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(2.11.13) 人類っ衰亡史序説 アメリカ その30  ついにワクチン開発には成功したが・・・・・

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  今世界中で大騒ぎになっているニュースはアメリカ大統領選挙のことではない。世界各国、特にアメリカ、ヨーロッパを中心にメディアが最も熱心に取り上げているニュースはアメリカ・ファイザー社とドイツ・ビオンティックが開発に成功したコロナワクチンについてだ。
ほとんどこれで世界が救われるというような雰囲気であり、アメリカの株式は史上最高値をつけるし、日本でも1991年以降の最高値になった。

 ファイザー社の発表によれば治験の第3段階が終了し、ワクチンの効果はほぼ90%の確率で得られたという。最もこれは中間報告だから、早急に副作用がないかどうかを含めて今月末までには正式発表をするという。
今ヨーロッパとアメリカを中心にコロナウイルスの第3波が到来しており、感染者数は過去最高を更新している。幸いにも死者数は第1波のような次から次に人が死ぬことはなく、1波の約半数程度の死者になっている。それでもイタリアやスペインやフランスでは集中治療室がコロナ患者で満室になり、再び医療崩壊が起こるのではないかと戦々恐々としている。

 どこの国も早くこのワクチンが供給されることを望んでいるが、本年度中の供給はアメリカ国内に限られ、それも医療従事者と老人だけで海外へは年が明けてからの供給になるようだ。しかもこのデリバリーには特別な条件が必要で、ワクチンはマイナス70度C以下で冷凍保存しないと瞬く間に効果がなくなるのだそうだ。
通常病院にはマイナス70度C以下の冷凍庫は存在せず急きょ冷凍庫の設置が必要になり、また運搬途中でも70度C以下に保てる設備がなくてはならない。
冷凍庫製造メーカーがいくら頑張っても、そうした冷凍庫をしかるべき病院に配備するまでには相当の時間がかかりそうだし、その費用負担をだれがするかという問題も残る。政府の補助金なしに病院が自主的に冷凍庫を設置するとはとても思われず、政府との折衝に相当な時間がかかりそうだ。

 やはりファイザー社がいくら生産に成功しても、ロジスティックやデリバリーが整備されない限り絵に描いた餅になってしまう。それでもこうしたワクチン開発に成功したことは人類にとって行幸であることは間違いない。
ロシアや中国が同様にワクチン開発に成功したとアナウンスしているが、ロシアは治験の第3段階を飛ばしており、中国はデータをねつ造している。

 アメリカやヨーロッパや日本のような先進国はロシアと中国が開発したワクチンを全く信用してないが、いずれも十分な治験をせず、指導者のメンツを立てるためだけに開発が成功したことになっているためだ。
最もこのファイザー社のワクチンは相当高価になりそうで、政府の補助金なしに一般国民が接種できるような代物でない。このため先進国はファイザー社のワクチン接種を行うことができるが、開発途上国などはとても手が出ない。
中国などはアフリカ諸国を相手にワクチンを供給するというが、ファイザー社のワクチンのように冷凍保存をしなければならないとしたら、低開発国では、そのような設備はほとんどないから、購入したくてもできないというような状況も考えられる。

 ワクチン開発に成功したのは確かに僥倖だが、実際のデリバリーを行うには冷凍保管体制の整備が必要で、おいそれと一般国民が予防接種できる段階はまだまだ先だろう。
現在の第3波にはとても間に合いそうはないから、当面は今まで通り3密を避け、マスクをして感染予防に努めるしか手はなさそうだ。
 

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