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(2.11.29) 人類衰亡史序説 北朝鮮 その    世界で最も人民にやさしい金正恩氏の憂鬱

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 北朝鮮の金正恩氏がどうやら強迫神経症に陥っているようだ。
何しろ北朝鮮経済はどん底で、産業稼働率は最低、コロナで貿易がほぼストップし、さらにこの夏は集中的に台風が襲ってきて農業生産もほぼ壊滅状態になっている。
人民には涙を流して謝罪していたが、一方でコロナが発生した地区の責任者は銃殺刑に処せられるし、コロナ禍で密輸入を試みた幹部も銃殺刑に処せられたと韓国の情報部が公表した。

 金正恩氏としては2020は最悪の年になっている。コロナを恐れて命綱の中国貿易を制限したため、貿易量は昨年比4分の1まで落ち込んだ。物資が入らないため食料品や調味料の価格が4倍に跳ね上がったのはかわいいほうで、砂糖などは50倍に値上がりしているという。これでは飢えに最も強いといわれる北朝鮮人民といえども生きていくのは大変だ。
金正恩氏が出席した会議などでは、幹部がスタンディングオベーションをするのが常だが、心のうちでは「この豚野郎、早く死ね」と思っていることは金正恩氏も知っている。

 北朝鮮という世界で最も貧しい国の一つを引継ぎ、故金日成主席が「人民に瓦の屋根ぶきの家と、白いコメとキムチを腹いっぱい食べさせたい」といった約束は何年たっても果たされぬまま、状況はさらに悪化し人民は飢餓線上をさまよっている。
日本のような国ならば政権交代が起こって新たな方式が導入されるのだが、北朝鮮では首領はいつまでたっても首領だから、この3重苦の責任をかわいそうな部下に押し付け銃殺刑にするよりほかに手はない。

 コロナが北朝鮮社会でも蔓延しており、韓国から医療器具やワクチンを入手したいのだが、「コロナ患者は一名もいない」と世界に公言している手前、韓国の文大統領に人道支援を申し込むこともできない。
マスクや酸素吸入器が不足しており、もし文大統領に窮状を訴えれば涙を流さんばかりに緊急援助をしてくれるが、何しろ一名たりとも患者はいないのだから、マスクも呼吸器も必要ないはずで、とても韓国から人道援助を引き出せるような状況でない。
しかもケソン工業団地の共同使用館は先日金正恩氏が病気で寝ていた間に妹が爆破してしまったので、話し合いの糸口さえない。

 北朝鮮が生き延びる道はミサイルをイランに売却することと、セキュリティーの甘い金融機関にハッキングし、金を強奪する以外にはない。
そこまでして人民のことを思っている金正恩氏の努力を無視して、食料品をひそかに輸入したりする不届きな幹部は銃殺して当然の報いを受けている。
国民が飢え苦しんでいるのはすべては部下の責任で、金正恩氏は人民の生活をせめてアフリカの難民レベルにしたいという涙ぐましい努力をしている良き指導者だ。
はたして金正恩氏はこの3重苦を乗り越えられるだろうか。もし乗り越えられない場合はまた多くの幹部を銃殺刑にしなければならなくなり、そのたびに数少ない銃弾を使用せざるを得ないことが金正恩氏の心を暗くしている原因だ。

 

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