(29.11.2) 不動産所有の崩壊 土地の価値が失われていく!!
日本では日ごとに土地の価値が減少している。高度成長期のころは不動産神話というものがあって、どんな土地でも値上がりしていたが、今では利用価値のない土地は全く見向きもされず荒れるに任せている。
増田元法務相の研究グループの試算では、16年度の所有者不明の土地は約410万㏊と九州と同じぐらいの面積になっている。問題はこの傾向はますますエスカレートし2040年までには北海道と同じ広さの720万㏊になる可能性が高いという。
日本国中所有者不明の見捨てられた土地ばかりになってしまう。
なぜこんなに所有者不明の土地が増えるかというと、人がいなくなり土地に価値がなくなってきたからだ。
山林などは植林もされずに原生林のようになり、田畑も限界集落では全く見向きもされない。住む人がいなければ住宅地も全く荒れ放題になり、ぺんぺん草が生い茂っている。
日本人の人口は今世界最速で減少していて東京や名古屋や大阪といった都市近郊以外の場所では人口の減少が著しい。
地方公共団体は思い余ってコンパクトシティという概念で残った住民を一か所に集めて、そこだけに公共サービスを行おうとしているが、年寄りは今住んでいるところが一番だからおいそれとこうした提案に乗ってこない。
結局そこに住んでいる人の寿命がその集落の寿命になり、そうして土地はかつてそうであったように自然に戻っていく。田園まさにあれなんとすだ。
日本の資本主義は明治以降成長の一途をたどってきたが、1990年のバブル崩壊以降は完全に成長は止まってしまった。成長が止まった最大の理由は人口が増えないからだが、高度に発達した資本主義社会では子供は馬鹿高い消費財だから、理性的な傾向が強い人は子供を作らない。
その結果人口は増加せず、増えるのは老人ばかりだから医療費以外の需要は全くと言っていいほど伸びない。
老人は体力がないから旅行などは控えるし、胃腸も弱っているので食欲などはわかず、「お茶漬けが一番だ」などというので永谷園以外は上がったりだ。
住宅は手当てが終り、さらに相続などで田舎の住居を相続しようものならその保守に追われるだけだから、「なんでこんなものを相続してしまったのか」とため息ばかりついている。
現在東京などの都市部の住宅価格や不動産価格が上昇しているが、これは日本人が購入しているからではない。日本人にとっては不動産などは食傷気味の資産で、まともな日本人なら不動産に手を出さない。
しかし外国人、特に中国人は今だ20世紀の人間で土地神話に取りつかれているから、転売目的と習近平の査察部隊から逃れるために東京都市部の不動産を盛んに購入している。
日本の不動産は中国人のおかげで値上がりしているが、いづれ中国人も日本人と同様に不動産神話から目覚める時期が来る。
何しろ中国も一人っ子政策が効果が効きすぎて早晩人口減少になることは確実だからだ。
いづれ北海道に匹敵する土地が不要になるのだから、領土問題などまったく一顧だにされなくなる。国後・択捉といった北方領土で日本とロシアが角を突き合わせているが、日本とロシアは世界に先行した人口減少国だから、黙っていてもこうした地域からは人がいなくなる。寒くインフラも十分でない土地に若者が居つくはずがなく、老人が死ねば住む人はいない。
尖閣諸島も中国は意地を張って艦船や巡視船を遊弋させているが、なぜこんなことをしなければならないかそのうちに自問するようになるだろう。
尖閣諸島が大事なのは海底資源の確保のためだが、そもそも海底資源など経済的にペイするはずもなく、資源そのものが必要なくなっていく。
中国も人口減少に見舞われて経済成長をする必要がなくなるからだ。
21世紀に入り突然といっていいような速度で、土地や資源が不要になってきた。人類が成長限界に達しこれ以上人口が増加するよりも減少することが確実になってきたからだ。今は先進資本主義国特有の現象と思われているが、いづれ中進国にも及び、全世界的な規模で人口減が始まる。
ダーウインが予言したように増えすぎた人類に淘汰が始まったのだ。
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