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(2.6.10)  人類衰亡史序説 中国 その 13   香港エクソダス

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 中国全人代で香港の一国二制度を完全に無視した国家安全法を制定したことで、香港人のエクソダスが始まっている。国家安全法の趣旨は香港の小うるさい学生をかたっぱしから逮捕し、中国本土に連れて行って中国の法律で刑務所送りにすることを目的に制定されているので、民主化を求める学生や知識人がパニックになってしまった。

特に問題なのは理由も不明確なまま逮捕されて資産を差し押さえられることで、多くの民主派知識人、民主派にちかい財界人は今まで懸命に蓄えてきた資産が一挙になくなってしまう。

大変だ。今のうちに資産を海外に移そう」シンガポールやロンドンといった自由と法が支配している金融市場に向かって人のエクソダスの前に資産のエクソダスが始まっている。シンガポールの金融当局の発表では20年4月の非居住者預金が44%増加したが、ほとんどが香港からの資金だと推定されている。
また人の移動も顕著になっており、香港から台湾への移住者は昨年5858人だったが、今年は昨年の倍のスピードで増えており最終的には1万人程度になりそうだ。

 かつて香港が中国に返還された時もエクソダスが発生しており、その時は90年から94年の間に推定で30万人が香港を脱出している。当時中国は鄧小平が実権をにぎっており、「白い猫でも黒い猫でもネズミを捕る猫がいい猫だ」といういたって功利主義的なスタンスだったから、予想に反し一国二制度もよく守られていた。しかし習近平は鄧小平とは違う。「ネズミを捕っても黒い猫は悪い猫で香港でかっておくわけにはいかない」と強権を発動することにした。
一国二制度などくそくらえだ!!!中国共産党がすべてを仕切る!!」喚き散らしている。

 香港にはアメリカの企業約1300社が進出しており、香港在住のアメリカ人は約8.5万人だ。

香港経由で中国との取引をしているのだが、なぜ香港かといえば香港が法治国家だったからだ。しかしここに中国共産党がじかに乗り出して来れば、法治より人治、簡単に言えばわいろの世界になってしまい商慣習などあったものではない。

こりゃだめだ。香港を撤収しよう」アメリカ企業の約30%、人の約40%が香港に見切りをつけ始めた。

 香港は香港ドルがアメリカドルにペッグしていたことから、香港ドルと中国元を一定の比率で交換することで間接的に中国元がアメリカドルにペッグされていたことになっていた。だが香港から企業も人も資金も逃げ出せば香港ドルのペッグ制が崩壊してしまう。

うるさい。香港などもはや大中国は必要としない。海南島に自由貿易圏を設立し、中国元を中心にした元資金体制を構築する」習近平氏は香港を捨て海南島を第二の香港にするつもりだが、そもそも法秩序もなくひたすらわいろだけで運営する海南島自由貿易圏が世界の投資家の眼鏡にかなうとはとても思われない。


 中国経済は実質的に黄昏に入っており国家統計局だけがはしゃいでいる。習近平氏は自由な市場を理解できない。すべてを中国共産党の強権で処理するつもりだ。だが香港の自由な金融市場を圧殺してしまえば中国はどこで人民元をアメリカドルと交換できるのだろうか。金融と自由市場を知っている香港人が香港からエクソダスするのは当然だ。


 

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