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(2.10.18) 人類衰亡史序説 アメリカ その23  国の債務はだれも弁済しない!!

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 思わず笑ってしまうほどの数字がアメリカの財務省から発表された。2020年会計年度の財政赤字は日本円で350兆円規模になるという。
過去このような巨額な赤字を計上したことはなくあのリーマンショック時で150兆円規模だったから、その2.3倍の未曽有の赤字になる。
これは前年対比で約3倍であり、どのような計数と比較しても未曽有の赤字幅だ。これによってGDPに対するアメリカの赤字幅は100%を越えてしまい、日本の約200%にだんだん接近してきた。

 財政規律を重要視する学者や政治家からは、「このような莫大な借金は返済不能ではないか」と嘆き節が聞かれるが、じっさいは国の借金(通常は赤字国債の形になっている)がまともに返済されたためしはない。
それどころか赤字幅は毎年のように増加していって、この先どこまで拡大するのかわからないような状況になっている。
では一体どうするのか???

 国の借金(赤字国債)を整理する方法は一つしかない。戦後の日本が戦時国債で行ったように猛烈なインフレーションを起こして、借金の価値を無限に減少させるのがその方法だ。日本は戦後約500倍といわれるインフレーションを引き起こしその結果戦時国債の価値は500分の1に減少した。現在の日本の国債残高は約1000兆円だが同様の計算をするとそれを2兆円にしてから返済することになるから、この金額なら大したことはない。

 もう一つの方法は、返済は一切せず利息だけを支払って、未来永劫に借金を増やしていく方法である
なら国債の利回りが10%程度まで上昇したらどうするのだ。国家予算のほとんどが利息支払いに回ってしまうではないか
しかしその心配はアメリカのような基軸通貨国や経常収支が黒字国日本、ドイツ、中国等)は心配ない。国債利回りはたとえば日本の場合はほとんどゼロ%で、国債をいくら発行しても利回りは上昇しない。
国家は金を借りても利息も支払わなくて済むのだから、いくらでも国債を発行しようとする。

 今やアメリカだけでなく、日本もドイツも中国も思いっきり国の債務(赤字国債)を増やしていて、中国以外はほとんどゼロ%の金利しか払わず、場合によってはマイナス金利まで現れている。
これが21世紀の現実で、国家が国民の生活を守るためにひたすら赤字国債の発行(通貨の印刷)を実施し、だからといってインフレにはならず(投機財市場はひどいインフレとなり)、絶対に返済不可能な金額になってもだれも驚かなくなってしまった。
どうせ返済しないのだからいくらでも赤字国債を発行して通貨を膨張させよう」通貨当局者は黙っているが、それが本音だ。

 21世紀に入って消費財や投資財に対する投資がほとんど増加しなくなっている。追加投入された資金は株式や不動産やビットコインや絵画などといった、本来価値を算定することが困難なもので、それゆえ無限大にまで価値の増加を図ることができるものに資金は回るようになった。消費財や投資財に対しては減価償却の範囲内の投資しか行われなくなってしまっている。
通常の物やサービスは十分すぎるぐらいあって、これ以上の投資は不良在庫として積みあがるだけだから投資をしても無駄なのだ。

 したがって追加投入される資金はいわゆる投機市場に出回って投資市場や消費市場には回ってこないから、こうした市場でインフレが起こる心配はない。インフレは投機市場でのみ起こっており、株式や不動産の値上がり、またビットコインや印象派の絵画といった本来価値づけが困難な世界(したがっていくらになるかわからない)に資金は徘徊している。
だが一方でこの世界はゼロサム世界だから(誰かがもうかればその分だれかが損をする)利回りはほとんどゼロ%近くに張り付いてしまい、資金が新たに価値を生み出すことはなくなってしまった。
21世紀に入り資本主義社会はとうとう投機経済だけがGDPの増加に寄与する世界になってしまった。

 

 


 

 

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