(2.11.28) 人類衰亡史序説 世界 人類の繁栄がピークを過ぎ、衰退が始まった。
多くの人にとってこの事実を受け入れるのは苦痛だろうが、人類は種として明らかに衰退期にはいっている。その証拠は至る所にあり枚挙にいとまがないが、簡単に言えばダーウィンの法則が人類という種にも適用されているだけに過ぎない。
人類は17世紀以降未曽有の繁栄を遂げたが、その繁栄が種としての人類の衰亡を準備した。
増えすぎた種は自然淘汰の法則によって適正水準までその個体数を減らさなければならない。
日本という国は人類という種の実験場の最先端にいて、日本を分析すればこれからの人類の未来が透けて見える。
1990年以降GDPは完全に停滞し、さらに日本人という人口が21世紀に入り急激に減少している。世界から見ると日本だけが落ちこぼれているように見えたが、これは人類種の最先端を走っていたからで、ここにきて日本が特殊ではなく人類の未来であることが明らかになっている。
GDPに関していえば先進国の伸び率は低下していたが、2020年の突然のストップがコロナによってもたらされた。それ以前のストップは2008年のリーマンショックである。いづれの時も処方箋は無制限の通貨の供給でありそれによってリーマンショックは乗り越えられたが、今回も700兆円余りの通貨の供給を行っている。
その結果は実質経済の停滞と投機経済の繁栄であり、投機経済に従事する1%とその他の99%に人類は枝分かれし、99%が貧困にあえぐようになった。
アメリカでさえ約5000万人が無料の食料配達所に並んでいて、高級車で支援物質を受け取るという何ともちぐはぐな光景が映像で映し出されていた。このコロナは旅行業や飲食業や宿泊業に決定的な打撃を与えているが、こうした職業に従事している人はまじめな庶民であり。1%の裕福な投機家ではない。
さらにヨーロッパでのコロナによる災禍ははなはだしく、イギリス、フランス、イタリア、スペインといった国の経済が崩壊してしまった。
政府による支援が唯一のよりどころだが、支援が可能な実力がそれぞれの国家で異なり、イタリアとスペインはほとんど後がなくなっている。
今回のコロナウイルスでヨーロッパは死に体になった。
日本の衰退は文化・スポーツにも表れている。相撲が典型的な例だが横綱も大関も土俵に上がるのを嫌がり、理由をつけては休場を繰り返しているが相撲協会は適切な対応をできなくなった。国技といわれた相撲の惨状ははなはだしい。
似ているのがプロ野球でセリーグが弱体化し、巨人とソフトバンクの試合はまるでプロとアマチュアの差ほど大きくなっている。交流試合をするとセリーグは全くパリーグに歯が立たず、一部リーグがパリーグ、二部りーぎがセリーグに実質的になっている。
サッカーもこのところ川崎フロンターレの一人勝ちで、他チームの弱体化が進んでいる。
衰退とは経済だけでなく文化・スポーツを含むもので、さらに政治制度といった枠組みを含んでいる。アメリカのトランプ政権がいい例で民主主義体制の根幹をなしている選挙制度を全く認めず、ひたすら「票が盗まれた」喚き散らし、それをトランプ支持者が増幅している。
アメリカにおける民主主義は終わってしまった。
先進国においては実体経済が停滞し、ひたすら投機経済だけが繁栄し国民の99%は貧乏人になっている。人口は日本をはじめとしてヨーロッパ各国で停滞か減少しはじめ、今では韓国や中国も人口減少国の視野に入った。
どこを見ても人類がGDPを増やして繁栄した時代は終わりかろうじて1%の人々だけが富を謳歌している。産業革命からほぼ400年、人類の躍進の時代が終わっている。
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