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(2.11.21) 人類衰亡史序説 日本 その38   国家独占資本主義の時代

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 国家独占資本主義とはレーニンが帝国主義論の中で述べた概念だが、今やどこもかしこも国家独占資本主義の時代に突入しつつある。最も典型的なのは中国で国営企業を中国共産党の支配下に置き、国家をあげて企業の育成を図った結果、中国国営企業は世界を席巻することになった。
株式の時価総額ランキングで見るとアリババ6位、テンセント9位、中国工商銀行19位、中国平安保険31位といったところで今やアメリカを脅かすほどになっている。
最もこうした企業は民間企業の形をとることが多いが中国大企業で中国共産党と関係しない企業などありえない。

 だがこの国家独占資本主義は中国の専売特許ではなく、昨今は日本もやや形式は異なるが国家独占資本主義国になりつつある。
日本の株式の最大の購入者は最近まで年金運用独立行政法人だったが、ここにきて日銀が最大の株主に名乗りを上げつつある。日銀はETF上場投資信託)を景気対策とコロナ対策の一環として当初は毎年1兆円規模、現在は12兆円まで枠を広げ時価評価ベースで42兆円のETFを購入した。

 日銀が日本企業の大株主に名乗りを上げており、日本の株式を年金基金とともに懸命に下支えをしている。ここにきて日本の株式は1991年以降の最高値を記録しているが、大株主が日銀であれば資金は基本無尽蔵だからいくらでも株式の購入はできる。
中国などは上海市場で株価が急落しそうになると国営企業や国営銀行が買い支えに入るが、日本も日銀と年金基金がその役割を演じている。

  アメリカではGAFAといった民間の大企業が自身で株価を買い支えているが、日本や中国は国家が買い支え、株式の傾向的な高値を演出している。株式会社はもはや国家から独立した組織でなく国家の支援なくして存続できなくなっており、無原則ともいえる日銀の金融緩和によってかろうじて生き延びている存在になってきた。
もしアメリカ、EU,中国、日本が実施している金融の超緩和がなかったら、世界は1930年代の大恐慌を追体験するところだが、そうなっていないのは国家の役割に株式の買い支えを加えたからだ。

 今後も世界経済はコロナ禍で低迷が続き、株式会社の経営を圧迫するがそれでも株価が急落しないのは日銀が買い支えているからだ。これを21世紀の国家独占資本主義というのだが、資本主義を支える方法が無限ともいえる金融緩和だけだから、これによって世界が支えられているというのは何とも物悲しい。

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