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(2.8.2) 人類衰亡史序説 アメリカ・中国との激突 その2  TikTokをアメリカから排除せよ!!

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 私のように普段パソコンしか使用しない者にとって、TikTokといわれても最初何のことかさっぱりわからなかった。
アメリカがファーウェイに続いてその使用を禁止しようとしている動画アプリということはわかったが、「動画アプリならYouTubeがあるのに、なんでTikTokなんだ?
調べてみるとTikTokの動画は15秒間が限度で、またAIを搭載していて視聴者の好みに合わせて動画を配信してくれるのがミソらしいことがわかった。さらに交友関係や位置情報もわかるという。現在アメリカのユーザは6500万人程度だそうだ。

 トランプ政権はこの動画アプリを中国企業のバイトダンス社が配信していることを危惧し、安全保障上の危惧があるので禁止措置をとる予定だという。
バイトダンスは企業価値15兆円ユニコーン未上場企業で資産価値が1兆円以上の企業)というから驚いてしまったが、アメリカ政府としたら安全保障上の危惧よりもアメリカの企業Facebook,Google,YouTube)が中国で締め出しを食っており、一方中国企業がアメリカで大手を振って企業活動をしていることに対し公平性を求めたというのが実際だろう。

 中国では中国共産党の意向を斟酌しない限り企業活動を認めないが、アメリカ等の自由主義圏ではそうした制約がないから、中国企業は自国で習近平体制に忠誠を誓い、外国では自由に企業活動をして世界市場を席巻することができる。
ファーウェイもそうした企業で、こちらは明白にファーウェイのサーバーを通過するデータを中国共産党のサイバー部隊が分析しているが、TikTokの場合はたわいもない動画が多く実質的な安全保障上の問題は少ない。

 ただしTikTok に反社会的な動画を掲載しそれがアメリカ政府の高官だということになると、中国の格好の餌食になることは目に見えており、アメリカ軍内部ではこの動画の使用をすでに禁止している。
またこの6月にインド政府は中国との国境紛争で多数の死者が出た後、中国のアプリの利用を制限する措置を実施しており、日本でも中国アプリ(WiChat,Weibo等)を禁止する検討に入った。

 私のようにスマートフォンを使用していない者にとっては、「だから何なの?」という感じだが、中国人は私たちが普通に使用しているGoogleやYouTubeやFacebookを禁止されており、WiChatやWeibouを使用して情報交換しているので、中国企業や中国人との意思疎通はアメリカ系のアプリではできない。
世界はすでに中国系アプリとアメリカ系アプリに二分されており、アプリの世界でも米中競争が行われている。
日本人であればアメリカ系アプリを自由に使えるので、あえて中国系アプリを使用する必要はないが、意外にもTikTokはかなり普及しているのだそうだ。

 中国のIT部門への進出は驚くばかりで、しかもそのデータを中国共産党が常時チェックしているので、このままいくとITの世界は中国の支配下に置かれてしまう危険性は確かにある。アメリカがやや神経質と思われるほど中国企業およびそのアプリの締め出しをすることは理由のないことではない。

 

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評論 人類衰亡史序説 アメリカ・中国激突」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。いつも拝見しております。

Tick Tockの脅威はスマホ内のデータが全て中国に筒抜けになる事です。
電話帳に登録した友人の電話番号や通話履歴、更には持ち主の位置データーまで。
メールのやり取りや内容までも。

禁止するのは当然の事です。

投稿: ポテ珍3号 | 2020年8月 3日 (月) 09時28分

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