(24.2.4) 森の幼稚園 農業大学教授 上原巌氏の話
私はまったく知らなかったが世の中には「森の幼稚園」と言う取り組みがあるという。
今回おゆみ野の森のメンバーのFさんが、1月28日(土)にその道の第一人者と言われている農業大学の上原教授を招いて講演会を開催してくれた。
私も森のメンバーの一員だからこの講演会に参加したのだが、正直言って最初は何の話があるのかわからなかった。
上原氏の話を聞いてはじめて知ったが、デンマークやドイツなどでは1960年代ごろからこの「森の幼稚園」の取り組みが始まったと言う。
最初はデンマークの子供好きの主婦が子供を集めて森で遊ばせたのが始まりだそうだ。
子供などは森に行くと遊ぶものだと私は思っていたが、昨今の子供は非常に管理された場でしか遊ぶことをしていない。またゲームなどに夢中になっているので、考えてみたら普段は森で遊ぶことはしないようだ。
現在ドイツで行われている「森の幼稚園」は400箇所程度あるそうで、この幼稚園は普通の幼稚園のような建物が存在するわけでない。
決まった時間に森の一定の場所に集まってきて、それから後は子供たちの自主性に任せて勝手に遊ばせている。
週5日間開催されるのは通常の幼稚園とまったく同じで、よほどひどい天候でない限り中止になることはない。
ここまで説明を受けて私はNHKの番組でこの「森の幼稚園」が紹介されていたのを思い出した。
記憶では裸同然の子供が水遊びをして遊んでいたと思う。
幼稚園だからサポートをする大人もいる。通常は15人クラスで2名の大人が受け持つのだそうだが、この大人は指示もしないし子供たちの手助けをすることもしない。
ただ見守っているだけで、たとえば子供が水に入って流されては大変なので水遊びのときは川下にいて流れてきた子を救おうとしていた。
こうしていると子供の中で年長者や経験が豊かなものが他の子供をリードして遊ばせるようになり、すべては子供が主体になって遊ぶという。
日本の幼稚園を見慣れたものからすると、英語も漢字も習わないし、社会的な礼儀作法を教えるわけでないし、身体中真っ黒になって遊んでいるので御世辞にもきれいといえないので、「本当にこれでいいのだろうか?」と思ってしまいそうだ。
そして何より小学校の前準備としての幼稚園と言う役割が希薄なのではないかと危惧の念を持ったが、これでいいのだという。
これも上原先生から聞いてはじめて知ったが、精神的な傷害がある子を森で遊ばせるとその傷害が大きく改善するのだそうだ。
通常これを「森林療法」と言うのだそうだが、一種のアロマセラピーのようなものかも知れない。
私自身も森に行くのがとても好きで、新緑の頃の木の葉の匂いなどはかいでいるだけで幸せな感じがする。
むかし高校生だった頃、春になると多摩丘陵の新緑の雑木林を意味もなく歩き回っていたが、今で言う森林浴を楽しんでいたのだと思う。
その後登山に熱中したが、春と秋の森が特に好きだったのはその匂いが素敵だったのだと上原さんの話を聞いて思った。
この講演会には30名程度の人が集まった。上原先生の話は1時間程度で終わり、その後はおゆみ野の大百池(おおどいけ)方面を散策して、12時ごろからおゆみ野の森でバーべキューパーティーを開催した。
当日は気温も低く風もやや強かったが、とても楽しいひと時だった。
なお上原先生の当日のブログの記事は以下のとおりです。
http://blogs.yahoo.co.jp/ueharaiwao/22437235.html
またおゆみ野の森の活動については以下のブログが参考になります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43732668/index.html
http://blog.goo.ne.jp/oyuminonomori
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