(2.6.22) 人類衰亡史序説 中国 その 14 権力闘争激化 露店経済など認めん!!
政権末期になってくるとどこでもNO1とNO2の確執が表面化するものだが、中国では習近平主席と李克強首相との間で権力闘争が激化している。中国経済はコロナ発生により第一四半期は大きく落ち込んだが、第二四半期はV字回復を演出したい習主席と実体経済を任されて苦吟している李首相が露天商経済で激突した。
李首相によると現在の失業問題を解決するには露店商を復活させて少しでも失業者を減らしたいのだが、習主席は「そのような露天商経済が世界にばれると中国のメンツが失われるので絶対にみとめられない」とかみついた。
「ならどうしようということですか」
「我が国には国家統計局がある。統計局に命じてV字回復が達成されたと公表せよ」
「いくら数字を取り繕っても、我が国の経済は回復しません」
「お前はあほか、中国のメンツ問題だぞ。メンツのためには実態などどうでもいい」
中国の主席と首相の役割分担は主席が外交と安全保障、首相が経済だが習主席は今まで何度も経済政策に口出しし、中国経済がのぼり龍であることを演出させてきた。ここ数年はほとんど経済成長はストップしているにもかかわらず、相変わらず6%以上の成長を国家統計局に命じて発表させている。
またコロナ対策では習氏が武漢でウイルス終息宣言を出したとたんに新規感染者数も死亡者も消えてしまったが、武漢当局が「習主席のメンツをつぶすわけにはいかない。感染者はすべてインフルエンザにし、死亡者は基礎疾患だけを記入せよ」と命じたからだ。
李首相はいたって正直でかつ現実的な性格で、かつて「自分はGDPの発表数字など全く信用していない」などと公言していたくらいで、今回の露天商経済も失業率の増大に対処しきれなくなって露天商を認めようということだ。
しかし習主席はメンツだけがすべてで、失業率の増大より首都北京の瀟洒な街並みで露天商のような旧中国を彷彿とさせる貧困そのもののイメージを発信したくない。
だが李首相はさらに正直な数字を発表してしまった。中国の人民で年収が3万元(45万円)未満の人民が約6億人いて、習主席が目標にした「2020年には全国民に義務教育と医療と住宅を提供する」という目標は到底達成できず、この6億人はまともな住居がないという。
「李克強のやろう、俺の顔に泥を塗りやがって・・・・・・」
怒り心頭だが、中国経済を国家統計局の努力だけで維持する方策は限界が来たようだ。
ひたすらメンツを求める習氏と現実に目を向けようとする李克強氏の戦いは、ちょうどソビエト政権末期の保守派と改革派ゴルバチョフ氏との戦いに相似形だ。
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