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(2.6.3)  人類衰亡史序説 インド その2 経済再開こそ命

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 インドでは3月から全国封鎖が続いていたが、ここにきて徐々に経済再開に舵を切っている。認められたのは商店や宗教施設の再開だが、まだ学校は再開されていない。インド政府は小学校の教育をテレ学習に頼っているが、多くの農村部はインターネット回線等が未整備でもっぱらテレビによる教育になっている。日本のNHKの教育放送と同じだが、インドのニュースを見ていたら小学生の少女がテレビによるテレ教育が受けられないと悲観して自殺をしてしまったと報道していた。
この家にもテレビはあったのだが、壊れて何も見えないのだという。
日本ではテレビは消耗品で壊れればすぐ買い変えてしまうが、インドの農村ではそうした資金はなく一度テレビが故障すると修理もままならないらしい。

 この3月からインドでは全土のロックダウンを実施し、国外航空路の閉鎖は当然で国内航空路も鉄道もバスも一切動かなくなってしまい、都市に出稼ぎに来ていた農民は失業状態になって、故郷目指して徒歩で帰郷していた。
ニュースを見ていると電車がストップしている鉄道線路の上をかなりの団体でとぼとぼと故郷を目指している農民が写っていたが、「金はまったくない」と悲しげに肩をすくめていた。

 インド経済は19年度からリセッションに入っていた。インフラ投資を民間資金、特にノンバンクを通じて調達していて、回収がままならない建設会社が次々に倒産し、貸出していた大手ノンバンクも倒産したため一気に金融がしまってしまった。

インドは道路や橋や工場用地や上下水道といったインフラ部分が未整備で、それを民間資金を導入して建設していたが、もともとインフラ部分は資金の回収がほとんど不可能な案件だから、引き受けた建設業者が倒産するのは当然だ。

 そこに今年に入ってコロナが襲ってきた。モディ政権は慌てて全土のロックダウンを実施したのだが、もともと日銭で生活している労働者がほし上がってしまった。
俺たちはコロナで死んでも飢えて死んでも同じだから経済を再開してくれ」貧しい労働者が暴動を起こしたので、モディ政権は慌てて経済再開に舵を切った。

 インドの感染者数は21万人で死亡者は6千人、致死率は2.81%と平均の致死率5.96%の約半分だ。コロナはだれにでも感染するが、その中で重症になるのは年寄りで基礎疾患(特に肺と心臓)があり、体形が肥満と決まっているが、インドの労働者はがりがりに痩せていて若者だらけだから感染しても重症になる人は少ない。
健康な若者や少年は感染しても軽い症状が出るか全く無症状で済んでしまう。

 もともとインドのような貧しい国家は経済を無視してロックダウンなどできるはずもなく、ブラジルやスウェーデンがそうしているように集団感染を許して国民の6割が免疫を持てばそれでコロナ対策は終了という手段しか残されていない。モディ政権は自国の実情を正しく分析せずに慌てて全国のロックダウンを実施したが、今度は失業率が20%に跳ね上がり経済問題が先鋭化してしまった。
ロックダウンなどという政策はあまりにバランスがかけた愚かな政策だったと、少なくともインドではいえそうだ。

 

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