(2.11.25) そして相撲のとれる力士がいなくなった!
横綱審議委員会が横綱の白鵬と鶴竜に対し「休みがあまりに多く横綱としての責任を十分に果たしてないため注意を行う」としたが、この「注意」決議には本当の驚いた。事の本質を全く理解せず「注意」というかなり重い勧告をしたのだが、実に愚かしいことだ。
なぜ白鵬と鶴竜が3場所連続で休場し、ここ12場所で8場所も休場したかといえば、出場すれば怪我がさらに悪化し相撲人生が終わってしまうからだ。
かつて貴乃花や稀勢の里がそうして短かった相撲人生を終わらせたが、相撲ほど危険な格闘技は他にない。裸でしかも60cmもある土俵から転がり落ちれば下はコンクリートのような土だ。まともに相撲を取ればけがをしないほうがおかしく、今場所は大関の朝乃山も正代もけがで途中休場してしまった。
貴景勝が一人頑張って何とか優勝してくれたから助かったが、これで貴景勝も途中休場しようものなら、その時点で大相撲は崩壊していた。
何とか首の皮一枚で残ったものの、大相撲の将来は暗澹たるものだ。
大相撲が崩壊期に入った理由は、けが人続出で相撲を取れる力士がいなくなるからで、今回も横綱二人と大関二人が相撲を取れなくなった。
かつては八百長が横行し、それによって力士がけがをするのを防いできたが、警視庁に八百長を示唆した取組表を抑えられ世間に八百長がばれてしまった。以来相撲協会は八百長撲滅に取り組んでそれは効果があったのだが、その結果ガチンコ相撲になってけが人続出の状況になってしまった。
だれもが出場すれば怪我をして相撲人生が終わるのを知っているから、力士は対抗策として出場をサボタージュしている。
白鵬も鶴竜も協会の顔を立てるために相撲人生を終わらせる気持ちはさらさらないから、横綱の特権である休場を繰り返している。
大関以下はそうはいかないから懸命に出場するが、大関になったとたんにけがで陥落してしまい、幕下まで落ちてはカンバックしている。照の富士も栃乃心も幕下まで落ちたが、一度けがをすれば最低でも1年程度は回復に時間がかかり、その間休場すれば番付はつるべ落としのあきの風だ。
横綱審議委員会が愚かなのは、相撲協会が力士の安全性を無視して、奴隷の如き状況で相撲を取らせていることに全く言及しないことだ。
これでは白鵬も鶴竜も相撲を取る気持ちがなえるだろう。
安全性を図るなら他の競技がしているように土俵下にはマットを引いて落ちてもクッションでけがをしないで済む様にしたり、また土俵を60㎝などというばかげた高さですることを止めて、少なくとも半分の30cmぐらいまで引き下げるとか、あるいはアメリカンフットボールの選手がしているように体をプロテクターで守るといったような措置をとるべきだ。
力士がいなければ相撲そのものが成り立たないのだから、相撲協会も横綱審議委員会も、なぜ横綱二人、大関二人が休場せざる得なくなったのかの現実に目覚めない限り、来場所は貴景勝も休場して大関異常が一人もいなくなってもおかしくない。
なぜこれほど安全性を無視した競技が行われているか理解に苦しむ。
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