていたので、北西太平洋に漁場を変えている。

 IWCは全く機能不全だからいくら協議をしても駄目なので、オーストラリアは国際司法裁判所に訴えたのだが、正式に訴えられると調査捕鯨については最初から分が悪い。
一番の問題は「なんでクジラを殺さなければ調査にならないのか。ライオンの頭数を確認するためにライオンを殺すか!!という主張に反論できないからだ。

 もともと調査捕鯨自体も妥協の産物で、「単に捕鯨をしないだけでは頭数の確認ができないので調査を行う」と日本を含む捕鯨国が巻き返しをした結果で、捕鯨国はそうして捕鯨を継続しようとしたが、一方で捕鯨反対国は調査捕鯨を妨害してきた経緯がある。
考えてみればクジラを殺さなければ頭数の確認ができないというのはかなり乱暴で、本当に調査だけなら飛行機や船舶による目視やソナー等による調査が可能で実際の動物の生態調査はそのように行われている。

 日本はクジラを食べる食文化があると主張してきたが、一般の人が鯨肉を食べることは今はほとんどない。私が子供の頃は肉と言えば鯨肉で、あの硬く味覚からは完全にかけ離れた鯨肉の他に食べ物がないために致し方なく食べたものだ。
だから私などは「鯨肉だけは一生食べたくない」というのが本音で、とても食文化を支持する気持ちになれない。

 別に日本人は鯨肉を食べなければ餓死することもないし、それ自体おいしいものでもなく、またオーストラリアやアメリカと反目してまで捕鯨を継続する理由もない。
昔はアメリカを中心にモビー・ディック白鯨)を追い求めていたのだから、何をいまさらという感じもするし、「あんたら、牛や豚の肉はよくてなぜ鯨はダメなんだい」と皮肉の一つも言いたくなるが、鯨は養殖ができないのだからいくらでも繁殖できる牛や豚と同じにするわけにもいかない。

注)オーストラリアの反捕鯨運動は非常に厳しいものだったが、その内容は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/20526.html

 日本は法治国家で世界の法体系には従うのが定めだ。
国際司法裁判所の判決は南氷洋での調査捕鯨の禁止だが、このさい北西太平洋を含めて調査捕鯨から一切手を引く方が日本全体の判断としては正しいと私は思う。

 

 


 

 

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(25.9.12) 中国経済の失速とオーストラリア政治への影響  中国離れが始まった

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(ネパールのシバ神 日本の仁王様)

 オーストラリア政変が起こっている。最近行われた総選挙で与党労働党が大敗し、野党連合の自由党・国民党が過半数の議席を確保した。
もっとも日本人はオーストラリアの政治について普段注意を払わないから、このことが何を意味するか分からないだろうが、日本人が分かりやすい例でいうと、民主党が破れて自民党と公明党の地滑り的勝利と同じだと言えばイメージがわくだろう。

 労働党は中国に対し親中政策をとり、反対に日本に対しては捕鯨問題等で非常に厳しい態度をとってきた。
また環境保護には熱心で企業に炭素税を課して、アンチ企業のイメージを強く打ち出していたが、内部では政争が絶えずラッド氏ギラード氏が交互に党首を交代し、足の引っ張り合いをしていた。
親中国、環境保護、内部抗争と言えば日本の民主党とそっくりだと分かるだろう。

注)鳩山元首相は二酸化炭素25%削減を公約したし、小沢訪中団は民主党議員143名を引き連れ胡錦濤主席に拝謁した。

 労働党が政権に着いたのは2007年で、その後約6年間にわたって政権を維持できたのは(日本の民主党は約3年半)、もっぱら中国経済の好調に引っ張られて石炭と鉄鉱石の輸出が好調だったからだ。

注)オーストラリア経済の実態については「オーストラリア経済の曲がり角」という記事を記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-45ae.html

 だが、所詮はオーストラリア経済は中国経済の影であり中国経済の失速に伴いオーストラリア経済に黄色信号がともり始めた。
鉄鉱石も石炭もその主要な輸出先である中国が購入してくれなくてはどうにもならない。
鉱物資源の輸出が不調になるにつれ企業から不満が噴出しだした。
企業経営が追い込まれているのに炭素税まで支払っていては企業が持たない
労働党のギラード政権は国民からすっかり嫌われ、総選挙で敗れて下野した。

 オーストラリアの貿易額の約20%は対中国で、これはどこの国に対する貿易額より大きい。
しばらく前まではオーストラリアにとって最高のお得意先は日本だったが、最近は中国で日本との差は開くばかりだった。
そのためオーストラリアはすっかり中国経済に取り込まれ、口を開けば「最大の友好国は中国」で、一方日本などはどのように取り扱っても怖くないと思うようになっていた。
日本はクジラを食べる野蛮国だ!!!」
労働党政権はシー・シェパードを実質的に応援し、日本を提訴している。

 しかしここにきて経済情勢は大幅に転換されつつある。
中国経済の停滞、日本経済の復活が明確になるにつれ、労働党政権の対中国シフトに疑問が投げかけられるようになったからだ。
もしかしたら中国は非民主主義国家ではなかったかしら・・・・・・・・・・」

 今世界各国で中国の影響力の後退が始まっている。
親中国政権だった日本の民主党も下野し、同じくオーストラリアの労働党も下野した。
インド洋の島国モルディブでは親中国政府が親インド政府に変わってインド洋の覇権争いでインドが巻き返している。
ミャンマーはすっかり中国離れをしたし、今中国と一蓮托生の運命をかけているのは韓国のパク・クネ政権ぐらいだ。
憎い日本をたたくために一緒に頑張りましょう」

注)パク・クネ政権は日本のオリンピック招致を妨害するため、意図的に日本からの海産物の輸入禁止措置をとって福島原発の汚染水問題をアピールしたが、安倍首相の反撃にあって失敗した。

 こうして中国経済の失速に伴い、金の切れ目は縁の切れ目になりつつある。オーストラリア自由党は日本、アセアンとの友好関係の再構築に乗り出し、中国一辺倒の政治姿勢を転換しようとしている。
リーマンショック時に中国との結びつきを強化して不況を乗り切ったオーストラリアは、今度はその中国経済の停滞を見て、「次は日本とアセアンだ」と巧みな国際政治の遊泳術を発揮している。
人口2500万人の資源と農産物と観光以外に何もない国では、そうした遊泳術以外に生き残るすべがないのだろう。

なお、オーストラリア経済についての記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44300846/index.html


(別件)ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせ。

以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)

https://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&tab=wl

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

 

*人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません)

 

主催 ちはら台走友会 担当 山崎次郎

 

 

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(24.12.14) 金(かね)の逃げ場がない!! 残された市場の選択は豪ドル預金だ!!

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 すっかり資金の流れが変ってしまった。日本では自民党が大勝しそうで安倍政権ができることが確実となるにつれ、資金が日本から逃げ出している。
安倍総裁は勝利したら日銀を隷属させ、建設国債をすべて日銀に引受させると公言しているのだから資金が逃げるのは当然だ。
FRBのバーナンキ議長でさえ、そこまでは恥ずかしくていえないだろう。

  ヨーロッパでは謹厳実直なドイツ連銀がEUの金融政策を監視しているので、市場では今円を売ってユーロを買う動きが急速に拡大している。
そしてもう一つ市場が注目しているのがオーストラリアだ。

 最近までのオーストラリア経済は順風漫歩を通り越して絶好調だったが、ここに来てかげりが出てきた。
オーストラリア経済は鉄鉱石石炭と言った鉱物資源を中国や日本に販売して潤ってきたのだが中国経済が急停車し始めた。

注)最近のオーストラリア経済の分析記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-45ae.html


 しかしそれでも資金がオーストラリアに逃げ込んでいるのは相対的に最もまともな経済であり、その結果の金融政策だからだ。
オーストラリア国債の格付けがトリプルA最高なのは国家の債務が少ないからだ。
GDPの11%と言うから、日本の200%イタリアの100%に比較すれば健全なんてものではない。
さらにギラード首相は財政の赤字を4年ぶりに黒字化すると公約している。

 ギラード政権は鉱物資源利用税を導入して好調な鉱物資源会社BHPビリトン等)から税金を巻き上げそれで健全化計画を達成しようとした。
しかしここに来て鉱物資源会社の収支は悪化しており、税金を納めることができなくなって黒字化計画に黄色ランプがともっている。
しかし日本のように一般会計の約5割を国債でまかなう国と、無借金で行こうとする国との差は大きい。

 またオーストラリアの4大金融機関の経営状況もいたって健全で、リーマンショックの影響をほとんど受けていない。
おかげで株式の評価額でコモンウェルス、ウェストバンク、ANZは日本の三菱UFJより大きい。
現在日本の金融機関は西欧勢がアジアや中東から総引き上げの状態の中でその存在感を増しているのだが、その日本の金融機関より株式の評価額も格付(上から2番目)も高いのだ。
オーストラリアではノンバンクがリーマンショック前にサブプライムローンの証券化商品の販売に手を出していたが、一方金融機関はそうした取引に手を出さなかったためにリーマンショックの影響は軽微に止まった。

注)4大銀行の資産規模はそれぞれ50兆円規模だから、4行合わせてちょうど三菱UFJと同じレベルになる。このため今までは世界の金融機関とは認められてこなかったが、その健全性から急に存在感を高めている。

 いまアメリカ、EUそして日本が金融緩和の競争をしている。あまった資金はどこかに向かわなくてはならないが、そのラストリゾートが豪ドル預金(あるいは豪州国債になりそうだ。
なにしろオーストラリアの経済はそれなりに順調だし、政府の財政も健全だから、無理な金融拡大策はとらないだろう。そうなれば豪ドルは他通貨に比較して豪ドル高になるから、これは一番の安全確実な避難先だ」と言う感じだ。

注)他にも金(きん)に資金が向かっており中央銀行でひそかに金準備の増額を図っている。又豪ドルについてはロシアとシンガポールが準備通貨に繰り入れた。
それ以外にヘッジファンドや海外の銀行が豪ドル預金に殺到している。

 
現在資金は最も金融政策がしっかりしたところに殺到している(財政政策ではない)。
しばらく前までは日銀が円の価値維持に熱心だったので(
政府は信用しないが日銀は信用できたので)日本に資金が向かっていた。
しかし安倍政権ができれば円の信任は地に落ちそうだ。こうして資金は最も安全と思われる豪州に向かって一斉になだれを打ち始めた。


なお、オーストラリア経済全般については以下に記事を纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44300846/index.html
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat37400255/index.html

 

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(24.10.6) オーストラリア経済の曲がり角 中国経済の裏鏡の悲しさ

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 最近まで好調を維持してきたオーストラリア経済が曲がり角に差し掛かった。
オーストラリア経済は中国経済の裏鏡といっていいほど中国経済と関係が深く、中国経済の変調をまともに受ける。
それが顕著に現れているのが貿易収支で、10年、11年と絶好調であった貿易収支が12年に入り赤字基調になり、特に8月に入り急速に赤字幅が拡大し始めた。
原因は中国への鉄鉱石と石炭の輸出が減少したからだ。

注)12年8月の貿易収支 輸出 246億オーストラリアドル、輸入 266億オーストラリアドル、▲20億オーストラリアドル

 オーストラリア経済はリーマンショック前までは貿易収支所得収支も赤字で海外からの投資を呼び込むことでかろうじて成り立っていた弱者の経済だった(だからオーストラリア預金の金利は高かった)。
それがリーマンショック後中国が景気対策を強化し、オーストラリアから鉄鉱石と石炭の輸入を急拡大させたことから、信じられないような鉱物資源の採掘ラッシュが始まり、貿易収支の黒字が定着した。

注)11年度貿易総額のウェイト。中国20%、日本12%、アメリカ6%でオーストラリアとって中国が最大のお得意様になっている。

 私の息子は仕事で日常的にオーストラリアに出張しているがそのたびに「オーストラリアはなんて景気がいいんだ。何しろ鉱山会社の募集が引っ切り無しで、大型トラックを運転すれば年収1000万は軽く稼げる。だからみんな鉱山に働きに行ってしまった」と驚いていた。
オーストラリアのGDPの伸び率はここ数年2%~3%だが、鉱山業だけに限ればバブルと言っていいような状況だった。

 しかし12年度に入り鉄鉱石価格はジリジリと値下がりをはじめピーク時の半額になりつつあり、また石炭価格も同様の動きを始めた。
中国のインフラ投資にかげりが出ていることと、民間の建設投資が一気に冷え込んでいるからだが、その影響がオーストラリアの貿易収支にはっきりとした形で現れている。

鉄鉱石価格の推移グラフ
http://ecodb.net/pcp/imf_usd_piorecr.html#index01

石炭価格の推移グラフ
http://ecodb.net/pcp/imf_usd_pcoalau.html#index01

 RBA(オーストラリア準備銀行)もオーストラリア経済が下降局面に入ったことを認め政策金利を0.25%引き下げて3.25%にしたものの、問題は単なる景気減速に留まるかどうかだ。

 中国の経済実態は統計数字がそもそも粉飾が施されているので良く分からないが実際はひどい景気後退に見舞われハードランディングの可能性が高い。
そうした兆候はいたるところにあり、製造業の景気指数は2ヶ月間にわたって50を下回っている。
中国国内での日本車の販売も極度に不振だが、これは尖閣諸島問題の影響もあるがそれ以上に中国の消費が冷え込んでいるからだ。

注)中国のハードランディングの可能性については以下の記事に記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-b492.html

 
 中国の景気後退の様子は中国との貿易関係が強いオーストラリアの貿易収支の動向を見ていったほうが分かりやすく、それによれば12年度に入って中国は景気下降局面に入り、8月からその傾向が一層激しくなっている。

注)貿易収支の推移は以下のグラフ参照
http://gogogofx.com/contents/usadata/au_tradebalance.html

 中国特需で潤っていたオーストラリア経済もこの辺が限界で、鉄鉱石も石炭も中国需要が減少しかつ価格が低下してしまえばまた昔のか弱い経済に戻らざる得ない。
今中国の景気後退が世界に確実に広がっている。

なおオーストラリア経済に関する以下の記事も参考にしてください。

① 昨年までの好調な経済についての記事
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/2367-9566.html

② オーストラリア経済の基本構造の分析記事
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/211010up-0c83.html


 


 

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(23.6.7) 為替相場から見たリーマン・ショックのその後 なぜオーストラリア経済は好調か?

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 対円の為替相場をリーマン・ショック後の推移をたどってみると驚くべき特色がある。リーマン・ショックは円の一人勝ちであり、その後の2年間に対円の為替相場は上昇組みと長期低下ないし安定組みに分かれた。
上昇組みのチャンピオンはオーストラリアとスイスだから、ショック後オーストラリアやスイスに預金を移した人は信じられないような収益を上げられたことになる。

                   ショック前  ショック直後      最近 
・オーストラリア 100円    60円 ▲40%  85円  +40%  
・スイス      105円    80円 ▲25%  95円  +20%   
・アメリカ     120円    85円 ▲30%  80円  ▲5%   
・ユーロ      170円   120円 ▲30% 115円  ▲5%   
・イギリス     240円   130円 ▲45% 130円  -   
・中国        16円    14円 ▲10%  13円  ▲10%    


注)リーマン・ショック前までは金融の超緩和策をとっていたのは日本だけだったので、円が実力より安く評価されその分輸出企業は収益を拡大できた。
リーマン・ショック後はアメリカ、EUも超緩和に転じたため、ショック後の為替相場が実力どおりの数値になってしまった。
その後の為替相場の推移は、ここ2年余りのその国の経済状況を反映している(
ただし中国は為替管理を行っているのでこの限りではない)。

 このところのオーストラリア経済は絶好調だ。特に貿易収支の黒字化が定着してかつての日本のような貿易立国になってしまった。
輸出の目玉は鉄鉱石や石炭と言った鉱物資源であり、こうした鉱物資源の高騰がオーストラリア経済の躍進を支えている。

注)10年4月以降、貿易収支は黒字が定着しており、毎月20億オーストラリアドル前後(約1700億円)が続いている。

 鉄鉱石にしても石炭にしても又銅鉱石にしても主たる需要者は中国で、オーストラリアの一番のお得意様だ。
中国経済そのものも年率10%前後の躍進だから、その中国経済にディペンドしたオーストラリア経済が順調なのは当然といえよう。
OECDの11年度のGDP予測も他の先進国のどこよりも高く2.9%の予測になっている。日本がマイナス成長で苦しんでいるのに比較して好対照だ。

注)オーストラリアの主要輸出先は長い間日本だったが09年ごろから中国に取って代わられた。

 リーマン・ショック前まではオーストラリア経済は弱者の経済だった。
貿易収支は常に赤字で、外国からの借金で帳尻をあわせていたため所得収支(金利の支払)も赤字、おかげで経常収支は常に赤という何か万年赤字経営の弱小企業のような状態だった。

注)四半期ごとの経常収支はなお赤字だが、赤字幅は順調に縮小している。

 しかし世の中とは分からないものだ。リーマン・ショックで日本、アメリカ、EUが競争で金融緩和を行い資金が市場にあふれてしまった。
この資金をヘッジファンドが希少資源得のための投機資金に使用したため、瞬く間に鉄鉱石が2006年対比約2倍、石炭が3倍になって、オーストラリアの交易条件は劇的に改善された。
中東湾岸諸国が石油で潤ったが、オーストラリアは鉄鉱石と石炭で潤ったわけだ。

 おかげで外国からの資金調達のために高く設定されていた金利(現在の指標金利は4.75%、リーマン・ショック前は7.25%)も低下傾向だし失業率も減少しているし、財政赤字も解消の目処が立ってきた。
しかも人口も移民の増加等で順調に増加しているから、当面オーストラリアに懸念材料はない。

注)オーストラリアの高齢化率は10年度で13.7%、これはアメリカの12.8%に近く、若い移民者が高齢化率を引き下げている

 元々オーストラリア人はアメリカ人に比較するとシャイで自己主張が少なかったが、最近は捕鯨問題やイルカ問題を見ても分かるように、やたらと口うるさくなっている。
経済成長がオーストラリア人の自信につながったと言うことだが、たのみの中国経済が順調である限りはオーストラリア人の自信拡大は続くだろう。

なおオーストラリア経済について記載してきた記事は以下のとおり。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat37400255/index.html

 

 

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