(2.10.11) 人類衰亡史序説 北朝鮮 その11 ごめん、俺が悪かった。 金委員長謝る!!
10日に行われた朝鮮労働党創設75年の軍事パレードでの金委員長の演説は、全く独裁者らしからぬ内容だった。
「自分の努力や誠意が不足し人民が苦しい生活から抜け出せないでおり、心が痛い」などと実に殊勝な内容なのだ。
30分にわたって演説した内容のかなりの部分が人民に対するお詫びと自身の能力不足を嘆いたのだから、まことに異様な内容だ。
実際北朝鮮の経済状況は悲惨の一言に尽きる。もともと国連による経済制裁が科せられ、それを守らずに支援していた国は中国と韓国だったが、中国との国境はコロナが蔓延してからは閉じられ、当然貿易量も縮小し、1~8月までの中国との貿易量は7割も減少している。
裏に回ってこっそりと支援してくれていた中国とはコロナ対策で国境を閉鎖し、韓国とは連絡事務所を爆破したり、韓国人の漂流者を銃殺したりしたので、それでも北朝鮮に対する支援に積極的なのは文大統領一人になってしまった。
経済制裁、コロナの蔓延、そして大水害の発生とこのところの北朝鮮は踏んだり蹴ったりの状況になっている。
1990年後半の食糧危機で数百万人の餓死者を出したが、今回の3重苦はそれ以上であり、このまま進むと北朝鮮は再びが死者が累々と発生しそうだ。
金委員長は何回も現地視察を行って党の幹部を叱咤し続けているが、金委員長がいくら生産増加を叫んでも、食べ物がなくて生きるのがやっとの国民が金委員長の指令に従おうとしても腹がすきすぎて何もできないのが実体だ。
北朝鮮は完全な情報統制下にあるが、それでも中国との間を行き来している闇商人や、隠れたインターネット回線等を通じて北朝鮮が世界で最も貧しい国だということを国民も知悉している。
金委員長にはきのどくだが、北朝鮮経済はとうに崩壊しており金委員長の国民に寄り添うスピーチをいくらしても、腹の足しにはならないことは確かだ。
金委員長が期待したアメリカとの直接対話で、経済制裁の解除を依頼しても、アメリカの本音は北朝鮮の自然死だからはかばかしく進まない。一方中国には多大な支援に対する恩義があるはずだが、コロナ対策で一方的に門戸をとだしてしまったので、今更開けてくれとは言えない立場だ。
また経済制裁の唯一の公式な抜け穴だったケソン工場団地の連絡事務所は、6月の爆破してしまったし、これではいくらポチの文大統領でも北朝鮮に援助物資を送ることができなくなっている。
もはや国民を叱咤激励する以外対処のしようがないので、今回の謝罪演説になったのだろう。
一般論としては独裁者がその非を認め謝罪をすればすぐさま独裁権力が崩壊するのだが、北朝鮮は例外らしい。相変わらず金委員長の下で結束しようと国営メディアは金切り声を上げている。当面北朝鮮は苦難の行軍パートⅡをすることになりそうだ。
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