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(2.6.27) 人類衰亡史序説 日本 その24   リニア新幹線は本当に必要か?

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 昨日リニア新幹線の静岡工区の工事に関し、静岡県の川勝知事とJR東海の金子社長とのトップ会談が開催された。
JR東海としては2027年に開業するためにはすぐにでも静岡工区のトンネル開削工事に取り掛からねばならないので、工事に反対している川勝知事の了解を得ようとしたものだ。
静岡県が反対している理由はトンネル工事に伴い多量の地下水が失われ、大井川に流れ込む水量が減少してしまいこの水を生活用水に使用している60万住民の生活に支障が出る可能性が高いというものだ。

 会談は物別れに終わり、結果的に2027年の開業を延期せざる得ない状況になっている。
金子社長は建設にまっしぐらだが果たして本当にリニア新幹線を新たに建設する必要性があるのだろうか。
特にコロナ対策で自宅待機を余儀なくされ、他県をまたがる移動が禁止されていたころは現在の新幹線は一車両に一人か二人しか乗客はいなかった。
問題は今後コロナが収束した後新たにリニア新幹線を建設しなければならないほど、新規需要が増加するかどうかだ。

 確かに東海道新幹線の乗客数は毎年2%前後増加してきたが、これはコロナ禍が発生する前までの数字に過ぎない。
今後とも増加するかはかなり怪しい理由がいくつもある。
最大の理由は、コロナ後の新生活では出来うる限りテレワークを利用し、会議のための出張はやめてテレビ会議に移行させるというものだから、業務用需要は低減することが予想されることだ。
一方旅行需要はコロナ騒ぎが収まれば回復が期待できるが、日本人の旅行者は次第に減少していく。理由は少子高齢化で日本人の人口が低減するからで、人口が少なくなりかつ老人比率が減れば旅行者は必然的に減少する。北海道のJRを見ていれば明白だ。

 残りは海外からの旅行者だが、今後とも旅行客が増える保証はない。簡単に言えばコロナのような感染症が定期的に発生し、そのたびにロックダウンが繰り返されとても海外からの需要が一本調子に増加するような状況にない。
ましてリニア新幹線の90%はトンネルで、観光客が楽しむ車窓からの景色などどこを探してもないし、コンクリートの壁を見ていても面白いものではない。
フジヤマが見られないなら、今までの新幹線のほうがいいわ」観光客にとってリニア新幹線は全く魅力がない。

 ビジネス需要は傾向的に逓減し、日本人の観光客は減少し、海外からの観光客にとって景色が見られないリニアは魅力がないとしたら、いったい何のためにリニア新幹線を開業しなければならないかと不思議な気がする。
需要が見こめないなら、開業が2027年以降になることは幸いで、いったん頭を冷やして考え直すのが賢明というものだ。
 

 

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評論 人類衰亡史 日本」カテゴリの記事

コメント

川勝知事はJR東海からゴネ得で何かを得ようとしていますね
賄賂がほしいのかもw
水自体は余っていて隣の山梨県に売却するほどですよw
利用者は減少傾向で車窓も楽しめないリニアは一度中止にした方がいいですね

投稿: いか | 2020年7月 2日 (木) 20時25分

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