(2.11.14) 人類衰亡史序説 トルコ その2 アゼルバイジャン大勝利に沸くトルコ・エルドアン大統領
アゼルバイジャンとアルメニアのナゴルノカラバクをめぐる紛争はアゼルバイジャンの一方的勝利で終結した。アルメニアは軍事同盟を結んでいたロシアに期待したがロシアは動かず、一方トルコの支援を受けたアゼルバイジャンはナゴルノカラバク自治州の首都を陥落させる寸前まで迫っていた。
アルメニアは完全に窮地に陥り、アゼルバイジャンの占領地域を承認する形で停戦合意を結ばざる得なかったが、このままみけばナゴルノカラバク全体をアゼルバイジャンに占領されそうだった。
ロシアがアルメニアとの同盟義務を果たさなかったのは、トルコとの直接対決を避けたかったからで、コロナと原油価格の低迷で崩壊寸前のロシア経済をこれ以上悪化させるとプーチン氏の退陣要求が出る可能性があったからだ。
ロシア軍は動かず、その結果アゼルバイジャンのナゴルノカラバクの占領地域はアゼルバイジャンの領土となり、アルメニアは領土を大幅に削られたままロシア主導の停戦を飲んだ。
最もアルメニア国内では暴動が発生しており、大本営発表でまさかアルメニアがめちゃめちゃに負けているとはつゆしらなかったアルメニア国民が、政府を糾弾して国会を占拠していた。
「なぜロシアは助けてくれない。こういう時のための軍事同盟じゃないか」アルメニア国民はロシアに裏切られたと絶望的な気持ちになっている。
このところトルコのエルドアン大統領はアメリカやロシアが国内問題で手いっぱいのスキをついて、トルコの栄光を取り戻そうと積極的に対外戦争に加担している。シリア、リビア、今回のアゼルバイジャン支援(実質的な軍事行動)はオスマントルコの栄光を取り戻すためのエルドアン氏の野望だ。かつてはアメリカ、ロシアが積極的に世界の紛争の仲裁を買って出ていたが、アメリカはトランプ政権になってからイスラム諸国の問題から手を引いているし、ロシアは国内経済の立て直しで手いっぱいだし、エルドアン氏の好き勝手を許している。
世界史の舞台は超大国の時代が終わり、地域覇権国家の台頭が著しい。中近東ではトルコがそして極東では中国が対外膨張主義を唱えており、アメリカ亡き後の世界は実の騒々しい社会になってきた。
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